2020.01.11 登録

  • サウナ歴
  • ホーム カプセルイン大塚
  • 好きなサウナ テレビなし、照明暗め(むしろ闇でよい)、サウナマット(ビート板)使い放題、セルフロウリュ、ほどよいBGM
  • プロフィール サウナイキタイからサウナガクル。そんなささやかな種をまこうとしています。 サウナカーで全国を回ります。お待ちください。
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奥のサ(isanow)

2021.09.30

1回目の訪問

平日:昼 人出:無
「ダッダッダッ、ザブザブ、ジャボン」

福島の誇る名勝・猪苗代湖を水風呂にできる。
これを聞いたときは羨望と、憧憬の間で揺れた。

夏の猪苗代湖には毎年訪れてはテントを張って、真夜中、星空を見上げながら、友人たちとお酒を飲んでいるのだけれど
今年はタイミングが合わず、夏を始めることができていなかった。

高速を下りて、約10分ほどで目的地のみなとやさんに到着。
湖畔に立つホテルの外観は長くこの地で営業を重ねてきてくれた趣を感じさせる。

チェックインを済ませ、湖畔に出ると
熱々にセッティングされたテントサウナが設営されている。
ほんの少しだけ、設営を手伝う。そう、ほんの少しだけ。

あとのことはどう書けばよいだろうか。
誰かの言っていた「蒸され冷やされ風になる」を十全に堪能できた。

時に140度、時に90度になるテントサウナ。
好きなだけしてよいセルフロウリュ。
テントサウナの窓から見える猪苗代湖と青い空。
テントサウナ内にまで聴こえる波の音。

しっかりと蒸され、テントを出れば、そう、目の前には湖がある。
信じられないかもしれませんが、飛び込んでいいんです。
ダッダッダッ、ジャブジャブ、ジャボン。
その音のあとには何も聞こえなくなった。
目の前には揺れ動く青い湖。
体を浮かべると夏とまごうことなき太陽と青い空。
自分の心臓の音すら聞こえなかった。
波が揺れる音はさながら地球の鼓動で、僕は地球と溶け合っていた。

サウナと詩はよく合う。そう思う。
もしも僕が詩人だったなら、どんなタイトルの詩を書けるだろう?
そうだな、例えば…

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52

奥のサ(isanow)

2021.09.19

1回目の訪問

週末昼 人出中
「きっと、僕らがここにいて」

飯能駅からバスで向かう。
心なしか、以前来たときよりもメッツァ行きのバスに乗る人が多い。
みんな、アウトドアサウナに向かうのかな? サウナTシャツを着てきたことが誇らしさと照れくささの間で揺れる。

メッツァに着いて、湖を背中に左のレストラン方向よりさらに奥に進むと、アセマサウナとテントサウナのアウトドアサウナたちが僕らを待っていてくれている。

アセマサウナはさすがの馬力で、しっかりと蒸してくれる。
なにより、サウナ中に窓から望む湖の水面に揺れる陽光は忘れがたい。

テントサウナは両方同じものだが、70〜90度の中で揺れ動く温度も愛らしいし、薪を入れる作業が楽しめる。
ロウリュをしたあとに立ち上がると、とんでもない熱波を感じられる。

ハッカ油入りの水風呂に飛び込み、湖を全身で受け止めながら休む外気浴。
今はもう9月だけれど、真夏よろしく太陽が照っていた。
去年も今年も、きっと望むような夏にはできなかった人が多いだろう。
けれど、あなたがそこにいる。それだけであたたまるなにかがあるはずだ。きっと、僕らがここにいて、それで照らされるものもあるはずだ。

9月のきっと最後になる夏の日の真っ青な空に飛行機雲が描かれていった。

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63

奥のサ(isanow)

2021.09.14

1回目の訪問

歩いてサウナ

平日昼 人出少

「僕らの詩を覚えているか」

サウナと詩はよく合う。
実際に本を持ち込むわけじゃないけれど
頭の中でかつて読んだ詩の一節を思い出したりすると
当時は気づけなかった角度なんかを見つけられたりする。

