極寒外気浴でストレスを吹き飛ばす

極寒外気浴でストレスを吹き飛ばす

毎日交代でサウナ記事を書いていく毎年恒例企画のアドベントカレンダーにて、2021年に「1ヶ月毎日同じサウナに通って「常連客」を目指す」、2022年に「あかすりで天国へいこう」を執筆したT5さんによる偏愛サウナ連載。

極寒外気浴でストレスを吹き飛ばす

今年の夏、暑すぎませんか?
わたしが住む北海道札幌市でも30℃を超える日が続き、毎日勝手会社のエアコンの温度を下げまくっている。

この暑さの中、みなさまに少しでも涼しさをお届けすべく今回は寒い時期の話、それも年末年始のしわ寄せがきて、仕事がてんこもりになっていた今年1月の話をしたい。

極寒外気浴

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仕事終わりに携帯を見ると、いつもの温浴施設へ一緒に行く約束をしていた友人から「今日、マイナス10℃らしい。しかもこれから大雪になるっぽいから、行くのやめない?」と、メールが届いていた。
会社の窓から外を見ると、もうすでに雪が降り始めている。
「了解だよ〜」と返信をするも、今日のこの疲労感はサウナでしか解消できない……と思っていたので、行かないという選択肢はなく、当然のように自宅とは逆方向の地下鉄に乗った。

普段、わたしは天気予報をほとんど見ない。服装や、雨具の要・不要は屋外に出る直前の天気だけで決めている。
そんなズボラ代表のようなわたしだが、冬だけはこまめに天気予報をチェックする。雪で交通機関が乱れるから……というような理由ではもちろんない。
めちゃめちゃ寒い日に外気浴をするのにハマっているからである。
マイナス10℃なんて絶好の外気浴日和だ。雨具は携帯しないくせに、お風呂セットだけは毎日万全の準備をしている。

「いつもの温浴施設」はいわゆるスーパー銭湯なので、どんな天候であってもまあまあ混雑しているのだが、冬場のサウナ活動はいつも頭の片隅に(ヒートショックを起こして倒れるかも……)という心配があるため、個人的にはちょっと混んでいるほうがなにかあったときに助けてもらえそうな安心感があって、好きだ。

髪と身体を洗って、ヒートショック対策に麦茶(ミネラルには血圧の上昇を抑える効果や、血液をサラサラにして心臓の負担を少なくしてくれる効果があるらしいです!)を飲み、ドライサウナに10分入ったら掛け湯コーナーのぬるま湯で汗を流す。
普段はこのあと水風呂に入り、全身をタオルで拭いてから外気浴をするのだが、今日は違う。
水風呂には入らず、掛け湯で全身ビショビショのまま露天スペースへ行くのだ。

外に出た瞬間、全身から北斗の拳・ケンシロウさながらの蒸気が出る。自分史上最も強そうに見える瞬間だ。
ベンチに積もっている雪をはらって腰掛け(今、わたし、マイナス10℃のなかを全裸で過ごしちゃってます…)などと思いながらじっとしていると、1分ほどで指の関節がカチコチになるのでサウナ室へ戻る。
このサウナ室に戻ったときに感じる、じわ〜〜〜……としたあたたかさがまるで「解凍」といった感じで本当にたまらない。
この「解凍」が真冬のサウナ活動の醍醐味だと思っている。

吹雪浴

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いつもならドライサウナ、水風呂、外気浴だけを猛スピードで繰り返すのだが、冬場はなるべく身体の温度変化をゆるやかにさせたいので、合間にミストサウナやぬるめのシャワーなども挟むようにしている。
ミストサウナで、上司に言われたチクチク言葉ベスト10を思い出して白目を剥いていると、久しぶりに会う学生時代の友人に肩を叩かれ、驚きと嬉しさでエエーーーッとなった。

久々の再会でテンションが上がっていたせいか、傍らに積もっていた雪を無意識に握りしめながら露天風呂でお喋りしていたら、近くにいた小学生くらいの女の子に「雪ってね〜、すっっっごく汚いんだよ!」と言われた。

お互いの黒歴史を掘り返して悶絶していたせいで気がつかなかったが、いつの間にか外はヤバめの吹雪になっていた。
露天風呂にはわりとしっかりした屋根がついているのだが、頭の上に乗せていたタオルには雪が積もり、髪の毛先は凍ってパキパキになっていた。
先ほどまで同じ湯船でテレビを見ていた人たちもすでに撤退しており、露天スペースにはわたしたちしかいないようだ。

