サウナと環境音

サウナイキタイアドベントカレンダー 21日目の記事です。


「ゆっくりと12月のあかりが灯りはじめー、慌ただしく踊る街を誰もが好きになるー♪」

クリスマスの名曲を熱唱しながら失礼します。皆さま初めまして、にしむーと申します。B’zじゃなくてすみません。お風呂にサウナ、お酒に音楽とラジオが好きで、普段はどこかスッキリしない日常を過ごしながら、時に美味しいご飯や音楽について発信したりしております。

この度はアドベントカレンダー2024に参加できることになり、遠足前夜のワクワク感とともにサウナでクリスマスを彩ることができればと思っていますので、よろしくお願いします！

はじめに

皆さんがサウナにはまった理由は何でしょうか？理由はさまざまだと思いますが、私がサウナにはまった理由から話させてください。

ストレスフルだった社会人になりたての頃、暴飲暴食してストレス解消を図っていましたが、見事心身ともに体調を崩してしまいました。その時にTwitter（現:X）でフォローしていたライターさんが「サウナは最高」と話されているのを見て交互浴から始め、サウナにはまりました。

サウナには定期的に行くようにしているんですが、私たちの日常は忙しすぎます…。月曜日はめちゃくちゃ憂鬱で、家を出る前から「帰りたい」が発動することもしばしば。そこから水面に着くか着かないかという超低空飛行を続け、週末という自由を勝ち取る日々です。

体が「もう無理！」と悲鳴を上げる前にサウナへ行きます。その姿は「サ、サウナ、、、サウナ、イキタイ、、、」とサウナを求めて彷徨うゾンビと、2024年に話題を搔っ攫ったノリノリの猫ミーム「チピチピチャパチャパ」が共存しているカオスな状態です。

そしてサウナの後には、圧倒的な多幸感に包まれます。猫ミームでいうところのピョンピョンと飛び跳ねながら「ハッピーハッピーハッピー」と喜ぶ猫のように。

前置きが長くなってしまいましたが、サウナとはさまざまな物事が溢れかえる私たちの日常から一線を画すことができる「日常の中にある非日常」だと思っています。

その日常に鳴り響いているのが「環境音」。サウナと環境音の良し悪しを深掘っていきましょう！

サウナの中にはどんな環境音があるのだろう

私は普段から銭湯、スーパー銭湯のサウナを利用することが多く、今回はそちらを利用していること前提で話を進めさせてください。

サウナ自体の音

まずはサウナ自体の音。ブーン、ゴーッというサウナストーブの音や、ロウリュ、オートロウリュのプシューッという蒸気が沸き立つ音は、サウナでは必ず聞こえてくる環境音のひとつ。

人が行き来する場所なので、扉が閉まる音や移動で床が軋む音も耳にするでしょう。これらの環境音はサウナが好きな人なら全く気にならないと思いますし、私自身も一切気になったことはありません。むしろ趣きさえ感じるのではないでしょうか。

テレビの音

お次はサウナの環境音の中でも賛否両論のあるテレビ。いろいろな考えがあると思うのですが、私としてはありですね。比較的サウナが混雑しにくい平日昼間にはワイドショーやドラマの再放送、夜にはバラエティー、スポーツ中継、休日は昼夜問わずさまざまな番組がサウナの中で流れています。

人間って賢いもので、映像を見なくても音だけで大体何が起こっているかを判断することができるんですよね。私がサウナに入る時は、両膝に両肘を当てて、俯き加減の姿勢でととのいまでのカウントダウンをしていますが、大相撲中継で金星があがった時は座布団が飛び交う光景が頭に浮かぶし、天気予報で「残暑が厳しく」とか「週末にかけて下り坂」というワードが出れば、サウナのような猛暑日や曇りのち雨になっているお天気のアイコンがが想像できます。

テレビという環境音のメリットは、退屈することなく汗を流すことができること。テレビの音があった方が逆に集中できるという点もあるでしょう。私たちの日常は環境音に溢れかえっているので、静かすぎると落ち着かなかったりしますからね。

勉強する時や寝る時にヒーリング系の音楽を流すのと同じ感覚です。サウナは「リラックスするために集中する」という相反することが同時進行し、感覚がより研ぎ澄まされるので、環境音が及ぼす影響は大きいと感じています。

「チャンネルは固定です」という注意書きがありながらも、スポーツの試合などにチャンが切り替わる治外法権が発生するのはサウナあるあるですが、スポーツ中継の音で普段以上に手に汗握るのもいいのではないでしょうか。テレビに関してはこのアドベントカレンダーでも毎年のように取り上げられているので、そちらの記事もぜひご覧ください。

人間が発する音

サウナで人間が発する音の許容範囲は個人差があり難しいものです。例えばサウナ内が混雑している時、まるでテトリスの達人の如くピシッと詰めてサウナを楽しみますよね。その際の「あ、すみません」「ごめんなさい」といった一言は全く気にならないんですよ。相手を思いやる気持ち、大事。

