サウナ室にだけ流すDJになったら家のレコードが150枚を超えた話

サウナイキタイアドベントカレンダー 3日目の記事です。

皆様初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。サウナがちょっぴり好きなサウナライトユーザー、DJ水風呂と申します。友人たちからはD水、デミ、でみさん、デミーなどと呼ばれております。

簡単に自己紹介をさせていただきますと、東京に出てきて15年以上が経つ、どこにでもいる平成元年世代サラリーマンです。サウナに足しげく通い始めて早10年、現在は月に1回サウナに行ければ満足しています。近ごろはサウナに入らなくても、空いている銭湯であつ湯と水シャワーの往復をするだけで満足するようになってしまったサウナ愛好家の風上にも置けない存在です。

DJという名前のわりにDJをやった経験は全くなく、中学2年生の頃からかれこれ20年以上ドラム・打楽器を演奏していて、現在は趣味としてオルガンジャズトリオの活動をたまに行っています。

音楽の趣味は多岐に渡り、1950年代〜2000年代の和洋ロックミュージック、ジャズ、ブラジル音楽、ラテン音楽、キューバ音楽、トリニダード・トバゴの音楽などを好んで聴いております。

14年住んだ武蔵境にある銭湯「境南浴場」をこよなく愛しており、多い時で1日2回入浴していたこともあるほど通い詰めていたファンだったので、いつからか境南浴場の女将さんからは【境南浴場スペシャルアンバサダー】という称号を拝命いたしました。

どうしても欲しくて自分で作ってしまった境南浴場Tシャツは、一部の境南浴場ファンの間で密かな人気となり、気が付いたらサウナイキタイチームからオファーを受けて、2021年の第一回全国サウナ物産展にて境南浴場を代表して出展することとなりました。

境南女将に「サウナ物産展への出展依頼きてますけど、出展しないんですか？」と伺ったところ、「デミくんよろしく！」と逆に依頼されました。えっ、私が出るんですか？

※境南浴場Tシャツは、いち境南浴場ファンの私が当時趣味で作成したもので現在は作っておらず、今後も作る予定はありません。また、境南浴場の店舗でも取り扱いはありませんのであしからずご了承ください。

なぜか境南浴場を代表することになり、温浴業界でもアパレル業界でもない素人の私が一人ですべての準備を行い、会期期間中も会場に足しげく通っては友人お手製境南浴場ステッカーを来場者に配布するなどPRをした。

そしてあっという間に第一回全国サウナ物産展は大盛況のうちに終了。境南浴場Tシャツやタオルが全国に散らばっていったので、アンバサダーとしての役目は果たせただろうと思っている。

非営利目的での慈善活動だったので、原価を抜いたぶんの売り上げは当時豪雨災害の遭った長崎県雲仙市に寄付しました。施設の人間でも何でもない、しがない銭湯客がお店の代表としてサウナ物産展に出展したのは後にも先にもおそらくないのでは？

そんな銭湯・サウナと音楽が好きなどこにでもいるサラリーマンが、なぜ有名サウナ施設の館内ラジオDJをやることになったのか、次の章でお話します。

ニューウイング放送局について

ニューウイング放送局…それは2024年初頭から始まった、ニューウイング3階コカコーラ部屋から生放送でボナサウナ室のテレビに配信されるラジオ番組のことである。

放送日は基本的に毎週土曜日の夜18時・20時からの2回で、週替わりパーソナリティによる、様々なテーマの放送が楽しめる。公開生放送なので、ボナサウナ室内でゆったりと蒸されながら聴くこともできれば、コカコーラ部屋で飲食をしながらの観覧もできるのがユニーク。

基本的にニューウイングの外に配信されることは無く、サウナ室とコカコーラ部屋にいた人たちしか聴くことができない面白い話や裏話が飛び出すこともある、極めてクローズドな放送内容だ。

吉田支配人がアウフグースイベント以外でのサウナ施設への集客を模索し、ビデオカメラなどの撮影機材や音響機材も気合いを入れて揃えていて、放送局への気合いの高さを感じる。

2024年4月に友人のでんぼうちゃんがパーソナリティをつとめる番組「でんぼうちゃんねる」を聴きに行って、ニューウイング放送局がどういうものなのかを感じることができた。2時間の放送枠の中、1人でずっと喋っているパーソナリティもいればゲストを呼んで対談のようなスタイルで放送しているパーソナリティもいて、自由な放送スタイルがとても楽しそうだと感じた。

でんぼうちゃんねるを聴き終えた頃、吉田支配人から「いつ出られる？」と訊かれた。えっ、私が出るんですか？「DJ水風呂のジャズジャズってタイトルでいいよね」と、その場で番組名も決まり、1か月後の生放送が決まった。ジャズを流す番組というコンセプトの指定があったので、音楽番組という括りでいいんだなとテーマを決めるのが楽でよかった。

