2019.05.06 登録
[ 静岡県 ]
【後編︰サウナの聖地と呼ばれる所以とは(サ旅静岡・名古屋編)】
モクモクと湯気が溢れ出す扉を開けていざ薬草サウナへ。
「アツ。」
一般的にサウナ施設で2枚看板のところは
ひとつは高温、もうひとつはミスト系(低温)という感じでユーザーが好みを選べるセッティングになっている。
聖地しきじは違う。
両方ともアツい。
サウナーにとっては天国なのだ。
トビラを丁寧に閉め、まず下段からセット。
薬草のいい香りを深呼吸で取り入れようとするも、鼻の奥が熱でやられる……
最近このギリギリの「駆け引き」を楽しめるようになった。
サウナーとしてまた一歩前進した気分になったその時だった。
「え、普通に顔面熱いんだが」
周りのサウナ紳士もタオル防御している。
小生も追随。薬草サウナのサウナ紳士一行は顔をタオルで隠した。
まるで皆ブラジルのファべーラギャングのように。
「プシュー〜ルルルル、プシュー……」
突如薬草サウナ室に異音が響く。
するとサウナギャング達が一斉に小生を残し、サ室から飛び出してゆく。
「次は何が起こるんだ……」
温度計は60℃を指したままだが、体感的にはもっと熱く感じる。
するとトビラ付近の湯気が先程よりも濃くなっている。
急激にサ室温度が上がる。オリ赤ロウリュのような感じに似ている。
パニックに陥る小生。
何故か上段で両腕をあげる歓喜の舞いを演じ、見事火傷寸前に。
「アツアツアツアツアツアツアツ!」
慌てて上段からトビラに向かうも、トビラ付近が最もアツく、死に物狂いで退散。
我慢していた水風呂の滝をアタマからぶち当てる。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙(心の声)」
呼吸が上手くできず、口に紛れ込む水の冷たさを感じを「生」を確認。
振り返る。あのサ室退散→水風呂の時間は、「無」になれた。
仕事もプライベートの悩みをサウナの熱で昇華、水風呂の滝重力で鎮圧されていた。
あぁやっぱり「無」になれるのはいいな。
そんな感想と共に、白モツガーリック丼を味わっていた。
そして高速バスに乗り、普段なら帰京する。だが本日は名古屋方面を目指す。
バス車内でトはトノってしまって爆睡。
(最近時差トトノイ多いです。)
目を覚ますと気付けば名古屋に。
なんとウェルビー栄にてチェックインを済ましていたのだ。[完]
[ 静岡県 ]
フィンランドサウナ:5・10・10分
薬草サウナ︰5・10分 計5セット
水風呂:3分 × 5
休憩:3分 × 5
合計:5セット
一言:【サウナの聖地と呼ばれる所以とは(サ旅静岡・名古屋編)】
「移動時間は行動の意志を削る。お金をかけてでも短くする努力をしよう。」
何らかの自己啓発本にあった一節。それとは裏腹に小生は渋谷バスターミナルにいた。
「3時間かけて静岡へ。」
サウナーによる「サ旅」は実に優雅である。
我々にとって、サウナにいる数時間だけが俗に言う「観光」。
ビュンと新幹線よりバスでじっくりと時間をかけるスロートリップの方が、サウナに焦点が合った1日に成り上がるのである。
高速バスから中田3丁目で下車。スロートリップ、ここから徒歩で聖地へ向かう。
東京と違って幅広い歩道。心持ちが広くなって思わず写真を取ってしまった。
到着。駐車場の車両は県外ナンバーが目立つ。
初めての施設にも関わらず、長年の経験によりすんなり施設システムを把握。入浴場にて体を清める。
まず「フィンランドサウナ」に入る。
その瞬間、カラダからアタマに衝撃の一波が走った。
「これは。」
重厚感のある「熱み」。いきなり上段は難しそうだ。
そして衝撃の二波目。
燻製のようないい香りがする。何だこの香り。でもとてもいい香り……
「吉村家の燻製チャーシューと食べたあの衝撃の香りが漂う!!!!」
とどのつまり、とてもいい香りなのである。
小生、あらゆるジャンルの聖地巡礼をすると何かしらに衝撃がカラダに走る。これこそ聖地と呼ばれる所以なのだろうか。
サ室は5分程度で仕上がる好セッティング。細かく刻む展開かと想定し、水風呂に向かう。
水風呂前で二礼。
この時点で足先に自然水の滑らかさが伝わってくる。入水。
「これは。」
一言で言うならば、水が滑らかすぎてカラダが浮いているような感覚。軽い無重力状態を味わう。
滝からの水しぶきが顔面を冷やす、口の中に彷徨いこんだ水は喉の奥に飲み干す。
一体何なんだ。
①重厚感のある「熱み」
②吉村家燻製焼豚を彷彿とさせる上質な香り
③無重力状態にさせる水質
その後も、上段にセットしたりして3セットをこなす。
「薬草サウナ……?」
右側にあるサウナ。トビラから悶々と濃い湯気が溢れて出ている。こんなサウナ見たことない。
