極め付き!サウナに長く入りたい!
サウナイキタイアドベントカレンダー 10日目の記事です。
この記事を書こうと思った切っ掛けはサウナ話ではよく聞かれる質問。
「どれくらいサウナに入るんですか?」
私はこの質問に即座に答えられませんでした。「自分はどれだけサウナに入っているんだろう?」振り返ると、一番長く入ったのは
確か1時間半くらい。
えっ!?と思われるけど事実。もちろんこの時間にはカラクリがあります。
私はサウナブーム以前からお風呂屋さん巡りが好きで、サウナもお風呂の一環として楽しんでいました。でも、「どの様にサウナに入る」とか「入室時間」にこれといった情報は無く、誰もが自己流サウナ入浴法で楽しんでいたように思います。
十数年前、当時の会社上司は私と同じお風呂好きで、サウナ話が出てきた時に、「サウナはこだわりあるぞ!最低3セット入るんや!」とか「最初は12分以上、そっから少しずつ短くしていくんや」「水風呂は潜るのが最高なんや!」などなど、上司こだわりサウナ入浴法を話してくれたのは今でも印象に残っています。
サウナブームあったからこそ私も水風呂に入れるようになったけど、それまでは水風呂がとても苦手でほぼ入れませんでした。なのでサウナ後は水風呂には入らず、かけ湯やかけ水で汗を流して、外のベンチでゆっくりクールダウン。少しずつ熱が下がっていく感覚が心地よかった。時間も特に気にせず、無理と思ったらすぐに退室。それが昔の私のサウナ入浴法でした。
でもそんな当時でもサウナには本来こう入るという指針がありました。それを知った場所が、他ならぬサウナ室内です。
サウナ案内板
新しいサウナ室内に無くて、歴史あるサウナ室内にあるもの
それは「サウナの利用方法」をまとめた「案内板」です。最近のサウナ施設で見かけることがあまり無く、平成中期くらいまでに作られた歴史あるサウナ施設に多く掲示されています。サウナ室内という限られた環境の中、結構目立つのがこの「案内板」です。実物を見てみましょう。
こちらはサウナメーカーのメトスさんの旧社名「中山産業」時代の案内板です。今でも多くのサウナ施設に提示されており、見かけた事がある方も多いのではないでしょうか。
仕事を、人生を愉しむ男は強く、バイタリティーに富み、女性はいつまでも美しくありたいもの。
と、冒頭文は現代の感覚とはかけ離れていますが、サウナで得られる効果と効果的な入浴法もしっかり記載されています。
1. 身体をきれいに洗って、よく拭いてからサウナ室に入る
2. 80℃〜90℃で体質に応じて6分〜12分、最後の1分〜2分は温度の低い所で座る。
3. サウナ室を出たらよく身体を冷まして、水を足から腕へ、足から胴へ浴びてから水風呂に入る。
4. 以上を2〜3回繰り返すと一層効果的。
5. ビタミンCの補充をする。
他の「案内板」も見ていきましょう。
北陸エリアで多く見かけるアザラシ絵でおなじみの「日本システム産業」さん施工の「案内板」です。「冷凍サウナ」の施工をされていた関係で水風呂には触れられてないですが、全体的にシンプルで分かりやすい案内板です。
比較的歴史の長いサウナ施設や銭湯で見かけた案内板です。「ルール」とありますが、項目とイラストで簡潔にまとめられており分かりやすいです。
サウナのトップメーカーの「サニーペット北陸」さんの案内板です。サウナがもたらす「健康」「美容」「医療」の効果、サウナ入浴方法や注意事項がまとめられ、内容が充実しています。
十数年前に「ゆっくり読みたいから撮らせてほしい」とある施設で撮影させていただいた1枚。この記事を書くまで気付かなかったのですが、数々のサウナ施設をプロデュースをされているサウナ王の太田さんのサウナ入浴法をまとめた「案内板」です。詳細で具体的にまとめられており、サウナ愛を感じます。
東海地区の銭湯サウナで見かけるサンケイトレーディングさんの「案内板」です。フィンランドサウナの歴史や入浴法、注意事項などが1枚にまとめられています。また北欧にちなんだ可愛いヴァイキングキャラが印象的。「ガス式遠赤外線サウナヒーター」発祥当時のサウナメーカーさんなので、遠赤ヒーターの特徴や説明も具体的です。
内容は個々によって多少異なりますが、まとめてみると
・サウナ滞在時間は平均6〜12分くらい。
・繰り返し入る。
・冷水浴、かけ水は行う順序がある。
・「効果」や「効能」が載っている。
といった共通点があります。
「案内板」から得られるサウナ入浴法としては、高温サウナと水風呂、休憩を交互に繰り返す「温冷交代浴」が該当します。
「案内板」で記載されているサウナ入浴で得られる「効果」や「効能」は、言うまでもなく医療や治療行為ではありません。現代のサウナ施工会社さんがこういった「案内板」を掲げなくなったのは、大人の事情もあるのかもしれません。
代わりにサウナブームにより利用者が増えた現代のサウナ室内には、モラルやエチケットを守る為のルールや注意喚起を述べた「案内板」やPOPが増えました。かつての様な充実した一枚物の「案内板」が新しいサウナで展開されなくなったのは勿体無いとも感じます。
サウナに入る目的を考えてみる
そもそもサウナに入る目的は何でしょうか?
