2025.02.24 登録
[ 秋田県 ]
本日、我が身を預けたるは、秋田県大仙市に佇む「川口温泉 奥羽山荘」。
何やら水風呂の冷たさが尋常ならずとの評判を聞き、
この身を冷やすべく、はるばると足を運んだ次第なり。
当初、夕食は館内レストランにていただく心づもりであった。
されど、思いがけず団体客の宿泊により食事の提供叶わずとの由。
周辺には飲食店も少なく、最寄りのコンビニは約十キロ先。
旅の計画とは斯様にして崩れゆくものである。教訓として、事前の確認は肝要と知る。
さて、食事の件は一先ず置き、本命のサウナへと向かう。
ロッカーを開ければ、37番にはステッカーが貼られていた。
この山荘における一種の風物詩か、ふと頬が緩む。
身体をさっと洗い流し、まずは湯通し。
浴槽は広々としており、湯温も穏やか。心がほぐれる。
いよいよ、サウナ室へ。
二段式にして十二名ほどの収容、温度は九十六度。
対面に設置されたテレビが唯一の喧騒を運び入れるが、夜も更けた頃合いにて、客の数も少なく、実に静かなる時間を得た。カラリと乾いた室内ながら、熱が程良く、十余分にて全身しっとりと蒸し上がる。
そして、この宿の真骨頂、水風呂へ。
奥羽山脈より湧き出る伏流水の掛け流し。しかも飲用可という贅沢。
いざ身を沈めれば、噂に違わず肌がきゅっと引き締まる冷たさ。
乾いた身体が水を吸うかのように、内側から生き返る心地すら覚える。
しかも、ただ冷たいのみならず、水の味もまた格別。
清冽にして柔らかく、ここでしか味わえぬ自然の恵みである。
休憩は外気浴にて。露天には椅子一脚、内風呂には二脚。
椅子に腰を預け、空を仰げば、山の静けさと夜気が胸に沁みる。
自然と呼吸が深くなり、心がほどけてゆく。
この水風呂の力には抗えず、休憩もそこそこに三巡。
思い切り蒸され、思い切り冷やされ、ただただ整った。
心地よさとはかくも明瞭に訪れるものか。
奥羽の水、恐るべし。
食の失念すら、今は遠き記憶の如し。
男
[ 北海道 ]
本日我が身を運びしは、北の地、旭川市に在りし「フタバ湯」という銭湯なり。殊に「ほうじ茶ロウリュ」なるものが名物と聞き、これは一度体験せねばなるまいと、風に誘われ湯を目指す。
まず、此処の流儀として、サウナマットは指定のものに限られるとの由。自らの撥水製の携帯マットは用を為さぬとあらば、潔くレンタルするより他なし。料金は八百円なり。汗を湯屋に置いてゆくのも、また一興かと諦める。
アメニティの類は一切設けられておらず、石鹸・シャンプーは自ら携えねばならぬ。古き良き銭湯の趣きに、少しの不便が懐かしさと共に甦る。
さて、肝心のサウナであるが、その室内は四名ほどで満席となる程の狭さ。黄金週間の只中とあってか、訪れる人も多く、我が順番を得るにも五人の待ちが生じた。室温は七十五度と表示されていたが、密なる空間のせいか、それよりも熱さを覚ゆ。
いよいよ、名高き「ほうじ茶ロウリュ」を期待し、胸を躍らせていたが、何と既に廃止とのこと。今はただの天然水のみを用いると聞き、落胆を禁じ得ず。湯煙に紛れ、嗅覚に香ばしき期待を抱いていた者としては、誠に惜しいことであった。
加えて、サウナ室内では、常連と見受けられる客人たちが話し声を交わし、時にストレッチなども始める始末。湯屋とは元来、静寂と内省の場にて、己と向き合う空間なれど、如何せん落ち着かず、十二分ほどにて退出。
次に向かうは水風呂。温度十七度。地下百五十米より汲み上げられし天然水は、肌を柔らかに包み、心地よし。冷たさは控えめなれど、喧噪の余韻を洗い流すには、ちょうど良き冷感。
休憩所として内気浴の場あり、椅子は五脚。しかしながら、空調はぬるく、外気の清々しさを想うと、やや物足りなきことこの上なし。結局、混雑の波に揉まれ、二巡にて本日の湯は締めることとなった。
この地にて、地元の方々に深く愛されし銭湯なることは、湯気の如くひしひしと伝わる。それでも我、旅の途中にて一時の静寂を求めし身としては、些か喧しき雰囲気に心を馴染ませること難く、残念を覚ゆ。
男
[ 北海道 ]
札幌市南区、定山渓なる山中に、今年の四月二十四日を以て開湯したる「休日湯」なるサウナあり。耳にすれば、洒落たる造作とて近頃評判高く、我、黄金週間の真っ只中、人の群れを覚悟のうえ、一路そこに向かう。
