今年4か月出張して気づいた、瀬戸内サウナの魅力
サウナイキタイ アドベントカレンダー 19日目の記事です。
はじめに
こちらをお読みの方々は、
「旅先にサウナもあったらいいな」ではなく「サウナがあるところに旅しよう」とか、
「洋服より館内着を着ている時間が長い」とか、
「肌感だけでサ室温や水温を当てちゃう」とか、
「家族やパートナーに『またサウナ?』と言われてもめげないどころかサウナの良さを啓蒙しがち」とか、
そんな愛すべきサウ脳なのではと思料する次第です。
しかし、より高次なサウナーを目指すためには、視座を高めることも必要でしょう。
出口治明氏曰く、人を成長させるのは「人、本、旅」だそうで、日本人お得意の長時間労働の末の「メシ、風呂、寝る」を脱却し、「人、本、旅」にシフトしないと成長はないとのお言葉です。
「メシ、風呂、寝る」を変換すると、「サ飯、サウナ(+水風呂)、休憩エリア」か……。
いやいや、大丈夫。
日常生活のサ活にはきちんと目的や意味があり、変換しようが全肯定ですよ。私みたいなもんは、サウナで自律神経整えないとやってらんないし……。
話を戻しますと、今回ご提案したいのは、「旅の経験×サウナ=人としての成長」です。
旅が人を成長させるのであれば、コロナ禍で我々人類は成長機会を奪われていたのかもしれません。今後、コロナの諸々が落ち着いてきたら、旅の機会も増えるかと思われます。
旅という良質な経験をしながら、気持ちよくサウナも味わい、そしてより高次な「サウナー2.0」へ……。
って、なんそれ。
本題
瀬戸内地方とは?
Wikipediaによれば「広義の山陽(兵庫県の播州地方及び岡山県、広島県、山口県)と、四国北岸の香川県と愛媛県を指す(兵庫県淡路島・徳島県も含む場合もある)」だそうですが、もっと一般的に言えば(特に瀬戸内地方の外の人間の感覚では)「海」のイメージがあるのではないでしょうか?
私は都内在住ですが、仕事の都合で2021年の3分の1を瀬戸内海に浮かぶ小さな島で過ごしました。
仕事終わりや休日に各地のサウナを訪れた経験を踏まえ、瀬戸内旅行プランをご紹介したいと思います。
今回は瀬戸内でも特に、『福山→尾道→しまなみ海道→今治→松山』と3~4泊程度の旅行を想定してご案内します。
先に瀬戸内の魅力をお伝えすると、
・多島美に代表される景観の美しさ
・グルメ
・アクティビティが充実
といったところでしょうか。
また海が穏やかな影響か、温厚な方が多い気もします。
①福山
広島県東部、岡山県寄りに位置する県内第二の都市ですが、なぜ福山を旅先に選ぶのでしょう?
某サイトのランキングでは、広島県内の温浴施設総合部門TOP3の全てが、福山市内にある施設です。
そう、福山は広島サウナのメッカ!
気合を入れて午前中に福山に到着しましょう。
その足で駅からすぐの「サウナ日本」(男性専用施設です)へインです。軽く90分コースにしておきましょうか。古き良きストロングスタイルのサウナをご堪能ください。サ室は改修され、とてもきれいです。
すぐ近くの商店街には食事処もたくさんあります。
個人的なオススメは「古まん」のランチです。ランチメニューは1種類。数量限定ですが、海鮮丼、てんぷら、茶わん蒸し、付け合せにお味噌汁で900円。もちろん味も◎
お腹も満たしたところで、運転ができる方はレンタカーを借りましょう。
車で向かうのは「鞆の浦」。千年の歴史をもつ港町で、福山駅から30分少々で着きます。
港から船に乗り、すぐ着く「仙酔島」へ。
「仙人も酔う美しい島」はゆっくり時間が流れるパワースポットです。早めに到着しているようであれば「江戸風呂」に行ってみましょう。ふだんのサウナとは一風変わった経験ができます(15時最終受付)。
先ほどお伝えした通り、福山は広島サウナのメッカです。
・お湯処 美福
・ルートイングランティア福山SPA RESORT
・神辺天然温泉 ぐらんの湯
・福山コロナの湯天然温泉
・スーパー銭湯 ゆらら
・まごころの湯
など、それぞれに特徴があります。
サウナイキタイを参考に、自分に合いそうなサウナへ向かいましょう。
初日は福山泊です。サウナがある宿泊施設としては
・ホテル1-2-3福SPA RESORT
・カンデオホテルズ福山
・ルートイングランティア福山
・カプセル&サウナ日本(男性専用)
など。お好きな場所を選んでください。
夜はぜひ、備後の魚(備後フィッシュ)をご賞味あれ。認定店が福山市内にはたくさんあります。
(備後フィッシュとは:穏やかな瀬戸内海に臨む備後圏域の沿岸4市である広島県福山市,三原市,尾道市及び岡山県笠岡市で水揚げされた新鮮な水産物で,漁師がおすすめするとっておきの25種類の魚たちです)
②尾道
2日目は、福山を後にし尾道に向かいます。
車だと30分くらい。電車だと山陽本線で20分程度です(間違えて新幹線で「新尾道駅」に行かないように)。