かつての私だと、お風呂好きの流れでサウナも利用していたので、目的なんてありませんでした。振り返ると、熱いサウナから日常の空間に出た瞬間に得られる「解放感」と、熱さに耐えた何らかの「達成感」。それが心地よく、ストレス解消やリフレッシュが目的になっていたと思います。
サウナブーム以降は選択肢が格段に増えたことにより、私の目的は次第に「気になるサウナに入りたい」に変わり、その「探究心」や「好奇心」から得られる「達成感」に変わりました。
特に遠方に行くとサウナの訪問軒数が増えてしまい、結果「達成感」以上に「疲労感」が増してしまいました。要するに「サウナイキスギ病」です。この原因は言うまでも無く「イキスギ」なんですが、サウナを利用する際の入浴法「温冷交代浴」にも原因があるのではと考えました。
「ととのい」を求めるあまり、「サウナを楽しむ為にはこの入浴方法でないといけない」と無理をしていたのでしょう。サウナに限ったことではないのですが、適度ってやっぱ大事。やりすぎたら悪影響が出るのは当然です。
サウナが好きなはずなのに、サウナ疲れを感じていた中、ホームサウナでよくお会いするテレビ好きのおじいちゃんの入浴法に学びを得ました。まともにお話をした事は無いけど、ずっと意識してきたサウナの主的なおじいちゃんです。
そのおじいちゃんが座るのは必ず、テレビ前の最下段。毎度の特等席です。しかも入ったら長いんです。前述の「案内板」にあったサウナ入浴法の6分〜12分どころではありません。
20分は入ってます!
それに水風呂に入るのは最終セットだけの様で、サウナを出たらかけ湯して露天にあるテレビの前の席でゆっくりクールダウンしてます。それをひたすら繰り返されてました。多分おじいちゃんはテレビを観たいだけなのでしょうが、私はこのおじいちゃんを通じて、見失っていた私自身の「自己流サウナ入浴法」を思い出しました。
冒頭でも述べましたが、昔の私は水風呂が苦手でした。なのでサウナ後は水風呂に入らず、長い休憩でゆっくり冷ましていました。その「自己流」が私自身にマッチしており、身体に負担が少ないので、本能からの行動だったのでしょう。
サウナを楽しむ為には「サウナ→水風呂→休憩」でないといけない
この固定観念から、無理をして苦手な水風呂に何度もチャレンジしたり、「ととのい」を得ようと外気浴で椅子に座っていた私。そのお陰で少しは水風呂に入れるようになりましたので、良い面もありますが、改めてサウナ入浴法について考えるようになりました。
サウナ入浴法と時間
私はこれまでお風呂好きが高じて様々なお風呂関連資格を得てきました。そのひとつが日本サウナ・スパ協会さんの「サウナ・スパ健康アドバイザー」です。テキストの「サウナ・スパ健康法」項目の入浴法に「温冷交代浴」が大きく掲載されていますが、他にも様々な入浴法があります。
前述の「おじいちゃん入浴法」は「低温浴」と「くりかえし浴」に近く、私の昔の「自己流サウナ入浴法」も「くりかえし浴」に近いです。
また、日本健康開発財団さんの「温泉入浴指導員」という資格で入浴時間を学んだ際には、サウナではありませんが、「額に汗が出始めた時」が湯上がり時と知りました。それ以上は身体の負担に繋がるそうです。
サウナだとすぐに汗が出ますね。額の汗を退室時間の目安とするなら、何分が適当なんだろう。先程の図のサウナ入浴法によると90℃の高温だと8分程度、70℃の低温だと15〜20分程度とありますが、温度は目安でしかないですし、サウナの環境によっても体感温度はかなり変わります。
私は専門家でも医療関係者でもありませんが、様々な視点や観点で考えてみると、サウナ入浴時間は以下のプロセスで割り出せるのではないかと考えました。
サウナが熱ければ時間は短くなり、温度が低ければ長くなる傾向があります。また、自身の体調やセット数によっても身体のコンディションが変化します。さらにサウナ室内にある付加要素により、時間が長くなったり短くなったりします。
適度な利用が大前提ではありますが、身体への負担を少なくサウナを楽しむには以下の項目が大事だと考えました。
・自分自身に適したサウナ、場所に座る。
・自分自身のコンディションと相談する。
・水分補給、ミネラル補給のビフォーアフターは特に重要。
・自分が心地よいと感じる休憩方法と時間。
結局は自分に合った「自己流サウナ入浴法」を極めていく事が大切なのではないでしょうか。
熱いサウナ=良いサウナ!?