他の出演者の放送の様子もSNSでなんとなく見てはいたけれど、そういえば置かれたターンテーブルを使っている人が全然いない。これは活用せねば！と、謎の使命感が生まれ、まだレコードプレーヤーも持ってないのに、レコードを買い始める日々が始まった。

「DJ水風呂のジャズジャズ」放送開始

昔から好きなバンドのアルバムはCDを買って聴いていたけど、レコードで聴きたいという憧れもあった。なんかおしゃれっぽいじゃないですか、レコードのある生活。

高校生の時から気に入ったCDアルバムをレコード盤でも持っておきたい、とレコードプレーヤーも持ってないのにレコードを少しずつ買っては部屋に飾って眺めたりしていた。それから十数年の時を経て、こんな形でレコードを収集するようになるなんて夢にも思わなかった。長年の夢がかなったというべきか。

まだレコードプレーヤーも持ってないのに。

放送イメージも全然わいてなかったが、放送日が決まってしまったので、何でもいいから行動してみようと仕事終わりや休日に大手レコードショップを回ったり、リサイクルショップを覗いてみたり、オークションサイトやフリマサイトを探してみたりして、何枚かのレコードを購入。レコードの枚数を揃えるのも大変だったので、デジタル音源と併用してハイブリットで放送しよう、と何となくプレイリストを作成することはできた。

前述の通り、まだレコードプレーヤーも持ってないため、レコードのサウンドチェックも兼ねて2回ほどニューウイングを訪問し、吉田さんの許可を得て無人のコカコーラ部屋でリハーサルできたのは大変助かった。

次はラジオ放送におけるトークの問題だ。お世辞にも人前で話すことが得意な方ではないが、無言でただただ音楽を流せばいいというものでもない。ひとまずGoogleドキュメントにトーク内容を台本として書くことにした。タイトルコールからスポンサー紹介、オープニングトーク、流す曲の紹介と演奏アーティストの紹介をひたすら打ち込み、第一回放送の台本は20ページを超えるものとなった。

話す速度もなるべくゆっくりと喋るように心がけた。楽器を演奏する方なら共感いただけるかもしれないが、ライブ本番というのは緊張のあまり演奏スピードや曲のテンポが速くなってしまうことがよくある。友人のニューウイング放送局のトークを聴いていても、本番は緊張のあまり早口になっていて、聞き取りにくいときもあった。

森本レオさんと戦場カメラマン渡部陽一さんの喋り方を足して2で割ったくらいのスピード感で、自分が思っているよりもゆっくりしっかり発音するように心がけて喋ることで、のちに「錦糸町の滝川クリステル」と呼ばれるようになった。

ガチガチに緊張して臨んだ第1回の放送は何とか終了。ボナサウナ室にどういう感じで放送が聞こえていたのか本人は分からないけど、友人たちをはじめとする一定数のサウナ愛好家の方々から感想をいただけて、次の放送のモチベーションに繋がった。吉田支配人からも「なかなかよかった」と好評で、放送後に「次いつできる？」とスケジュールを訊かれ、そこから2週間後の6月に早くも第2回放送が決定してしまった。

その後も各回テーマを変えてコンスタントに放送を続けていき、家のレコードもコンスタントに増えていった。まだレコードプレーヤーも持ってないのに。

2024年だけで6回放送させていただき、どういう審査基準で選ばれたのか分からないけど、年間MVPも受賞できた。

放送局がない月でもレコードショップに行く習慣がついてしまい、レコードプレーヤーも持ってないのに家のレコードの枚数がすごいことになってきた。冷静になって考えると狂気の沙汰ですね、これは。

サウナイキタイアドベントカレンダーに応募した段階ではタイトルを【サウナ室にだけ流すDJになったら家のレコードが150枚を超えた話】にしたけど、アドベントカレンダー執筆時の2025年11月末の時点で正確にレコードが何枚あるのか数えてみた。

215枚あった。

これタイトル詐欺なのでは？

詐欺ではないな。狂気の沙汰なだけでした。

レコードで音楽を聴くという贅沢

いまはサブスク配信などで世界中のアーティストの音楽が聴きたいときに聴くことのできる時代だ。音源を買わずとも、無料で聴けたりもする。そんなご時世にいったいなぜレコードという安くもなく、手入れも果てしなく面倒くさいメディアで音楽を聴こうとしたり、放送局のために店を巡って集め、かさばって持ち運びも面倒なのにこだわっているのか。

