2020.01.11 登録
[ 富山県 ]
全国のサウナーが旅行するときに選ぶホテルといえば、もはやドーミーインだと勝手に殿堂入りさせています。
富山駅にもありました、ドーミーイン。
温泉も壺湯もあったりと、ばっちりなんです。
ミストサウナもあるけれど、もっと蒸されたいと思ってしまうのは贅沢ですね。
サウナは高温できれいなんですが、いかんせん、ドライすぎるかもしれません。セルフロウリュがだめなら、せめて、スタッフさんが定期的に湿度を上げるためだけのロウリュをしてもらえたりしたら、最高なんですけどね。。。
[ 富山県 ]
完璧な景色について歌ったアメリカの詩人がいた。彼が言うには「完璧な景色の中で、自分という輪郭が完璧な風景を欠落させているのではないか」みたいなことだったと記憶している。
思えば、天然水水風呂に飛び込むとき、そんな欠落を感じたことはなかった。
なんなら「おかえり」という言葉さえ聞こえてくる。
完璧な水風呂がどんなものかはまだわからないけれど
天然水の水風呂は僕らが入ったところで欠落なんてしないのだ。
それはそう、早朝の電車にたった一人で乗っている風景に似ている。
そこにあるのはまだ誰も触れていない朝の日差しと、鳥の鳴き声と、列車の足音だけだ。
そんな水風呂が、ここにはあった。
[ 東京都 ]
いわゆる歓楽街の中にある、完璧なまでの下町おじさまサウナ。
けれど、サウナも水風呂もしっかりと硬派で、すばらしい。
水風呂はクーラーボックスの中に氷が準備されており
好きなだけ、投入してしまえば、キンキンに冷やせる。
ととのい椅子も増えて、寝転んでととのうことも可能です。
給水機の水圧が弱いのが、ちょっと気になる点ですけど。
漫画も意外に豊富で、のんびりと過ごすこともできます。
仕事帰りに、ふらりと立ち寄れるリーズナブルで、僕らに寄り添ってくれるサウナです。
[ 東京都 ]
平日の20時ごろ、わりとお客さんがいて、「混んでるのか…」ではなく「来てくれてありがとう」と思う。
都内一と賞賛しているミストサウナの湯気の向こうに広がる、みんなの気持ちよさそうな顔を見て、そう思った。
上半期の世界的な災厄が奪ったものもある。
けれど、そういったある種の絶望の中からでも、僕らは希望(とまでいえるかはわからないけど)も見つけることができる。
「混雑」ではなく「盛況」と思えれば
「独占」ではなく「閑散」だと気づければ
日々の日常に、ちゃんと僕らの色を塗っていけるのではいだろうか。
[ 東京都 ]
夏の終わりの夕立を
さやの湯の露天風呂で受け止めていた。
本当にささやかな雨だった。
祖母が昔話をしているときににじませた涙にどこか似ていた。
サウナも、水風呂も、内装も、お風呂の数も
そのどれもが「この値段でいいのかな?」と心配になるくらいだけど
町にしっかりと溶け込んでいる施設だ。
夕立が上がった空を見上げていると
青とオレンジが少しずつ混ざっていった。
目元に落ちた雨粒の残りを僕はそっと指でぬぐった。
[ 東京都 ]
ツイッターのことを伝えると700円になるという
圧倒的なお得価格でCIOは僕たちを迎えてくれる。
ロッカー室の奥の窓からのぞく大塚の駅前のネオンも
なんだか、微笑んでいるようにすら見える。
サウナはセルフロウリュ防止の堅牢な柵がある。
隙あらば、やっちゃう人とかもいますもんね。
外気浴はできないけれど、更衣室で扇風機を回転させて風を受けると
ちゃんと休憩できます。
ビーチマットなんかを置いてもらえると
より安心して、利用できるのかな?なんて思ったり。
大塚にはニュー大塚もあったりと、下町サウナがしっかりと根付いていて
なんだか、前よりも大塚という町を好きになれた気がしました。
そういった思い入れや、思い出がひとつできるだけで
心持ちって、やっぱり変わりますよね。
[ 福島県 ]
波打ち際の少女との、ととのい三部作
第三部 福島編
この施設の特筆すべき点は、不感湯の多さだ。
寝湯も、露天風呂も多くが不感湯となっている。
高濃度炭酸泉もあり、つぼ湯(熱湯)があったりと
サウナ以外でも見事な楽しさを提供してくれる。
塩サウナには、丁寧な塩サウナの入り方が書かれてあり
それを実践すると、たしかにドバドバと汗が吹き出てくる。
露天スペースには畳が2畳分、置いてあり、寝転びながら、ととのうことも可能だ。
サウナは2分30秒ごとにオートロウリュされる。
テレビもなければ、段差もない、コの字型の実に硬派なサウナだ。
間接照明が照らすサウナストーン、オートロウリュの音。流れる汗。
そして、お父さんに付き添って、サウナに入っている子どもたち。
暑そうに、けれど、楽しそうに行儀よく座っている。
サウナ室を出て、2種類ある水風呂でしっかりと体を冷ましたあとに
露天スペースの畳の上で寝転びながら、真夏の空を見上げると
本当に空はどこまでも青くて、しだいに空なのか海なのかわからなくなってきた。
福島の誇る名湖・猪苗代湖も、思えば、こんな青色だったかもしれない。
「パパ」と聞こえた気がした。
パパ? 僕に子どもはいない。誰が僕をそんなふうに呼んでいるんだ?