そもそもサウナって熱くないとダメなのでしょうか?サウナイキタイのサ活を読むと、「⚪︎⚪︎のサウナは熱くて最高!」「ここは120℃設定でメリハリがある」など、熱いサウナ=良いサウナという内容を見受けます。この記事を書いている私も、熱いサウナは好きです。
でもとあるサウナ施設での出来事が、熱いサウナが必ずしも良いサウナなのか?と考えるきっかけになりました。
そのサウナ施設を私が訪れたのは、深夜営業を始めた初日の閉店間際。サウナに入ると温度が以前より低めでした。「先ほどまで大勢いたから、セルフロウリュや開閉とかで下がったのかな?」と思ったのですが、入る度にサウナ室内の温度が下がっていきます。
閉店間際だから「サウナヒーターの電源落としたんだ」と理解しました。「対流式」サウナは、電源を落としてもストーンの余熱もあり室内の空気も温まっている為、温度低下が緩やかです。私自身、温泉施設での勤務経験があり、働いていた時には光熱費対策で営業終了30〜45分前くらいにサウナ電源を落としていたのです。
でもそのサウナの温度低下は本当に緩やかで心地よく、湿度もしっかりあり、いつもより長くサウナに入る事ができて、逆に私は大満足でした。
スタッフの方にこの件を伺ったらビックリされ、なんと責任者の方から「サウナ屋なのにサウナがぬるいなんてありえません。これでお代は頂けませんので結構です」と、想定外の謝罪を受ける事態に。どうも初の深夜営業だったのでタイマーの設定変更を忘れてしまい、通常営業の時間で電源が落ちるという意図せぬ状況だったようです。
届けたいサービスが提供できなかった故の謝罪だったのでしょうが、私からすれば不満どころか大満足だったのにお代を払えなかったという点も含め、とても衝撃的な出来事でした。
熱いサウナはメリハリがあり、リフレッシュ感も得られやすいので良いものだと思われがちです。しかしサウナは同じサウナがひとつも無いくらい千差万別なので、熱くなくても良いサウナはあります。
サウナを楽しむ為にはこの入浴方法でないといけないと思い込んでしまった私は、熱いサウナばかり好んでいましたが、「自己流サウナ入浴法」を振り返ることで、原点を思い出します。
ジワジワ系サウナを極める!
冒頭でサウナに入った最長時間が「1時間半くらい」と述べましたが、そのサウナは「美輝の里 スパー美輝」さんのかま風呂です。
単純に寝ちゃいました。かま風呂とは日本古代のサウナの一種で、施設にもよりますが40℃くらいの熱さで床もほどよい空間。長く入れたカラクリは低温だからで、まるで「ジワジワ」と温まる布団に入っている様な心地良さなのです。
この様なサウナを私は「ジワジワ系サウナ」と呼んでます。主に温度設定が低い低温サウナで、緩やかに温まりながら発汗を伴うので、身体の負担も少なくリラックスできます。
熱いだけがサウナじゃ無いですよね。「ジワジワ系サウナ」でリラックスを極めてみたい。熱いサウナでの「温冷交代浴」に疲れちゃった私が最近楽しんでいるサウナ入浴法です。
「美輝の里」さんが素晴らしいのは、下呂市馬瀬地区という標高が高い山奥にある為、もう大自然の中。
豪雪地帯なので冬季はしっかりと積雪し、自然を感じながらの外気浴ができます。メリハリある高温ドライサウナもありますが、箱蒸し風呂やミストサウナなど低温サウナが数多く揃っており、年季は感じますが「ジワジワ系サウナ」を極められる希少な一軒です。
そんな低温サウナには、かま風呂以外にも湿式サウナであるスチームサウナやミストサウナがあります。比較的緩やかに温める事ができる「ジワジワ系サウナ」の代表格です。
湿式サウナの大半は、水蒸気を噴出して部屋を温める仕組みです。乾式サウナは90℃と熱いですが、湿式サウナは40〜50℃と低温。これは高温の水蒸気を噴出したら火傷してしまう為です。
