「歩いてサウナ」横浜スカイスパに歩いて行った話
サウナイキタイ アドベントカレンダー 16日目の記事です。
仕事の後のビール
山頂で食べるおにぎり
徹夜明けにふかふかのベッドで睡眠
最高ですよね
サウナも大変な思いをした後なら、何かを成し遂げた後なら、もっと気持ちよくなるのでは?そんな考えから「無駄に歩いてサウナに行く」ことをしています。アイス好きのサウナー・ピスタチオです。
何故わざわざ「歩いてサウナ」に行くことを始めたかというと、スズキナオさんの記事「“しなくていい苦労”をしてから飲み会をしてみたら全部いつもより美味しかった 」がきっかけでした。(ほぼパクリです。)
この記事で“30キロ歩いてから飲むビールは脳の奥が旨い!”という感想を読んでこう思いました。
「長距離歩いてからサウナに入ったら、すごく気持ちがいいはず」
ここでは今年の3月に実際に練馬駅から横浜スカイスパまで歩いたことを振り返りつつ「歩いてサウナ」がどんなものかをご紹介します。
まずはGOALとなるサウナを設定
「歩いてサウナ」なので、GOALはもちろんサウナです。いつもは自分で行きたいサウナを決めて歩き出します。でもこの時はツイッターのアンケートで目的地をフォロワーさんに決めてもらいました。選択肢はニューウイング、草加健康センター、ユーランド鶴見、横浜スカイスパの4つ。
結果は一番遠いスカイスパが1位。
この時は「どこかでそうなるとは思ってたけど、本当にそう来たかー!でも、まあ行けるっしょ」ぐらいに思ってました。
川崎から横浜の遠さも知らずに。。。
ちなみにスタートの練馬駅から横浜スカイスパまではグーグルマップによるこんな感じです。
33kmで7時間かからず到着するとのこと。
いざ!歩いてスカイスパへ
早朝6:30。練馬駅からスタートです。
単純に歩くことが気持ちいい
当日は快晴。早朝の凛とした空気の中を歩くのは、それだけで気持ちがいいもの。そして「朝早く起きて歩いている自分って素敵。朝の環七がまぶしいぜ」とか思ったりします。
街を見ることが楽しい
練馬区から中野区、そして中央線沿いへ。知らない街を歩くのはとても楽しいです。住宅街で立派な家を見つけたり、変わった店名や看板のお店、無駄に大きな公園などを見るとワクワクします。普段は見向きもしませんが道端の木や花を撮影して、ちい散歩気分に浸ります。
銭湯やサウナを見て、気分を盛り上げる
そうするうちに高円寺「小杉湯」に到着。この時点でまだ7:30。当然誰もいないのでセルフタイマーで記念撮影をしました。私はこんな風に道中にあるサウナや銭湯、フォロワーさんに縁がある場所などに寄ることにしています。そして普段は電車や車で行っている場所で「こんな遠くまで歩いてきたんだ感」を楽しむのです。
この後もぐんぐん歩いて、マルシンスパ。そして多くのサウナ好きが通うTOMBEさんのサロン「clout」にもお邪魔しました。
買い食いが楽しい
買い食いって楽しい。でもいつしか大人になるとあまり買い食いしなくなります。歩いてサウナの最中はカロリーを気にせず、有名なお店や偶然見かけた食べ物をどんどん食べ歩くことにしています。外で食べるとだいたい通常の1.7倍美味しいです。そして歩いているからカロリーもゼロ。この日は世田谷で肉まんとラピュタっぽいパンを食べました。
ツイッターで皆が応援してくれる
世田谷を抜けると神奈川県へ。だんだん足がつらくなってきます。次に立ち寄ったのが武蔵新城。閉店した名サウナ「サウナつかさ新城」の跡地を見に行きました。(ここでおよそ20kmで約半分ちょっと。12:15ぐらい)
道中は「#歩いてサウナ」というハッシュタグで投稿しながら歩いています。そのためツイッター上で皆が応援してくれます。最初は「楽しそうですね」ぐらいですが、そのうち「怪我には気を付けてー!」とか「横浜過ぎたら起伏が激しいからね」などの励ましや坂道の歩き方など本格的なウォーキングのアドバイスまでもらえます。
もうこうなってくると気分は“24時間テレビのランナー”です。最終的には「負けないで!」「そろそろサライ流していい?」と言ってもらえたり。今でこそ笑えますが、20キロ越えると半端なく疲れてくるので、コメントが俄然歩く力になります。
そしてフォロワーさんの中には、実際に応援に来てくれた方もいました。「サ界一優しいサウナ―」こと、おみさんです。
おみさんが来たときは本当に驚いて、感動して、少し泣きそうになりました。
座ると永遠に動けなくなる
おみさんのサプライズ登場後は、元住吉で昼ごはん。カレー専門店「パピー」で炭水化物お化けこと「ハンバーグナポリタンカレーライス」(正式名称)を。
美味しくランチを食べた後「さあ出発だ!」と思った瞬間
アレ、脚が全く動かない。何これ他人の脚?