館の構造は、地下一階に靴を預け、三階にて受付を済ませ、二階にて湯を浴すという造り。受付は、エレベーター正面の自動発券機にて精算をなし、左奥のカウンターにて手続きをする。靴鍵と引き換えに「休日コイン」三枚を手にし、さらにロッカーの鍵は運試しにて引く。噂に曰く、当たりの鍵には何やら贈り物があるらしい。
受付の後、三階のロッカーへと向かう廊下には、まるで小さき美術館の趣。そこには、当館の暖簾絵を描いた中山信一氏の作品が並び、文化の香り漂う。暖簾をくぐりて、我が番号「153番」を探すも、最下段にて、しかも外れ。されど、斯様な仕掛け、我は好きである。
湯殿のアメニティは「HAJIMARI オーガニック」。香り芳しく、泡も細やかにして肌になじみ、体を洗う手つきもどこか丁寧になる。
いざ、サウナ室へ。収容十五名、各人に座席一つが与えられ、狭さを感じぬのは有り難き事。室温はさほどにあらずも、上段奥の席は殊に熱く、湿度また絶妙なり。ストーブは二基にして、ひとつは床近く、ひとつは中段に据えられ、配置に妙がある。噂に聞きし「ゲリラオートロウリュ」は、入室より二分後に発動せり。一気に熱が充ち、汗が滴る。十余分にして心拍数は百七十に達す。
退室し左手に水風呂あり。深さ一三〇糎、温度一八度。頭上にはミストの霧、さらに打たせ水のごとき滴りあり。我、これにて額を冷やし、心地よさに目を細める。
驚きは、外気浴の趣向にあり。ととのい椅子やデッキチェアに加え、吊るされたるハンギングチェアが二脚。宙に浮き、ゆらり揺れるその感覚、まるで夢の中。山の風景を眺めつつ、自然と一体になるとは、斯くの如き境地を指すのか。外気の温度もまた心地よく、初回にして早くも“あまみ”現る。
サウナ横にはポカリスウェットの給水器あり。飲み過ぎを戒めつつも、一杯二杯と喉を潤す。
次に、座を変えて再挑戦。前席、中席と試すも、やはり奥上段が最もととのう感あり。外気浴には三身浴の工夫ありて、全身・半身・半半身と、身体の求むままに選べる趣向、冬季にもまた安心なり。
仕上げは、ジェラートを味わう。酸味鋭いレモン、ココアの甘味、そして野趣ある木苺。どれも秀逸にて舌鼓を打つ。二階ラウンジは午後八時まで開放され、ここにて二時間ほど筆を執る。静謐な空間にて、筆もまた滑らかに進む。
人里離れたる山奥にて、斯くも豊かなる時間を得られようとは。人の少なきこともまた一興。
男
[ 秋田県 ]
秋田市より北へ四十キロ。男鹿の地にあるは、森長旅館。今回の旅で、最も心躍らせていた蔵サウナを体験せんと、吾輩、車を走らせた。
この宿、現存する建物は築九十五年を超え、国の登録有形文化財。往時の蔵を改装し、サウナに仕立てたと聞けば、訪ねぬ訳にはいかぬ。
橙の暖簾をくぐると、気さくなご夫婦が笑顔にて出迎えてくれた。彼らの熱量は、ただの挨拶にとどまらず、「すべての場所にこだわりがありますからね!」と、サウナへ向かう途中まで、語りが止まぬほどであった。
ハット・ハンドタオル・大判バスタオルが料金に含まれており、マットを敷かずとも汗を持ち帰るドイツ式。奇数日は男性が蔵サウナとのことで、運もまた我に味方した。
二階にて着替えを済ませ、階段を降り、まずはシャワーを浴び、サウナ室へ。
サウナ室の三段目、ストーブ正面にて瞑想に入る。
目を閉じると、ヒバの香が鼻先に届き、心がすっと沈む。温度は九十五度、ロウリュは霧吹きで行う。
「ジュジュッ」と音を立てるその瞬間、湧き上がる熱に全身が包まれ、やがて滝のような汗が。
加えて石壁へのウォーリュも可能ときた。
惜しみなく霧を振りまき、湿度を加えれば、まさに我が心拍も百七十を超え、熱に抱かれてひとときの陶酔に浸る。
サウナ室を出て、一秒以内に浴びられるシャワーがまた圧巻である。汗を流し、左手の樽水風呂へ。水温は十三度、深さも適度。蛇口から頭へ直接水を浴びれば、「ア゛ァ゛……」と声が漏れる。これは初めての快感であった。
一階のアディロンダックチェアにて、タオルを身にかけ、瞑目す。聞こえるは水滴の音のみ。驚くほどのスピードで整う感覚。導線の無駄のなさが、その深さを演出しているのだろう。
今日は奇跡的に貸切状態であり、二時間で四セット、存分に満喫。二階のインフィニティチェアでもう一度深呼吸すれば、その場に骨を埋めたくなるほどの幸福であった。
