サウナイキタイ アドベントカレンダー 14日目の記事です。

「 ”北の聖地” 旭川といえば、スパプラトーか白銀荘でしょ 」

きっと皆さんそう思っていらっしゃいますよね。もちろんそれは大正解。

でも、それだけじゃないんです。北海道、特に旭川を含む上川（かみかわ）エリア、そしてお隣の空知（そらち）エリアには、個性的ですてきなサウナがたくさんあります。

というわけで、”北の聖地”に旅行に来た人に勧めたいサウナを、愛を込めて紹介します！

…おっと、名乗り遅れました。はじめまして、北海道・旭川市在住のmarieです。

道内各地で転勤のある仕事をしており、とってもラッキーなことにここ数年は温浴施設に恵まれた地で働けています。
2020年３月から旭川で、その前は空知管内の岩見沢という街で働いていました。19年夏にドラマ「サ道」を観て以来、サウナに通うようになりました。サウナも好きですが、水風呂が特に好きです。

ではさっそく、紹介していきます！

上川エリア

みなさまご存じ、ドラマ「サ道」19年末スペシャルの舞台になった上川エリア。旭川を中心市として南北に長いエリアです。
番組で紹介された旭川のスパプラトーと上富良野の白銀荘については割愛し、今回はそれ以外のおすすめ施設を紹介します。いずれもとってもいいサウナです！

①天然温泉　みなぴりかの湯

アクセス：ＪＲ旭川駅から徒歩５分

ホテルＷＢＦグランデ旭川に入っている施設です。とにかく駅から近くて、歩いてすぐ。スパプラトーのあるＯＭＯ７に泊まっても、歩いて行けます。タオルも借りられるし、シャンプーなどアメニティ類もほとんど揃っています。旅行の合間に「時間ができたらみなぴりか！」という具合で気軽に行けます。

サウナ室はオートロウリュの割に乾燥ぎみなセッティングでちょっぴり汗は出にくいかもしれませんが、炭酸泉や高温湯で温まってから入ればなんてことなし。何より水風呂が広くてしっかり脚を伸ばせて、15度と適温！旭川は水が豊かな土地柄、だいたいどこの水風呂も冷たくて、とっても気持ちいいんです。

浴室の内外にはととのい椅子も複数あり、広めの露天スペースで外気浴もできます。入館料はタオル付き1250円と市内ではちょっとお高めですが、そのぶん空いていてストレスフリー！時間があれば500円加えて岩盤浴（もまた空いている）もおすすめ。温度の違う２部屋と、ひんやりする部屋があります。

実は今春、大阪にある運営会社が民事再生法適用を申請しました。新型コロナの影響で各ホテルの客入りが悪くなったのが原因と聞き、みなぴりかは大丈夫か…とドキドキしましたが、星野リゾートが支援することになったそう。推しは推せるうちに推さなければ、と再認識した出来事でした。

天然温泉みなぴりかの湯(ホテルWBFグランデ旭川)

住所：北海道 旭川市 宮下通１０丁目３-３ ホテルWBFグランデ旭川 2F

②フタバ湯

アクセス：ＪＲ旭川駅前のバス乗り場３番から道北バス「29番　春光循環線（春光）」「30番　春光台線」「34番　鷹栖線（春光）」で、「春光６条４丁目」で下車後、徒歩５分。ＪＲ旭川駅から車で約20分

市街地から少し離れた住宅街の銭湯ですが、ぜひ足を運んでいただきたい。

銭湯というと昔懐かしい昭和の雰囲気を想像されるかと思いますが、こちらはタイルぴかぴか、シャワーはホース付きでたくさんお湯が出せるタイプ、お風呂も３種類＋水風呂と大充実！入浴料450円とは思えません。サウナは追加で50円ですが、タオルが借りられるので実質無料みたいなもの。このタオルはサウナ室内の敷物としても使います。

特筆すべきはセルフロウリュ、しかも「ほうじ茶ロウリュ」ができること！サウナ室内は手狭で、４人も入れば密ですが、この密さゆえに、蒸気が十分行き渡るのです。

濃いめのほうじ茶を１杯、サウナストーンにじゅわっとしてから、水を１杯、さらにじゅわっ。すると、ほうじ茶の香ばしい蒸気がふわっと広がり、とってもリラックスできます。ストーブもしっかりしており、10分に１回くらいのロウリュならしっかりストーンが鳴いてくれます。

