サウナ金融

2019.08.25

2回目の訪問

【飲み会断るイマドキ社員。その真実を明かそうと思う。(後編)】



「嗚呼、飲み会の概念がサウナに変わればいいのに。」


94年生まれのゆとり世代。スカイスパの水風呂でふと思う。


なんとピースフルな発想なのだろうか。


トトノイ椅子にセット。夕暮れの海を眺める。


翌朝には同期達が「昨日はご馳走さまでした!お酒美味しかったです。」と


お偉いさんに感謝する光景が目に浮かぶ。


しかし断ってサウナへ導かれた小生にはそれができない。


その時、どうしようか。席を立つか。愛想笑いするか。無視をするか。……つらい。


嗚呼、明日の出社が憂鬱だ。
3セット完了し、現実の闇がそっとアタマをよぎる。


そろそろ19時だ。あれ、ロウリュあるのか。


普段あまりやらない、ロウリュダブルヘッダーを敢行。


サ室、最上段にセットした。


18時会とは異なる熱波師。
ではお願いします。




「おっ。」と思わず目を見開く。




先ほどの熱波師とは異なる世界観。
18時会では、大きなタオルを「2重らせん状」に芸術的に美しく見とれてしまった。


そして優しい風で徐々に温度を上げる。まさに「癒し」の世界観だった。


19時会は違った。
小さなタオルで遠心力を活かしたアウフグースでサ室温度を一気に上げてゆく。


そして強烈な熱波をサウナー届ける。小さなタオルが靡く音色が大変心地よい。こちらは「極」の世界観というところだろうか。


おかわりタイム突入。
とある主人公のようなセリフを脳内に焼き付ける。


「先ほどの憂鬱を吹き飛ばしてくれ!!」
「苦しみと哀しみを破壊し尽くしてくれ!!」


両腕を天井にあげる。手首を軽く屈折させる。


熱波が襲う。「無」の境地になる。


飛んだよ。破壊し尽くされたよ。


ありがとう。


トドメにカラダに奥潜む邪念を払い出すかのように、熱波師を称える拍手を強く叩いた。


「やっぱ、飲み会行かなくて良かったわ。」


スカイビルを出た小生に明日の出勤も何も怖いものはなかった。[完]

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