中原中也のこんな詩を思い出した。
浜辺を散歩しているときにボタンを拾ったけれど、それをどうしても捨てられなかった
みたいな詩だった。

もしかしたら、僕らはそういったボタンをサウナに置きにきているのかもしれない。
どうしても捨てられないものがあって、かといって、それを持ち続けていられるほど
現代はきっと甘くない。
民主主義の資本主義というのはつまり競争であり、出し抜き合いなのだから。
騙された方が負けで、転ばされたら負けなのだ。

でも、それは「暮らす」ことにおける側面だけだ。
僕らは「生きる」中で浜辺でボタンを拾うことだってある。
子どものころに公園や道端で綺麗な石を拾ったじゃないか。
雨が降っても、缶蹴りをやめなかったじゃないか。
夕焼けが僕らの影を僕らより大きいサイズに伸ばしていくのを見つめていたじゃないか。
それはまぎれもなく詩だったのだ。言葉ではない全身でうたう詩だったのだ。
僕らの詩を覚えているか。

とはいえ、ボタンだって無限に持てるわけじゃない。
ボタンホールを見つけてやらなければいけない。
サウナはそういったことに、とっておきの場所に思える。

そんなことを考えていると、デュアルタワーにオートロウリュの雨が降った。

歩いた距離 1km

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90

奥のサ(isanow)

2021.09.08

1回目の訪問

歩いてサウナ

平日昼 人出少
「雨はもう、やんでいた」

どうしても、はじめましてのサウナに行きたくなるときがある。
どこに何があるかわからないまま、フロアや浴室を散策し、パズルのピースを埋めていく感覚。

日常にいくぶん、くたびれているのかな?
異邦人でありたくなるときもある。

シャワーから出てくるのも源泉。
サウナも3段目は「寝転べ」といわんばかりの座面の広さ。
関東圏でも、数少ない「寝転んでよい」サウナだ。

水風呂も色素を抜いた黒湯というユニークさ。

外気浴場所も広く、空が抜けていた。
この日はたまたま雨だった。
むしろ、うれしい。
雨を全身に受けて、楽しめるのはサウナのあとぐらいなのだから。

くつろぎスペースは漫画も豊富でのんびりと寝転べる。「宇宙兄弟」を読んでみた。

屋上に出て、ハンモックに揺られていると、いろいろなことを思い出した。
追いかけたもの、持てなかったもの、捨てたかったもの、捨てられなかったもの、くっついてきてしまったもの、遠くに見えるもの、見落としてきたもの、なくしたくないもの。

雨はもう、やんでいた。

歩いた距離 6km

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57

奥のサ(isanow)

2021.08.14

1回目の訪問

歩いてサウナ

ウェルビー福岡

[ 福岡県 ]

平日:深夜 人出:無
「壺に落ちる水滴だけが返事をしてくれていた」

日帰り入浴が夜に締め切られ、あとは宿泊者のみの利用となる。
きっと本来はもっと賑わっているんだろうウェルビー福岡。
僕らは深夜のウェルビー福岡をほぼ貸し切りで利用させてもらうこととなった。

脱衣所で館内着を脱ぐ。
体を清め、3つのサウナを巡る。

高温サウナ、セルフロウリュサウナ、からふろ。
グルシンの水風呂からのサウナ内の水風呂に浮かぼうとするが、すぐに沈んでしまう。
サウナに入り、目をつぶる。
ストーンの焼ける音。自分の鼓動。
何かが剥がれ落ちる音が聞こえた気がした。
サウナ室内を見回す。もちろん、何も落ちてはいない。
水風呂に入り、休憩していると、また何かが剥がれ落ちる音が聞こえる。
「服は」と僕は思う。「さっき脱いだじゃないか。なのに、何が剥がれ落ちるっていうんだ?」

からふろでほうじ茶をロウリュし、目をつぶり、寝転ぶ。
水滴が壺に落ちる音の遠くで、何かが剥がれ落ちる音が耳に届く。
裸で畳に寝転び、蒸気を全身に浴びる。

竹原ピストル君の歌声を思い出した。
「確かにぼくはここにいるけれど」とピストル君は歌う。「確かなぼくはどこにいるんだろ」
蒸気が目の端に溜まり、水滴が頬を伝っていった。
「もしも、この水滴をロウリュにしたら」と僕は言う。「誰かをあたためることができるだろうか?」
壺に落ちる水滴だけが返事をしてくれていた。