水風呂には春光台の地下150メートルからくみ上げた水が滝のように流れ落ちており、とってもまろやか。１人なら脚を伸ばせる広さで体いっぱいに水をまとえて、あまみがすごく出ます。あつ湯と水風呂の交互浴もはかどりそう。女湯にはととのい椅子はありませんが、洗面の所の椅子か、脱衣所でととのえます。

ドライヤー無料、100円リターンのロッカーもあります。銭湯らしくシャンプー類はないので、お気に入りを持参するのがいいと思います。イオンウォーターもあり、私の場合はほんの少しでも銭湯経営の足しになればと、必ずここで飲み物を買うことにしています。

同じ春光地区では今年11月末、サウナイキタイのトントゥ抽選にも参加されていた「旭川健康ランド」が閉館してしまいました。新型コロナのあおりを受けた中での決断のよう。どの温浴施設も厳しいのだと思います…推しは推せるうちに。

フタバ湯

住所：北海道 旭川市 春光７条５丁目２２

③森のゆ　ホテル花神楽

アクセス：ＪＲ旭川駅前のバス乗り場５番から旭川電気軌道「70番　東神楽線」「76番　東神楽・東川循環線」に乗り「東神楽バスセンター」で町営バスに乗り換え。ＪＲ旭川駅から車で約30分

旭川空港のある東神楽町にあります。公共交通だとちょっと行きにくいかも。

80度程度でじっくり蒸されるサウナ、キンキンに冷えたかけ流しの水風呂、導線の良いととのい椅子、外気浴スペース…ひとつひとつは特別秀でているとまでは言えないかもしれませんが、全部揃えばとっても良い具合でしっかりととのえます。

特にじっくり蒸された後の水風呂の冷たさ！地下水をかけ流しているようで、おそらく冬になればなるほど冷えるタイプです。ととのい椅子から見える景色含め、ぜひ味わってもらいたい施設です。ぬる湯、あつ湯、炭酸泉、露天風呂とお風呂も充実。

100円リターンのロッカー、洗い場も複数あります。サウナマットが無料で借りられるのも嬉しい。日帰り入浴650円と、このあたりではまずまずの相場で、場所柄極端に混み合うこともありません。あとは食堂の舞茸天ざる蕎麦が、お手頃価格で舞茸たっぷりでおすすめです。

ちなみにこちらのすぐそばで、旭川の老舗染物店「水野染工場」が「藍染めのテーマパーク」なるものを建設中です。来年夏にも体験エリアを一部開業、全面開業は2024年を予定しているのだとか。東京の浅草や日比谷でも手ぬぐいなどを販売するやり手企業なので、すてきな見どころができるんだろうなぁと思います。旅行で訪れた時にちょっと立ち寄って、甘い物を食べたりお土産買ったりできる場所になるといいですね。
テーマパークと一緒にサウナも楽しめるように、推せるうちにしっかり推します！

森のゆ花神楽

住所：北海道 上川郡東神楽町 ２５号

空知エリア

名前がおしゃれな空知ですが、知名度はそんなに高くないかも？札幌と旭川の間にあり、高速道路でもＪＲでも「ついつい通り過ぎちゃう」場所。その昔は炭鉱で栄えましたが、閉山後はどんどん街が寂しく…財政破綻した夕張市も空知管内にあります…

でも、寂しいばかりじゃありません！なぜか自治体ごとに温浴施設があったり、温泉がひいてあったり、良いサウナがあったり、温浴施設が不思議に充実している土地なのです。

④芦別温泉　おふろcafe星遊館

引用：http://www.starlight-hotel.co.jp/

アクセス：ＪＲ芦別駅からキラキラバスで芦別温泉前まで。旭川市内から車で約１時間

ここはまず温泉がいい！その昔は炭鉱だったエリアでしたが、跡地から温泉が湧いてくるというすてきなことが起こった場所。温泉だけで言えば空知管内でぶっちぎりの一番で大好きです。

おふろcafeとしてリニューアルしたのはちょうど１年前の2019年12月。その前からいい温泉で大好きだったのですがとってもきれいに改装され、サウナ室も新しくなりました。ドライサウナ室では今秋からセルフロウリュもできるようになり、どんどん進化する期待の施設です。

水風呂も冷鉱泉でとってもいい感じ。外気浴スペースには寝転び椅子があり、芦別のさらに山の中だから昼の空も夜の星もとってもきれいで、これはととのうしかない！という環境です。

日帰り平日1145円、土日祝1255円と、地域相場からするとちょっとお高めですが、きれいな施設でアメニティも充実、タオルも借りられて、さもありなんと納得できます。