アナログレコードとCDとは音の記録方法が違うので、スピーカーから出した音の聞こえ方が全然違うという専門的な話もあるけど、そんなことは抜きにして、自分が好きなアルバムをあえてレコードで聴く、一見面倒そうなことをあえてするのは何とも贅沢な遊びだなと感じる。

お金の無駄、時間の無駄、スペースの無駄だと思われるかもしれないが、そんな無駄こそが日々の暮らしに彩りを与えるのではないだろうか。

サウナでも似たようなことがあると思います。

近くのサウナ施設にも名店は多いはずだし満足できるはずなのに、いったいなぜ時間とお金をかけて飛行機や新幹線で遠方のサウナに遠征するのか。それはサウナ旅が日々の暮らしに彩りを与えているからなのではないでしょうか。

レコードも同じような気がしています。好きなアルバムをわざわざレコードで買ってきて聴く、こんな贅沢なことはありません。サウナ旅というのは、レコードを買うことと似ているんです。何を言っているのかわからないかもしれませんが、私も何を言っているのかわかりません(笑)。

とはいえ私もサブスク音楽配信サービスを有り難く利用させていただいており、サウナも遠征よりかは近場のお店を利用することの方が多いです。

音楽配信サービスとレコード、遠くのサウナと近くのサウナ

両方の良さを分かった上であえてチョイスすることは至上の贅沢だなと、知らないうちに増えていくレコードの棚をあまり見ないようにしながら日々感じております。

ニューウイング放送局をやってよかったこと

何のとりえもない私がニューウイング放送局で累計11回もラジオ放送ができたのは、どう考えてもニューウイング支配人吉田さんと、ニューウイングスタッフの皆様のおかげです。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。いつも本当にありがとうございます。

ニューウイング放送局に出るまでは人前で話すことに不慣れでしたが、さすがに11回も放送していると慣れてきて、人前で話すことが以前よりも楽しくなった気がします。

これまでいろんなサウナ友達をニューウイング放送局に誘って、番組を始めるお手伝いをしてきましたが、やはり初回放送時はガチガチに緊張されている方が多かった。私も同じくですが、皆さんラジオパーソナリティではない全くの素人ですからね。それでも2回、3回と放送を重ねていくと、不思議と皆さん慣れてきてトークもリラックスしてきて番組にハマってくるのが面白いです。

また、私の放送をニューウイングまで聴きにきてくれた知人の女性サウナ愛好家の方と放送局がきっかけで仲良くなり、今では一緒に暮らす仲になりました。人生、何があるかわからないなと、この2年弱しみじみと感じています。

ニューウイングに大いなる感謝の気持ちを贈ります。

引っ越してからは満を持してレコードプレーヤーを部屋に設置。ようやく家でレコードが聴けるようになりました。家でレコードを聴く生活というのは心がとても豊かになるものですね。

引っ越す前までに集めていたレコードは約100枚。レコードプレーヤー、どれだけ持ってなかったんだよ。

あなたもニューウイング放送局に出ませんか？

この記事を飽きずにここまで読んでいらっしゃる酔狂なそこの貴方、家にレコードが何十枚も眠っていませんか？自分の好きなレコードをニューウイングのサウナ室に流したくないですか？サウナに関するとっておきの話を人前で話したくないですか？内に秘めた趣味に関する偏愛を語りに語りたくありませんか？

もしご興味がありましたら、ニューウイング放送局でラジオ生放送をしてみてはいかがでしょうか！

参考までに、どんな番組があるかというと

・全国のDIYサウナを紹介しながらDIYサウナ愛を語る番組
・野球愛を語りながら全国の野球場とサウナ施設を巡った話をする番組
・ラーメン愛を語りながら全国のおすすめラーメン店を紹介する番組
・宝塚愛を語る番組
・推しのアイドルへの愛を語る番組
・好きなサウナストーブへの愛を語る番組
・ビカクシダを外気浴スペースに置くことで得られる効果を延々と解説する番組

などなど、サウナに関することから全く関係のないことまで、多種多様な内容の番組が週替わりで放送されています。もしご興味のある方は、老若男女関係なくまずはニューウイング放送局の雰囲気を感じに毎週土曜日に行われている生放送を一度観覧されてはいかがでしょうか？

少しでもご興味のある方のご応募、お待ちしております！（吉田さんが）

こんな毒にも薬にもならない記事を最後までお読みくださった皆様、誠にありがとうございました。

レコードを聴きたくなったら、まずはレコードプレーヤーを買いましょう！
レコードを聴きたくなったら！まずはレコードプレーヤーを買いましょう！！
大事なことなので2度言いましたよ。

皆様の新年がよい1年となりますように、ニューウイング3階コカコーラ部屋からお祈り申し上げます。よいお年をお迎えください！