水風呂に入り、浮かぶ。
沈むことなく、なぜだか、ずっと浮かんでいられた。
剥がれ落ちる音はもう聞こえない。
「確かなぼくは」と僕は口ずさむ。

歩いた距離 3.1km

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93

奥のサ(isanow)

2021.08.12

1回目の訪問

平日:夕 人出:中
「咲いて、枯れて、バトンをつなぐ」

今年の夏を始めたかった。
それにはきっと、らかんの湯はぴったりに思えた。

向かう電車(武雄温泉はICカード非対応なので注意されたし)から見える田園に無人駅、鳥栖商業の球児たちの焦げた肌、こっそりと手を握り合うジャージー姿の高校生たち。
遠くの入道雲が彼らを見守っていた。

入館するとチームラボが出迎えてくれる。
ホテルへの入り口であるとともに、非日常への入り口でもあった。

別の世界へと連れていってもらえるトンネルのような廊下を歩くと「湯」ののれんが見えてくる。

今治タオルが使い放題とは、なんと贅沢な。
サウナ室は「漆黒」と表現したほうがよいかもしれない。暗闇ではなく「漆黒」だ。
入室してから数秒、何も見えない。ほんの少し差し込む外光により、ストーブだけが見えるが、座席はほぼ見えない。
あるのに誰も気づかない3段目に気づいたのは何セット目だったか。
ドアの開閉による一瞬の光だけが存在を教えてくれる。

「黒」の中に身を置く。女性側が「白」の中だとするなら、男性側はやはり「闇」ではなく「黒」だろう。

外気浴中、熱いほうじ茶をすすりながら、御船山の森を見つめる。たくさんの音が僕を包んでいた。森を通り抜ける風の音。虫たちの愛のささやき。
そこには「生」があった。けれど、足元には「死」があった。彼らはそれを繰り返していく。
春がきたら、芽を伸ばし
夏で大きく成長し
秋に落ち葉で土壌を豊かにし
冬は眠りにつく。
咲いて、枯れて、バトンをつなぐ。

それだけだったし、それだけで十分だった。

電車の中の景色を思い出す。
無人駅、球児、高校生たちのつながれる手。
あのころの僕もいたかもしれない。
彼ら(僕ら)に伝えてあげたいことがあった。
でも、きっと余計なお世話だ。

かわりに明日の僕に伝えておこう。
「いつだって」と思う。伝わればいいな。「今日は最後の日なのだ」

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97

奥のサ(isanow)

2021.07.23

13回目の訪問

歩いてサウナ

平日 夜 人出 中
「20分ごとに降る雨(オートロウリュ)」

リニューアル初日の夜。
脱衣所に新しい木の香りが漂っていた。
子どもが新しいおもちゃの封を切るような気持ちで
洞窟のような浴場にあるサウナ室のドアを開ける。

足元を照らすライト。狭いサ室にそびえるどでかいikiストーブ。
そして20分ごとに降る雨(オートロウリュ)。

去年から少しずつアップグレードを重ねていったCIOを
つぶさに見ていた身としては
不思議な感動を覚えた。

毎時00時、20分、40分というペース
20分ごとのロウリュだから
1セット目のタイミングさえ調整すれば、毎回ロウリュを受けられるのも
たまらなくうれしい。
いつまでも入っていたいそんなサウナ室になった。

ロウリュ可能の施設になったことで
アウフグースイベントなども打っていくのだとしたら・・・
そんな妄想をしながら、大塚の線路沿いを歩いて帰った。

山手線沿線で駅徒歩近くで
90分1000円で、オートロウリュがあって
基本的なアメニティーが揃っていて
持ち込みもOKで、漫画も読める施設は
きっと多くないはずだ。
僕らの日常にそっと寄り添ってくれるCIOの洞窟に
ぜひ、あなたも探検しにきてみてください。