その魅惑のトビラを開いた時、再び私のカラダに衝撃が駆け渡るのでした。(後編に続く)
[ 東京都 ]
サウナ:15分 × 4
水風呂:3分 × 4
休憩:5分 × 4
合計:4セット
一言:ロウリュ2回楽しめてよかったです。ただひとつだけ。浴場にスマホ持ち込みはOKなのでしょうか……
ロウリュを語ろうと意気込んでいましたが、最後にこの件で消沈してしまいました。
施設&サービスは大好きなのです。しかし持ち込みが認可させていると少し距離を置いてしまいます……私個人の感覚なので全く参考にはなりませんが。
[ 東京都 ]
一言:【互いを讃えるほどのロウリュ、「蒸しZ」は何処へ】
「チャンピオンですね。」
サウナ紳士から声をかけられた。最後までサ室で生き残っていたからであろう。
「タオルでガードしていたので反則です。」
サウナ紳士は言わば「無酸素登頂」をしていた。
※無酸素登頂︰前かがみせず、熱避けでタオルを使用しないロウリュを完遂させる行為。
水風呂の隅にて刹那に互いの白い歯を見せ、讃えあう。そんな幸福なサウナ文化が、オリ赤にある。
…………
小生はいつもオリ赤ロウリュ。席は上段・ikiヒーター真横にセットする。
目標は「前かがみにならない。」それだけ。
オリ赤の御神体、ikiヒーターに二礼。
アロマ投入。視線を右にやると、じゃがいもの様なストーンが一斉に蒸発音を鳴りあげる。
きたきたきたきた。
この眠れる獅子が目覚める時。
熱波師の団扇が合図だ。
扇ぎがスタートすると、急激な熱がサ室全体を支配するこの感じ。
思わず小さな悲鳴。心の膿が吐き出されるような感覚。
「とぅおぉぉ……」
この熱量。最初に味わった時は生死の危機を感じるが、今や中毒者になっている。
テンションの上がった小生。両腕を上げて歓喜のポーズ。
(全身全霊で熱量を感じる。実際は滅びてしまいそう。)
そして熱波師によるダイレクト熱波。
3回程度じゃ終わらない。
「いつ終わるのか!まだ扇ぐのか!あと何回なんだぁ!!」
熱波を数える余裕はない。
実際何回「煽」がれてるかもわからない。サウナ紳士もキツそうだ。
ただこの時だけ「無」になれる。オリ赤のロウリュの時は後半あまり記憶がなくなる。
そしてシルキー水風呂へ。前かがみにならなかったぞ。やや嬉し泣き。
トトノイ椅子へ。トランスへ突入。
……あぁ、あれは確か中学部活の合宿だった。
長野の高地トレーニングで「エンドレスリレー」という監督のストップがかかるまでみんなで400mを夜まで幾度と走り続ける地獄のリレー。
終わった時、小生は部員と喜びを分かち合った。今でも忘れられない人生のハイライトである。
「チャンピオンですね。」
そのサウナ紳士と「勝手に」分かち合った喜び。
似てる、あの時の感覚に。
おそらく、彼は有名サウナーなのであろう。
また一緒にロウリュをしたい。
その時は「無酸素登頂」を達成したい。
今宵もサウナに足を運ぶ。
何処かでまた、小生にとっての「蒸しZ」に逢うために。[完]
[ 神奈川県 ]
【飲み会断るイマドキ社員。その真実を明かそうと思う。(後編)】
「嗚呼、飲み会の概念がサウナに変わればいいのに。」
94年生まれのゆとり世代。スカイスパの水風呂でふと思う。
なんとピースフルな発想なのだろうか。
トトノイ椅子にセット。夕暮れの海を眺める。
翌朝には同期達が「昨日はご馳走さまでした!お酒美味しかったです。」と
お偉いさんに感謝する光景が目に浮かぶ。
しかし断ってサウナへ導かれた小生にはそれができない。
その時、どうしようか。席を立つか。愛想笑いするか。無視をするか。……つらい。
嗚呼、明日の出社が憂鬱だ。
3セット完了し、現実の闇がそっとアタマをよぎる。
そろそろ19時だ。あれ、ロウリュあるのか。
普段あまりやらない、ロウリュダブルヘッダーを敢行。
サ室、最上段にセットした。
18時会とは異なる熱波師。
ではお願いします。
「おっ。」と思わず目を見開く。
先ほどの熱波師とは異なる世界観。
18時会では、大きなタオルを「2重らせん状」に芸術的に美しく見とれてしまった。
そして優しい風で徐々に温度を上げる。まさに「癒し」の世界観だった。
19時会は違った。
小さなタオルで遠心力を活かしたアウフグースでサ室温度を一気に上げてゆく。
そして強烈な熱波をサウナー届ける。小さなタオルが靡く音色が大変心地よい。こちらは「極」の世界観というところだろうか。
おかわりタイム突入。
とある主人公のようなセリフを脳内に焼き付ける。
「先ほどの憂鬱を吹き飛ばしてくれ!!」
「苦しみと哀しみを破壊し尽くしてくれ!!」
両腕を天井にあげる。手首を軽く屈折させる。
熱波が襲う。「無」の境地になる。