サウナの後は、男鹿塩レモンアイスキャンデーを一口。三層構造となっており、塩味・甘味・酸味のバランスに舌が喜ぶ。加えて、無添加のザクロジュースをいただけば、「オロポよ、さらば」と思わず口に出るほど、クエン酸が体に沁み入る。
そして何より、スタッフ小山氏の語りが、この旅の余韻を深めた。彼が歩幅を測り、全国のサウナを巡り、
導線と湿度と温度と空気の流れを一つずつ検証した話には、吾輩、聞き入らずにはいられなかった。
ステッカー、サウナハット、クラフトビール、手拭いまで購入。サウナハットは数に限りあり、通常は販売もされていないという。
——もはや、森長旅館の虜である。
品質は極上、あとは認知されるのを待つのみ。
ユーランドを超える日も、そう遠くはあるまい。
男
[ 秋田県 ]
本日、盛岡を発ちて三時間余。
目指すは秋田、金浦温泉(このうら)の湯宿なり。
早朝六時より始まるという朝ウナを目指し、我、いざ宿に身を寄せた。
この宿、元は明治七年創立の大竹尋常小学校を改装したものとか。されど、建物内は至って清潔、廊下や壁に往時の学び舎の面影はさほど残らぬ。ただ、校名の掲げられた看板や、休憩所に鎮座する暖炉、畳の香漂う和室にふと、時の遺香がよぎるのもまた一興である。
さて、浴場は内湯のみながら、二つの浴槽を備う。
白く濁りし硫黄鉱泉と、稀有なるラジウム鉱泉。
浴場の扉を開けるや、漂う硫黄の香気。
草津を思わせるこの匂い、ただならぬ効能を予感させる。ラジウム鉱泉は、北投石(ほくとうせき)という
世界に台湾の北投温泉と秋田・玉川温泉にしか産出せぬ希少鉱石を用いているとのこと。なるほど、これぞ温泉の極み。
身体を洗い、まずは硫黄鉱泉にて湯通し。
湯の肌あたり柔らかく、気持ちがすっと静まっていく。
いざ、サウナへ。朝の時刻ゆえか、客は数名ばかり。
室内は二段、六名ほどの収容。温度は九十三度、
さほど高温というほどではないが、ここでセルフロウリュの真骨頂を知る。
注ぐ水は、あのラジウム鉱泉。
蒸気が立ち昇ると同時に、肌がじわじわと包まれ、
心拍に穏やかな火が灯る。十二分、無理なく蒸されることに満足を覚える。
そして水風呂へ。こちらも硫黄泉。
癖になる匂いと、ほどよい冷たさにて、
「ああ、確かに休んでいるのだな」と、心が呟く。
ととのいの場は、外気浴。
デッキチェア一脚、ベンチ一脚。迷わず、陽だまりの椅子へ。鳥の声、微かな車の音。森のなかでまどろむような、
まことに安らかな時間である。思わず長居してしまう。
合計三巡のサウナ。
締めくくりはラジウム鉱泉にて、静かなる余韻とともに湯に身を委ねる。
食事処もお土産も整い、心も満ち足りた。
——秋田に再び来ることがあらば、
この金浦の湯を、我は再訪せずにはおられぬ。
男
[ 岩手県 ]
岩手の名サウナ、古戦場。
「サウナイキタイ」岩手県内第一位という触れ込みは伊達ではなく、全国の愛好家たちが幾度となく足を運ぶという。念願叶い、いよいよの初訪問である。
外観も然ることながら、内装の趣向にまず心を奪われる。どこか懐かしさと清潔さを同時に纏い、随所に温かい工夫が施されている。グッズ売り場も充実し、思わずmokuタオルを三枚、トートバッグを一つ購入。スパバッグは再販待ちとのこと。こればかりは致し方ない。
浴場に足を踏み入れると、クラウドファンディングへの感謝の言葉があちこちに掲げられている。その一枚一枚に、四代目当主の熱き想いが滲み、まだ湯にも入らぬうちに胸が温まる。
さて、サウナは二つ。薬草サウナと溶岩サウナである。
まずは薬草サウナへ。
定員十名ほど、室温九十六度、湿度も高く、まさに理想の環境。最上段、ストーブの前に座ると、漢方の芳香が鼻腔を満たす。三分で汗がじわり、ロウリュの応答も見事で、前列では肌に火花が散るような熱を感じる。まさに、今、強い刺激を欲していた我が身にぴたりと寄り添う。セルフアウフグースを頂戴し、滝汗が止まらぬ十余分。心拍は一七〇を超える。
そして水風呂へ。井戸水の掛け流し、十六度。
ひんやりとした滑らかな肌触りが、熱で火照った身体をすっと包む。冷たさではない、優しさを感じる水である。
そして何より、驚くべきは外気浴。
七脚のデッキチェアの正面には、まさに満開の桜。