歩いた距離 2.1km

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106

奥のサ(isanow)

2021.07.20

3回目の訪問

平日 夜
人出 少

「その電車に僕は乗っていない」

巣鴨・サンフラワーに向かおうと乗った千代田線。
大手町で三田線に乗り換えれば、サンフラワーまではすぐだ。
けれど、なぜだか大手町に着いたときに僕は電車を降りなかった。

気づいたら湯島で下車していた。

湯島駅から徒歩30秒のカプセルランド湯島。
脱衣所のエアコンが不調らしい。
たしかに暑い。
けれど、サウナから出たあとは涼しく感じられる。
視座なのだ。結局のところ。
自分がどこにいるかで世界の見え方は変わるのだ。
もし、本当にそうなのだとしたら
生きることはもしかしたら、それほど難しくないかもしれない。けれど、暮らすことは難しい。そんなことをサウナ室の中で考えていると遠くで千代田線の電車の音が聞こえた。

その電車に僕は乗っていないのだ。

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奥のサ(isanow)

2021.07.11

12回目の訪問

歩いてサウナ

土曜 夕
人出 多

「僕らのみじかい永遠」

サウナ室工事前の1週間、ストーブ破壊覚悟で室温の限界に挑むという男気。
毎日通っていたぐらいだったけど
仕事や予定の兼ね合いで、よりによって、土曜にしか入りにいけなかった。

思えば、CIOのサウナ室にはいろんな思い出があった。
何度も思い出したくなるぐらい楽しい1日の終わり
絶対に思い出したくないタフな1日の終わり
思い出すことの難しい日常の1日の終わり
どんなときも変わらぬ熱さと冷たさで
そっと寄り添ってくれていた。

昨日の僕がサウナ室に入っていく。
今日の僕は水風呂に浮かびながら目を閉じる。
7月末には新しい思い出を積み重ねていける。
それはとてもすてきなことだ。
オートロウリュもあるだなんて、人気が加熱しすぎてしまうかもしれない。
いいことだけど、少しさみしいね。

水風呂に注ぎ落ちる水の音。
あのころはきっと僕らのみじかい永遠だったのだ。
誰かの詩のそんなフレーズを思い出した。

笑顔をこぼす僕も、涙を流す僕も、汗を流す僕も
それをただただ受け止めてくれていた君も
それはきっと、みじかい永遠だったのだ。

僕らのみじかい永遠は7月12日に終わる。
しかたのないことだ、永遠だっていつか終わるのだ。
そして、また新しい永遠が7月22日から始まる・・・といいな。

水風呂に流れる水は止まっていた。
外気浴に出ると、遠くから雲が近づいてきていた。

歩いた距離 2.1km

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奥のサ(isanow)

2021.07.03

6回目の訪問

平日 夜
人出 中

「生きて帰りたかったら」

ピークタイム料金が加わり、結果として人出が減ったことで、ここの弱点が減ったように思う。
前はあまりにも混みすぎていたし、けたたましい煩雑な音にあふれていた。
サウナ室の中で耳にタオルを詰め込んだことすら懐かしく思える。

友人との打ち合わせの前に赤坂のサウナで合流した。
思えば彼はグルシンに飛び込んだことはなかったかもしれない。

運よく19時のアウフグースに入れた。
「いいかい」と僕は友人に言う。「とにかく下段にいるんだ」
生きて帰りたかったら、と心の中でつぶやいた。
立ち上る蒸気。迫りくる熱波。垂れ落ちる汗。
お互いなんとか完走できた。けれど、もう限界だ。
水を!水風呂を!