飛んだよ。破壊し尽くされたよ。
ありがとう。
トドメにカラダに奥潜む邪念を払い出すかのように、熱波師を称える拍手を強く叩いた。
「やっぱ、飲み会行かなくて良かったわ。」
スカイビルを出た小生に明日の出勤も何も怖いものはなかった。[完]
[ 神奈川県 ]
サウナ:10分 × 4
水風呂:5分 × 4
休憩:8分 × 4
合計:4セット
一言:【飲み会断るイマドキ社員。その真実を明かそうと思う。(前編)】
「おい、今日飲みに行くか?」
それは会社のお偉いさんからの連絡であった。
半年ぶりの出張。内勤がメインの小生にとって出張先の名所で飲む、それは社会人としてのひとつの憧れでもあった。
サウナと出逢うまでは。
「すみません。外せない用事があり…………」
ホントに駄目駄目なサラリーマンだ。
同期はお偉いさんか飲み会に参加。
コーイウところで関係を深めて、仕事に繋げる。それがサラリーマンという人種だ。
「またやってしまった。」
後悔の念が小生を襲う。もう病と言っていいのではないだろうか。
病名︰飲み会断り、サウナイッチャウ症候群
仕事終わり、同期が乗っているかもしれない渋谷行の車両。
小生は帰宅ラッシュに紛れ、人目を憚り、
「そっと」横浜で途中下車をした。
17:50 来てしまった。スカイスパ。
しかも幸運にも18時からエキストラアウフグース。
熱波師さん登場。「サ道」のBGMをかける。
アロマの香りといい、リラックスを加速させる。
熱波師のタオル使いに刮目した。
それは正確に「2重らせん」の軌道をたどる。
「生命の種、DNA……」
小生の細胞から込み上げられた決死の一言。
そう、細胞レベルで悦びを享受してくれるアウフグースがスカイスパにはあるのだ。
飲み会に行った奴らは、細胞レベルで悦びを享受しているのだろうか……
サ室からの海を眺めて我思う。
「コレだから、飲み会を断っていくサウナは気持ちいい。」
まさにスカイビルからの高みの見物。
「サウナで酔った」かのように調子のいい小生は19時のロウリュまで3セットを繰り返すことになる。(後編に続く)
[ 神奈川県 ]
サウナ:15分 × 2
水風呂:3分 × 2
休憩:8分 × 2
合計:2セット
一言:【夏の夜空を眺めたあの刹那的時間】
彼女「どこか外でお風呂入りたい。」
夏休み中、我が自宅に遊びに来ていた。
「(オリ赤は……男性専用か)じゃ三軒茶屋の駒の湯に行こうよ。」
彼女「……違う。今日は岩盤浴とかあるような所がいい」
困った恋人だ。
だが小生も風呂は「サウナと水風呂が充実してる施設」と一般人とは少し異なる定義持ちであるのも否めない。
ふと我に戻る。
「そうだ、いいとこあるよ。」と自信を持って彼女を手を引いた。
お洒落な感じの施設。岩盤浴も入れて、アクセスも抜群。
この施設を選べる小生は身勝手ながらもその時だけ己を「いいオトコ」と驕り高ぶった。
…………
20:20 「じゃ21:10に集合ね。」
彼女の50分間制約に怯みつつも、さっそく体を清める。
サ室に入る。施設は2段設定だが、このセッティングなら3~4段目で汗を流したい。
しかし、ココはあくまでサウナ紳士が牛耳る空間ではない。
アソビ帰りで振り返りの会話が弾む大学生、冷やしたタオルを額に当てて何往復もしてこちらを覗うチビっ子。
「たまにはいいじゃない。こういうのも。」
かつて小生もそうだったからだ。
サウナーと自覚するまでは
友人と下衆な話も、そして幼き頃は冷やしたタオルの持ち込みをサウナでしていたものだ。
そして水風呂へ。バイブラ&ライトアップで洒落た空間を演出。浴室の段差に腰掛けるのがベストポジションである。
外気浴へ。デッキチェアにセット。あれ。
「夜空が綺麗だ。」
そういえば、最近外気浴サウナ行ってなかった。夏の空を見る余裕もなかった慌ただしい生活を送っていた。
「満月。夏の満月。」
自然と口が動く。
目を見開く。鼻からゆっくり息を吸う。
微かな夏の空気、鈴虫の夜鳴き。見開いた目の視界には目一杯の夏の夜空。
やばい。
不覚だった。サクッと汗を流し、彼女と夏の思い出を作る。その予定だったのに。
思わず、緊急の2セット目。そして外気浴。
トトノッテしまった。
この夏の夜空はいつまでも眺めていられる。
結局時刻は21:25を指していた。
「なんで遅れたの?」
「夏の夜空が綺麗だったから。」
このような返しでも許してくれる貴女の寛大さ。
それが小生にとって、この夏の思い出と化したのであった。[完]
[ 東京都 ]
【(後編)オジサンとの出逢い。真の自分を追い求める新橋の夕闇】
※前編あり
水風呂に向かう。艷麗だ。
ラブホのようなライトアップ。滝のように冷水が落ちるところで頭をひやす。
