【サウナ歳時記 フィンランド吟行5】
フィンランドに来たからにはバルト海に飛び込みたい。よし、Sompa saunaにいこう。
フィンランドはヘルシンキのSompasauna(ソンパサウナ)さん。9:10チェックイン。
こんなところにあるの?という砂利道を進んでいくと、なぜかキリンの像が。おぉ、ここか!
こんなに早い時間だと誰もいなくて、火おこしからかな、と想像していたが、すでにサウナに入ってる人がいる。男性はフルチンが多く、そんな中に水着の女性もいる。なかなかの自由さ。
ベンチがありフックに服をかけるスタイル。貴重品ボックスがあり、自分で南京錠を持ってくれば鍵をかけられる。
自分は水着に着替えようとしたが、更衣室が見当たらない。簡易トイレもあるが、ちょっと臭そうなので、そこら辺の木の影で着替え。
サウナ小屋が3個に薪割り場。ピアノやギターが置いてある建物もある。すごいなぁ。この時間、稼働していたサウナは1つで、残り2つはボランティアの人が掃除してくれてた。ありがたい。煙突掃除とかちゃんとしないと火事になるもんね。
サ室のの扉にDon’t stupid!と書かれてる。愚かなことはするな、だが意訳すれば、バカなことはするな、アホになれ!って感じかな。
サ室は中位の大きさの1段。階段を登って少し高いところにある。薪ストーブの70℃。湿度は高く、輻射熱は適度にある。蒸される感じのサウナ。
水風呂はバルト海。18℃くらいかな。ちょい濁っているが、気持ち良いや。
外気浴はそこらのベンチで。今日は雲ひとつない晴天。空が高いし、風も気持ち良い。特にこの自由な空気が心地良い。中は写真撮影禁止なのが残念。目に焼き付けよう。
10:50チェックアウト。ボランティアで成り立ってる無料のサウナ。ここには色んな人がサウナを中心に集まってくる。やっばりサウナは素晴らしいなぁ。
『天高し 自由の風吹く バルト海』
フィンランド一人旅にて最も衝撃的かつ、最も良かったサウナ。本当にすごかった…フィンランドに行く理由の一つはsompa saunaに行きたかったから。
前日のkotiharjun saunaで知り合ったインドネシア人と駅で待ち合わせ、バスを乗り継いで到着。工場地帯みたいなところを5分ほど歩くとキリンがお出迎え。早速真っ裸の人たちがウロウロしてるのが見えた。すごい、異世界に来た気分。
郷に入っては郷に従えということで真っ裸になった。(水着と裸50-50くらい)なんだかソワソワして変な感じ。
ここには3つのサウナ小屋があった。内一つは修理中、屋根に登って作業していた。完全セルフ、Donation or Working(寄付か働く)をすることで入ることができるらしい。早速裸で薪割り、フィンランド人にやり方を教えもらって見よう見まねで働いた。
割った薪を小屋前に運んだらようやくサウナ。
右側の小屋には大きな窓が付いていてバルト海を一望できる。アルコールを片手に語りながらガンガンロウリュ。あっつい!でもなんだか心地いい。
左側の小屋は少し小さめ。窓もなくロウリュすると一気に温度が上がる、体感110〜くらい、右側が途中調子が悪くなったのか左側のみ稼働しているときは列に並んで1人ずつ入った。足や体が触れるくらい詰めて入ったがそんなこと気にならないくらいみんなサウナを楽しんでいた。
最も熱い中央の小屋は帰り間際に直ったと聞いたので速攻入った。熱い…熱すぎる!小屋のヌシが10秒に一回ロウリュ、温度計は130°。10秒ほどで1人退出、自分も1分も入れなくて飛び出すように外へ、周りが笑いながらよく入ったと褒めてくれた。ヌシは1人で入り続けてた。
十分過ぎるほど身体を熱くしたらいよいよバルト海にダイブ!芯から熱くなっていた身体が徐々に冷めていくのがわかる。お世辞にも綺麗とは言えないバルト海は足がつかなくて少し怖い。それでも興奮の方が勝っていて頭まで一気に潜って泳いだ。気持ち良すぎる。
手作り感満載のベンチで外気浴、これが最高に良かった。広がるバルト海を見ながら風にあたる、裸の人が目の前でビールを飲んで歌っている、水着姿の男女がピアノを弾いて笑っている、飼い主の後を追いかけるように大型犬が海で泳いでいる、心の底から自由だと思った。
人種も性別も関係ない。ここより設備の整ったサウナはいくらでもあるが、ここより自由なサウナは絶対にない。自分が裸なことも気づけば気にならなくなっていた。全部で6セットもした。
直前まで行くか迷っていたけど、勇気を出して良かった。言葉がわからなくても、自由を感じさせてくれるこの旅1番のサウナでした。