その下でインフィニティチェアに身を預け、春風に吹かれながらただ静かにととのう。あまみが浮かび、時間が溶ける。これほどの幸せが他にあるだろうか。
二巡目は、鳥海山の溶岩サウナへ。
室温百度。五分後、セルフロウリュで白樺の香を愉しむ。それでも、なぜか薬草サウナのほうが体感は熱い。香りのせいか、湿度の違いか。
三巡目は再び薬草サウナへ。
この熱さ、まことに癖になる。何度でも戻ってきたくなる魔力がある。
最後は、サウナの締めとして盛岡冷麺を。
具材たっぷり、麺はもちもち。湯上がりの体に心地よく、実に美味い。
——創意と工夫に満ちた、個性派の名サウナ。
ここには、古戦場でしか味わえぬととのいがある。
再訪を心に誓いながら、私は静かに暖簾をくぐった。
男
[ 宮城県 ]
仙台より車を走らせ、石巻市は道の駅「上品の郷(ふたごの湯)」に足を伸ばす。
含鉄塩化物泉なるものが皮膚病や婦人病に効くという話で、宮城県内ではここ一処しかないとのこと。入浴料は六百五十円と良心的、道の駅とあって土産物の品揃えも賑やかである。
さて、浴場に足を踏み入れる。湯船がふたつ、サウナ、水風呂。構成は極めて素朴なものである。
ただ、注がれる湯はいずれも茶褐色に濁り、どこか重みを湛えている。これが鉄泉というものか。体を洗い、檜の大浴槽に身を沈めると、循環濾過のためか色は幾分薄まっており、有馬温泉を彷彿する。
湯の縁に身を預けて眺めれば、どこか緑がかった色合いが目につく。思えば、これはヨウ素か。ヨウ素泉なるものには初めての入浴である。泉質の希少性もあいまって、得も言われぬありがたみを覚える。
いざ、サウナへ。室温九十五度、十名ほどの収容。
広さはないが、常連の賑わいが、ある種のぬくもりにも似て落ち着きを与える。テレビを正面に、黙々と熱を浴び、十分。
そして、今回の白眉、「源泉かけ流し」の水風呂へと身を沈める。湯よりもさらに濃い茶褐色の水が、静かに身体を包む。水温は十八度ほど。冷たすぎず、されど芯まで冴えわたる心地よさ。ずっと入っていられる、という表現が、これほど適切なものかと思う。
内湯、外気浴ともに椅子はふたつ。
外の空気に当たりながら、ただ静かに呼吸を整える。
二巡、三巡と重ねても、身体は芯から温まり、冷める気配がない。鉄泉の力というものは、まことに恐れ入る。
さて、最後は一杯。
いただいたのは、石巻産の牡蠣と金華塩を用いたクラフトコーラ、その名も「牡蠣くけコーラ」。一見すれば奇をてらったかに見えるが、実に、スパイスの香りが際立ち、深みのある味わい。シナモン、クローブ、カルダモン——これらが調和し、自らがかつて作っていたクラフトコーラの記憶を呼び起こす。
牡蠣という名に惑わされることなかれ。
これは「コーラ」として、正々堂々と美味である。
湯に浸かり、火に蒸され、水に冷やされ、コーラで喉を潤す。
——そういう日もまた、よい一日なのだと思う。
男
[ 宮城県 ]
本日、仙台市内にある「天然温泉 仙台コロナの湯」へ赴く。聞けば、サウナの他に「岩盤浴のロウリュアトラクション」なるものがあるという。物は試し。ひとまずは、どちらも味わってみることとした。
まずは浴場へ。内湯も露天も、広く、清潔で、どこか落ち着く。身体を洗い、露天の炭酸泉で湯通しを済ませてから、「オートロウリュ・サウナ」へと向かう。
サ室はタワー状にして広大。ストーブは左右に二基据えられ、室温はおよそ百度。湿度も申し分なく、入室して早々、汗が滝のように流れる。六分を過ぎる頃には心拍百七十を越え、肌がヒリつくほどの熱に包まれる。だが、それが良い。実に癖になる。
室内は静まり返り、客のマナーも良く、じっくりと蒸されることができる。十分後、水風呂へ。十四度。ハッカの香りが仄かに漂い、気持ちが和らぐ。百度の熱から十四度の冷水へ。この温度差が、なんとも言えぬ快楽を生む。
休憩には内湯に椅子五脚、外気浴に椅子八脚とデッキチェア。水気を拭い、デッキチェアに身を預ければ、春先のような外気が頬を撫で、ああ、これぞ「ととのい」かと、思わず空を仰ぐ。
さて、ミストサウナにも入ってみた。六十度。悪くはないが、正直、物足りない。結局、二巡目・三巡目ともに、先ほどの高温サウナへと戻る。サウナの熱にXiaomi bandもついに力尽き、電源が落ちる。最後は炭酸泉にて締める。なるほど、これがここの「名物」なのかもしれぬ。