水温は低くはないが、この程度の水深はトトノイを加速させる。
「無理をしているのか……」
再び自問する。答えを出さぬままテルベに移動。
目を瞑る。サウナトランスが到来。テルベが時計回りにぐるぐる回る。
先程の「問い」がサウナトランスのグルグルによって吸い込まれてゆく……まるでブラックホールのように……
…………少し時間が経ったのだろうか。目を見開く。
無心の小生の視界に映ったのは、目まぐるしく変化するミストサウナの電子温度計。
何故かずっーとその動きを凝視していた。
その時、思い浮かんだのはロッカーで語りかけてくれたあのオジサン。
「キミ、悩んでいるね。泣けよ。」
そう見透かされそうな気がした。
心があたたかくなったオジサンとの出逢い。
そんな一期一会を何処か期待して、今宵もサウナに足を運ぶのだ。
そこで真の自分を見つけるために。[完]
[ 東京都 ]
サウナ:10分 × 3
水風呂:5分 × 3
休憩:10分 × 3
合計:3セット
一言:【(前編)オジサンとの出逢い。真の自分を追い求める新橋の夕闇】
「キミ、姿勢がいいね。気持ちがいいよ。」
東京タワーで夜景を眺める。銀座で洒落た飯を貪る。
そんな気の詰める逢瀬が終わり、新橋へ歩く今宵。
「キミ、鍛えてるね。わかるよ。」
それはロッカールームでの出来事であった。
そのオジサンは小生を従業員と間違え声をかけてくれたようだ。
ハッピーアワーは日曜だけ……若かりし頃卓球に励んだ……
身分以上にカッコつけすぎたデートを展開し、疲弊していた小生を癒すかのようにオジサンは語りかけてくれる。
「そんじゃ、私は帰ります。いいひとっ風呂を。」
この心があたたかくなるこの感じ、なんだろう。
新橋にこんな「心のオアシス」があるとは。
サ室に入る。
目の前にキャンプファイヤーを彷彿とさせるストーブがドンと陣取る。
あれは小学生の頃の八ヶ岳自然教室だった。
このようなキャンプファイヤーに男女手を繋ぎ囲む。そして歌を歌う。
異性の手を拒む者、夢中にその場を楽しむ者、小生は前者であった。
あぁそうだよ……今も変わらないさ。振り返れば今日のデートだって異性と手を繋げなかったんだ。
東京タワー登って……洒落た飯食って…………
「オレは……無理をしているのか……」
サ室にいると、ホントの弱い自分に向き合えるような気がする。
そして「弱い自分の排出する、いや排出してくれ」という念を込めて、汗の滴りに刮目するのだ。
(後編に続く)
[ 福岡県 ]
一言:【聖地巡礼-ウェルビー福岡2泊でどっぷりサウナを味わいつくす-(後編)】
心地よいロウリュを味わった。さてお待ちかねの水風呂に入るとしよう。
ビート板を置く。サウナパンツを片足から脱ぐ。
右足を蹴り出すとサウナパンツが宙に舞い、手で掴む。
嗚呼、懐かしのルーティン。これこそ、ウェルビーサウナの真骨頂と言っても過言ではない。
まずは弱冷水に浸る。弱冷水と言っても20℃は下回る。ここで5分じっくり冷却をする。
脚を伸ばし、心臓よりやや上にセットする。トトノイ椅子で快楽に堕ちるサウナ紳士を見てるとこちらまで気持ち良くなる。
トトノイ椅子にセット。口半開き、白目になりがち。嗚呼、1セット目でトトノイそうだが、ここは再度サ室で汗を流す。
2セット目。さて、強冷水5℃に向おうじゃないか!
かけ水をするこの冷たさ、思わず「クウ〜!!」と心の中で叫ぶ。
博多華丸のあの「クウ〜!!」の発祥はこの強冷水から誕生したと言われても納得してしまう。
浴槽に入る。喉の奥、いや胃の下の臓器あたりから沸き上がる「ゔぉ」と一声。
悦んでいる、小生のカラダが。
眠っていた細胞達が一気に復活するあの感覚。
そして瞬殺ならぬ、この「瞬冷」。
10秒も経たないうちに両脚が悲鳴をあげる。一旦浴槽から出る。ヒリツイタ脚であの階段を丁寧に降りる。
いつからだろう。「三度漬けルーティン」をやり始めてたのは。
これは、即座に再度強冷水に入る→一旦出る→また即座に入る。言わば修行。そして最後に狂う様に強冷水を頭からかけ続ける。
気持ち良い。その日は某有名アイドルライブが開催され、ウェルビーにも「not サウナー」が浴場に溢れかえっていた。
彼らは小生の「修行」に若干引いた視線を眺めていた。
これをもう1セット加えて、冷水でカラダを清め、ラストに強冷水に入り浴場を後にする。
カラダがキンキンに冷え、低体温症寸前になりながらも予約してあったマッサージ室に向かう。
「冷え性ですか、お客さん。すごくカラダが冷えてますよ。水風呂入られたんですか。」
この一言を言われるまでが「修行」なのだ。
25歳でこの感覚を知れたことが幸福なのである。
博多美人の温もりをより一層感じられる魔法の浴槽。それがウェルビー福岡の強冷水なのではなかろうか。[完]