そしてこちらはぜひ宿泊がおすすめ！夜道を車で帰ると夏は動物が出そう、冬は雪で大変そうな事もありますが（笑）、泊まってゆっくり楽しみたいサウナと外気浴ですし、朝食ビュッフェがとてもおいしいのです。和食も洋食も一通りありますが、炭鉱マンに愛されたという芦別のご当地料理「ガタタン」（とろみのある具だくさん中華スープ）が特に美味。

子ども向けのアメニティ（おむつ、お風呂いすなどなど）も充実しており、子ども連れに優しい宿としてもＰＲしています。そんなところも含めて推しです。

芦別温泉 おふろcafe 星遊館 (芦別温泉スターライトホテル)

住所：北海道 芦別市 旭町油谷１ 芦別スターライトホテル

⑤ログホテル　メープルロッジ

アクセス：ＪＲ岩見沢駅から北海道中央バス「13番　万字線」で「メープルロッジ前」下車。旭川市内から車で約１時間40分

セルフロウリュができるサウナとして道内では有名、道外の方にもわざわざ紹介するまでもない知名度かもしれませんが、個人的にも岩見沢時代の元ホームサウナということで…

サウナ・水風呂・休憩が全て屋外で完結するのがこちらの特徴。サウナ室内は静かなジャズピアノやクラシックが流れており、落ち着いて過ごせます。セルフロウリュは「15分に1回、2杯ほど」のルールがありますが、ゆるく守られているのか守られていないのか…温度はそこまで高くありませんが常に湿度があり、しっかり汗をかけるいいサウナです。

こちらの水風呂も冷鉱泉。14度とのことですが、その季節によって温度が変わるのもまた一興。水風呂からあがればそのまま最高の外気浴！あまみがすごくよく出ます。体が冷えてきたらサウナに戻るもよし、露天風呂や内湯（どっちもちゃんと温泉です）に浸かるもよし…と、何周もできてしまう天国ここにあり！という心地です。

洗い場は少なめでたまに混みあう時もありますが、シャンプーなどアメニティ類は揃っています。ドライヤーも無料。入浴料は800円、レンタルタオルは350円です。

お昼時には、温泉とランチがセットになったプランもあります。お料理によって値段は変わりますが圧倒的にお得ですし、なによりおいしい！サウナ後の塩分の抜けた体に染み入るキジ蕎麦、カレー、限定メニューも外しませんし、売店にあるノースファームストックの、岩見沢産生姜使用のジンジャーエールもおいしい…

ホテルなので当然宿泊もできます。貸し切りサウナ付きの部屋もあり、一度泊まりましたがセルフロウリュも外気浴も独り占め、ぶっちぎりで最高です…日帰りだけじゃもったいない施設ですよ！

ちなみにメープルロッジからさらに山の方、万字方面に向かうと、持ち帰れる冷泉「万字ポンネ湯」があります。硫黄を含む泉質で、住民有志が山の中の源泉から約４キロもパイプを敷いて、道路脇の小屋から冷泉を引けるようにした施設です。ポリタンクなどでお家に持ち帰り、お風呂でお湯を加えると、しっかり温まれますし温泉気分も味わえておすすめです。
施設は無人で、冷泉の持ち帰りも無料ですが、「協力金」として気持ちばかりお金を置いていくのが吉です。

ログホテル メープルロッジ

住所： 北海道 岩見沢市 毛陽町１８３ー２

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なんだかサウナ熱が高まっている北海道。
先日地元の新聞で道内のフィンランドサウナ施設を紹介していましたが、札幌の読者が多いためか道央の施設が中心。上川、空知にもいいところあるのに…！ともにょもにょしていたので、今回のアドベントカレンダーで紹介できたのはとっても良い機会になりました。

サウナ人気、道内でも　若者や女性に客層拡大　屋外利用も注目　ー　北海道新聞

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/487729

一方で、北海道、特に旭川市は新型コロナウイルスの感染拡大に悩まされている現状にあります。

病院や施設内のクラスターが主とはいえやっぱり感染者数は増えているし、市中感染のリスクもゼロではないし、街の人はおっかなびっくりで忘新年会どころじゃなく…。ついには市民への「感染リスクを回避できない場合」の外出自粛要請も出されてしまいました（期間は12月12～25日の予定です）。

そんな中で、もちろん温浴施設も余裕のある状況ではありません。だからこの記事を読んでくださったみなさまの、頭の片隅にだけでも”北の聖地”のことを置いていただき、心置きなくサウナを楽しめるようになったら、ぜひ遊びにきてもらいたいです！

その日までできるだけたくさんの施設が続いているよう、地元のサウナ好きとして、許される限りサウナに通い続けようと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました！