サウナ駆動人生

見知らぬ男性がこちらを心配そうに見ている。「あ、気失ってる訳ではないですよ」と目で合図する。しかしこれは半分嘘だ。久々のフルセットに、過去に類を見ないほどのトランス状態に達していたことは事実であるため、周囲が心配するのも無理は無い。

目を開けたら白い湯気が視界を覆っている。自分の体から絶え間なく出ているようだ。あまみが出ている自分の太ももを視認し、ようやく自分がサウナトランスに陥っていたことを悟る。

もう何分経ったのだろうか。地面に接している踵だけが異常に冷えている。

それにしてもこの体から出る湯気が尋常じゃ無い。その量が外気との温度差を見事に物語っている。それもそのはず、今日は真冬並みの寒さで、冷たい雨も雪に変わるほどだ。

ラクーアに来て良かった。休憩チェアが屋根に覆われているこの施設なら雪など敵では無い。でもやはりすぐ冷える。次はフィンランドサウナにでも入ろうかな

とにかく知り合いに会いまくる、危険な銭湯。古めかしさと近未来感が交差していて良い。

最&高。準ホームサウナにします。さすが住みたい街ランキング上位の大宮。湯けむり横丁があるなら土地買ってでも住みたい。

風呂場は私の大好きな「ベッドタウンのスーパー銭湯」という感じだが、コロナの影響でほぼ人おらず！1週間のサウ禁明けで！柔らかな水風呂に包まれ！壁際デッキチェアで昇天！

仕事帰りにサウナ寄るなら最寄りの先まで行くのが良いことに気づいた。帰路で混雑に巻き込まれることが無い。

自分の名前が刻まれてた

地元の学生グループの楽しげな会話が耳に入ってくるのが、都心から離れたスーパー銭湯の醍醐味である。

こういうスパ銭だと地元グループで来てワイワイ喋ってる人が多い中、一見客として1人で全裸でちょこんと座ってると何か己の無力感のようなものを感じる。
それが堪らなく好きで、キョロキョロしてる自分を抱きしめたくなる。これを理解してもらえる人は少ない

なにも着飾ってない、プレーンなサウナ。
冷水機を必死に探す自分に気付いた時は、自分が如何に"サービス"を当たり前のように受けていたかを痛感した。

「サウナイキタイ」なんていう「webサービス」で「サ活」を投稿されることなんて想像も出来なかった時代から、毎日みんな通ってたんだ。そう思っていたら何故か泣きそうになった。

久々に星空をちゃんと眺めた。フルフラット可ととのい椅子に寝そべると、努力せずとも勝手に視界に入ってくる。
冬の森は寒いが、ホスピタリティに溢れてる。

秋川渓谷瀬音の湯で朝ウナした後ハシゴし、17時に入店。やはり湯楽の里が好きだ。頭も寄りかかりたいので、壁際にデッキチェアが置いてあるのは大変ありがたい。

人が多い施設での外気浴は、人間味が直接整いに繋がる。パパに必死にしがみついて温泉に浸かる男の子。フラフラしたお爺さんに椅子を持ってくる若者。「〇〇ちゃん彼氏いるかな！？」と恋話に花を咲かせる高校生。それら全てをエサにして、副交感神経がじわじわ刺激されるのがたまらない。

この季節の夜は外気浴を長く出来ないので、湯腰掛を使うなどのフレキシブルな動きを楽しむ。

宿泊したため、夜サウナ→熟睡→朝ウナのコンボをキメた。サウナ専門の空間デザイナーでも雇ったのかというくらい、サ室内で自己と向き合える。

雲一つない空 x 秋川渓谷で既に整ってしまい、朝ウナへの道中で笑みが溢れてしまった。
もう狂ってる。最近あらゆるところで整うようになってしまった。

夜には全く見えなかった木々が朝ウナ時に初めて顔を見せてきたのでつい
「お前たち、そんな美しかったのか」
と呟きそうになった。

サウナの主役は結局飯だと思っている。水風呂に入った瞬間急に襲ってくる空腹感のために生きてる。

食事を喜ばしきものにするのは料理にあらず、食欲なりという言葉が大好きで、料理に投資するくらいなら食欲に投資していきたい。食事に限らず。

写真は名物であるトマト酸辣湯麺

岩盤浴スペースが充実してる施設はサウナが空いている。ここも例外ではなく、サ室、水風呂、外気浴スペースだけ見事にガラガラ。

オートロウリュで蒸された体を冷やそうと外に出ると、名物？の炭酸水風呂が目に入った。汗を流して脚を入れると、14度の水が体を引き締めてくれる。これは良いと思い深く腰掛けた途端！

「あ"っ」

激しいチンピリが襲いかかってきた。急いで普通の水風呂に移動し、炭酸水風呂に目を移す。微動だにしないおじさん達への尊敬の念だけが脳内を占める。

そんなこんなで水風呂ではトラブルが発生したが、外気浴スペースの寝転び座敷にてあっさり整ってしまった。寝湯然り寝転び座敷然り、後頭部が痛いのが常だが、ここは頭にフィットする枕があるのが最大の魅力。すぐ隣に流れる滝の音でα波を出しながら、ただただ時間だけが過ぎてゆく。

「いいねぇ」
外気浴スペースのフルフラット可デッキチェアにもたれると同時にこの言葉がこぼれた。SKC(草加健康センター)の影に隠れていたが、外気浴スペースは南国感が溢れており、こちらの方が好み。

休憩室のリクライニングチェアに座っていたら、岩盤浴ご利用しない方は座れませんと言われてしまった。どうやら岩盤浴ユーザー以外に人権は無いようだ。それもそのはず、ここはドラマ「集団左遷」の岩盤浴シーンの撮影地に選ばれるほど、岩盤浴に力を入れている。
岩盤浴も入りたいのだが、サウナーとしてはどのタイミングで入れば良いのか分からず、いつも敬遠してしまう。

結局灯台下暗し。ホームサウナであるスポーツジムが月曜は休みであるため帰りに寄ったが、東京周辺のスパ銭の中ではトップかもしれない。近すぎて逆に行ってなかったが、これから準ホームサウナになるであろう。好きなところを箇条書きにすると
- 外気浴スペースのととのい椅子の背もたれ角度と肘掛けが絶妙
- 屋根の下にもデッキチェアあるため雨にも対応
- 水風呂がバイブラ無しの13℃
- サ室で寄りかかれる
- 平日夜でも全然人増えない←超大事
- 600円という破格

うーん、一人暮らし計画がまた一歩遠ざかったな

結局オーシャンビュー×フルフラットととのい椅子が最強。
混浴であるため、家族をしっかりと水風呂に沈めるには最適な場所。私も彼女にレクチャーするつもりだったが、すっかり一人前のサウナーになっている彼女にその必要は無かった。

映えるため、土日はもっとチャラチャラしたムードかもしれないが、月曜日であったため比較的落ち着いていた。ただただこの平和だけが続いて欲しい。そんなことしか考えることが出来ない空間。