[ 福岡県 ]
サウナ:10分 × 3
水風呂:1分 × 3(強冷水)
休憩:3分 × 3
合計:3セット
一言:【聖地巡礼-ウェルビー福岡2泊でどっぷりサウナを味わいつくす-】
「水が蒸発する音……ゆっくり降りてくる蒸気……アロマの香りを目を閉じてお楽しみください。」
あぁ。この美しい台詞を心身に焼きつける。
この台詞のために遥々福岡にやってきたと言っても過言ではない。
小生がウェルビー福岡と出会ったのは、2017年6月。
強烈なロウリュと強烈な水風呂、そして熱波師が創り出す強烈な世界観に驚嘆した。
ロウリュって「楽しく盛り上がるイベントでしょ??」と思い込んでいた。
こんな不思議な世界観を演出するウェルビー福岡と出会うまでは。
新卒時代、もうダメだとクタクタになりながらも土曜にウェルビーに行くことを生き甲斐にしていた。
「お前週末なにやってんの?サウナ?ww(笑)」
上司に冷ややかに嘲笑されても、小生はひたすらにウェルビー福岡に通った。
金曜ヴィヒタロウリュ……年末年越しロウリュ……小生の福岡赴任はウェルビー福岡と共に歩んだ。
そして時は2019年7月。心身に隅々に行き渡らすあの台詞。
「水が蒸発する音……ゆっくり降りてくる蒸気……アロマの香りを目を閉じてお楽しみください。」
生きてるぞ、俺。
蒸発音が心地よい。奥のサウナストーンからは慣れ親しんだ「ドォモン」という低音がアロマを広げる。
体感的には以前ほど熱さを感じない。大都会東京のロウリュで鍛えられている。当時は最も熱い熱波と思っていた。
大変気持ちよい。
1年前と違って
①TV撤去
②鳥のさえずり
③照明ライト暗め
凄くいい。
小生はサウナは「水風呂で気持ちよくなるため」というひとつの手段という強い思い込みがあった。
でも違う。ここはサウナが気持ちよい。
「水風呂に入ったら……」とか
「休憩中トトノウのか……」とか
一切考えなくていい。
この気持ち良いサウナに入っている自分が幸福なんだ。
熱波のおかわりにもちろんの如く挙手をした。
「小生、いま誰よりも幸福です!」
そんな心の叫びを熱波師に訴えるかのように右腕は熱い蒸気をかき分けた。[完]
~水風呂編に続く~
[ 福岡県 ]
サウナ:10分 × 3
水風呂:4分 × 3
休憩:3分 × 3
合計:3セット
一言:【福岡時代の推しサウナを来訪。エースサウナはいつもポーカーフェイス(福岡サ旅1日目)】
「静」
このサウナを一言で表すならばこの文字につきる。
今宵も眠らない中洲のど真ん中に佇むサウナはそんな街にアンチテーゼをかますかのように「静」を貫く。
そこにこのエースサウナの魅力があるのだろう。
1時間コースを選択。サ室に入る。
フラットスペースが広々とした余白のある空間。もちろん一人。
ロウリュサービスはなく、たまに自動で水蒸気を発する。それ以外は沈黙するポーカーフェイス系サウナ。
何気に人も少ない、かつ室内の防音がしっかりしているので「無」の時間が流れる。
室内は結構熱い。ホームサウナほどではないがこのサウナと出会い、1セット12分→10分にした経緯がある。
ようやく10分。一瞬だけポーカーフェイスが崩れる瞬間を小生は知っている。
トビラまで歩く足元がひたすらに熱いのである。ひたすらに。
今までの隠していた感情を噴火させる熱を帯びている。
すぐ横に水風呂がある。17℃・水深低め・水質良好。小生が理想とする水風呂である。
足を伸ばすとキンキン痛がくるか、こないの絶妙なコントロールさがエースサウナと呼ぶ所以なのかもしれない。
冷水を掻き分ける音が浴場全体に響く。
どこまでも「静」なのである。
ベンチに座る。外は全国有数の繁華街中洲。
酔っ払いのおじさんの声、キャッチの誘い文句、タクシーのクラクション音が微かに耳に入る。
そんなところで小生はこの「静」を楽しむ。
そこには、どこか秘密基地感がある。
地上の現実の夜を俯瞰視できる優越感が生まれ、トトノイを加速させる。
1時間が終わり、地上に戻る。エレベーターを降りれば、これからクラブに入るのであろうリーマンと鉢合わせする。
「アナタ方にもいい夜を。」
既にいい夜を味わった小生が心の中で彼らにささやいてしまう。
これこそエースサウナ、アビネル福岡なのだ。[完]
[ 福岡県 ]
サウナ:10分 × 3
水風呂:3分 × 3
休憩:5分 × 3
合計:3セット
一言:【どこか懐かしい子供の記憶。雨に降られる外気浴の真髄(福岡サ旅1日目)】
約1年ぶりに訪れた。小生の社会人1年目はここ福岡での生活となり、ゆの華にはホントにお世話になった。
毎週水曜夜と土曜朝、食事も兼ねて回数カードを駆使してサウナに入る。そんなオジサンチックな新人生活を送った。
