やなぎ湯さんと私とかーちゃん
サウナイキタイ アドベントカレンダー 13日目の記事です。
皆さんにはそれぞれ、愛着のあるホームサウナがありますよね。
今回は、私が惚れてしまった一軒の銭湯サウナのお話をしたいと思います。
かなり偏った話だとは思いますが、お暇な方はちょっとだけお付き合い下さい。
では、はじまり〜。
水曜日の夜
仕事が終わると「かーちゃん」(自分のパートナー。愛着あるのでこの呼び方で)の家に行き、晩ご飯を食べ終えると、どちらからともなく愛用のサウナバッグに着替えなどを詰め込み、「行こうか」と声をかける。
愛車に乗り込み出発。運転はいつも私。環七に出て真っ直ぐ。北本通りを超えたら最初の信号を左折。もう一度信号を左折した先にある。
いつも店の前には自転車がたくさん。地元の客が多いのだろう。駐車場に車を止めてエレベーターへ。ボタンを押すのはいつもかーちゃん。2階で降りるとその先にあるのがやなぎ湯。
チケット売り場は2箇所。入り口と受付の横。いつも奥の受付横でチケットを買い、若旦那に挨拶。サウナバッグを受け取り、かーちゃんと帰り時間を決めて暖簾をくぐる。
2020年は
年明けからろくなことが無かった。バイクで事故を起こしたり、仕事で大失敗したり、そのせいで社長と大喧嘩したり。極めつけは2月、突然耳が片方聞こえなくなった。突発性難聴ってやつだ。治療したが、聴力は戻らなかった。片耳聾になってしまった。
そんな頃、本格的にサ活を始めた。サウナ自体は前から入っていたが、ドラマ「サ道」の影響や、サウナイキタイに出会ったこともあり、いろいろなサウナに行き始めた。
そして、そんな私の片耳になってくれたのがかーちゃんだった。私が聞こえない時には、代わりに聞いて伝えてくれる。感謝してもしきれない存在。一人でもたくさんのサウナに行ったが、週末は必ず二人で出かけた。
その頃よく行っていたスーパー銭湯の大混雑に嫌気がさして家でゴロゴロしていたら、かーちゃんがサウナイキタイとにらめっこして見つけてくれたのがやなぎ湯。行く前はまあまあ近くて綺麗そうだなくらいにしか思っていなかったが、実際行ってみて、ここはいい。通おう。と即決した。
何がいいのかといえば
それはバランス。受付の雰囲気から暖簾の先の脱衣所、浴室までの動線。サウナと水風呂。休憩からの炭酸泉にシルキーバス…と、全てが流れるように調和しているのだ。
18年前のリニューアル以前はいわゆる昔ながらの古い銭湯だったが、現社長と四代目の若旦那が一念発起し、今の施設になったのだという。リニューアルの後、今から8年前に炭酸泉とシルキーバスを取り入れた。
炭酸泉は他の施設を巡って試行錯誤を繰り返し、今の濃度になったのだとか。確かにやなぎ湯の炭酸泉は、濃い。しかも温度も低めで長く入っていられるので、ついつい入りすぎてしまうほど。やなぎ湯に行ったことある人ならば皆同じことを言うだろう。
熱めのシルキーバス。細かい粒子のような気泡で真っ白なお湯が、並ぶ湯船のアクセントになっている。炭酸泉からのシルキーバス、そして水風呂。温冷交代浴が捗る。
そしてサウナ。若旦那は昨今のサウナブームも鑑みて温度の調節をしていると言う。もともと86℃くらいだった温度を最近では96℃まであげて、若いサウナーにも楽しんで貰えるよう、もちろん今までの常連さんにも喜んで貰えるよう、微妙な調節に余念がない。
水風呂も温度を下げて17.5℃としたが、これも幅広い年代に楽しんで貰えるようにギリギリを狙った結果。コロナ対策にも力を入れ、脱衣所に大きな換気扇を導入した。サウナセットにも小タオルを2枚付け、1枚はタオルマスク用に。これは顔の熱さ対策にもなる、良いアイデアだ。
若旦那の