そして、心待ちにしていた岩盤浴である。
「フォティア(五八度)」「セラピア(三八度)」「ミロディア(四八度)」の三室。アトラクションのあるのは、最も高温の「フォティア」。
ロウリュの始まる十分前から室内に入る。最初はただの岩盤浴、変哲のない静寂。だが、時が来てロウリュが始まると、光が灯り、熱がぐっと肌に食い込んでくる。これは…思いのほか気持ちが良い。
そして、締めは「サ飯」である。
カツカレー、塩ダレキャベツ、ふぐ皮ポン酢、生ビール。宿泊者はドリンク一杯の無料サービス付き。
まことに、出張の疲れも吹き飛ぶような湯処であった。
——この一日、蒸されて、冷やされて、満たされて。
帰り道の足取りも、どこかふわりと軽かった。
男
[ 宮城県 ]
昨日は仙台出張にて、ドーミーインExpress仙台シーサイドに宿を取る。お目当ては、隣接する海神の湯のサウナ。到着が遅れしゆえ、今朝は朝ウナに臨むこととなった。
ドーミーインはさすがである。アメニティの充実は言うに及ばず、ロッカー、洗い場、ドライヤーに至るまで、いずれも行き届き、宿の矜持すら感じさせる。
身を清め、いざサウナへ。室内は三段構造、二十分ごとのオートロウリュが施される。運良く三段目が空いており、そこに腰を下ろす。温度九十六度、乾いた熱が肌を刺すようで、汗の量はさほどではないが、熱そのものはしっかりと感じられる。
その後、水風呂へ。水温十六度ほどか、水流もなく、じっと身を沈めるにはちょうどよい。続いて露天に出て休憩。しかし、思いのほか冷えが早く、三分と持たずに断念。そのまま露天風呂へと身を沈める。
湯は広く、まろやかにして深く温まる。「もう少し、サウナ前に湯で体を温めておくべきだったか」と、己の浅慮を省みるひとときである。
湯上がりには、朝はピルクル、夜にはアイスバーの無料提供があるという。かような細やかなもてなし、まさにドーミーインの真骨頂であろう。
——熱く蒸され、静かに湯に浸る。長くじっくりと過ごしたい、そんな朝にふさわしい宿である。
男
[ 北海道 ]
汗蒸幕を求め、湯の郷 絢ほのかへ。温泉、サウナ、岩盤浴すべて込みで千七百円。これは良心的と言えよう。
まずは浴場で身を清め、高温サウナ「ロッキーサウナ」へ。三段構造、九十六度、三十分ごとのオートロウリュ。 最上段に座し十分、乾いた熱が体を包む。発汗も上々、水風呂は十六度。冷たさにはやや欠けるが、心地よい。
さて、本題の岩盤浴。
汗蒸幕は満席。他に「宝蒸洞」「美蒸洞」の二種あり、まずは中温の宝蒸洞へ。温度は程よく、二十分も横になれば、汗はびっしょり。少々休憩の後、いざ汗蒸幕へ。
扉を開くと、壁にはびっしりと板が立て掛けられている。寝るだけでなく、好きな姿勢で寄り掛かれる造り。温度は六十度と高めで、発汗性は見事。じわっと温まり、心地よさがじんわりと広がる。汗蒸幕二十分 × 氷涼洞(クールダウンルーム)十分を二巡。 肌が引き締まり、艶が増すのが分かる。いやはや、これは素晴らしい。
岩盤浴を終え、再びサウナへ。
露天のバレルサウナは九十五度、セルフロウリュ可。ただ、熱は上に溜まり、足元は冷える。胡座を掻くのが肝要である。続いてスチーム塩サウナ。室温六十度、ビートバンを敷き、発汗の後、塩を肌に塗り込む。殺菌・消毒効果とスクラブ作用が合わさり、老廃物が取り除かれるという。いざ試すと、思いのほか発汗し、塩を流した後は肌がつるりと滑らかに。これは面白い。
温泉もそれぞれに趣向が凝らされ、長くゆっくり寛げる。されど、やはり汗蒸幕の快さとその効果には驚嘆した。これは、また行くしかない。
男
[ 秋田県 ]
昨夜は秋田温泉プラザに宿を取り、夜更けの到着となったため、本日は朝ウナから始める。
まずは、五分の湯浴み。泉質は驚くほどとろりとしており、肌を包み込むような感触がある。体の芯まで穏やかに温まり、朝の静けさとともに、心も落ち着いていく。
続いて、サウナへ。古き対流式、L字型二段と一段、その横にベンチ。 温度は九十一度、程よくじっくり蒸される。ユーランドの鋭い熱とは異なり、長く身を預けるには適している。
水風呂は十三度ほどか、冷たさが心地よい。三十秒の後、露天の椅子へ。秋の朝の冷気が頬を撫で、じんわりと調いが訪れる。
