2018.08.10 登録
イスラム史が好きだった。
高校で世界史を学ぶとき、すぐに頭に入ってきたのは地中海、フェニキア、ローマ、飛んでイスラム史。
イタリアに来るくらいだから、地中海近辺が昔から好きだったんだな。というのは今になっては腑に落ちる。でも、なぜイスラム?
とある事情でイタリアから一度出る必要があり、ギリシャ・ジョージアで悩み、なぜかトルコに決めた。後から気づいたけれど、コンスタンティノープルはローマ帝国にゆかりのある地で、中東というのは文化の交差点。イタリアとの縁もなかなか。
それでも、昨夜イスタンブールに着き、半日街を歩いて、考古学博物館を巡って、どうも僕のアンテナにはビビッと来ないぞ……そう思い始めていた夕方サウナ。
ハマムについてちゃんと読んだのはあやなさんの記事くらいで、ほぼうろ覚え。ルールもわからずなされるがままに翌日に石鹸ひとつで案内され、身体を洗い、あのトルコサウナの高台に横たわる。あの岩盤浴みたいなやつだ。
天井に目が行く。
そこには幾何学上に美しく設計された多数の円が広がる。
中心に一つ。それを取り囲むように8つ。またそれらを取り囲むようにと。それぞれの円も正多角形に縁取りされ、天井から光が差し込むわけではないが、そのさまは美しいと呼ぶほかない。
スピーカーからはイスラム教を彷彿させると思われる音楽がループで流れ続ける。
そうか、これが15世紀の彼らがみていた景色なんだ。
こんな美しいものに触れていたんだ。
あるいは、逆かもしれない。美しい構成が彼らの頭の中にあり、それがハマムやモスクというかたちになったのかもしれない。
しかし、僕が無意識でイスラム世界に興味を持っていた理由が、ストンと整理された気がした。なんとはなしに立ち寄ったモスクも美しかった。
そうしてかれこれ1時間近く経ったのだろうか。
番台のおじさんが様子を見にきた。どこから来たの?とカタコトの英語で聞いてきたけれど、内心はこの変な日本人は一体いつまでのんびりしているんだ、と驚いていたのだろう。
その後も休憩室でととのいの余韻を感じていたら、顔に塗るクリームを持ってきたり、イスラム印?のタオルをプレゼントしてくれたり。これは押し売りなのか、好意なのか、それともチップをもらうきっかけが作りたいのかを僕は判断できないが。
ともあれ、トルコサウナのととのい方を初めて理解した気がする。湿度が高くぬるいものの、その分寝転んでいつまででもいられる。少しずつ汗をかき、そして温度に慣れることで上半身は少しだけ冷える。そう、これが疑似水風呂になるのだ。上は冷たい、下は熱々、答えは?
ハマム。
[ 長崎県 ]
「重量に引かれる」
あの心地よさを表現するなら、その一言に尽きる。
九州サウナツアー、その幕切りは彼の地だった。
このサウナツアー、サウナのチョイスはほぼはまさんにお任せしていた(IZBAは僕がねじ込んだ)。御湯神指しベストパワーランドは名前はおろか、その様式と効能は僕の想像を遥かに超える施設だった。
「風頭大権現」
この名を知っている方は、きっとベストパワーランドの常連のはず。
風頭大権現(かざがしらだいごんげん)とは長崎にある神社で「御湯神指し」とは今は亡き斎主により命名された名であるとのこと。
この施設、創設者である中島さんが温泉を作りたいと言ってから実際に建つまで数年の歳月を要しており、その助力をしてくれたのが風頭大権現の斎主。
ベストパワーランドの効能については今さら説明するまでもないけれど「疲れがとれた」「アトピーが治った」などその効能には枚挙にいとまがない。
よもぎ蒸しの時に常連さんが教えてくれた言葉を紹介しよう。
常連1「入って次の日は疲労がすごい。寝るしかない」
城「似たような施設ってほかにもありますか?」
常連1,常連2「ない」
僕自身、ベストパワーランドに入ってちょうど24時間後の車中に急激な眠気に襲われ、同じく急に襲いかかる眠気にもかかわらず運転してくれるはまさんを隣に爆睡してしまった(ごめんなさい)。
サウナに目覚めるより遥か前、地元の人工的ラジウム温泉のトロン温泉でも「トロンの効能は遅れてやってきます」と説明されていた。それでも、これほどの心地よさ、そして翌々日の爽快さに身を包まれたことは初めてかもしれない。
そう、あの気持ちよさを一言で表すのなら、重量に引かれた。
[ 北海道 ]
「銀座サウナって旭川のどこ???」と思っとったけど、銀座商店街のことでしたか。
「作りかけの落とし穴」と旭川を記したのは村上春樹さんですが、かつて栄えた商店街も、僕が高校へ通っていた頃にはすっかり寂れてしまっていました。それももう15年以上も前のこと。
「4条14丁目」
旭川が誇る進学校へ入学するべく、中学3年生の僕は旭川にあるとある私塾に通ってました。
旭川電気軌道、通称「あさでん」のバス停で降りて塾へ通った1年。直ぐ近くにあるのが銀座商店街。
「銀座」なんてハイソなワードは知らない北海道の田舎ボーイは、阪神一色の「三番館」とのミスマッチに子どもながら「不思議な街だな」と思ったものです。
高校入学後は自転車で毎日のように近くを走り、夏には夏祭り。北海道の夏祭りって本州と違ってこじんまりとしてて、銀座商店街の夏祭りは旭川で最も身近な夏祭りでした。
旭川にフィンランドサウナがあると聞き、先日里帰りした祭に銀座サウナへ向かいました。旭川に銀座とはこれいかに。今の僕は東京生活も10年以上になり、かつての僕とは違うぜ。
と、着いてみたら「銀座ってそーゆーことか!」と一周まわって驚いたものです。
前振りが長くなりましたが、銀座サウナ、大変よかった。フィンランドを彷彿とさせるような強力な電気ストーブ。何回でもロウリュできる。水風呂も冷たい。白樺もある。最高。
熱波師のしえにさんとも仲良くなれて大変良い日でした。また来たいな。
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