Don don din don shubi da don
夜が来る
Don don din don shubi da don
灯りがつく
あの街 この街 黄昏れて
紫色の夜が来る
(小林亜星「夜がくる」)
夜が来る。
小浜に冬の冷気を感じたときに、
今日はウイスキーだなと思った。
一人で自分を見つめる時間という意味で、
サウナとウイスキーを味わう時間は似ている。
ウイスキーを飲み始めた頃は、
バーの止まり木でウイスキーグラスを傾けていさえすれば、
恋は、遠い日の花火ではない、と思っていた。
実際に花火が打ち上がることはなかったが。
年月を経て、
琥珀色に輝くグラスに目をやる。
時おり、ほどよく丸みを帯びてきた氷から、
自分の生き様が溶け出してくるような気がする。
それは苦味か甘美なコクなのかはわからない。
今日はウイスキーがうまい。
人生、おいしくなってきた。
小浜の夜に乾杯だ。
仕事が終わって一息ついて ビールがないとダメよ
いろんなお酒数々あるでも ビールじゃないとダメよ
冷えたビールがないなんて
誰か5分で買ってこいよ
なけりゃとても恋しくて
昼に飲めばめでたくて
(ムーンライダーズ「冷えたビールがないなんて」)
最高の一杯を飲むために逆算しました。
夜の濱の湯のマーメイドラウンジでは、
ビールジョッキが黄金色に輝くんですね。
その一杯を最大限に味わうためにはどうするか。
一応、安全を確保するために、サウナ前後での水分補給はします。
でも、上がるまでの最後の1時間は水分を断ちます。
サウナの中ではビールのことしか考えません。
男は黙ってです。
頭のなかで、満島ひかりやら石田ゆり子が応援してくれてるはず。
そして、満を持して風呂から上がったら、
券売機にダッシュ、ビール大とフライドポテト。
その速きこと風のごとし。
この動きがなぜ仕事に活きないのでしょう。
ジョッキの外側は雫がしたたり、
その芳醇な液体は黄金色に輝いています。
今だ、渇きを潤せ。
うまいんだな、これが。
生ビール大でもすぐに身体にしみこんでしまうのですね。
麦を感じる秋、麦秋だな。
金麦ー、なんつって。
波の背の背に ゆられてゆれて
月の潮路の かえり船
(田端義夫「かえり船」)
仕事がなかなか片付かず、今日は閉店1時間前に入店でした。
とは言え、露天から眺める秋の月と、闇夜にきらめく海草風呂で癒されました。
森田芳光監督の映画で「(ハル)」とか「僕達急行」などがそうなのですが、
趣味が仕事や会話に活きるという場面があります。
「(ハル)」では映画、「僕達急行」では鉄道なんですね。
そんなうまくはいかねーだろ、とは思っていたのですが、
今日はお客さんとの会話のなかで、
サウナと昭和歌謡で意気投合してしまいました。
芸は身を助けるというか趣味は身を助けるのだなと。
サウナは人をつなぐんですねぇ。
「オロポはじめました」
濱の湯のメニュー、そして券売機も確認しました。
瞳そらさないで確認した結果、やっぱりオロポはじめましたでした。
今日は風呂上がりのオロポを楽しみにサウナに入るぜ。
渇きを力に変えていくのだと。
いつも通り、海草風呂、漢方薬草風呂にじっくりと入った後にサウナへ。
そして、冷たく心地よい水風呂へ。
私にイチバン近い水ですし、乾いたカラダがもう笑った。
また、水風呂の後の外気浴が今日は良かったのです。
突然の風に吹かれて、その冷気で一発でととのいました。
もう、心は上天気です。
なんだかんだで6セットを堪能。
もう、カラダはアレを求めています。
欲しがるカラダには、勝てません。
そして念願のオロポを注文。
生ビール中とどちらかにするか揺れる想いもありましたが、
今日はこのままずっとそばにいたいと思ったのはオロポでしたので。
喉ごしサイコー、元気ハツラツ!
小さな巨人いい仕事をするぜ。
ということで、オロポには今後もいつまでも変わらぬ愛を注いでいこうと思います。
男
- 94℃
- 18℃
あるイギリス小説の冒頭で、11パイントのビールを飲んだ主人公が階段から転げ落ちるシーンがあった。
なんとも豪快な滑り出しのこの話を読んだときに高校生だった私は思わずビールをがぶ飲みしたくなった。
(大竹聡「まだまだ酔ってません」)
遠方より朋あり、また楽しからずや、
ということで、東京よりお世話になった方がいらしたので、
濱の湯へ。
快晴青空の一面の海の眺めと、身にしみる涼風の外気浴を堪能して頂けて何よりでございました。
で、風呂上がりはビールだよねーと中ジョッキまとめ買い。
枝豆やらチキンナゲットやら大量のフライドポテトをつまみに、
ビールがすすむすすむ。
濱の湯から移動、休憩を挟んで、
居酒屋でまたビール。
バーでは、角ハイボールやらイエガーマイスターやらをいろいろ飲んだくれ。
遠方より朋輩が来るのはよいなぁしみじみと。