2023.05.24 登録
[ 大阪府 ]
生きていくんだ それでいいんだ
ビルに飲み込まれ 街にはじかれて
それでも その手を 離さないで
(玉置浩二「田園」)
結局のところ、水田が一面に広がった平野で育った人間が平穏を取り戻すのは、
やはり田園風景を目の当たりにしたときなのかなと思った。
高槻市の郊外にある祥風苑さんは田園のなかにぽつんと存在していた。
ここ最近の疲れと暑さで気分も滅入っていたし、
忙しくてサウナにいけないのもじれったいなと。
今日は高槻で用事があったので、せっかくなので郊外まで足を運んだわけで。
祥風苑さんは何より温泉が良かった。
ヌルヌルの泉質が肌に心地良い。
露天風呂から上に目を遣ると、
プルシアンブルーの空が広がっていた。
サウナもしっかりと熱い。
ひとりきりを忘れるように、
しっかりとサウナを堪能する。
水風呂の後の、のどかな空気を感じながらの外気浴もたまらない。
風は気まぐれ私を惑わせるだけ。
屋上から眼下の青田を眺めていると、
夕暮れどきの、消えそうな燃えそうな、
ワインレッドに染まる時間も良いのだろうなと思ったり。
祥風苑さん、
ここが私の心の安全地帯になりそうだな。
男
[ 兵庫県 ]
鈴なりの花を摘み
吹く風に夏を知る
おだやかに ああおだやかに
今 ぼんやり遠くをながめてる
(原由子「花咲く旅路」)
世の中は ああ世の中は
なぜこんなに急いてと流れてく⋯
休日出勤なのに、気分の悪いことがあったので、
たまらずに灘温泉水道筋店さんへ。
灘のなだらかな名前も知らない坂をてくてくと歩き、
汗だくで到着。
温泉と源泉を繰り返し入ったり、
六甲山麓伏流水の水風呂にゆっくりとつかっていたら、
なぜこんなに急いて流れているのかわからない自分に気がついた。
サウナ3セットをこなしていたら、
もういろいろとどうでもよくなっていた。
帰り道を原由子の「花咲く旅路」を聴きながら歩く。
風景が違って見えた。
喜びが川となり
悲しみは虹を呼ぶ
道無きぞ この旅だけど
でもこんなに上手に歩いてる
(原由子「花咲く旅路」)
男
[ 大阪府 ]
「空気」、これは確かに、ある状態を示すまことに的確な表現である。
人は確かに、無色透明でその存在を意識的に確認できにくい空気に拘束されている。
(山本七平「『空気』の研究」文春文庫)
⋯空気が変わった。
まず、そのことに驚いた。
今日はチムジルバン熱波を愉しみにあるごの湯へ。
あつ湯、サウナを軽めにして、
いざチムジルバンへ。
一時間おきのロウリュサービスを計4回受けたのだが、
スタッフさんとその組み合わせで「空気」が違うことに気がついた。
そして、最後に受けた回の、
エース級のSさん、Hさん登場で、
今までと空気が一変したわけで。
タオル捌きでギャラリーを魅せるだけでなく、
表現があってるかどうかはわらないが、
熱波の空気が丁寧できめ細やかな感じとでもいうのだろうか。
熱波を浴びたあともなんだか興奮しっぱなしで。
山本七平は「空気」に冒されたら、事実という「水」をさす、みたいなことを書いてたな。
ということで、オロポで「水入り」。
良い「空気」と「水」だな。
男
[ 大阪府 ]
「⋯つるかめ、つるかめ…」
(呉美保監督「オカンの嫁入り」より)
楽天地温泉さんの水風呂の説明書きがなんとも言えず味わい深かった。
紡績工場から引き継いだ天然水だということとか、
効能、効果的な入り方などが記されていたのだが、
最後くらいに、
「良くなる、能くなる、善くなると小さくつぶやいてお入りください」みたいなことが書いてあって、これは良いなと。
