2025.02.24 登録
[ 秋田県 ]
今日もまた、気づけば足はユーランドへと向かっていた。山形県酒田市に泊まるというのに、現地へ至る前に三巡。如何にこの湯処が我を惹きつけるか、言わずもがなである。
評判を見るに、露天サウナの人気が高い。されど、我は湿度高く、熱の一撃が鋭き内サウナを好む。昨日は無防備に臨み、顔に軽く火傷を負う羽目となったが、今日はサウナマスクを装着し、万全の態勢で挑む。八分の蒸気、水風呂に身を沈めること一分半、五分の休息。露天の風に身を任せれば、瞬く間に意識は遠のき、脳裏の思考は泡と消える。かくも深く調うものか。
秋田出張の折には、また必ず来よう。さて、そろそろ車を走らせ、夜道を抜け、酒田へ向かうとしよう。湯の余韻を引きずりつつ。
男
[ 秋田県 ]
火曜日、秋田入り。評判の高さに惹かれ、いざユーランドへ。
八百円を支払い、チケットをゲートにかざし、ロッカーへ向かう。身を清め、まずは内サウナ。収容十八名、温度九十度。五分に一度、オートロウリュが滴る。上段に腰を下ろせば、瞬く間に汗が溢れ、八分にして鼓動が高まる。水風呂へ。バイブラの効いた冷水に足を沈めると、思わず「あぁ…」と漏らす。二分後、寝るタイプのととのい椅子へ。体が沈み、意識は遠のき、何も考えぬまま、ただ調う。これほど一撃で調ったことがあったか。なるほど、人気の理由も頷ける。
二巡目は露天サウナへ。収容八名、段々の席。ここではセルフロウリュが許され、五分ごとに熱の波が訪れる。じっくりと蒸され、やがてロウリュ後の熱がぐんと押し寄せる。まったりとガツンの繰り返し。なるほど、癖になるというのはこのことか。十分快楽に浸り、再び水風呂へ。露天の椅子に腰を下ろせば、風が心地よく、奇妙にも寒さを感じぬ。ただ、調うのみ。かつて草加健康センターで味わったあの感覚が、ここに甦る。
三巡目、内サウナ、水風呂、休憩。最後にスチームサウナと温泉で温まり、いざ晩餐へ。
掘り炬燵のカウンターに座し、迷うことしばし、定番の油淋鶏定食を選ぶ。箸を入れれば、皮はさくりと砕け、肉は滴るほどジューシー。なるほど、サウナの後の一膳までもが、この湯の楽しみ方というわけか。
また、明日も来るとしよう。斯くも満たされる湯宿が、そう易々と手放せるものではない。
男
[ 北海道 ]
宿の帳をくぐり、我は白老の湯処へと身を投ずる。既に虎杖浜にて蟹飯を腹に収め、只管に寛ぎを求めるばかりである。
まずはサウナの扉を開くと、空間の広さに驚く。これはなかなかの贅沢、されど貸切とは恐れ入った。ストーブはHarvia製、温度は九十七度ときた。なるほど、此の地のサウナとは斯様に本格的なるものか。我はミントの香りを湛えたロウリュを三度施し、胡坐を組む。初めは乾燥した空気が肌を刺すも、じわじわと熱が内より滲み出す。十余分、体はほのかに熱を帯び、満を持して水風呂へ。
二人ほど入れるほどの湯槽、水の温度は二十度ほどか。決して冷たすぎぬが、肌に触れた刹那、ほっと息を吐く。二分の後、アディロンダックチェアに身を預け、目を閉じる。されど、外気が幾分冷たすぎる。ととのうには、まだ至らず。
故に、もう一度、今度は白樺のアロマで挑む。香りに包まれ、先ほどより発汗の勢いが増す。我はただ座し、流れる汗と向き合う。水風呂へと身を沈める頃には、先ほどよりも確かに、深く温まり、心は澄み渡る。さて、もう一度の休息。椅子に身を委ねると、まるで大地に吸い込まれるような感覚。ああ、これはよい。
最後の三巡目、白檀の香に包まれ、熱を浴びること十二分。水風呂に浸かり、五分の休息。ここに至りて、ようやく、心も体も緩むを覚ゆ。
湯より上がりし身を休め、心地よき倦怠のうちに、我は夜の饗宴へと赴く。宿の膳はビュッフェ形式と聞きしが、その内容たるや予想を遥かに超えたり。
まず目に飛び込むは、白老牛のステーキ。香ばしき焼き目に包まれし赤身は、箸を入れるや、じわりと肉汁が滲む。嚙むほどに旨味が広がり、牛の芳醇なる風味が舌を魅了する。続いて、ジンギスカン。柔らかき羊肉は、絶妙なるタレの絡みを得て、炭火の香と相まって食欲をそそる。
更には、虎杖浜のタラコ。粒立ち見事にして、口中に入れれば、しっとりとした塩気が広がる。海の香りを纏いながらも、決して強すぎず、まさに絶妙。そして、こぼれいくら。其の名のごとく、丼の縁より溢れんばかりに盛られた赤き宝珠を、豪快に頬張る。舌の上で弾ける度、海の滋味が波のごとく押し寄せ、幸せとは斯様なものかと、しばし感慨に耽る。
——これほどの膳を、斯くも手頃な宿泊費で享受できるとは、世の理とはかくも不思議なものよ。身も心も満たされ、かくなる上は、ただ深き眠りに身を委ねるばかり。かくして白老の一夜は、満足と共に更けゆくなり。
男
[ 北海道 ]
吾輩はサウナに来たのである。されど、これほどの体験は未だ嘗てなかった。
まず駐車場に車を停め、受付へと足を運ぶ。ここは事前予約制とあり、名を告げ、日帰りの料金を支払う。その後、別室に通され、同意書に署名する。ここに至るまでは何の変哲もないが、ポンチョとスリッパを借り受けるあたり、既に一筋縄ではいかぬ予感がする。