グルシン水風呂に飛び込み、そのあと14度水風呂に入る。
ここでしかない体験のひとつだ。体がスルスルとほどけていく。

さあ、このあとは焼き肉とビールが待っている。

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奥のサ(isanow)

2021.06.29

1回目の訪問

朝日湯源泉ゆいる

[ 神奈川県 ]

平日 昼
人出 中

「あるいは名前が残らなくても」

浜川崎で71年間「朝日湯」という銭湯を続け、2021年3月に建て替え工事によるアップグレードにてグランドオープン。

結果として重箱の隅すらない、見事な施設に生まれ変わっている。
外気浴スペースにカランと桶があることの見事さよ。

関東一深い水風呂に飛び込んだときに
きっとサウナ王が関わった施設なのかもしれないと感じる。
ゆらっくすの水風呂の作りに似ていたかもしれない。
あるいは不感炭酸泉というギミックの見事さかもしれない。

外気浴スペースでまどろんでいると夢を見た。
夢の中では「ゆいる」はまだ「朝日湯」で僕は脱衣所で休んでいた。
もちろん、来たこともない。けれど、常連であろう人々が次々に番台さんの横を通り抜けていく。笑顔だ。みんな笑顔だった。入る人も、帰る人も。

「朝日湯」という銭湯としての形は残らなくても、あるいは名前が残らなくても
きっと血はつながって、残っているのかもしれない。
笑顔で帰っていく先で、あるいは笑顔で入ってくる前に「朝日湯」があったことのつながりを感じずにはいられない。

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105

奥のサ(isanow)

2021.06.21

2回目の訪問

歩いてサウナ

平日 夜
人出 無

「好きなんやなあ、と祖母は笑った」

誰にも会いたくない。でもサウナに入りたい。
なぜだか、どうしても今日だけは。
そんなぜいたくを叶えるため、仕事終わりの僕は湯島で途中下車した。
途中、ふだんは飲まない梅酒を買った。ワンカップサイズの瓶の中で梅が揺れていた。

券売機でチケット購入、靴を脱ぐ前にチケットと靴の鍵を交換する。不思議な動線に思えるが、それもここだけでの景色だ。

誰にも出会わない。カプセルゾーンはしっかりと利用されているようだけど。

暗がりのサウナ。水シャワー。脱衣所での休憩。
寝転んでもいい。誰もいないんだから!

梅酒を買ってきていたのを思い出した。
3階の親戚の家にあるようなソファと机のある喫煙所で梅酒を飲むと、まるで実家みたいだ。

子どものころ、祖母が毎年梅酒を漬けていた。
祖父がおいしそうに飲んでいた。
僕はシワシワになる手前の梅をお酒の中から選抜して、よく盗み食いした。かじると、「カリッ」と鳴く音が好きだった。
当然ながら祖父によく注意された。当然だ。子どもだったし、なにより梅酒の味が変わってしまうから。

真夏の入道雲とセミの声を振り切って家に帰ってきた昼下がり。
祖父母は2階の部屋で涼んでいる。
そっと階段の下から梅酒の瓶を取り出し、梅をつまんで、噛んだ。「カリッ」と音がした。
階段の中腹に腰掛けながら「好きなんやなあ」と祖母は笑った。

僕は湯島で梅酒を飲み終えた。瓶の中の梅をかじる。
あの音は聞こえなかった。

歩いた距離 4km

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102

奥のサ(isanow)

2021.06.18

1回目の訪問

歩いてサウナ

8HOTEL CHIGASAKI

[ 神奈川県 ]

平日 昼
人出 少

「またこの季節がはじまる」

茅ヶ崎駅から徒歩数分。
トゥクトゥクが出迎えてくれる景色の先にはプールの水面がきらめいていた。

サウナ室は天井が低く設計されているため、ロウリュするとすぐにあたたかな熱が包んでくれる。
大きく取られた窓の向こうにはプールがまた、きらめいている。

水着を着たカップルがたゆたっていた。
女の子を後ろからハグし、プールを散歩していた。女の子の脚はまるで水草のように揺れていた。
僕は火照ったラドルを手にし、そっとロウリュする。跳ねる水。立ちのぼる蒸気。流れ落ちる汗。窓の向こうから聞こえる笑い声。

また、この季節がはじまる。
奪われないもののひとつだ。

歩いた距離 1km

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96

奥のサ(isanow)

