リブマックスリゾート ウポポイ白老温泉
ホテル・旅館 - 北海道 白老郡白老町 宿泊者限定
ホテル・旅館 - 北海道 白老郡白老町 宿泊者限定
宿の帳をくぐり、我は白老の湯処へと身を投ずる。既に虎杖浜にて蟹飯を腹に収め、只管に寛ぎを求めるばかりである。
まずはサウナの扉を開くと、空間の広さに驚く。これはなかなかの贅沢、されど貸切とは恐れ入った。ストーブはHarvia製、温度は九十七度ときた。なるほど、此の地のサウナとは斯様に本格的なるものか。我はミントの香りを湛えたロウリュを三度施し、胡坐を組む。初めは乾燥した空気が肌を刺すも、じわじわと熱が内より滲み出す。十余分、体はほのかに熱を帯び、満を持して水風呂へ。
二人ほど入れるほどの湯槽、水の温度は二十度ほどか。決して冷たすぎぬが、肌に触れた刹那、ほっと息を吐く。二分の後、アディロンダックチェアに身を預け、目を閉じる。されど、外気が幾分冷たすぎる。ととのうには、まだ至らず。
故に、もう一度、今度は白樺のアロマで挑む。香りに包まれ、先ほどより発汗の勢いが増す。我はただ座し、流れる汗と向き合う。水風呂へと身を沈める頃には、先ほどよりも確かに、深く温まり、心は澄み渡る。さて、もう一度の休息。椅子に身を委ねると、まるで大地に吸い込まれるような感覚。ああ、これはよい。
最後の三巡目、白檀の香に包まれ、熱を浴びること十二分。水風呂に浸かり、五分の休息。ここに至りて、ようやく、心も体も緩むを覚ゆ。
湯より上がりし身を休め、心地よき倦怠のうちに、我は夜の饗宴へと赴く。宿の膳はビュッフェ形式と聞きしが、その内容たるや予想を遥かに超えたり。
まず目に飛び込むは、白老牛のステーキ。香ばしき焼き目に包まれし赤身は、箸を入れるや、じわりと肉汁が滲む。嚙むほどに旨味が広がり、牛の芳醇なる風味が舌を魅了する。続いて、ジンギスカン。柔らかき羊肉は、絶妙なるタレの絡みを得て、炭火の香と相まって食欲をそそる。
更には、虎杖浜のタラコ。粒立ち見事にして、口中に入れれば、しっとりとした塩気が広がる。海の香りを纏いながらも、決して強すぎず、まさに絶妙。そして、こぼれいくら。其の名のごとく、丼の縁より溢れんばかりに盛られた赤き宝珠を、豪快に頬張る。舌の上で弾ける度、海の滋味が波のごとく押し寄せ、幸せとは斯様なものかと、しばし感慨に耽る。
——これほどの膳を、斯くも手頃な宿泊費で享受できるとは、世の理とはかくも不思議なものよ。身も心も満たされ、かくなる上は、ただ深き眠りに身を委ねるばかり。かくして白老の一夜は、満足と共に更けゆくなり。
男
コメントすることができます
すでに会員の方はこちら