その回数カードがあと1回分残っていた。
この1回を使うために東京から1000km移動、この福岡の地に舞い降りたのである。
浴場に向かう。
あぁ、この塩素の香り。
そしてこの朝9時にもかかわらずこの盛況ぶり。
この地元民と観光客で賑わうこの雰囲気が心を穏やかにしてくれる。
サ室に入る。
そうそう。チャンネルは日テレ系列のみだ。
以前「ケンカになるのでFBS(日テレ)固定です」と正直な張り紙は、
人生初めて親元を離れた生活を送る小生に、どこか孤独を忘れさせてくれた。
水風呂に入る。
ややサ室と距離があるが、
この間にアタマの中は「水風呂色」一色に染まる。
あの感覚、その後水風呂に染まる体。心・身が「水風呂!!」になる一瞬はやっぱり興奮する。
皆さんはこういった経験ないだろうか。水風呂が気持ちよすぎて、テンションが上がり冷めてないのに「鳥肌が立ってしまう」あの現象を。
おう。鳥肌が立ってしまい、一旦外気浴して落ち着こう。
外は強い雨。寝転びながら雨に打たれるカラダはどこか自然と一体になったような感覚に陥る。
空を見る。くすんだ曇り空、浴場から漂う塩素の香り、カラダに滴る冷たい雨、この感覚。
夏休みのプール開きを懐かしい思い出が蘇る。
目を開けると低学年の男の子が小走りをしている。そうか、夏休みの季節か。
トトノイが夏のはじまりを教えてくれる。
この夏、いい夏になりそうだ。[完]
[ 東京都 ]
サウナ:10分 × 3
水風呂:3分 × 3
休憩:4分 × 3
合計:3セット
一言:【Leave me alone. ロウリュを求めない日だってある。キレの水風呂とともに】
小生は退社後、立ちすくんでいた。
慕っていた先輩の異動を上司から聞かされた。なんやら
意図がある辞令なだけに激動の1週間を凌いだ達成感が湧き上がらない。ただ無力感が漂う。
梅雨の生温いビル風が小生の体をフラっと揺らす。チカラが湧かない。
社会人3年目、社会の現実に真っ向から直面するのである。
いつもならホームサウナにいくが、
どこか慰めてくれる温もりのあるサウナを求めた。
気づくと三軒茶屋、駒の湯のサ室上段に座っていた。
無気力な小生に、心地よい演歌が響き、脱力感が加速する。
口は半開き、目は白目、ふと先輩との思い出が蘇る。
優しく温厚、ロジカルに、時には意見を対立させ……そんなまだまだ未熟な小生だが戦う社会人に鍛え上げてくれた。
アタマをリフレッシュして回想が広がり、10分経過。我に返り水風呂に入る。
無力感、脱力感に覆う小生にキレのある水風呂がカラダをいじめる。TKO負け寸前のボクサーのように自分でも自分を見てられない。
「いいんだ、もう。」
ヤケ酒は大学生の時、飲みすぎて胃に穴が空いてから距離を置いた。
それ以降、このようにヤケ酒したくなる時は筋トレ→サウナでカラダを虐める。こういう時があってもいい。
水風呂に浸かり2分、白目になり更なる高みへ連れてかれる。心の鬱が飛んでいく。
これなのだ。心が不安定の時もサウナは「整えてくれる」
こういう時こそ、トトノイが訪れる。
そしてまたサ室に向かう。最後の膿を出すかのように涙が溢れる。駒の湯黄色タオルをまぶたにかぶせる。
「大丈夫、バレていないさ。」
涙・鼻水を垂らすのはマナー違反。
砂時計を見てアタマを上げる。
砂はなめらかに美しくガラスの中を流れる。まるで小生のかわりに、号泣してるかのように。
水風呂にはいる。そして帰路につく。
いい疲労感だ。今日は早く寝よう。
その翌朝には昨日の脱力感・無力感が消え去っていた。前向きに生きている。
ありがとう、駒の湯。そしてこれがサウナを愛してやまない理由なのである。[完]
[ 東京都 ]
サウナ:15分 × 3
水風呂:2分 × 3
休憩:3分 × 3
合計:3セット
一言:【God breath is forever. ~神の息吹が梅雨の赤坂に襲来~】
「タマシイの熱波を受けていってください。…その前に体によく水を含ませて入ってね」
フロントでこの一言。本日の主役、熱波道井上勝正さんである。
ロッカーにて高鳴る鼓動。熱波師、しかも井上道場長からのアツいお言葉に本日入門する小生は感極まるのである。
16:52 上段にセット。その「時」を待つ。
16:58 熱波道井上さん降臨。
ロウリュの「ly」の発音が心地よい。この基礎から入るスタイルは楽天地スパ同様、腕のある熱波師の共通項なのである。
※詳細レビューはこちら
https://sauna-ikitai.com/saunners/5871/posts/62602
「アロマはマツモトさんが考えてくれました」
井上さんの左にサウナ史上最強熱波を味わったあのサウナハット熱波師がっ!!マツモトさんというのか!!