湿式サウナは水蒸気が天井に熱気が集まってから少しずつ降りてくる「対流式」です。
ところがその蒸気は最初は熱くても座席側に降りる頃にはぬるくなります。湿式サウナに入った時に座席や足元が寒くて、はずれだと感じることがあるのですが、この原因は温め方によるものです。逆に噴出量が多いと温度を保てますが、視界不良や火傷など、事故の原因にもなります。構造上、噴出量や温度の設定が非常に難しいサウナです。
足元側からのスチーム噴出や、エロフィンヒーターなど放熱管での保温、攪拌できる送風機の設置、足湯や座湯などの組み合わせによって、足元が冷えないよう工夫している湿式サウナもありますが、寒暖差ある湿式サウナに出会ってしまった場合は、冷えている床に足をつけないよう体育座りやあぐらの体勢になることで全身を温めることができます。
【座る場所を極める】
サウナが複数ある施設なら選択肢がありますが、大半の施設は高温サウナがひとつだけ。高温サウナで「ジワジワ系」を極めたいなら、ポイントは座る場所です。
言うまでもなくサウナは上段が高温で下段が低温です。構造やスペックにもよりますが、対流式のタワーサウナだと高低差による温度差が20℃にものぼることもあります。なのでサウナに長く入りたいなら、温度が低い最下段に座るのがポイント。
また座る位置にも注意が必要で、囲い柵からの輻射熱や直接的に熱を浴びてしまうヒーター前は避けます。対流式の場合、ヒーターの上に吊るされている反熱板(遮熱板)の角度により、最下段でも対流熱が届きやすいエリアがあるので注意が必要です。
さらにおすすめしたい席が扉付近です。出入りによる開閉で空気が入れ替わり、呼吸が楽になり長く入れます。扉付近の座席は温度がぬるくなりやすいのと、人の出入りが気になるため、不人気だと思われがちですが、長く入りたい「ジワジワ系」愛好家からすれば、癒しの風。ただ、風除室のあるサウナではぬるくなりづらいです。
もうひとつの狙い目が換気口付近の席。サウナ室内は自然換気を行っているので、上下に換気口があります。大半はシャッター式の構造で開いてますので、他の座席より空気の流れがあり呼吸が楽になります。
【遠赤外線サウナならではのジワジワを極める】
「遠赤外線サウナ」はヒーターからの輻射熱で身体が温まり発汗を促します。対流式とは異なり空気を温めにくい仕組みなので、呼吸が楽という特徴があります。また温度設定が低くても効率よく身体を温めるので「ジワジワ系サウナ」に適しています。
中低温設定の遠赤サウナであれば最強の「ジワジワ系サウナ」になりますが、大半は高温設定なのでヒーターが燃焼(加熱)し続け、人体だけでなくサウナ室内にあるものも温める為、室内全体が熱くなります。また遠赤外線は水分吸収が高く有効な為、湿度感が低くなりカラカラです。逆に湿度対策・・・って深掘りはやめておきます。
高温な遠赤サウナで「ジワジワ系サウナ」を極めるポイントが座る場所と受ける部位です。遠赤外線のサウナヒーターは「放射型」といわれており指向性があります。なので遠赤サウナでジワジワ温まるなら、ベストポジションはヒーターから放射される輻射熱を受けにくい席です。
また、遠赤外線は正面から浴びた部位が一番温まります。ヒーターとの正対して座ると身体の前側が温まる一方、背中側が温まりにくいです。なので温まってきたと思ったら身体の向きを変えてみるのもひとつの手段。
ただ遠赤サウナの多くは、放射熱をしっかり受けられる構造に設計されています。面積が広いサウナでダブルヒーターになっていたり、高出力タイプの巨大なヒーターが目立つのもその為です。なので、放射熱を受けられない座席がある遠赤サウナは希少です。
この他、塩サウナも低めの温度設定かつ、塩を洗い流す水が備わっていることが多いので湿度が高く、「ジワジワ系サウナ」の傾向があります。
付加要素でサウナ時間が長くなる!?