映画「オカンの嫁入り」では何か不安なことがあったときに、
「つるかめ、つるかめ」と2回つぶやくと良いというおまじないがあった。
水風呂の説明書でそんなことを思い出した。
あっついサウナの後に、身体にやさしい軟水の水風呂。
良くなる、能くなる、善くなるに決まっている。
明日の不安なんて、つるかめつるかめだ。
あの映画観るとお好み焼きが食べたくなるんだよね。
帰りに近くの阪急オアシスでお好み焼きの具材を一通り買って阪急電車へ。
今宵もビールが美味いよな。
男
[ 兵庫県 ]
幸せに飲むのに、お金なんていらないんだ
(パリッコ「つつまし酒」光文社新書オビより)
芦屋水春に行く前に酒場ライターのパリッコさんの新書を読んでしまったのがよくない。
もうね、飲むことしか考えられなくなってしまった。
目次だけながめても、
「健康診断後のホッピー&カツカレー」
「カプセルホテルで昼飲み」
「噂の角打ちは酒のワンダーランドだった」
など、酒を嗜む人間としては5億点のラインナップばかり。
この本の影響で、
作者の薦めるヒガシマルの牡蠣醤油やキューピーのレモンドレッシングにはまったり、
「あの日の自分と飲む」(若い頃に行った思い出の店で過去を思い出しながら飲む)を実践したりした。
今日も今日とて、芦屋水春で温泉に浸かり、
遠赤サウナ、瞑想サウナ、薬草塩サウナを満喫。
外気浴も芦屋浜の陽光と浜風がさながら南仏のような心地よさ(行ったことないけど)で、
うっかりウトウトしてしまったり。
そして今日は水春亭でつつまし酒。
エキストラコールドと唐揚げでまず一杯。
パイナップルサワーとかけうどんというよくわからない組み合わせで二杯目。
今日も幸せに飲めたぜ。
男
[ 大阪府 ]
食事のことでかつて羽目をはずしたことのない人は決して食事を経験したことがなく、
これまで食事をしてきたとはいえない。
節度を守ることでせいぜい食事の愉しみくらいは知るだろうが、
食事に対する貪欲さ、食欲の平坦な道から逸脱してむさぼり喰らうという原始の道筋を知ることはない。
(ヴァルター・ベンヤミン「とれたての無花果」)
久々に外で本を読んだ。
休みの日にあえて暑いさなかに公園のベンチなどで、
アイスコーヒーを傍らに活字を目で追うのが好きだった。
なので、別にスポーツをやっているわけでもないのに、季節に先駆けて日焼けをしてしまうわけで。
どうです、インドアなのかアウトドアなのかわからないでしょ、と言っても仕方がないのだが。
新大阪の片隅の公園で福田和也の「放蕩の果て」を再読。
今日の新大阪は暑い。
でも、「蒸し風呂のようだ」とか「サウナ状態」なんて言葉は使いたくはない。
そんな表現はサウナを知らない人間が使う紋切り型の言葉だ。
なんだか読み疲れてきたので、ひなたの湯へ移動。
なんだろう、今日はいつにも増して風が躍動している。
サウナで火照った身体を水風呂で落ち着かせる。
そして外気浴。
風も日光も抜群に気持ちが良い。
もはや外気浴なのか日光浴なのかよくわからない。
でも、プールで冷え切った身体を徐々に陽の光が温もりを与えてくれるような感覚。
懐かしい感覚、悪くない。
福田和也の本を読んでいたので、
飲みたくなったし、食いたくもなった。
とりあえず、風呂上がりは餃子とビールだな。
男
[ 兵庫県 ]
中実がいっぱいつまった
甘い甘いものです
(大塚愛「さくらんぼ」)
午前に山形から季節の到来物が。
いくつになっても、さくらんぼが届くと
やっぱいいもんだよね。
イェイ。
ということで、届いたさくらんぼをお裾分けに、
高槻に行ったり、神戸に行ったり。
さくらんぼあげると、渡すほうも渡されるほうも笑顔咲クわけで。