尾道は「坂の街」「文学の街」「映画の街」として知られますが、合併の歴史を経て、向島、因島、生口島をはじめとする島しょ部も尾道に含まれます。
街ブラも結構ですが、ここはレンタルサイクルを借り、しまなみ海道をサイクリングしましょう。
「しまなみ海道」はサイクリストの聖地として、世界的に有名なサイクリングコースでもあります。島を繋ぐ橋は自転車走行可能で、自転車でアイランドホッピングができます。また橋が架かっていない島々も航路が充実しており、都市部におけるバス乗りの感覚で船を使います。
サウナー向け(サウナに必ず立ち寄る)サイクリングルートをいくつか考えてみました。
初心者でも、女性でも大丈夫なルートだと思います。
【ルート1】
車(かバス)でしまなみ海道を渡り、因島の土生港へ
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土生港で自転車をレンタルし、船で「生名島」へ(数分で到着)
*船には自転車に乗ったまま、ライドンできます
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生名島から佐島へ(橋を自転車で渡ります)
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佐島から弓削島へ(橋を自転車で渡ります)
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「インランド・シー・リゾート フェスパ」でサウナ!
途中、各島をプラプラ寄り道しながら、景観を楽しんでください。本当に素晴らしい景色が待っています。
帰路は往路を逆に行ってもよし、弓削島から直接因島に戻ってもよしです。
また、生名島から船に乗り岩城島へサイクリングも(2022年2月には生名島⇔岩城島間に新しい橋が架橋されます)。
体力や時間と相談しながら楽しみましょう。
【ルート2】
車(かバス)でしまなみ海道を渡り、因島の土生港へ
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土生港で自転車をレンタルし、因島を北上
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生口橋を渡り、生口島へ
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海沿いを西回りに走って「ドルチェ瀬戸田本店」へ
海を眺めながらジェラート食べて体力回復
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瀬戸田港近くの「yubune」でサウナ!
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サンセットビーチへ
その名の通り夕日がきれいなビーチです
帰路は往路の逆で。
【ルート3】
車でしまなみ海道を渡り、生口島のサンセットビーチへ
車が無ければ船で「尾道港」から「瀬戸田港」へ、
瀬戸田港からはサンセットビーチまでバス(西回り)かタクシーで。
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サンセットビーチで自転車をレンタル
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多々良大橋を渡り、隣の「大三島」へ
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海沿いのルートを西回りに走り、「盛港」へ
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船に乗り、「大久野島」へ
大久野島は戦時中は毒ガス製造工場があったため、地図にも掲載されていない島でした。
現代では、当時の彷彿させる建造物の名残と、たくさんのウサギが生息する観光地です。人間に慣れたウサギなので、エサ(港で売ってます)をあげて写真撮りまくってSNSで自慢しましょう。
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大久野島から「盛港」に戻ります
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西へ自転車を走らせ、大山祇神社へ
サイクリスト用の自転車置き場もあります。由緒ある神社で、樹齢3,000年のものもある楠群が圧巻です。
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「マーレ・グラッシア大三島」でサウナ!