「パパ」ともう一度、聞こえる。
僕はいつの間にか猪苗代湖の湖畔に立っていた。
「パパもおいでよ」と湖ではしゃぐ少女が言った。
「すごく遠浅だけど」と僕は心配する。「あまり行きすぎてはだめだよ」
「2人とも気をつけてね」と別の女性の声が言った。
砂浜を振り返ると、風に乱れされた髪を耳にかきあげている女性がいた。
そうか、彼女は僕の妻なのだ。
妻はまだ、よちよち歩きの男の子と手をつなぎ、バーベキューセットの前に立っていた。
「早く!」と娘が僕に水をかけて笑う。
日差しに肌が焦がれていく音すら聞こえてきそうだった。
まねきの湯の空の下に帰ってきた僕は涙を流していた。
どうして僕は泣いているんだろう?
いつかくるかもしれない未来を見たからだろうか?
あるいは失われてしまった未来を見たからだろうか?
わからない。僕らはいつだってそうだ。
わかっていないのに何かを選ばなければいけないのだ。
僕の涙はいつのまにか、真夏の太陽がどこかにやってしまっていた。
[ 山形県 ]
波打ち際の少女との、ととのい三部作
第二部 山形編
山形の「冷たい」そばや、ラーメンを楽しみながら、たどり着いたのは寒河江の土着性のしっかりとあるサウナだった。
金、銀、銅とある3種類の源泉は独特の、でも、憧憬をくすぐる香りで僕を包んだ。
サウナは2種類あるけれど、正直、おまけ程度かもしれない。
感動を覚えるのは、露天風呂から最上川が一望できることだ。
山形の空気はとてもおいしかった。凡庸な表現になるかもしれないが、シンプルにそういった表現が正しいのだと感じる。
長い長い梅雨のせいで氾濫の危機に陥った最上川は本来の色ではなかったかもしれないが、それでもなお、はじめましての僕を受け入れてくれている気がした。
最上川の流れの向こうに水際ではしゃぐ少女が見えた気がした。
彼女は笑顔で何かを叫んでいた。
僕は少女が流されてしまわないように身構えていた。
けれど、引き潮なんてどこにもなかった。
そうだ、この水辺は猪苗代湖なのだ。
ここには引き潮なんて存在しないのだ。
そして、どこどこまでも遠浅で、少女はこう言っていた。
「パパもおいでよ」
[ 栃木県 ]
波打ち際の少女との、ととのい三部作
第一部 栃木編
宇都宮餃子のはしごをしたあとに入店する。
サウナ室に入ると思わず「広すぎるんじゃないか?」と思ってしまう。
しかし、よくよく見回してみると種類の違うサウナストーブが3つもあることに気付く。
一つの空間なのにさまざまな温度があり、汗のかき方も変わってくる。
東京で流す汗と、水辺で流す汗もまた意味が変わってくる。
あるいは人生はそうやって視座をほんの少しずらすだけで、ずいぶんと彩りを変えるものなのかもしれない。当たり前のことだけれど。
プーロで外気浴ならぬ水気浴をしつつ浮かんでいたとき、波打ち際ではしゃいでいる少女が見えた。
少女は髪が濡れるのもかまわず、ふくらみはじめた乳房をまだまだ小さい水着で包みながら、飛び回っていた。
10歳ぐらいの少女だが、誰と来たのだろうか?