で、その帰りに森温泉さんに。
温泉も良いし、サウナも熱くて素敵だ。
そして地下水が冷たい水風呂がたまらない。
もう1回、もう1回と繰り返すうちに、
5セットを堪能。
外気浴で天を仰ぐ。
幸せの空だな。
男
[ 大阪府 ]
綺麗なものはいらないのよ、だって
いつかは失う はかない世界
(矢井田瞳「マーブル色の日」)
北中島新温泉さんのあたたかくて深い湯船に浸かっていると、
ふと矢井田瞳の「マーブルの色の日」を思い出した。
行定勲監督の京都の出町柳あたりを舞台にした映画にこの曲が使われていたんだよな。
映画としてはどうかなという作品だったが、
ゆったりとした雰囲気が印象的だった。
なので、何度観ても寝てしまうのだが。
今日は隣の大養軒でオムライスを食べて、
その後は歌謡曲の流れる北中島新温泉さんのサウナでゆるゆると過ごしたわけで。
なんだかモラトリアムのような一日だなぁ。
それは見たこともないような マーブル色の日
(矢井田瞳「マーブル色の日」)
男
[ 大阪府 ]
人はみな、強いようで弱いね。
(仲畑貴志「エーザイ チョコラBB」コピーより)
心と体が疲れ切ったときに入るサウナ。
新大阪のビルの9Fでの外気浴。
なんでこんなに沁みるのだろう。
流れるのは汗だけではない。
デッキチェアで心地よい風を受け止めながら、
意識的にも無意識のなかでも、
過去の失敗がいろいろと思い出されてくる。
自分は成長したけど成長していない。
目頭にほのかにしみるものが。
何も考えないようで考える時間。
たまにはこんな時間も必要だよね。
男
[ 兵庫県 ]
この世にサウナがあって良かったと思った一日だった。
激務の連勤が続いていたので、今日は出勤前に灘温泉六甲道店さんへ。
こちらの六甲山麓伏流水の水風呂は、
疲れとどうしようもないストレスを解きほぐしてくれる。
軽めの3セットではあったのだが、
あれほど気持ちが荒んでいたのに、
なんだか大らかな心持ちに。
なぜだか今日は自分の周囲の方々がことごとく苛立っていた。
でもって、なんか当たってくるのよね。
これはダメな考え方なのだが、
当たられてる最中に、
「ああ、この人はサウナに入ってないからこうなんだな、
かわいそうに」
と無敵の人のような思考回路になったりして。
反省しろよ自分。
改めてサウナ好きすぎ。
男
[ 兵庫県 ]
嫌なことを全て水に流したかった。
ということで、仕事前に六甲山麓伏流水の水風呂に浸かりに灘温泉六甲道店さんへ。
まー、仕事についてのイライラがほとんどなのだが。
汗水流して働いているのに、なんか水をさされたりというか、
冷水を浴びせられたりみたいなことが多々あって。
なんか最近水が合わないなと。
今日は軽めの3セット。
やっぱりこちらは水が良い。
水風呂のなかでは水を得た魚のように活き活きするわけで。
ということで、気持ちの良い水風呂を堪能した結果、
お店を出る頃には、
水の滴る良い男になりましたとさ。
まー、すぐに水泡に帰しましたが。
男
[ 大阪府 ]
久々の満月さん。
阪神対DeNAをサウナ室で眺めつつ、
今日の夕食を何にしようか考える。
昨日伺ったバーで、かなり昔に食べた牡蠣のオイル漬けを思い出す。
アヒージョの要領で食パンにオイルを浸して食べるのが本当に美味しかった。
以来、時折作ってはパンに染み込む牡蠣の味わいを楽しんでいた。
ということで、今日は牡蠣のオイル漬けをベースにしたアヒージョにすることにした。
サウナ、水風呂、外気浴を3セットの後にスーパーへ。
牡蠣やマッシュルームなどのアヒージョの材料や、未来のレモンサワー、男梅サワーなどを買って帰宅。