何かに集中したり夢中になると我を忘れる状態を「フロー体験」というそうです。ゲームでの集中、小説や漫画の一気読み、友達とおしゃべりで思わぬ時間の経過など、誰にでも起こり得る現象なので、サウナの中でこの状態になれば熱くても長く入浴できそうです。
そこで「付加要素」と思われる事例をカテゴリー別にまとめました。
【1:会話を極める!?】
「東京の山手線でおしゃべりしていたら一周(約1時間)してしまった。」なんて話を聞きました。会話による時間経過はあっという間です。
銭湯サウナに入ったら室内で井戸端会議中!話かけられ、政治の話から時事ネタ、最後は病気の話など、気がついたら30分くらいは滞在していたことが何度かあります。最後はもう「蒸しだこ」状態でした・・・。
昨今のサウナは黙浴を良しとする傾向がありますが、元々サウナは「社交場」だった思います。サウナブームの火付け役のドラマ「サ道」でも、コロナ前に作られたシーズン1では、サウナ室内で会話するシーンが沢山あります。
サウナ室内がコミュニケーションに適した場である理由をご紹介しましょう。
【座席構成】
サウナの多くは横に並んで座り、高低差で対面になりにくい環境です。向かい合って会話するより相手の表情や仕草が見えづらい状態なので、かえって気軽に話せるのかもしれません。山手線一周おしゃべりもロングシートや立ちなので、似た配置だといえます。
【裸一貫】
誰もが裸一貫の為、とてもフラットな状態です。岩盤浴もポンチョや岩盤浴着など揃いの薄着なので、同様の効果が得られていると思われます。
【防音性】
サウナ室内は高温なので断熱性に優れた構造です。副産物的に壁の厚さによる防音効果も得られる為、会話が聞き取りやすくなります。また室内にテレビがあると共通の話題が生まれ、会話が弾む事もあります。
もちろん話していた相手がサウナから退室して会話が終了したり、会話相手に合わせてまだサウナにいたいのにと思いつつも退出するなど、自分の状態に反する行動を取ることもあるでしょう。
何より会話を「禁止」している施設は多数あります。サウナブーム以降、静かに楽しんでリラックスしたいというニーズや、飛沫感染防止措置などを受けて「禁止」になった施設も多いです。禁止されていない施設でも「会話」を望まない方もいらっしゃいます。公共性の高いサウナでの「会話」はやはり謹むのがベターです。
しかし、サウナは常連の皆さんによって作られるという側面もあり、複数人で話すことでより長時間入れる可能性を秘めています。
前述の井戸端会議もその場にいるサウナ利用者を巻き込んで、誰もが会話しやすい時事や政治、ローカルな話題が中心に盛り上がりました。サウナや温泉など興味が抱きやすい内容や、サウナハットを被っていただけでそのサウナハットの話になった事もあります。
会話を禁止していないサウナで全員を巻き込むなら「会話」は問題無い様にも感じますが、話題には注意したいもの。「会話している自分達だけしか楽しめない、分からない」内容や不快感を与える内容は、やはり公共性の高いサウナでは自粛するべきでしょう。
【2:音楽を極める!?】
音楽を聴いているとノリノリで歌ってしまったり時間を忘れる事もあります。「音楽の力」は無限大で、心身に影響を及ぼします。特に壁が厚いサウナ室内は防音性があり音楽がより聴きやすい環境の為、相乗効果が大きくなると思われます。
主にテレビがないサウナの多くがヒーリング曲を流している傾向があります。これはサウナがリラックスする場である為でしょう。上のグラフを見ると、約2割の施設はヒーリング曲以外ジャンルを流していますのでご紹介します。
【懐メロサウナ】
「懐メロ」が流れるサウナの多くは、有線(USEN音楽サービス)の懐メロチャンネルを選局していると思われます。私は音楽サブスクのプレイリストが1000曲を超える程の音楽好き。最近の曲も聴きますがおじさん世代なので「80〜00年代J-POP」の知っている曲がサウナで流れるとテンション爆上がり!
もうノリノリになって口パクして歌ってしまいます。最初は抑えていたけど、歳を重ねるともう止まりません。周りの皆様ごめんなさい。好きな曲が連続で流れたら私はサウナから出れなくなります。
※アツアツ遠赤サウナ室内でクリアな音質で「懐メロ」が楽しめます。
【演歌・昭和歌謡サウナ】
演歌や昭和歌謡曲を流しているサウナもあります。年配の世代に好まれ、流れているだけでコテコテな雰囲気になったり、知らない時代の曲なのに何故か懐かしい気持ちになるなど、不思議な感覚を体験できます。
※アツアツのボナサウナに演歌や昭和歌謡曲が沁みる一軒です。
※車を降りたら演歌や昭和歌謡曲が流れ、サウナ室内もしっかり堪能できる一軒です。
【音楽の問題点】