夜は賑やかと聞いていたが、朝は静かで、ただ湯と熱に身を委ねるひととき。サウナも良いが、何よりも温泉の泉質が秀逸である。
ここでは、湯こそが主役。 サウナに浸るも良し、ただ湯に身を沈めるも良し。秋田の朝、かくも贅沢な時間が流れていく。
男
昨夜はチムジルバンを堪能し、そのままクォードで一泊。今朝は、かねてより楽しみにしていたかまくら型汗蒸幕「ハンジュンマク」へ。
横手の冬の伝統行事「かまくら」を模したドーム型の室内。ヒマラヤ岩塩ブロックを配した岩塩サウナと聞けば、遠赤外線の恩恵も期待できる。
まず一巡目。入口は低く、頭をかがめねばならぬ。二つの扉を抜けると、座席は円卓状。ストーブ前が特等席とのこと。温度九十度、湿度は低め。されど、かまくら型ゆえか、熱の巡りが均一である。
通常ならば、ストーブに面した側からじわじわと温もるものだが、ここでは八分にして足先まで熱が届く。驚くべき浸透力。汗はとめどなく流れ、無理なく十分を過ごす。
さて、水風呂へ。桶で汗を流した刹那、「おや?」と首を傾げる。水温が、思いのほか低い。期待を抱きつつ身を沈めれば——冷たい、されど心地よい。思わず「あぁ…」と声が漏れる。それもそのはず、水温は十三度。レビューよりもさらに冷たく、肌を引き締める。
九十秒の冷水浴の後、内風呂のととのい椅子へ。体が沈み、思考は溶け、ただ静けさが広がる。これは調う。
サウナ十分×水一分半×休憩八分を三巡。均一な熱、水風呂の冷たさ——かくも完璧なる調いを、他に知るか。
感動した。また宿泊するのである。
男
夜道を二百キロ走り、初めてのクォードへ。ビジネスホテルと聞けば、凡庸な浴室を想像するが、ここには汗蒸幕かまくら型サウナやチムジルバンが備わっている。秋田市内が目的地ながら、思わずここで足を止めたくなる魅力がある。
今宵はチムジルバンを試す。韓国式の低温サウナ、室温五十度。床と壁に鉱石が敷かれ、五百五十円で利用できるとは、なんとも良心的だ。受付を済ませ、浴室で身を清め、軽く温まる。発汗を促すには、事前の温浴が肝要である。
専用着に着替え、「岩塩美房」と「黒ヒスイ美房」のいずれかを選ぶ。まずは黒ヒスイ美房へ。誰もおらず、静寂の中、うつ伏せで十分。じんわりと汗が滲み、次に仰向けになれば、心地よさに思わず眠気が差す。二十分の温浴後、休憩スペースで熱を冷ます。水にこだわらぬ身には、ウォーターサーバーがありがたい。
次に岩塩美房へ。先ほどより熱が伝わるのか、三分で汗が出始める。じわりと芯から温まり、三十分の温浴。再びクールダウンし、最後の一巡も岩塩美房で締める。
——嗚呼、温石の熱とは斯くも穏やかに、かつ深く身を包むものか。汗と共に、日々の疲れも静かに溶けゆく心地がする。上京した頃、西武新宿線に揺られ、おふろの王様の岩盤浴へ通ったものだが、久しく忘れていた温もりに、ふと懐かしさを覚えた。十分に寛ぐことができた。明朝は、汗蒸幕かまくら型サウナを試すとしよう。
[ 秋田県 ]
今日もまた、気づけば足はユーランドへと向かっていた。山形県酒田市に泊まるというのに、現地へ至る前に三巡。如何にこの湯処が我を惹きつけるか、言わずもがなである。
評判を見るに、露天サウナの人気が高い。されど、我は湿度高く、熱の一撃が鋭き内サウナを好む。昨日は無防備に臨み、顔に軽く火傷を負う羽目となったが、今日はサウナマスクを装着し、万全の態勢で挑む。八分の蒸気、水風呂に身を沈めること一分半、五分の休息。露天の風に身を任せれば、瞬く間に意識は遠のき、脳裏の思考は泡と消える。かくも深く調うものか。
秋田出張の折には、また必ず来よう。さて、そろそろ車を走らせ、夜道を抜け、酒田へ向かうとしよう。湯の余韻を引きずりつつ。
男
[ 秋田県 ]
火曜日、秋田入り。評判の高さに惹かれ、いざユーランドへ。
八百円を支払い、チケットをゲートにかざし、ロッカーへ向かう。身を清め、まずは内サウナ。収容十八名、温度九十度。五分に一度、オートロウリュが滴る。上段に腰を下ろせば、瞬く間に汗が溢れ、八分にして鼓動が高まる。水風呂へ。バイブラの効いた冷水に足を沈めると、思わず「あぁ…」と漏らす。二分後、寝るタイプのととのい椅子へ。体が沈み、意識は遠のき、何も考えぬまま、ただ調う。これほど一撃で調ったことがあったか。なるほど、人気の理由も頷ける。