※詳細レビューはこちら
https://sauna-ikitai.com/saunners/5871/posts/65128
目の前に風神雷神の2組に軽い恐怖を覚え動揺の汗が滴る。
さぁ逝こう、苦しみと哀しみの向こう側へ。そして井上さんが吠える……
「いでよっ!ゴッド ブレースッ!!」
小生には見えた。ikiヒーターよりうなり上がった神の息吹は
「究極竜(アルティメットドラゴン)」の姿を変え、サウナ紳士を強襲する。
108回の「滅びの爆裂疾風弾」、これを「滅びのバーストストリーム」と呼ぶ。
煩悩とともに汗の天の川が流れる。
小生は無の境地でマツモトさんへ「パーパェーペァー」と応える。
「パ」もまともに発せないのだ。
……気づくとシルキー水風呂にいた。息をする度に、肺からアロマの味がする。熱波道を入塾した証といってもいいのではないだろうか。
チェックアウト時、既に靴がマツモトさんによって用意されている。本当に最後まで抜かりがない。毎度感動してしまう。
オリ赤を出ると、雨足が強い夜空。今夜は織姫と出逢うのは難しそうだ。
ロウリュ桜満開の体(画像)に雨粒が落ちる。
突然、サ室でかいた汗がフラッシュバックした。
あの時、オリ赤サウナ紳士達から放たれた汗は金色に輝いていた。
まるで織姫と逢えずに嘆く彦星に向けて、赤坂の夜空を灯すかのように。[完]
[ 東京都 ]
「ラクーアの師は背中で語る(後編)」
※前編の続きになります
小生はロウリュ10分前にはサ室にいる
せっかち系サウナーである。
自分のお気に入りのポジションで毛穴が開ききり、アウフグースで更なる高みへ飛べるよう10分前にセットに入る。
17:50 いつも通り、一番乗りだ。その後に小生の前席にサウナーがセット。この方も同じくせっかち系サウナーなのだろう。
18:00 満員だ。もう既に両腕に発汗する滴が大きくなる。キツイ。
18:01 サ室が慌ただしくなる。隣の若い2人組は熱波師が現れないことに少し気を乱している。
こちらはもう12分も最上段ストーン端席にいるため、情緒が乱れそうになる。
だが16時ロウリュをすかしている(前編)小生は、ここで飛び出したら元も子もないのである。
その時、小生の次に入ったサウナーは視線を乱さず、ずーっと姿勢が矢吹丈スタイルなのである。
熱波師とかロウリュとか問題でなく、自分とひたすらに向き合うその姿勢に心打たれた。
18:03 ようやく熱波師登場。「5分前から待っているんだ」とサ室の漢たちの思いを代弁してくれるサウナーもいらっしゃった。その通りだ。
だが矢吹のインターバルは続く。先程から一切姿勢を変えず、背中から吹き出す汗の滴がくっきりと大きな球体を描く。
まるで「私と後ろの方は10分前だよ。」
と訴えているかのように。
その心からの叫びをのせた汗は小生を落ち着かせる。ロウリュ含め結局20分弱サ室にいた。
水風呂にてロウリュ遅延・熱波レビューがサウナーのなかで討論される。小生はその中へ入れず、じっと姿勢を中立ちにして1点を見続ける。
ロウリュで見たあのラクーアの師の教えを守るかのように。[完]
[ 東京都 ]
サウナ:10分 × 5
水風呂:3分 × 2 1分×3
休憩:5分 × 5
合計:5セット
一言:「ラクーアの師は背中で語る(前編)」
「ふざけんなよ......」
「こっちは始まる前の5分前には待っているんだ」
サ室の男たちが真意をこぼす。
その日の18時ロウリュに異変が起きていた。
熱波師は現れないのだ。
.........……………………......………………
有給をとり、ラクーアへ初来店。
福利厚生で2000円弱で1日ぐだれるのはありがたい。
小生は16時ロウリュに合わせて2セットをこなす。
15:57にサ室に乗り込む。我が特等席の上段端席にセット。
これからアロマに打たれるサウナストーンの姿を想像しつつ、その時を待つ。
...あれ、誰も集まらないぞ。
気付けば時計の針は16:13を指す。
おかしい。おもわず特等席を見捨てサ室を飛び出す。
目の前の水風呂には大量のサウナーで溢れかえっていた。
「どういう事なのか...16時ロウリュはあるはずだ...」
トリックは浴場を出る時に判明した。
小生は銭湯でサウナと水風呂しか見たいが、
最後に施設全体を視察、帰路につくというルーティンをこなす。
そこでもう1つサ室を発見、そこにはロウリュタイムスケジュールがかけられていたのだ。
思い込みというのは良くない。
サ室が2つあるのはラクーアの魅力なんだろなと勝手に思いんでいたが、
実際は4つもある。これがサウナーを虜にさせる充実さである。
そしてアロマがほのかに香るサ室出口で覚悟を決める。
「18時ロウリュに参加するぞ」
一旦浴場を出て、休憩室でその時を待つことにした。
まだ修羅場になる18時ロウリュを知らずに。
[完](後編へ続く)
[ 東京都 ]
「サウナストーンから共鳴する歓喜のファンファーレとは(後編)」
使ったサウナマットを置き、すぐさま
「水風呂」でクールダウンする。
水温は18℃~20℃と表示、意外と普通。
3分浸かって椅子に座る。
おう、意外とこのベンチは久しぶりだ。ミストボタンを押し、更にトトノイを加速させる。
目の前に「ミニプール」との浴槽エリアがある。
「ミニプールとは......少し冷たいプールのこととか」
外気浴を完了させた小生はからかい程度に
「ミニプール」に足を運んだ瞬間だった。
「!!??!!??!!??...??」
「水風呂」より冷たいのである。よく見ると水温計の針は15℃を指している。
アイスコーヒーと出された飲料を飲んだらウーロン茶だった時のような感覚。
ヒトは認識していない事象が起こると過剰に反応してしまう生物のようだ。
水風呂よりミニプールの方が冷たく仕上がっている錦糸町トリックに脱帽。
それ以降のセットはミニプールへシフト。やはり15℃というものは安定感があり、タイプで言うと駒の湯の水風呂に近い印象を受けた。
締めに低温サウナを味わう。ぶらさがった生ヴィヒタから活きのいい香りが鼻をぬけ、脳を通りリフレッシュへと導く......
