【閉店】さかえ湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
ドラえもんのタイムマシンが使えたとしよう。
3年前の私に「来年、バカリズムと夢眠ねむが結婚するぞ」と伝えたら、驚きつつも「まあでも、しっくりくるな」と納得するだろう。
2年前の私に「来年、志村けん死んじゃうぞ」と伝えたら、驚きつつも「まあでも、それなりのお年だしな」と納得するだろう。
だが、1年前の私に「来年、さかえ湯なくなるぞ」と伝えても「またまた、ご冗談を」と一笑に付すだろう。
実際、その噂を耳にしたとき私は全く信じなかった。「チンギス・ハーン=源義経説」とか「プレスリー生存説」とかと同じ類の話として受け止めた。しかしすぐに、残念ながら、噂は噂でないと知った。
タイムマシンではなくチャリでさかえ湯へ。
振り返ってみると、さかえ湯への訪問は決まって仕事帰りだった。なので「今日のプレゼン、全然ダメだったなぁ…」「明日の顧客対応、憂うつだわぁ…」といった後悔や不安を抱え、暗い気持ちで暖簾をくぐるのが常だった。しかしここには最高の湯とサウナと水風呂と外気浴がある。暗い気持ちは一掃され、反対側から暖簾をくぐる時の私は身も心も軽くなっていた。
今日は初めての「仕事帰りではない」さかえ湯だ。湯もサウナも水風呂も外気浴も相変わらず最高だった。最高ゆえ、帰りに暖簾をくぐる時も私の気持ちは暗いままだった。
嘘っぱちの作り笑顔で「お疲れ様でした!」ということは容易いが、それは無礼だと思った。なので、しかめっ面で暖簾をくぐり、店先の灰皿に虚無と喪失とフィルターだけの吸い殻を捨ててきた。
さかえ湯は帰ってこないんだから。
もう、二度とあえないんだから。
俺が欲しいのはタイムマシンじゃなくてウソ800なんだよ!!!!
今回は深いですね。ドラマのようでした。残念です。
魂のシャウト響きました
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