浴場にて水着に着替え、ポンチョを羽織り、スリッパを履く。さて、いよいよサウナへ。ここの妙味は熱波にあり。一人十回まで受けられるとのこと。室内は既にロウリュの蒸気に満たされ、空気が肌を刺すようである。それを耐え、熱波を浴びるほどに、ただの温熱ではない、ある種の陶酔が訪れる。
ここからが本番である。湖へ向かう。一歩踏み入れると、冷水が足をかじかませる。初回は二十秒ほどで脱したが、二度目、三度目と進むにつれ、奇妙なことに慣れていく。足から飛び込み、頭まで沈めると、整い方がまるで違う。身体がふわりと宙に浮くかの如き心持ちである。思えば、これはもう修行の域に達している。
それにしても、この水温である。当日の湖は摂氏零度を下回る。「それはもう凍っているのではないか」と思わぬでもないが、いざ入ると、まず心地よい冷たさに包まれる。しかし、それは束の間の安息に過ぎず、次の瞬間には全身を痺れが襲う。耐えられるのはわずか一分、だがこの一分が永遠のように長く感じられる。
上がればスタッフがタオルを掛けてくれる。そのまま回転する氷の上へ。気温は氷点下であるにもかかわらず、寒さは感じない。それどころか、全身に広がるあまみを目の当たりにし、驚嘆するばかりである。人生においてこれほどまでに整った瞬間があったろうか。
最後に、桶で湯に浸かる。これがまた、静かなる愉悦をもたらす。熱と冷、動と静、その交わるところに、かくも甘美なる境地があるとは——吾輩、また訪れずにはおられぬのである。
共用
[ 北海道 ]
札幌の寒気に包まれながら、私は月見湯なる銭湯を訪れた。地下鉄福住駅を降り、住宅街を抜けることおよそ十分。遠目にはごくありふれた町の湯屋であるが、サウナ好きの間では名の知れた存在らしい。
料金は五百円。入湯料とサウナ代が含まれてこの額とは良心的だ。受付の盆が三日月型であるのも、細部に遊び心を忘れぬ主人の性分が窺えて興味深い。
さて、肝心の浴場であるが、洗い場の占める割合が大きく、浴槽は内湯と露天の二種。サウナは二つ、メインの高温サウナとスチームサウナである。高温サウナにはHARVIA製の堂々たるストーブが据えられているが、出入りの多さゆえか室温は思いのほか低く、じっと座っていても、身体の芯まで温まるには至らぬ。下段は特に熱が回らず、上段を求めて腰を上げるも、常連らしき男たちの視線が突き刺さる。何か作法でもあるのか、訝しく思いながらも、ここは静観するほかない。結局、アウフグースを受けたのち、水風呂に沈み、ようやく整う。
水風呂は広さも深さも申し分なく、地下水を用いているのか水質が柔らかい。手持ちの温度計によると十六度。冷たすぎず、ぬるすぎず、適度な引き締めを感じる。
さて、本日の目玉はハルカ氏による熱波の会。ディズニーの音楽に乗せてタオルを振る彼女の姿は、まるで舞台上のパフォーマーの如し。サウナ室は小さいが、それがまた熱の籠る一因ともなり、扇がれるたびに熱が肌を焦がす。客もまた、ライブの如き一体感を覚え、自然と気勢が上がる。終幕後、じょうろにて頭上に水をかけられるという趣向もまた心憎い演出であった。
気づけば夜も更け、退館の刻となる。温度の低さや常連の不文律には一抹の戸惑いを覚えたが、熱波イベントの妙と水風呂の心地よさは記憶に残る。次の訪問の折には、もう少しこの土地の流儀を学んでみようと思う。
#水風呂
#休憩スペース
[ 岩手県 ]
吹雪舞う奥州の地、水沢に宿を取る。旅路の疲れを癒すべく、吾輩はサウナへ向かった。
この宿、アメニティの充実を見れば、客の安寧を心得たり。化粧水、乳液、シャンプー、リンス、ボディソープ、すべて揃う。されど、吾輩の目的はただ一つ、サウナにて整うことなり。
三陸よりの長き移動、到着の刻すでに夜遅し。制限時間五十分という制約のもと、洗い場にて身を清め、いざサウナ室へ。平日夜の静けさも手伝い、実質貸切の境遇。これぞ旅人の特権たるもの。
さて、勝負は二セット。まず一度目、熱の入りは程よしといえど、芯まで温まる感覚には至らず。よって、さらに十分の蒸しを加う。蒸気に包まれ二十分の後、水風呂に沈み、露天にて外気浴。降りしきる雪、これほど冷え込むなか、外に身を晒す者は吾輩のみなるべし。しかしながら、長き蒸しの恩恵か、不思議と寒さを覚えぬ。足元にタオルを巻き、十分間、ただ静かに雪の降るさまを眺める。
氷のごとき冷気に全身を浄められ、身体より立ちのぼる湯気、ゆらめきながら夜空へと消えゆく。されば魂もまた、ふわふわと浮遊する心地。これをして、至福と呼ばずして何とせん。
次なる一セットは、短期決戦。サウナ十分、水風呂一分、外気浴五分。締めくくりに露天風呂にて息をつき、この夜の整いを全うす。かくして、吾輩の冬のサウナ旅は幕を閉じた。
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。