トトノッタ。
自宅に帰りベットに横たわった時、あの下半身の軽さと程よい疲労感。いい眠りに着けそうだ。
サ室に流れた阪神競馬場とボナサームサウナが共鳴したファンファーレを脳内で反芻していたら、すぐさま眠りについたのであった。
~完~
[ 東京都 ]
サウナ:10分 × 5
水風呂:3分 × 5
休憩:2分 × 5
合計:5セット
一言:「サウナストーンから共鳴する歓喜のファンファーレとは(前編)」
「札幌2歳S 平成25年5月24日」
錦糸町名物サウナに辿り着き、日曜21時のワイドショーを楽しみにサ室に入ると目に入ってきたTV画面の文字である。
「栄光の名馬たち」
濃い。実に濃い。
やはりここは錦糸町。サウナと馬は切っても切れない関係なのか。
そう言えば、同所の楽天地スパにいたサウナーもその日のレースを討論していた。
「豪に入れば郷に従え」
それ以降小生はひたすらに「平成」のレースを刮目し続けるのでたる。
「平成25年 5月阪神ジュベナイル」
同席するサウナー達は過去レースを見て楽しめるのだろうかとふと思う。ただ
「平成25年5月」に焦点がつく
それは小生が大学入学→新歓とかイロイロと楽しんでいた時期......
あのワイワイしてた一時の輝いた時間、その一方で阪神競馬場でこんな渋いレースがあったとは。
ここから小生は各レース映像→その当時の思い出を振り返るという作業を5セットひたすら続けるのである。
「平成25年 11月未勝利」
あぁ、大学のサークルの女の子に人生初めて告白した時だっけ。当時告白の仕方?を知らなくて、突撃インタビューする記者みたいに歩きながら気持ちを伝えたんだよな。
「平成19年 11月からまつ賞」
あぁ、確か中1の冬。当時陸上部に所属して、冬休みの地獄の走り込みの練習メニューを渡されて同期の辞めようかと弱音を吐いたんだよね。
時間が経つと共に、フラッシュバックする思い出のクオリティが下がっていく。頭の中がカラっぽになってゆく。
もういつの時期のなんの賞レースかは覚えていない。ただ最後に見たその馬、
「残り200mで刺すハープスター」
がスっと頭に入ってゆく。
軽快な足運びをするハープスターを真似するかのように、サ室を飛び出す小生。
その時だった。頭の後ろから自動ロウリュで蒸発音が響く。
「レースが始まる。」
それはこれから水風呂とのレースを控える小生への歓喜のファンファーレにきこえた。
(後編 水風呂編へ続く [完])
[ 東京都 ]
サウナ:12分 × 6
水風呂:5分 + 3分×5
休憩:2分 × 6
合計:6セット
一言:「歌舞伎町でプチぼったくりにあったこと、締めに家系ラーメン大量ニンニク投入したこと、週明け上司に詰められること、すべて「汗」にながす...涙も添えて」
「きょう、どこのサウナ訪れようか...」
若干二日酔いの小生、調べる思考力も衰えている。このケース、近場の三軒茶屋「駒の湯」になるのだが時刻は13:30。まだ銭湯は開いてない。
「昨日は散財したし、タダのとこ行くか。」
アトリオドゥーエ二子玉川、それは小生のホームサウナである。
いわゆるジムサウナであり、ロウリュはない。ただ過去レビューにあるがここは
「灼熱熱帯系サウナ」で自分を追い込める。
気付けば小生はサ室にいた。
午後14時を時計の針が示そうとしている。
普段は仕事帰りにサクッと使う程度で、あまり「トトノイ」が生じない。
「今日はたっぷり「家」でくつろぐ」
そんな思いを馳せてセットを刻む。
2セット目の水風呂。
通常小生の中で2セット目は
「華の2区」であり、
水風呂の入力時間も5分と設定する。
3分経過。カラダが脱力していく。
今まで自律神経で抑制していた悪い「膿」が体中を襲う...
あぁ、歌舞伎町でプチぼったに遭ったこと...
家系にニンニク入れすぎて腹崩したこと...
週明け上司に怒られること...
先輩にやらなくてもいい仕事を振られること...
残業が増えること...
「なんてボクは哀れな人間なんだ。」
しかし脱力が進むにつれ、局面が変わる。
だんだん哀れなキモチがどこか向こう側へ飛んべゆく。
「もっと向こう側へゆきたい......」
そこから自分を追い詰めるかのようにサウナから水風呂のループを繰り返す。
まるで自分を傷つけるかのように。
6セットが終わった。
時刻は15:30を過ぎている。
「自分の膿はすべて吐き出せた気がする」
確かセット半ば、サ室で色んな気持ちがはせて目頭が熱くなった。
ただ汗と共に自然に流れ落ち、周りにも気づかれない。
「我がホームサウナ、ありがとう。」
そう心の中で呟いた中、鏡で自分の顔をみた。
「明日からまた頑張ろう。」
髪をかきあげられた小生の顔は、
「膿」が抜け、この1週間を闘う決意の表情をしていた。[完]
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