真夏のふれると指が切れてしまいそうな日差しの中、少女は声変わりしていないソプラノの歓声を上げていた。
[ 東京都 ]
「東京の空は」と彼女は言った。「上にしかないね」
そう言われて横を見た。渋谷の公園通りからはオフィス街が見え、後ろには繁華街のネオンがきらめいて、ネオンよりも多いんじゃないかと思うほどの群衆の頭が見えた。
当時、上京してまだ数ヶ月だった僕には渋谷のそういった光景はまだまだ異質に思えた。
「私の育ったところは横にも空があったんだよ」と彼女は笑った。
僕だってそうだ。
僕らはそのまま深夜の代々木公園で空が白けてくるまで飲み慣れないお酒を飲んで、夢の話をした。お金もなかったから、つまみになるようなものは夢の話ぐらいしかなかったし、なによりもよく合った。
酔いつぶれそうになりながら、代々木公園の歩道の上に大の字で寝転んで見上げる東京の夜空は紫色だった。
十数年前の当時と変わらない四角い紫色の空が東京・大塚のサウナニュー大塚の外気浴スペースからのぞいていた。
サウナでほてった体を初夏の生ぬるい風がなでていく中、僕は彼女の言葉を思い出していた。
「東京の空は」と僕は思う。「上にしかないね」
でも、と僕は続けたい。
でも、上にしかない空の下で戦う人たちもいるべきなんだ。僕らの子ども時代みたいに田んぼの畦道で、自転車に乗りながら、両手を離す。そうしたら、きっと空をつかめてしまいそうな気がするだろうね。もちろん、そういった世界の人たちもいるべきなんだ。それはどっちが上とか下とかではなく、さまざまなそれぞれの美しさの話なんだ。
そんなことを考えながら、僕は上にしかない東京の空を見上げる彼女の横顔と、お酒のせいか、ほのかにピンク色に染まっていた頬を思い出していた。
[ 東京都 ]
初めて、ここのロウリュを受けたときは「火傷する!助けて!」と感じて
早々に退出したことがありました。
今も「あっつい…火傷するよ…」と思うものの、最後までいられるようになりました。
ギリギリまで耐えたあとに入るグルシンの水風呂で身体中のネジがほどけていくのを感じます。
グルシンの水風呂のあとに、サウナ横の15度前後の水風呂に入ると、
自分が水風呂の中で、瓦解して、溶けていってるのか?と感じるほどです。
たまに混みすぎて、耳が痛くなるほどの会話がされていることを除けば
まぎれもないサウナの一つですよね。
[ 東京都 ]
小雨が降っていたと思ったら、庭の湯に到着すると雨はやみ、雲も薄くなり始めていた。
「サウナに愛されているな」なんて、心の中でのたまったりして。
しあわせをかみしめるカップルたち。
プールウォーキングにはげむマダムたち。
丁寧な監視をする若い従業員の方々。
何も変わっていないように思えた。
実際、サウナ室内が間引きされているのは、ある意味で、もう見慣れた風景だったし
「会話はお控えください」の注意書きもそうだ。
野外のコテージサウナに入った瞬間の背筋を伸ばしたくなる気持ち。
温度も決して低いわけでないのに、なぜだか、気付いたら10分たっていて、まだまだいられるとさえ思う感覚。
水風呂代わりにプールに浮かび、周囲の人々の笑顔を見ていたら
きっとプールの水が目に入ったからだろう、風景がにじんでいった。
[ 東京都 ]
「このままどこか遠くつれてってくれないか」という歌声が頭の中で鳴り始めた。
平和島のビューイングスパゾーンで寝転びながら、曇りガラスからこぼれてくる光を見つめていたときのことだった。
外は曇天で、初夏なのに長袖が欲しいくらいの気温のうえ、霧雨も降っていたけれど、曇りガラスごしならば日差しがあると錯覚できた。
ストーンサウナは4種類の石でレイアウトされており、毎回、座る位置を変えたくなる。
高温サウナは、やはり間引きされていたけれど、ちゃんと熱くなれる。
なによりもととのいスペースがコロシアムスタイルで、ごろんと寝転べるのがにくい。
「君は 君こそは」と頭の中の歌声が続いていくのを感じながら
初夏の光に包まれて、僕は目を閉じるのだった。
[ 東京都 ]
営業時間も戻り、あの日のサウナが僕たちの前に戻ってきました。
けれど、サウナ室では間引かれたサウナマット、外気浴でも同じく間引かれたととのい椅子。
でも、と僕は思います。
でも、それでもサウナは帰ってきて、僕たちもそれにより、あの日の生活にかえっていけるのだと。
また、どんなサウナに出会えるだろうではなく、どのサウナが残ってくれるだろうと悲しい心配をしていた日々を笑ってやれればいいなと思ったりしたのでした。
[ 東京都 ]
サンボマスターの「月に咲く花のようになるの」という曲を思い出した。
ミストサウナは不思議にかつての何かを思い出させてくれる。
印象的な歌詞があったんだ、そう、たしか「君の名は必ず叫ぶから」みたいな。
20代のころ、本当に痺れたし、悔しかった。僕の言いたいことを先んじて言えてしまう才能に出会うことは決して楽しいことではなかったのだ。
今、僕は君の名を「必ず」叫べているだろうか。
そんなことを考えていると、初めての感情の涙が目頭から、あふれそうになった。
でも、僕はそのまま涙を流すには若くなかったし、そのまま強がっているには年を重ねすぎていた。
そんな初めての感情に名前を僕は与えられるだろうか?
