新人デザイナーがサウナZINEを作った話
はじめまして。mizuhoと申します。
都内で働く新米グラフィックデザイナーです。サウナストーンにサウナイキタイステッカーを貼った特製ペーパーウェイトがお気に入りで、時折これを眺めてはサウナイキタイキモチを高ぶらせつつ、仕事に励んでいます。
さて、巷ではサウナブームがじわじわと広がっているようですね。
しかし、私の友人知人、職場や家族にはサウナ好きがほぼ存在しません。私が「1週間ドロッドロに働いた後のサウナって、いつもの10倍くらいととのうよね」とか、「サウナ室がたまたま貸し切りになったからこっそり一人アウフグースしちゃった」なんて話をしたくても、それを語り合える相手はいません。私の周囲では、サウナは我慢して入らなければならないツラい場所だとか、水風呂は心臓麻痺の危機である!といった具合に、ネガティブな思い込みを持っている人が多いようです。
余計なお世話でしょうけれど、もったいないなぁと思っています。身体が疲れきってしまった時に入れば、血流がシャアシャアと生き返って全身がリブートされ、夜はストンと眠れます。考えたってしょうがない事で頭がこんがらがっている時に入れば、思考はスッキリとして不要な心配事は排除されます。サウナに入ったからといって解決はしないけれど、「まぁ何とかなるでしょ」くらいになります。私は。
そこで、デザイナーらしく流行りのZINE(※個人の趣味で作る冊子のようなもの)を作って、ちょっとしたサウナのコツなどをまとめ、身近な非サウナーの誰かに読んでみてもらうことにしました。かなり押しの強い布教行為ですよね。
一応、目指すところは、読み手に「サウナが辛いモノではないことを知ってもらう」ことです。携行性、ギリギリ飽きない情報量、自分が制作に割ける時間と労力(実際はこれが本音)を勘案して、A4表裏、四つ折りで制作しました。
サウナ サウナ サウナ。制作期間2日。トピックスは以下の通りです。
- 基本のサウナの入り方
- あなたの知らないサウナの楽しみ方(一面)
- サウナ用語
- サウナあるある
- わたしの独断・名サウナたち
各トピックのネーミングセンスや文章力の無さは悪しからず。
基本的な流れとその目安となる時間配分、初心者の人が戸惑うであろうサウナ用語、都内のおすすめサウナ (アクア東中野、神楽坂の第三玉の湯、錦糸町の大黒湯など…。)、お楽しみとしてのサウナあるある…などはまず基本情報として。
サウナあるある。
そしてサウナ=辛いのイメージを少しでも払拭するため、「あなたの~」の面では入り方のコツや効用、サウナで自分を癒すためのマインドセット、「ととのい」などについて懇々と説明しました。かなりビジーですね。
最もエネルギーを注いだのは、水風呂の入り方についての記述でした。どうすれば苦手意識を持つ人に、「今度ちょっと入ってみるか」と思ってもらえるか。わたしも初めは水風呂が辛くて、中々入れなかったなぁ。
ハードルが高いよなとは思ったけれど、ここが一番のサウナを楽しんでもらうための肝です。身体の慣らし方、温度の羽衣の事…。最初はもう、足元に水かけるだけでもいい。ちなみに人間の身体の部位で、一番冷たさを感じやすいのは額で、その次が手のひら、下腹部と続くらしいです。苦手な人は下半身までにしておくとか、全身浴をしても手は浴槽のフチにかけておくなどすると入りやすいかもしれないですよね。
会社の上司に読んでもらった。(40代男性)
いきなりですが、上司に見せました。結構世間話とかもする距離感なので、イケるんじゃないかと思いました。一応上司は、私が大のサウナ好きであることを知っています。ご自身は、あまり進んではサウナにも水風呂にも入ろうとは思わないとのこと。
無言の時間が続く。呆れてるだろうか、変人だと思われてるだろうか、「うん、すごい、、、サウナ好きなんだなって。サウナ愛が感じられるね。」と絞り出したような感想をいただきました。「変態的。」とも言われました。それだけです。
全然刺さってませんでした。まぁそりゃ、唐突に部下が個人的趣味で作った印刷物を渡してきたら普通びっくりしますよね。デザインにもあれこれアドバイスやコメントを頂けたわけでもなく、こいつヤバいな、と思われて終わりました。
馴染みのピザ屋さんに読んでもらった。(40代女性)
この店主の方も、やはり熱すぎるのが苦手でサウナに入る習慣はないそうです。ですが、渡すなり結構おもしろがって見てくださいました。「あの、、もし良かったら貰ってやってください」と恐る恐る言ってみると、「え!いいのー?」と嬉しい返事。優しさでしょうが、ポジティブに受け止めます。
「こういうの貰うと、ちょっと行ってみようかなって気になるね」「どこに座ると熱すぎないか書いてあるのは助かる」との感想をいただき、すごく報われた気持ちになりました。。よかった。後者の感想を聞くと、一応の目的は果たせたみたいです。ちょっとだけ。これで、今後「行ってみたよ!」の報告が聞けたら嬉しいですね。
まとめ
伝えたいことを書き出してみると、気づけば用紙は文字でいっぱいになってました。わたし、こんなにサウナのこと好きになっていたなんて…。
普段、お客さんからもらう原稿の文字量の多さを見て生意気にも「もっと文字量を減らしてくれれば、余白が作れて美しく出来るのに…」なんて嘆いたこともありました。しかし今なら原稿を削るという行為の難しさが実感を持って理解できます。あと、デザインもまだまだ粗が目立ちお恥ずかしい限りです。テイストの統一感がないし急いで作っていて整列もできてないな。。
基本的にはこれを見せると、サウナのためにそこまでやるの?と引かれます。一方でこのサウナへの異常な愛を面白がり興味を持ってくれる人もいそうです(希望的観測)
大した成果は得ていないのですが、今後サウナ布教をするときの軸となるものを一つ作れたことは収穫です。特に、食いつきが良さげな人に出会ったときのために、財布か何かに忍ばせておくとか、そういう活用の仕方をしようかなと思います。
改めて思うのは、サウナーにとっての常識は常識じゃないなってことなんですよねー。草の根的に、これからもサウナの素晴らしさをすこしずつ広めていきます!
おわり
情熱が素晴らしいです。すでにサウナーだけどサウナZINE欲しくなりました!
この記事の登場人物になって「何このZINE、最高じゃん!」と言いたくなりました。
すごい!ZINEほしいです
素晴らしい活動ですね!こういう冊子を欲しがっている施設さん、結構多いですよ。置かせてもらって反応を聞いてみるのも面白いかもしれませんね。
手軽に布教できるのがいいですね 欲しくなりました!
素晴らしいサウナ愛が伝わってくる文章でした! 私もその冊子欲しくなりました^_^
実物みてみたいです^_^
販売していたら買っていました!読みたいなあ。
わたくし元Webデザイナーです。確かに文字量多い笑 愛ですね!
サウナに興味がない人でも、ある日突然サウナーに変身します(私がそうでした)