好きな曲が流れ続けてくれたら最高なんですけど、知らない曲や興味が無い曲になると途端に退屈になり、先ほどの「会話」と同様、雑音だと感じてしまいます。音楽はサウナ室内の雰囲気を作る要素のひとつではありますが、聴き手の興味や好みにより受ける効果が異なります。
【音楽プレイヤー】
奥の手ですが聴きたい曲に集中する方法として、サウナ室内で使えるワイヤレス式メモリ内臓のイヤフォンを活用する方法もあります。これなら好きな曲だけを聴く事が可能です。実際にサウナ室内で使用されている方を見た事もありますし、私自身も興味がありました。
「サウナイキタイ アドベントカレンダー2018」のSaunaCamp.さんの記事で「さらば雑音!サウナで使えるBluetoothイヤフォン、試してみた」にて、実際に使用された記事がありましたのでご参照下さい。
こちらの記事にも取り上げられていますが、イヤフォンも電子機器になりますので、公共性のある施設での使用は微妙かもしれません。
【3:テレビを極める!?】
テレビから得られる情報は多く、情報が限られたサウナでは影響が大きいと思います。私の場合、気になる番組や好みの番組だと見入ってしまい、入れる時間が長くなる事が多々あります。
そんなテレビの短所と言えば、見入ってしまってそろそろ熱くてサウナから出たい!でもテレビの展開も気になるから出れないシチュエーション。テレビあるあるの「正解はCMの後!」に合わせて退出して戻ったら既に正解発表後で、なぜか自分自身に悔しくなって歯がゆい気持ちに。
逆に熱さに耐え忍びながらCMが明けるのを待つと、提供画面になって「この後も⚪︎⚪︎をお楽しみ下さい!」とCMが続くなど、思うようにいかないのがテレビです。
先ほどの音楽と同様、テレビも好みにより受ける効果が異なります。国民的話題の野球やサッカー試合中継でも、興味が無い方からすれば「テレビが流れているだけ」で「騒がしい」と思うだけです。
【4:イベントを極める!?】
サウナ室内で行われるイベントに参加する事で長く入る方法です。
ひと昔前は希少でしたが、現代は行う施設が格段に増え、イベントを行うスタッフさんや、専門の熱波師さんも多く、有名な方も沢山います。私がこれまで受けてきたイベントは平均10分前後ですが、中には倍以上の時間を超えるイベントもあり、何より楽しめます。
イベントを行う前に、空気の入れ替えやヒーター保持を目的にサウナ室の扉を開けて換気を行う施設や熱波師さんも多く、配慮されたサウナ環境でアウフグースを楽しく長く楽しめます。館内着を着用する男女共用エリアのサウナは60〜70℃程の中温設定で、ショーアウフグース会場や岩盤浴のロウリュサウナに多くみられます。
アウフグースはプログラムやセット数などが決められている熱波師さんが多く、美しいタオルパフォーマンスで魅了しちゃう方もいれば、途中離脱が相次いでしまう激熱系の方、全員一心同体になる様な影響力が大きい熱波師など、個性豊かです。
私が初めて受けたアウフグースイベントは、大阪梅田にある「サウナ&スパ カプセルホテル 大東洋」さんです。
もう十数年以上前なので記憶も定かではないのですが、カプセルホテル目的で利用して、たまたまサウナでイベントやるということで着席。今の様なスタイルではなく、タオルパフォーマンス的なシンプルな感じでしたが、最初の一振りで激熱!ビックリして飛び出しちゃい、最後まで受けられず。
「えっ全然、長く無いじゃん」と思われそうですが、ここで「私には無理」と思う方もいれば、「次は完走したい(最後まで受けたい)!」と負けてしまった悔しさから闘志をたぎらせる方もいます。当然、私は後者です。
その後、ある施設の熱波イベントでハプニングが起きます。
この施設は時間になるとスタッフさんが登場して熱波イベントがスタート。ロウリュしてうちわで全体に仰ぐ、スパ銭ではお馴染みスタイルです。受付は先着なので時間までにサウナに入り座らなければならず、場合によっては満員御礼で入れない事も。確実に熱波を受けるために早めに入室するんですが、この日は浴室が大混雑。
いつもは開始5分前くらいに入室だけど、競争率が高そうなので開始8〜9分程前に早めに入室しました。少し蒸し上がって開始時間になりましたが、スタッフさんが来ません。
1〜2分の遅刻はたまにありましたが、5分経過しても来ない・・・・。周りのみんなが騒ぎ始める。「いつ熱波やるの?どうなってるの?」「もう熱くて限界・・・俺出る」などなど。
私も限界になり出ようと思った瞬間、スタッフの方がラドルやバケツを持って登場!「皆様、申し訳ございません!トラブルで遅くなりましたが熱波始めますね!」とスタッフさんは元気にサウナヒーターの前にスタンバイ!