吹雪と湯気でホワイトアウト状態になっていたが、せっかくの機会なので「一体誰が使うんだ……」と思っていた雪まみれのデッキチェアに寝転んでみることにした。
すぐに雪でヒエヒエになったプラスチックは凶器だということがわかった。心地よさなんてあるわけなかったが、猛吹雪のなか全裸で横になる、という非現実的で刺激的な経験ができたことはよかったと思う。

屋内に戻り、先ほどの小学生の視線を感じて再びボディーソープで身体を洗った。
残念ながら友人はサウナーではないとのことだったので解散し、ひとりでドライサウナに戻る。すると、「ととのう」とはまた異なる、身体がジュワジュワの泡になってサウナマットと一体化するような感覚があり(あれ???今って寝てるんだっけ???)と混乱した。

もしかして、これが恐れていたヒートショック!? とも考えたが、めまいや頭痛などの不調はなかった。そして(友人のおかげでもあると思うが)先程まで抱えていたストレスは解消され、上司に言われたチクチク言葉なんてもうどうでもよくなっている自分に気づいて、よりサウナへの信仰心が強くなってしまった。

暴風雪警報浴

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翌日も雪はドカドカに降り続いていて、気象予報士が夜にかけてかなり荒れると言っていたため、予定されていた会議がなくなり、全員定時で退勤することになった。
こういう日は最悪の事態に備えて寄り道をせずに帰宅するべきだと重々承知なのだが、せっかく早く退勤できたんだしサウナに行かせていただきます……と、こっそりまた前日と同じ温浴施設に向かうことにした。

到着すると、出入口にいたスタッフの方に「暴風雪警報が出てるみたいです〜」と声をかけられ、もしかして、暴風雪警報が発令されたら臨時休館になったり、露天スペースが封鎖されたりするのかな……!? と不安になったが、普通に営業していたし、露天スペースも開放されていた。しかし、誰ひとりとして外に出ていない。皆、内湯の窓から、荒れ狂う露天スペースの奥にあるテレビを頑張って眺めていた。

わたしは、何事も経験♪と、外に出てみることにした。
内湯の方々に迷惑がかからないよう慎重に二重扉を開け閉めして外に出ると、もう寒いとなどという次元ではなく、痛いだった。
四方八方から雪が身体に当たり、しかも暴風で呼吸ができず死を感じた。100歳まで健康に生きるためにサウナ通いをしているのに、こんなことで死ぬのは違いすぎる。
内湯の方々は「あの人何?」といった顔でこちらを見ていて、わたしも「ただテレビを見にきただけですが?」の顔で露天風呂まで歩こうとしたが、脳内に遭難という文字が浮かんだので、おとなしく屋内に戻った。

帰り道も、猛吹雪というよりブリザードといったほうがしっくりくるような荒れ具合で、視界は終始真っ白だった。気がつくと車道を歩いていたり、突然の地面ツルツルトラップにかかって新喜劇くらいひっくり返ってしまったりしたので、暴風雪警報が発令されたときはまっすぐ自宅へ帰ったほうがいい。


極寒外気浴友達募集中

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この文章を書いているとき、冬の外気浴が恋しすぎてエアコンの設定温度を16℃にしてしまった。地球温暖化を促進するようなことをしてしまってすみません……。もちろん夏の外気浴も大好きなのだが、ストレスや疲労を吹き飛ばすにはやはり風雪が効果てきめんだ。
現代社会を生きるみなさまも雪国へお越しの際はぜひめちゃめちゃ寒い日を狙って、健康を害さない程度に外気浴をしてみてください。
猛吹雪の中、露天スペースで一緒に仁王立ちしましょう♪

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他2件のコメントを表示
2024.09.18 19:04
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T5さん、いつもたのしく読んでいまーす!極寒外気浴、したことがないのでこれを機に冬はサウナをしに北海道へいきます!それにしても、助けてもらうために人が多い方がいいとか、普段はみない天気予報を、サウナのためにみるとか、普通は雨とかネガティブなことへの懸念でみるのにすべてポジティブなことへ利用していて(語彙力なくてすみません)ますます好きになりました😂🫶🏽
2024.09.18 23:46
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2024.09.21 03:30
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私も冬のサウナ最高派ですがレベチですね −10℃の外気浴体験したい
2024.09.21 23:11
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T5さんの記事やらサ活投稿が好きすぎる
2024.09.25 08:30
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