奥のサ(isanow)

2022.03.07

1回目の訪問

平日夕 人出:中

「ささやかな想像さえできれば」

3月7日という日は毎年、僕たちの胸を熱くさせる。
単なる語呂合わせでしかないけれど
それでもやっぱり、なんだかうれしいものだ。

満天の湯の塩スチームサウナ内に書いてある「正しい塩サウナの入り方」を読んでいると、福島のまねきの湯を思い出した。思えば、あそこで塩サウナの入り方を学んだのだった。
「塩はこすらずに、体にまぶして、とけるのを待ちましょう。塩が溶けて低濃度の塩水になることに意味があって、塩そのものが何かをしてくれるわけではないのです。ゴシゴシとこすっても意味はありません」という趣旨の説明書だった。

塩スチームサウナに子連れのお父さんが入ってきた。
子どもはまだまだ小さくて、サウナに入る父親に「パパ、帰ってきてよー」とつぶやく。
父親は「すぐ出るからね」と笑う。
そんな彼らをじろりと見る人がいた。

いろんな場所に、いろんな人がいて、いろんな思いを抱えている。
ささやかな想像さえできれば
世界はいくぶん生きやすくなるように思えた。

父親は体に塩をゴシゴシとこすってから、塩がとけるのを待つこともなく、すぐに子どものもとに帰っていった。

サウナ室は静かになった。
けれど、それは、けれど…
僕の言葉にしたい思いはスチームサウナの中に迷い込んで、霧の中から見つけることはとても難しかった。
僕にできたことは静かになったサウナ室をあとにすることだけだった。

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