ええっ!今から!熱波やるの!と衝撃の展開。でも周りは「待ってたよ!」と歓迎ムード。
そりゃ待ってたけど、開始予定時間から約8分も経過しており、既に約17分もサウナに入っている私の身体はもう限界。と言うか地獄そのもの。でもロウリュの音を聴くと、サウナから今すぐ出たい自分がいるのに、なぜか「今から熱波を受けられる」という幸せな楽しい気分になりました。
脳内麻薬でも分泌されたのかわからないけど、スタッフさんの楽しい口上に、最後は偶然した皆様との掛け合いと手拍子で盛会となりイベントは終了。無事に熱波を受けられ約27分程で完走。アフターはかつて無い程の放心状態だったけど、あの時の「達成感」は今でも忘れられないです。
この様な耐久的な要素をイベントとして行われている施設もあります。その一つが「新岐阜サウナ」さんの「無限熱波」です。
最後の一人になるまで、熱波を無限に送っていただけるイベントです。私も何度か参加しましたが、あまりの熱さに15〜6分程が限界でした。最後まで残った強者を相手に熱波師さん3人が協力して様々な手段で熱波を送りますが、熱波師さんの方が先に限界を迎えたりするので、最後まで目が離せないイベントです。支配人さんによると最長の方が25分程なんだそう。
このイベントが素晴らしいのは、最初の3セットは熱波師さんそれぞれのアウフグースを受けられる点です。これにより無理せずに誰でも「無限熱波」が行われる最終セットまで参加できるプログラムになっており、たとえ最後まで残れなくても「達成感」が得られやすい仕組みになってます。
この様にイベントとは「人の力」であり、サウナに長く入る為の相乗効果は非常に大きいと感じます。もちろん絶対に無理しない事が大前提ですし、自分自身の体調に合った範囲で楽しむ事が大切です。
あとがき
「サウナに長く入りたい!」と思いながら記事作成したら、その「記事」も長くなってしまいました。お昼休みに読もうとしたら、長すぎて読みきれなかった方がいましたら、ごめんなさい。
という訳で改めまして「たか@三重」と申します。流石に3年目は無いだろうと思ったら、まさかの機会をいただけました。しかも「サウナイキタイ アドベントカレンダー」の「2022」「2023」のカレンダーを見比べるとほぼ同じ立ち位置でした。偶然ですね!
偶然って重なるものです。もしサウナ室内やお風呂屋さんで偶然したら、その時はよろしくお願いします。人見知りですけど、声をかけられたらめっちゃ嬉しいです!
書きたいネタはまだまだありますのでいつかまた偶然できたらと思います!
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
【参考文献】
日本サウナ・スパ協会 サウナ健康読本「サウナブック」
https://www.sauna.or.jp/kisochishiki/index.html
・記事は2024年12月当時の内容です。
・記事作成にあたり施設様やメーカー様に撮影機会や画像提供、承諾等を頂きました。多忙の中、ご対応とご協力いただきありがとうございました。
記事を書いた人
好きなサウナ: ●肌にパリッとくるストロングなサウナ●温度が異なる2箇所以上の水風呂設置●冷たい冷水機があり紙コップで飲めたらなお最高●オンリーワン要素のあるサウナ●お気に入りサウナ【愛知】キャナルリゾート、ウェルビー、新守山乃湯、みどり楽の湯【岐阜】みのり、新岐阜サウナ、恵みの湯、大垣サウナ、ふじの湯、三峰、天光の湯【三重】湯守座、神馬の湯、玉の湯、152 【静岡】しきじ、鷹の湯【関東】たかの湯、かが浴場、サウナ東京、堀田湯、えごた湯、たからゆ、かるまる、大森湯、亀遊舘、平和湯、湯の郷【関西】おおみね湯、延羽の湯、白玉温泉、NJ梅田、神戸サウナ&スパ【北陸】スパ・アルプス、越のゆ鯖江店、FUROBAKKA、花椿、大門の湯【九州】湯らっくす
プロフィール: ●お風呂屋さん巡りが趣味のミレニアム世代●「シールラリーゆらん」などラリー活動を中心に温活しています。●初回来訪施設はどんな施設なのかと感想等を投稿します。長文な割に内容が薄く誤字脱字満載です←脳内補正してね●東海3県中心に出没。あまり同じ所ばかりには行きません。たまに遠方に行きます。●元温泉施設従業員、温泉入浴指導員、温泉観光士、温泉観光管理士、サウナ・スパ健康アドバイザー、熱波師検定B
今年も大ボリュームの記事執筆お疲れ様でした🙏 比較的低温のサウナでじっくり蒸されるのは心地よいですよね😌確かにヌシレベルの方々は低温の場所でじっくり入られてます。 最近では、施設のサウナセッティング、水風呂の温度、休憩スペースの状態(外気浴の有無や気温・室温)を計算に入れて、短時間で焼かれるかじっくり蒸されるかを決められる様になってきました👍
す、すごいです。読み込んで勉強させていただきます!
私は正直何のためにサウナ入ってるのかわからなくなってきていますが入り方は何分とか何回とか全く決めていません。出たくなったら出るこんな感じです。冒頭で述べた目的ですが完全に社交場ですかね(笑)
最近のみぽりんの訃報で 友人達から(非サウナー) ヒートショック気をつけてと やたら言われる昨今💦読ませていただき、私も熱いところに長く、そして水風呂、外気浴と当たり前に やっていましたが、少し考え直し 熱い、長く、水風呂(水風呂は好き)寒いのに外気浴🥶はセットではなく自分の体調や、その時心地よい入り方を極めたいと思いました☺️ 勉強になりました🙇🏻♀️
去年も読ませて頂きましたが凄く丁寧に調べられてるので読み応えがありました。深いですね☺️私もサ旅中の1日のサ室滞在時間はとんでもないですが一回毎の滞在時間は感覚で入ってます。なので腕時計も付けないし、部屋の時計も見ませんが自分で気持ち良くなるタイミングは大事にしたいと思います。来年も是非書いて下さいね。楽しみにしてます😚✨
昨年に続き、驚異的な情報量👏読み応えのある記事を有難うございました!