風呂上がりに軽く飲みながら作る料理も楽しい。
こういう休日もいいもんだ。
男
[ 大阪府 ]
どうしようもなく疲れがたまったので、
今日はあるごの湯へ。
こちらのチムジルバンのタオル熱波が最強すぎて、
もういろいろなものがふっ飛ぶのですよ。
あるごの湯の前に、梅田ちいかわらんどに行くも、
案の定、発売されたばかりのウラヤハボウズは売り切れ。
代わりにいろいろ買わされる。
散財したあとに満を持して三国あるごの湯へ。
激務の6連勤のあとだったからか、
チムジルバンの前に入った高温サウナの1セット目でととのうというね。
で、チムジルバンの熱波ですよ。
やっぱり関西最強です。
スーパーロウリュではスタッフさん4名のコンビネーションやらサービス精神に感動すら覚えました。
双方向でコミュニケーション取れるのもよいですね。
ツキイチで来たいぜーと思いながら、
三国から堂島へ移動。
風呂上がりのビールやワインが美味い。
男
[ 兵庫県 ]
あーあーキンと冷えてる
缶カンが
あーあ 何か冷たくって
(ハチワレ「ひとりごつ」)
何だもう朝かと…。
神戸サウナで朝をむかえてそんなことを思うわけで。
オレンジのアロマの熱波を浴びて、
キンと冷えてる11.7度の水風呂に。
小雨の中で考える。
サウナとちいかわくらいしか楽しみがない毎日ってどうよ。
最近は仕事よりちいかわの草むしり検定の行方が気になって仕方ないし。
と、こんな感じでひとりごつ。
男
[ 兵庫県 ]
疲れすぎたんで、大阪に帰りたくないんである。
ということで、今日は神戸サウナに宿泊。
前回の宿泊の時もそうだったのだが、
サウナ室のテレビで流れていたのが、
またしても探偵ナイトスクープ。
亡き母のロールキャベツを再現したいという娘さんの依頼に、
サウナ室の視線がテレビに釘付けに。
アウフグースのときは音が出ないのに、
皆、熱波を無視してテレビに目をやっておりました。
音声ないけど、気がつくと目頭に熱いものが。
レモングラスの熱波がしみるぜ。
あとからティーバでもっかい見たら、
改めてじんときましたし。
良いサウナ体験だったので、
今日はよく眠れそうだ。
男
[ 大阪府 ]
テアトル梅田で二度目の「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を鑑賞。
二回目だとさらに伊東蒼のさっちゃんに感情移入。
バイトのために同志社大学から豊津まで行くなんてとか思いながら。
映画の余韻に浸りながら帰ろうと思ったら、
前から観たかった坂元裕二脚本で土井裕泰監督の映画「片思い世界」を夕方にやるのだなーと。
これは観ないと。
ということで、空いた時間で出世温泉さんへ。
サウナのなかで「今日の空〜」の男のダメさ加減に苛立ちつつ、
坂元&土井監督の座組の「花束みたいな恋をした」を思い出しつつ3セット。
テアトル梅田に戻って、「片想い世界」を鑑賞。
もうね、予告編では想像できなかった映画で度肝を抜かれましたわ。
予告編だけだったら、女子3人がルームシェアして、各々の片思いがどうたらこうたらみたいな感じと思うぜこれ。
ところがどっこい、やっぱり坂元脚本は大いに屈折しとりました。
傑作は傑作だったので、もっかい観たいな。
凄い映画体験で打ちのめされたあとは、
梅田のちいかわらんどへ。
ちいさくてかわいいやつらに癒やされて、
阪急三番街を後にしました。
ウラ。
男
[ 京都府 ]
もう消えたいと思うくらい後悔。
耐えきれへんくなってどっか泳いで消えたろうと思って浴槽ドボンしてみた。
ドボンしてドロン。
今こんなんいらんか!