2021.06.15

11回目の訪問

平日 夜
人出 少

「今年の夏は暑くなりそうだ」

7月にサウナ室の工事があるかもしれないということだ。オートロウリュまで備えるという。

フロントのおじ様に伺うと「詳細は未定」とのことだが
着工されるならば、本当に楽しみである。
山手線最寄り駅から1分未満。24時間営業。持ち込み可能。泊まれる。90分1,000円。アメニティ豊富。
上記レベルでさらに「ロウリュ」のある施設をなかなかに思いつけない。

今年の夏は暑くなりそうだ。

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92

奥のサ(isanow)

2021.06.08

1回目の訪問

歩いてサウナ

平日 夜
人出 無

「ドシー湯島」

水風呂はない。誰もいない。けれど孤独のサウナ室がある。

フロントの方を除けば誰とも出会わない。
友人と来ていなかったら、世界が終わってしまったのではないかという錯覚すら覚えただろう。

他人のぬくもりを奪われつつある世界ではあるけれど
それでも孤独であることのあたたかさを感じさせてもらえる孤高のサウナが湯島にはあった。

先人がしていたのであろうロウリュによる湿気を受け止めながら
ドシー恵比寿ならぬ、ドシー湯島だな
だなんて下らないことを考えていると千代田線の電車の音が遠くで響いていた。

歩いた距離 2km

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84

奥のサ(isanow)

2021.06.07

1回目の訪問

歩いてサウナ

溝口温泉 喜楽里

[ 神奈川県 ]

平日 夕
人出 多

「窓を開けると僕の頬を撫でていった」

いろいろとこれからのサウナについて、計画している友人と、さまざなサウナを訪れるようになった。

溝口が誇る名施設。
お風呂は温泉炭酸泉、シルキーバス、ジャグジー、露天風呂と抜かりない。
シャンプー系も安価なものではない。

水風呂は温度がちょうどよすぎるからか、ついつい長居してしまう。
寝転んで4人、入れる感じです。4人目はいくぶん、浅いところになりますが。

サウナはスタジアム。しっかりと熱してくれる。
間引かれているため、10人レベルの行列ができることも。

すばらしいのは塩サウナ。
入った瞬間、何も見えません。自分の手すら見えなくなります。
「なんだ!これ!何も見えない!」となります。
塩を塗り、座り、もくもくと視界を埋め尽くす湯気は不思議と僕らをどこかに連れていってくれます。そうだ、僕はこういった景色をどこかで見たことがあるのだ。いつだっただろうか?
気がつくと僕は祖父の運転する車の後部座席にいた。助手席には祖母が小学生になったばかりの兄を膝に抱いていた。僕だってそこに座りたかった。
車は祖父の実家の長野に向かって走っていた。

僕と兄は朝早くの出発に胸を躍らせていた。
でも僕らはそのまま起きてい続けるには幼すぎた。車が高速に入って少しして僕らは眠ってしまった。

目覚めると車は高速を降り、山道を走っていた。辺りは本当に真っ白だった。雪ではなく霧だ。
どこだろう?ここは。
不安もあったけど、祖父と祖母がいるのだ。きっと守ってくれる。
兄は祖母の胸の中でまだ寝ていた。
窓を開けると霧が車内に入ってきて、僕の頬を撫でていった。

ドアを開けて塩サウナに新しく人が入ってきた。
表情はわからない。
けれど、きっと、必ずこう思っているはずだ。
「何も見えない!」

歩いた距離 5.6km

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75

奥のサ(isanow)

2021.05.31

3回目の訪問

歩いてサウナ

平日 夕
人出 少

「また会えるかな?」

雨の予報だった。
現にそれなりの雨が駒込の町をぬらしていた。
こんな日はロスコの外気浴がいい。
天然のシャワーがほてった体も心もクールにしてくれる。

友人とジャグジーの外気浴中に出くわす。
これもまたサウナの恩恵の一つだ。
でも、特に会話はない。
黙欲に徹している部分もあるけれど
しゃべるためにサウナに来ているわけではないからだ。