とても勉強になりました‼️様々な視点からサウナを考えるとすごくおもしろいですね!ありがとうございました😊
読み応え十分でした!熱波サービスが始まるまでに、サウナ室内待機で、熱波師がまだ来ないな…まだ来ないな…は僕も経験して、なんやかんやで20分以上入るんですよね(笑)でも、楽しいからいれちゃうのは同じでした
昭和後期 学生時代サウナでバイトしてて電源落ちサウナを毎晩堪能してました。 また、その頃のサウナは商店街の旦那衆の社交場出来な雰囲気でしたねー。
どうもっ!!いつもお世話になっております 去年のストーブ編に続き、今年も深く掘り下げまた詳しく解説されてて、読み応えがあり楽しく読まさせて頂きました 私も案内板を読むのが好きな方ですが何せ眼鏡を外すと まるっきりなものでww 文も読みますが、私はキャラクターの方を見て印象に残ってますw 特に中で取り上げられてたサンケイトレイディングは 近場では玉の湯さんで見れてるので馴染み深いし好きですねw かわうそ漫画家の安住まりさんが言われてた様に 線が太くビックリマンシールの様な描かれ方 そう駄菓子の包装紙に描かれてる様なキャラクターに 目がいってしまいますw 特にレオタードの女の子とかは、オリビア・ニュートンジョンのフィジカルとかとダブっちゃってww 歴史を感じますねw 私は水風呂→サウナ→水風呂→サウナ→水風呂→どかっと内気浴とか好きです また、なろほどふむふむそうなんだその通り!! の投稿を楽しみにしてます 最後に… 掛けずこぞ
毎回勉強になります!!! 先日行った美人の湯かかみがはらのサウナもいわゆるジワジワ系で直接遠赤ストーブに焼かれない場所多めなので貴重だな〜と思いました!激アツサウナもいいですけど下段でゆっくりテレビみて温まるのもまた違った楽しみ方ですよね〜!今年もボリューム満点で素敵な記事ありがとうございました🤤
自分にあった🈂️時間考えてみようと思います🙋
いつもは最上段着座ですが、今日は最終セットで下段に座りました。熱くないけどジワジワ発汗できて、TVなかったけどいつもより長く無を感じて、いいセットでした。
「サウナ案内板」懐かしいですね! これを読むのが好きだったのですがw そう言われると最近めっきり見かけなくなりましたね 令和風に復活すればいいのに。
毎年楽しみにしてます☺️ 来年も是非!
もはや論文ですね、どこかの学会に提出しましょう
今年もお疲れ様でした~!また来年も楽しみにしてます!
全て読みました。 老舗サウナに看板があるところでは読んでからはいるようにしています(社名とか覚えてあとでネットで検索もします) 絶対水風呂!っていうわけでは自分もないので凄く共感できる記事でした
地べたに座るのもいいですね!ぬるくても良いサウナが好き🥰
✨👍🏽🤩👍🏽✨
今年は昨年の2倍以上のテキストボリュームでしたね!楽しく拝読しました。サウナに入る時間の計算式は、私もほぼ同じ変数で話すことが多いので「やはり!」と答え合わせになり嬉しかったです。
イキスギ病…恐らくかかってます💦 サウナ室内の案内板や ミストサウナの資料など 多岐にわたる内容量や サウナ室での会話に対する 柔らかな伝え方に ただただ敬服するばかりです ジワジワ系で じっくり楽しみたいと思いました🤤
とても読み応えのある記事でした! サウナの固定観念に縛られない、という発想が素晴らしいです。確かに自分はいつも最上段に座ってました…。最近、アウフグースは下段で受けたほうが長く楽しめることに、ようやく気付きました笑 色々試したいです✨
サウナの入り方が書いてあるポスターが貼ってある施設も今では少なくなりましたね。私がたまに行っているカプセルミナミさんにはまだありますがサウナは昭和ストロング系カラカラ、ポスターには気化熱でダイエット効果があるとさえ記載されています。意外と最近作られているのでホントかよと心の中でツッコミを入れながら眺めています。最初にサウナに来た時はこんなポスターも大人の場所のアイテムでしたが。懐かしい感覚と最近な感覚で記事を読めました、確かに昼休みには読みきれなかったけど楽しかったです。