銭湯とサウナに注ぐ情熱には、感服する。日々改善をモットーとし、お客様の喜ぶ顔を想像するのが楽しみだと言う。終わりも完成形もない。利益はより良い施設の為に投資して行く。そんな情熱を持った店主のいる銭湯に出会ってしまった。
私は熱いサウナが好きだ。ジートピア、レインボー、クレスト、挙げればキリがない。アッツアツのサウナとキンキンの冷たい水風呂はとても気持ちがいい。
やなぎ湯には、アツアツサウナもキンキン水風呂もない。あるのはバランス。それもとびきりのバランス。エレベーターを降りてからの受付、若旦那の笑顔、脱衣所からの洗体、サウナ、水風呂、炭酸泉からのシルキーバス。全てが調和している。
声を大にして言う。やなぎ湯は最高の銭湯サウナだ。
いつものように
体を洗い、水通しをしてからサウナへ。オートロウリュの湿度を浴びてテレビを見ながら12分耐え、バイブラの効いた水風呂へ。足を伸ばして60秒。
身体を拭きつつ露天へ。炭酸泉の脇に並んだ椅子に腰掛け、壁に頭をつけて休憩。1セット目からジワジワ整う。3〜4セット繰り返し、ばっちり整ったところで炭酸泉に寝転び昇天。さらにシルキーバスの浅瀬でまた足を伸ばしてオールフィニッシュ。私のいつものルーティン。
着替えをすませて受付へ。ポカリとオロナミンCを持っていくと若旦那が「いつものお持ちしますね」とグラスに氷を入れて持ってきてくれる。手作りオロポを飲んでいると、女湯からかーちゃんが笑顔で出てくる。今日も整ったね。ゆっくりイオンウォーター飲んだら帰ろうか。若旦那に挨拶。「おやすみなさい。また水曜日に」
最高の癒し。最高のバランス。私は毎週やなぎ湯に通う。最高のパートナー、かーちゃんと。
最後まで読んでくれてありがとうございます。私自身このような文章を書くのが初めてで手探りでしたが、協力してくれたかーちゃん、そしてなによりやなぎ湯の若旦那に心より感謝致します。
普段のサ活にコメントくれた皆様もありがとうございました。とても励みになりました。
柳湯(やなぎ湯)
住所: 東京都 北区 東十条3丁目5−15 アクアヴィラ
水曜日のやなぎ湯にも行きたくなりました
素敵です!
良い話聞かせてもらいました🤗
あきのしさんのサ活で気になっていたやなぎ湯さん、もう行く行く詐欺になっていましたが 今週行くことを決意🤨これからもかーちゃんとのサ活楽しく拝見しますね❣️
いつも通っているやなぎ湯さんの知らなかった一面を知れました。素敵な記事をありがとうございました!
楽しみにしていた投稿、とてもあたたかい気持ちになりました☺️ありがとうございます✨
銭湯お遍路一周目のゴールにこちらに行きました。訪問済みの銭湯に、あきのしさんのストーリーで奥行きが生まれました。ありがとうございます。
ホームサウナの居心地のよさ!!共感だらけの素敵な文章でした♫
動線、完璧!バランスが良過ぎてここはつい長居してしまいます。やなぎ湯は北区の誇りです!
光景が目に浮かびましたよー😊
ここまでの記事で1番心に沁みました。
遠いけど行ってみたくなるな、やなぎ湯
素敵な日常ですね✨旦那様の思いや努力も素晴らしいです。こちらもマナーを守って一緒に大切にしていきたいです⛄
素敵な記事でした✨これからもサ活楽しみにしてます😊
素敵なお話で月曜日の朝からほっこりしました。やなぎ湯さん、行ってみたくなりました!
ホームへの愛がすごく伝わります!
物語を読んでいるかのような… 優しい雰囲気が伝わってきて、心がポカポカ温まりました😌💗
柳湯さんに行ったような気になりました。
奥様に感謝!ですね😊
とっても素敵でした。やなぎ湯さん、わたしも大好きなサウナーの彼といってきますっ!
バランス感というところにすごく共感しました。一度訪ねましたが、銭湯サウナとしての絶妙なセッティングが心地良くて私も好きになりました。