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帰路は同じ道を戻りましょう。一部、勾配もあるので注意。
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瀬戸田港まで戻ったら、サウナのおかわり「yubune」へ
ルート3は時間と体力に余裕がある方向けのルートです。短縮版でサンセットビーチ⇔大久野島の往復ルートでも。
春~秋であればSUPやシーカヤックもオススメです。
普通の自転車がきつい方でも、電動自転車を貸し出している施設もあります。
2日目は尾道泊です。サウナがある宿泊施設は、
・天然温泉 尾道みなと館
・Azumi Setoda
・インランド・シー・リゾート フェスパ
など。
尾道駅周辺であれば、サウナが無い宿泊施設に泊まっても、「尾道平原温泉 ぽっぽの湯」で良サウナにありつけます。
そして尾道と言えば、お好み焼き(尾道焼)と尾道ラーメンですね。
尾道焼は「砂ずり」や「イカ天」が入っているのが特徴です。
尾道ラーメンの最大の特徴は「背脂ミンチ」。鶏ガラと瀬戸内の小魚からとったダシに醤油を合わせたスープと相まり、見た目も食欲をそそる一品です。
③今治
ふだん運動不足の方は、このあたりで筋肉痛になっていることでしょう。「マーレ・グラッシア大三島」に行きそびれていれば、立ち寄ってみましょう(10時オープン)。海水風呂が疲れを癒してくれます。
今治への移動は、車かバスか船です。車であれば今治手前の「来島海峡SA」へ。お土産が充実していて食事もでき、眺望も素晴らしいです。
今治と言えばそう、タオルですね。
サウナーが愛してやまない「MOKUタオル」でおなじみのコンテックス株式会社様のお膝元でもございます!こちらの敷地内には「タオルガーデン」という喫茶店&SHOPがあります。
余力があれば再度レンタルサイクルをして、来島大橋(全長約4,000m)を渡ってみましょう。車で走る以上に、その迫力を実感できると思います。
今治のサウナ施設だと
・しまなみ温泉 喜助の湯(宿泊可)
・ナニワサウナ
・かみとくの湯
あたりがアクセスが良いと思います。
④松山
今治で一泊しても良いですが、ここはもう少し足を延ばして、松山まで行ってみましょう。
言わずと知れた「道後温泉」が有名な一大温泉街です。古事記にも登場する、日本最古の温泉と言われています。旅の締めに、なめらかなお湯に蕩けてください。
足を伸ばせば、猫島(青島)という、猫好きにはたまらない、猫だらけの島があります。
愛媛のグルメは鯛めし、じゃこ天、せんざんき…そしてやっぱりかんきつ。
果物をそのまま持って帰るのは大変なので、お土産にはかんきつ類の飲むゼリーがオススメです。
この一帯のサウナ施設は
・東道後のそらともり
・伊予の治場 喜助の湯
・たかのこの湯
・新開温泉
・東道後温泉 久米之癒
サウナのある宿泊施設は
・石手の湯 ドーミーイン松山
・カンデオホテルズ 松山大街道
・松山ニューグランドホテル
・たかのこホテル
などなど。温泉街だけあって選択肢も多くあります。
というわけで、
瀬戸内は自然、アクティビティ、グルメを存分に楽しめる場所です。
点在する島しょ部は、観光地然としていない場所が多いのもまた魅力。
一人旅でも家族連れでも旅心を満たすことができるでしょう。
瀬戸内サウナの魅力は、旅のベースにサウナを据えつつ、他にも様々な経験を得られるところにあります。
旅要素を加えたサ活、試してみてはいかがでしょうか?
最後に
「サウナは少年を大人にし、大人を紳士にする」というポスターを見かけたことがあります(「サッカーは子どもを大人にし、大人を紳士にする」という言葉にインスパイアされたものかと思います)。
さもありなん、と膝を打ったものです。つまりは公衆マナーに始まり、教養を身につけることに繋がるのでしょう。
過去の私は神経を尖らせ、お行儀が宜しくない人に苛立ちを覚えたりした事もあったものですが、「この人は成長途上なんだ」と考えるようになりました。
そしてサウナー2.0への進化とは、広義の教養を身につけることなのでは、と思うに至るのでした。
サウナを目的化するのではなく、サウナを通じてどういった人間であるべきかを考えた出張となりました。旅(出張)という経験学習を重ね、自身の成長へと昇華させたとさ。
いや……
仕事しろよ。
サイクリスト+サウナーとしては魅力的過ぎます
松山のサウナーとして嬉しい記事。温泉の多い愛媛では星乃岡温泉、シーパMAKOTO、ゆらら、利楽、そらともりなど宿泊できる家族風呂も多いので是非!2名1万円前後、部屋に貸切風呂、大浴場も入り放題とオトクです。
久しぶりに帰省したい気持ちになりました! ありがとうございます!