二巡目は露天サウナへ。収容八名、段々の席。ここではセルフロウリュが許され、五分ごとに熱の波が訪れる。じっくりと蒸され、やがてロウリュ後の熱がぐんと押し寄せる。まったりとガツンの繰り返し。なるほど、癖になるというのはこのことか。十分快楽に浸り、再び水風呂へ。露天の椅子に腰を下ろせば、風が心地よく、奇妙にも寒さを感じぬ。ただ、調うのみ。かつて草加健康センターで味わったあの感覚が、ここに甦る。
三巡目、内サウナ、水風呂、休憩。最後にスチームサウナと温泉で温まり、いざ晩餐へ。
掘り炬燵のカウンターに座し、迷うことしばし、定番の油淋鶏定食を選ぶ。箸を入れれば、皮はさくりと砕け、肉は滴るほどジューシー。なるほど、サウナの後の一膳までもが、この湯の楽しみ方というわけか。
また、明日も来るとしよう。斯くも満たされる湯宿が、そう易々と手放せるものではない。
男
[ 北海道 ]
宿の帳をくぐり、我は白老の湯処へと身を投ずる。既に虎杖浜にて蟹飯を腹に収め、只管に寛ぎを求めるばかりである。
まずはサウナの扉を開くと、空間の広さに驚く。これはなかなかの贅沢、されど貸切とは恐れ入った。ストーブはHarvia製、温度は九十七度ときた。なるほど、此の地のサウナとは斯様に本格的なるものか。我はミントの香りを湛えたロウリュを三度施し、胡坐を組む。初めは乾燥した空気が肌を刺すも、じわじわと熱が内より滲み出す。十余分、体はほのかに熱を帯び、満を持して水風呂へ。
二人ほど入れるほどの湯槽、水の温度は二十度ほどか。決して冷たすぎぬが、肌に触れた刹那、ほっと息を吐く。二分の後、アディロンダックチェアに身を預け、目を閉じる。されど、外気が幾分冷たすぎる。ととのうには、まだ至らず。
故に、もう一度、今度は白樺のアロマで挑む。香りに包まれ、先ほどより発汗の勢いが増す。我はただ座し、流れる汗と向き合う。水風呂へと身を沈める頃には、先ほどよりも確かに、深く温まり、心は澄み渡る。さて、もう一度の休息。椅子に身を委ねると、まるで大地に吸い込まれるような感覚。ああ、これはよい。
最後の三巡目、白檀の香に包まれ、熱を浴びること十二分。水風呂に浸かり、五分の休息。ここに至りて、ようやく、心も体も緩むを覚ゆ。
湯より上がりし身を休め、心地よき倦怠のうちに、我は夜の饗宴へと赴く。宿の膳はビュッフェ形式と聞きしが、その内容たるや予想を遥かに超えたり。
まず目に飛び込むは、白老牛のステーキ。香ばしき焼き目に包まれし赤身は、箸を入れるや、じわりと肉汁が滲む。嚙むほどに旨味が広がり、牛の芳醇なる風味が舌を魅了する。続いて、ジンギスカン。柔らかき羊肉は、絶妙なるタレの絡みを得て、炭火の香と相まって食欲をそそる。
更には、虎杖浜のタラコ。粒立ち見事にして、口中に入れれば、しっとりとした塩気が広がる。海の香りを纏いながらも、決して強すぎず、まさに絶妙。そして、こぼれいくら。其の名のごとく、丼の縁より溢れんばかりに盛られた赤き宝珠を、豪快に頬張る。舌の上で弾ける度、海の滋味が波のごとく押し寄せ、幸せとは斯様なものかと、しばし感慨に耽る。
——これほどの膳を、斯くも手頃な宿泊費で享受できるとは、世の理とはかくも不思議なものよ。身も心も満たされ、かくなる上は、ただ深き眠りに身を委ねるばかり。かくして白老の一夜は、満足と共に更けゆくなり。
男
[ 北海道 ]
札幌の寒気に包まれながら、私は月見湯なる銭湯を訪れた。地下鉄福住駅を降り、住宅街を抜けることおよそ十分。遠目にはごくありふれた町の湯屋であるが、サウナ好きの間では名の知れた存在らしい。
料金は五百円。入湯料とサウナ代が含まれてこの額とは良心的だ。受付の盆が三日月型であるのも、細部に遊び心を忘れぬ主人の性分が窺えて興味深い。
さて、肝心の浴場であるが、洗い場の占める割合が大きく、浴槽は内湯と露天の二種。サウナは二つ、メインの高温サウナとスチームサウナである。高温サウナにはHARVIA製の堂々たるストーブが据えられているが、出入りの多さゆえか室温は思いのほか低く、じっと座っていても、身体の芯まで温まるには至らぬ。下段は特に熱が回らず、上段を求めて腰を上げるも、常連らしき男たちの視線が突き刺さる。何か作法でもあるのか、訝しく思いながらも、ここは静観するほかない。結局、アウフグースを受けたのち、水風呂に沈み、ようやく整う。