その感情は僕をなんと呼んでくれるだろうか?
君は僕を覚えているだろうか?
ミストのしずくが頬を伝っていくのを感じながら、そんなことを考えていた。
[ 神奈川県 ]
サウナ室の大きな窓から太平洋を望める。
テレビもついているけれど、体を海に向けて
白波や、タンカー、(おそらく)軍艦がゆうゆうと海のうえで戯れている景色を眺めていると、10分なんてあっという間に過ぎていく。
水風呂の横にかけ湯や、シャワーがあるのもうれしい。
動線が見事だ。
外気浴は椅子に座ると海が見えなくなるのが残念だけれど
露天ゾーンを歩いているときに目に飛び込む海はやはり、なにかの憧憬をくすぐっていく。
潮風にさらされながらする外気浴は
それぞれの場所でしか締められないネジがあることを思いださせてくれる。
小学生ぐらいの子どもがお父さんと一緒に寝湯をしていたり、露天風呂に入ったりしている姿は
なんだか、とっても、なんだかね。
[ 東京都 ]
営業再開をしたレスタに訪れると
今までとはまた違った風景が広がっていた。
例えば、検温スポット。
大浴場や、食事処以外では基本的にマスクの着用が必須です。
また、大浴場でも会話は推奨されません。
人もまばらなサウナは間引きされたマットが置かれていて
やっとのサウナを全身で受け止めようとする人たちが
静かに体を熱くさせていきます。
外気浴スポットも、いくつか間引きされていて
ここもまた違う風景だなと思いながら、寝転んで見える空。
初夏の青空には、うろこ雲がちらほらと見え始めていて
そろそろ、梅雨が始まりますね。
チェックアウト時に次回、使える500円割引券をもらえます。
また、これるといいなあ。
[ 東京都 ]
また会えてよかった、と彼女は言った。
もう会えないかと思った、と僕は言わないでいた。
きれいなロッカー、すべらないようになっている浴場のタイル、広々としたドライサウナと、視界をぼやけさせるほどのミストサウナ。
かつては君に「外気浴ができたらなあ」だなんて思っていた時期もあった。
けれど、今は切に「君が君でいてくれるだけでいい」と思える。
圧倒的な暴力が奪っていったものと、それがゆえに気づくこともあるのだ。
君が君でいてくれるだけでいい。
あなたも、僕も。
[ 東京都 ]
仕事の前日に宿泊でチェックイン。
土曜日15時ごろは満杯とのことで、時期も時期なので、一度、退散して
22時ごろに再訪するも、やはり混んでいる。
場所柄、仕事の話をされる方も多く、サウナ室の中はなかなかに騒然としています。
サウナストーブの漏電の危険があるらしく、今はセルフロウリュが禁止です。
水風呂が2つあるところや、滝行ができるギミックなど
非常にすばらしいのですが、いかんせん、サウナ室が騒々しくて
足が遠のいていました。
文句のようなものを書いてしまいましたが
こんな時期にもかかわらず、サウナを開け続けてくれていたことにひたすら感謝しつつ
早起きして、迎えた朝サウナもやはり混んでいました。
みんな、サウナが好きなんだなあ、それはとてもあたたかな世界で、サウナとともに心も少しあたたまれました。
[ 東京都 ]
2020年4月11日(土)より、休業に入るそうです。緊急事態宣言を受けて。
ひとしずく分でもいいから、手伝えればいいなと思い、店内でビールを買いました。
ビールって、こんなに苦かったのかな。
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。