奥のサ(isanow)

2021.09.14

1回目の訪問

歩いてサウナ

平日昼 人出少

「僕らの詩を覚えているか」

サウナと詩はよく合う。
実際に本を持ち込むわけじゃないけれど
頭の中でかつて読んだ詩の一節を思い出したりすると
当時は気づけなかった角度なんかを見つけられたりする。

中原中也のこんな詩を思い出した。
浜辺を散歩しているときにボタンを拾ったけれど、それをどうしても捨てられなかった
みたいな詩だった。

もしかしたら、僕らはそういったボタンをサウナに置きにきているのかもしれない。
どうしても捨てられないものがあって、かといって、それを持ち続けていられるほど
現代はきっと甘くない。
民主主義の資本主義というのはつまり競争であり、出し抜き合いなのだから。
騙された方が負けで、転ばされたら負けなのだ。

でも、それは「暮らす」ことにおける側面だけだ。
僕らは「生きる」中で浜辺でボタンを拾うことだってある。
子どものころに公園や道端で綺麗な石を拾ったじゃないか。
雨が降っても、缶蹴りをやめなかったじゃないか。
夕焼けが僕らの影を僕らより大きいサイズに伸ばしていくのを見つめていたじゃないか。
それはまぎれもなく詩だったのだ。言葉ではない全身でうたう詩だったのだ。
僕らの詩を覚えているか。

とはいえ、ボタンだって無限に持てるわけじゃない。
ボタンホールを見つけてやらなければいけない。
サウナはそういったことに、とっておきの場所に思える。

そんなことを考えていると、デュアルタワーにオートロウリュの雨が降った。

歩いた距離 1km

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