水風呂は広さも深さも申し分なく、地下水を用いているのか水質が柔らかい。手持ちの温度計によると十六度。冷たすぎず、ぬるすぎず、適度な引き締めを感じる。
さて、本日の目玉はハルカ氏による熱波の会。ディズニーの音楽に乗せてタオルを振る彼女の姿は、まるで舞台上のパフォーマーの如し。サウナ室は小さいが、それがまた熱の籠る一因ともなり、扇がれるたびに熱が肌を焦がす。客もまた、ライブの如き一体感を覚え、自然と気勢が上がる。終幕後、じょうろにて頭上に水をかけられるという趣向もまた心憎い演出であった。
気づけば夜も更け、退館の刻となる。温度の低さや常連の不文律には一抹の戸惑いを覚えたが、熱波イベントの妙と水風呂の心地よさは記憶に残る。次の訪問の折には、もう少しこの土地の流儀を学んでみようと思う。
[ 北海道 ]
吾輩はサウナに来たのである。されど、これほどの体験は未だ嘗てなかった。
まず駐車場に車を停め、受付へと足を運ぶ。ここは事前予約制とあり、名を告げ、日帰りの料金を支払う。その後、別室に通され、同意書に署名する。ここに至るまでは何の変哲もないが、ポンチョとスリッパを借り受けるあたり、既に一筋縄ではいかぬ予感がする。
浴場にて水着に着替え、ポンチョを羽織り、スリッパを履く。さて、いよいよサウナへ。ここの妙味は熱波にあり。一人十回まで受けられるとのこと。室内は既にロウリュの蒸気に満たされ、空気が肌を刺すようである。それを耐え、熱波を浴びるほどに、ただの温熱ではない、ある種の陶酔が訪れる。
ここからが本番である。湖へ向かう。一歩踏み入れると、冷水が足をかじかませる。初回は二十秒ほどで脱したが、二度目、三度目と進むにつれ、奇妙なことに慣れていく。足から飛び込み、頭まで沈めると、整い方がまるで違う。身体がふわりと宙に浮くかの如き心持ちである。思えば、これはもう修行の域に達している。
それにしても、この水温である。当日の湖は摂氏零度を下回る。「それはもう凍っているのではないか」と思わぬでもないが、いざ入ると、まず心地よい冷たさに包まれる。しかし、それは束の間の安息に過ぎず、次の瞬間には全身を痺れが襲う。耐えられるのはわずか一分、だがこの一分が永遠のように長く感じられる。
上がればスタッフがタオルを掛けてくれる。そのまま回転する氷の上へ。気温は氷点下であるにもかかわらず、寒さは感じない。それどころか、全身に広がるあまみを目の当たりにし、驚嘆するばかりである。人生においてこれほどまでに整った瞬間があったろうか。
最後に、桶で湯に浸かる。これがまた、静かなる愉悦をもたらす。熱と冷、動と静、その交わるところに、かくも甘美なる境地があるとは——吾輩、また訪れずにはおられぬのである。
共用
[ 岩手県 ]
吹雪舞う奥州の地、水沢に宿を取る。旅路の疲れを癒すべく、吾輩はサウナへ向かった。
この宿、アメニティの充実を見れば、客の安寧を心得たり。化粧水、乳液、シャンプー、リンス、ボディソープ、すべて揃う。されど、吾輩の目的はただ一つ、サウナにて整うことなり。
三陸よりの長き移動、到着の刻すでに夜遅し。制限時間五十分という制約のもと、洗い場にて身を清め、いざサウナ室へ。平日夜の静けさも手伝い、実質貸切の境遇。これぞ旅人の特権たるもの。
さて、勝負は二セット。まず一度目、熱の入りは程よしといえど、芯まで温まる感覚には至らず。よって、さらに十分の蒸しを加う。蒸気に包まれ二十分の後、水風呂に沈み、露天にて外気浴。降りしきる雪、これほど冷え込むなか、外に身を晒す者は吾輩のみなるべし。しかしながら、長き蒸しの恩恵か、不思議と寒さを覚えぬ。足元にタオルを巻き、十分間、ただ静かに雪の降るさまを眺める。
氷のごとき冷気に全身を浄められ、身体より立ちのぼる湯気、ゆらめきながら夜空へと消えゆく。されば魂もまた、ふわふわと浮遊する心地。これをして、至福と呼ばずして何とせん。
次なる一セットは、短期決戦。サウナ十分、水風呂一分、外気浴五分。締めくくりに露天風呂にて息をつき、この夜の整いを全うす。かくして、吾輩の冬のサウナ旅は幕を閉じた。
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。