一回座るとそれまでの肉体疲労が一気に蓄積し、全く動けなくなりました。お店が混んでいて長時間座ったのも良くなかった。気力を振り絞りスタートするもこの時点で時間はもう14:30。ここからまだ12km。よくない気配です。
◆歩けども歩けども横浜は見えず
おみさんの顔を思い出しながら何とか気力で立ち上がり、川崎から横浜を目指します。日吉を抜けて湯けむりの庄へ。
もうこのあたりから「何でこんなことをやっているんだろう?」モードに。疲れすぎて「皆どうしてスカイスパ選ぶかな、マジか・・・」みたいな独り言も。歩いても歩いても横浜は見えず。思わずタクシーを見つめてしまう。
つらい。でも頑張れる。だってサウナが待っているから
何とか福美湯を過ぎ、白楽へ。やっと横浜感が出てきた。もう立ち寄るところもないし、後はまっすぐスカイスパに行くだけ!と思っていました。
白楽の坂の上までは。白楽の坂の上で横浜っぽいビルが見えたんです、遥か遠くに。
遠い。遠すぎる。絶望。もう無理じゃねコレ。
実はこのビルはランドマークタワーでスカイスパはもっと手前でした。でもこの時は疲れすぎてただただ絶望してしまったのです。
そんな中フォロワーさんのコメントが。その一つに「エクストラアウフグース!」というもの。
ああそうか、スカイスパだ。GOALにはサウナが待っている。なら頑張れる。
サウナのご褒美力はすごい。サウナ室を妄想しつつ、また歩き出しました。
着いたー!ものすごい達成感
最終的にサウナを求めるゾンビになりつつ、何とかスカイビルへ到着!
ああ、ものすごい達成感!遠くに捨てられた犬が嗅覚だけで飼い主の家にたどり着くぐらいの到達感!ああ長かった。
ついにサウナへ
相変わらずいい匂いのスカイスパ。体を引きずりながら浴場へ。かけ湯をかけた瞬間「おおおおぉぁぉぉおぉー」というゾンビのような声がでてしまう。
そしてそして、ここまで歩きながら何度も妄想したサウナ室へ。
ああ。普段よりも、肌がものすごく敏感になっている。座った瞬間、体にまとわりついてくる蒸気や熱。それを感じて思わず蒸気の妖精がまとわりついてきたような錯覚に陥ります。次にやってくるのが「あったかい。しあわせ。」という感情。体がゆーっくりとほどけていきます。
そして長距離歩いたからか、普段ほどサウナに長く入ってられません。この時は8分ぐらいで退出。体感が繊細になるので、「歩いてサウナ」の後はカラカラ熱々タイプのサウナよりも、スカイスパやニューウイングのような湿度ある優しいサウナがおすすめです。
水風呂でまた声が出る
蒸された後、水風呂へ。「うごおお」という変な声が小さく出ました。その後意識が戻り「ああ気持ちいい」と一言。本当に気持ちがいい時は、もう普通の言葉しか出てこないものなのです。
◆ご飯が美味しい。ビールでのどを全部持っていかれる。
2セットした後、念願の食事!選んだのはユーリンチー。うまい。うまい。ひたすらうまい。
昔、電波少年で猿岩石がゴールした後、いろんな食べ物を泣きながら食べているのを思い出しました。もちろんビールも飲みました。待っていてくれたくまさんのおごりで。のどごしがすごい!のどが無くなったと勘違いする程ののどごし。もうビールでのどを全部持っていかれました。
誰かが待っていると嬉しい
この時はうださん(@sauna_uda)、くまさん(@Neubauten3)、庭屋のサウ太さん(@akkazz)がスカイスパで迎えてくれました。
誰かがサウナで待っていてくれるのは本当に嬉しいものです。疲れ果てているので、泣きそうになります。この時うださんにおごってもらったソフトクリームの味はたぶんこの先ずっと忘れません。
わかったこと
これで私の「歩いてサウナ スカイスパ編」は終了しました。最終的に39.78km/8時間6分で完歩です。
帰りながら最終的に分かったことがあります。電車って速い。1時間ちょいで練馬に帰れました。
「歩いてサウナ」のポイント
サウナ―の皆さんは、サウナに入る前「食事を控える」「水分を1時間前からちょっとずつ摂る」「まず薬湯に入る」「水通しをする」などより気持ちよくなるためにいろいろな工夫をしていると思います。
歩いてサウナもそれと同じです。サウナに気持ちよく入る為のちょっとした工夫です。そんな人はあまりいないと思いますが、サウナまで歩きたいと思った方も、無理して長く歩く必要はありません。ちょっと歩くだけでもだいぶ体感が変わります。
念のため歩く際のポイントを以下まとめます。
- 歩く距離は何キロでもOK。GOALに着いた達成感は3キロでも5キロでも十分
- ゴールは湿度のある優しいサウナがおすすめです
- 是非身軽な装備で!何かあればコンビニで飲み物もトイレもまかなえます
- 長距離歩行後は無理して長くサウナに入らず、水風呂でのアイシング重視で
- ゴールの手前から多めの水分補給を。そのままサウナに入れるように。
- ツラくなったら近くの銭湯やサウナで「ここがGOAL!」と言い張りましょう
- 歩く時は「#歩いてサウナ」でぜひツイートを
最後に
「歩いてサウナ」をしていると何故かいろんな人に偶然出会います。ケバブ屋のおじさんと仲良くなったり、たまたまサウナに行くパンダちゃんに会ったり、ロバート秋山さんに何故か「どうも」と言われたこともありました。
この時の横浜スカイスパではライターの江ノ島茂道さんにサウナ室で会いました。「練馬から歩いてきたんですよ」と話しかけた所「記事にまとめたほうがいい」と言われました。あれから9か月。江ノ島さん、やっと記事にできましたよー。
歩いてサウナお疲れ様です。距離短くではやってみたいかも(^^)
アメとムチ、抑圧と解放ってことなんでしょうね〜
お疲れ様でした(^-^)/
はじめて記事を読みました。 感動しました。 いろいろなサウナの楽しみ方があるのですね。
サウナだけ行くより、 スポーツクラブで運動した後のサウナで ととのいやすいのは、そのせいかもしれませんね。 運動→サウナ→食事→交通機関で居眠りしながら帰宅 のサイクルが最高かもしれませんね。
記事面白かったです。
すごすぎて面白かったです