ただ生理現象とはいえリラックスし過ぎて声を出してのあくびは気になるし、ビートを刻むような貧乏揺すり、なぜか太ももやお腹をペチペチする音も「ムムムっ」となります。そういった突発的な音って、サウナでととのうまでの真っすぐ平らな道で躓く小石くらいにはハッさせられると思うんですよね。

問題視される環境音が話し声です。

「いやいや、そんなん当たり前やん。サウナでは静かにせなかんで」うむ、その通り。サウナの入口や室内には「お静かに」といった類の注意書きがあります。施設の方針にもよりますが黙浴を徹底しているサウナで会話をしている人に遭遇すると…。

「…うるさい…この…(自主規制)」となる。

普通におしゃべりする人もいれば、ちょっと気を使ってヒソヒソ話する人もいるわけですが、むしろヒソヒソ話の方が気になるまでありません？施設がNGにしているなら、ダメなものはダメなのだ。こういう時に注意できる人になりたいという願望だけはあります。

多くのサウナは静かに過ごすのが大前提ですが、私が唯一気にならないシーンが常連さん同士の挨拶、サウナやお風呂に関する会話。そのサウナの空気感が現れるからか、気に障らないんですよね。人としての礼儀やマナーにまつわる節度ある会話は不快感を覚えづらいし、そのサウナの味のひとつとして認識するのかもしれません。

じゃあサウナの外の環境音はどうなの？

サウナから出れば、ご褒美として水風呂が待っています。もう最高、優勝。火照った体が冷えていくのを感じながら聞く水風呂の音は心地良さしかないでしょう。これに関しては全会一致で可決してもらいます。

水風呂から上がれば、私の1番好きな時間である外気浴が待っていますが、どんな音が聞こえてくるのでしょうか？中が見えないような造りになっているとはいえ、外からの音は漏れてくるもの。ただ外気浴中はその音が持つ不快感がほとんど無効化されるのです。

休憩しながら聞こえてくるのは、外風呂から流れるお湯の音。これ最高。水のせせらぎから得られる癒し効果って200種類くらいあると思うねん。そして近くの木々が風で揺れる音、鳥の鳴き声なんかも最高ですよね。君らには素敵なサウナを演出する楽団に所属してもらいたい。

私は雨の日の外気浴も好きで、雨粒が地面を打つ音をすごく心地よく感じます。外気浴中に自然から発せられる環境音って、あのふわふわとした浮遊感に拍車をかけてくれるんですよね。

そして先ほども触れたテレビの音は、外気浴中にも聞こえてきがちです。テレビのある外湯の近くにととのいスペースがあると、テレビの音がしっかり聞こえてくるんですが、サウナにいる時とは聞こえ方が全く異なります。競馬のGＩで出走を告げるあのファンファーレも、マツコ・デラックスの毒舌で小気味よい鼻歌のように心地よく感じるのだ！

それは話し声も同じ。サウナに入り、水風呂から出てからは、ちょっとした無敵状態。スーパーマリオでいうなら制限時間のないスター、盆と正月とゴールデンウィークとシルバーウィークが同時に来たような状態になるので、外気浴エリアでの会話は、ほぼスッと受け流すことができてしまいます。ととのいの力、恐るべし！

こう考えると外気浴中に聞こえてくる環境音はマイナスな印象を受けづらく、より質の良いととのいと癒しを得たいなら、水の流れや自然の音を聞きながら無心でボーっと浸るのがおすすめです。

ただ緊急走行する車のサイレン音だけはどんな状況でもハッとするので、他の人のととのいタイムを邪魔しないためにも、救急車を呼ぶほどの無理をせずにサウナを楽しむようにしましょう。

おわりに

ここまでダラダラと書いてきましたが、もうひとつ私たちが耳を傾けるべき環境音が残っています。それは「自分の声と音」です。厳密には環境音ではないんですが大目にみてください。

「今更何を」と思うかもしれませんが、これこそが1番大切だと思うんです。サウナに入って「あと1分、いやあと3分」と脳内で自問自答する声、水風呂に浸かった時に「はぁ～」と漏れてしまう吐息、外気浴中に大きく響いて少しずつ落ち着いてくる胸の鼓動など、私たち自身から鳴る音。

サウナに入ると無心になることが多いと思いますが、サウナは日々のあれこれを自分自身に問いかけたり、今の自分の状態を把握するのにも向いていると思います。その声と音にしっかり耳を傾けて整理することで、豊かな日常を築くことができるのではないでしょうか。

サウナは日常の中にある非日常。慌ただしく踊る街は好きになれないかもしれませんが、サウナの時くらいは共存する環境音も味方に付けて、より良いひと時を送りたいですね。