会話をしているグループもいる、もちろん。
そんな彼らを、じとりと見る方もいる。
「きっと」と僕は思う。「何年ぶりかの再会か、とんでもなくタフなことがあったのだろう」
施設側のお願いには準じたほうがよいのはもちろんだけど
「外出しないでほしい」のお上の要請を自分たちが聞いていないことを棚上げにするのも何か違う。
不要にリスクを上げる必要がないのは前提にしろ、自己判断で「外出」しているのだから、「覚悟」は必要かもしれない。
食べれば太るし、食べなければやつれるのだ。ヴォネガットじゃないけれど、そういうものだ(So it goes.)。

そう思わないと「不要ないらだち」を抱える窮屈な世界になってしまう。
今、世界を襲う災厄の「症状」のひとつだ。

サウナ室で寝転びながら、そんなことを考えていると
友人が入ってきた。
僕は起き上がり、声を出さずに言った。
「また会えるかな?」
友人は頭にタオルを巻きながら頷いた。

外気浴中、ふと横を見ると友人が座っていた。
そこにあなたがいる。
ここに僕がいる。
それだけは奪われてしまってはいけないのだ。

歩いた距離 4.5km

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89

奥のサ(isanow)

2021.05.24

4回目の訪問

歩いてサウナ

週末夕方
人出 多

「たんぽぽの綿毛が舞う」

目を覚ますと窓から初夏の陽光がさしていた。
時刻は10時。
まだ一日ははじまってすらいない。
気づいたら電車に揺られていた。
終点は宇都宮。餃子と南大門が僕を待ってくれている。

所要時間は約2時間。
思えば、こんなことすら最近はしていなかった。
車窓から流れ行く景色を見る。なんと幸せだろうか。

宇都宮も晴れていた。餃子屋まで歩いていく。
餃子とビール。完璧な100%の組み合わせだ。

餃子屋から南大門まで歩く。もちろん道に迷う。10分ほどでつくはずが40分は歩いたろうか。でも、道に迷ってよいのだ。なんたって今日は100%の休日なのだから。

関東屈指の広さのサウナ。温度の違う水風呂。子どもたちがはしゃぐプーロ。
黙浴なんて子どもたちに守らせなくたってよいのだ。

19時からのロウリュが始まる。
湯気が立ち上る。舞う。踊る。100%だ。

お風呂上がりに食事処で飲むビール。

帰りの電車の中、ボックス席に座り、窓の外はもう見えない。窓に映る男は少し微笑んでいた。
彼の笑顔を見て、僕も笑う。

翌朝、夏日の晴天の中、出勤のために歩いていると風が吹いた。風の行方を見届けたくなって、顔を上げると、たんぽぽの綿毛が舞った。踊った。
綿毛がキラキラと陽光を受け輝く。
100%だ。

歩いた距離 6km

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112

奥のサ(isanow)

2021.05.17

5回目の訪問

歩いてサウナ

日曜 深夜
人出 中

「グルシンバイブラ」

赤坂の誇る名サウナ。
混んでいることを除けば…と思い、仕事終わりの深夜に来訪。

でも、さすがは赤坂。混んではいないけれど貸し切りとはならない。
サウナ室の上段が埋まる程度の人の入り。

2時から清掃に入るので、急がずに長い目の2セットをしよう。
いつもより1〜2分長めに蒸されてみる。

そうして、グルシンバイブラ。
初めて入ったときは数秒だった。
慣れてきてからは数十秒入っていられるようになった。
そして日曜深夜の今回。
あれ?1分少し入っていられる…
体がほどけていく。。

おすすめはグルシンに入ってから、14〜15度の水風呂に入るコースです。

14〜15度が「水に感じない」というハイな感覚を体験できます。

歩いた距離 1.8km

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103

奥のサ(isanow)

2021.05.13

1回目の訪問

平日 朝
人出 少

「なんというスチーム!!」

浴槽に階段が2つ。
上るとスチームサウナ。
下るとドライサウナ。

裸で階段を踏みしめると、なんだか非日常に足を踏み入れた気分になる。

スチームはとにかく熱いのでドアを開閉して調整してくださいのはり紙どおり、これはすごい。
笑ってしまうぐらい熱い。
しきじの薬草蒸し風呂を思い出させる。

レストランが休止中ということで、おいしそうなお弁当が販売されていた。

休みの日にまたゆっくりと来ようかな。

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