こういうときにな、ふざけてしまうのもアカンのやろな。
(大九明子監督「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」)
さっちゃんがドボンした浴槽がここか。
先日、話題の映画「今日の空が〜」で外観が撮影された吹田市の七福温泉さんに行ったので、
今日は内観が撮影された京都市の宝湯さんに行ってみました。
さっちゃんがドボンした鯉が描かれた浴槽は、
思っていたより浅く、彼女がどうしようもなく切羽詰まって勢いで飛び込んだのだな、と思ったり。
サウナのなかでいろいろ考えました。
主人公の小西が遅刻をしたために、
さっちゃんがここを一人で掃除をしたかと思えば、
逆に小西が気になる女の子の朝デートのためにさっちゃんを呼び出して掃除を手伝わせたりと。
改めて最低だなと。
でも、自分のことしか見えずに、他者がまったく見えないと、やってしまいがちではあるわけで。
これは痛みを知らないと気がつかないことでもあるのだよな。
若さゆえの鈍さ、そこからくる残酷さ。
自身も京都の大学で似たような経験もしたわけで。
悔恨はサウナでは流れないけど、サウナのあたたかさのように他者に少しでもやさしくありたいと思ったり。
なんかよくわからない文だな。
とりあえず、また明後日テアトル梅田でもっかい観ようかな。
男
[ 京都府 ]
京都国立博物館が相変わらず攻めている。
「日本、美のるつぼ」展を観てきたのだが、
国宝だらけでお腹いっぱいなのに、
大トリが「吉備大臣入唐絵巻」というのが素晴らしい。
吉備真備の唐での伝説を絵巻物にしたものなのだが、
話の内容がバカバカしい。
唐の囲碁の名人と勝負することになった吉備真備。
天井の目を碁盤にみたてて特訓を重ねていざ本番。
吉備真備は名人の碁石をこっそり飲み込んで勝つっていうね…。
特訓関係ねーじゃん。
平安時代にこの与太話を絵巻にしたのも凄ければ、
こんなのを二束三文で買ったボストン美術館も凄い。
そして、これを万博記念特別展の大トリに持ってきた京都国立博物館も凄い。
お前ら最高だ。
ということで、今回の展示と何も関係のない鳥獣戯画手ぬぐいを買って梅湯へゴー。
今度からサウナ行くときはこの手ぬぐい持ってくんだい。
梅湯さんはサウナももちろん良いのだけれど
手作り感がなんとも言えず良いなと。
梅湯新聞なんかながめてると、学生の街京都っぽいなと。
攻めてる感じが古の学生から現代の学生までつながってるなぁ。
お前ら本当に最高だ。
男
[ 大阪府 ]
かつて福田恆存は、
「保守とは、横丁の蕎麦屋を守ることだ」と看破した。
毎日、とは言わないまでも日常に通う店、
つまりは自分の生活スタイルを保持すること、
そのために失われやすいものに対して、
鋭敏に、かつ能動的に活動する精神を、
保守という。
(福田和也「保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである」)
馴染みのバーのドアを開けると、
そこに馴染みのマスターがいる。
それだけでありがたい…。
リニューアル後のニュージャパンに訪れ、
軽めの3セット。
施設もところどころ綺麗になり、
相変わらずというか今まで以上に心地が良い。
せっかく梅田に来たので、久々に堂島のバーへ。
若い頃にお世話になって、こちらが住所が変わっても、機会があれば寄らせてもらっていた。
ドアを開けた瞬間、
「おー、お久しぶりー」
5年ぶりの再会だった。
そこからは時間が元に戻ったような感じで、
あの頃の続きのような話をしたり。
馴染みのバーがある、
それだけで齢を重ねるのも悪くないと思う。
男
[ 大阪府 ]
見慣れたはずの街並みも
ド派手に映す愚か者
君のせいで大きくなった未来
(スピッツ「初恋クレイジー」)
さっちゃんのバイト先か…。
話題の映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」で撮影されたのが七福温泉さん。
映画パンフによると、外観は七福温泉さんで、内観は京都の宝湯さんとのこと。
実際に訪れてみると、
今年度の日本映画屈指のベストアクトだった
さっちゃんこと伊東蒼の長ゼリフのシーンが銭湯横の路地で撮られていたのだな、と。
この映画は予告編やポスターだけで判断すると、凡百の大学生のラブストーリーに思える。
そんな甘ったるい映画ではなかった。
男の子がいて、偶然女の子と出会って、
そして距離を縮めて…。
それはいい。
でも、そのあいだにいて、存在がないことにされてしまう都合のよい脇役はどうなるのか。
この映画は、いちばん近くにいたのに気にもとめられなかった脇役の怒りの映画なのだと思う。
翻って、自分の大学時代を思い返してみる。
自分もただの女友達と思っていたのに、想いに気がつかずに申し訳ないことをした経験もあれば、
その逆の立場になったこともあった。
七福温泉の脇の路地での、
さっちゃんの壮絶なシーンでは、
観るのも苦しくなり、スクリーンの前で身をよじらせていた。
スチームサウナのなかで、今日の映画と過去の自身の京都での大学時代の頃を交互に思い出していた。
若さとは愚かさだな。
この映画をもう一度観たいし、
今度は宝湯さんにも行きたいな、と思いながら江坂を後にした。
男
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。