2019.10.03 登録
[ 北海道 ]
旅館の部屋って一番奥、窓際にスペースがあるじゃないですか。イスとテーブルと、場合によっては冷蔵庫とか金庫がある、あのスペース。
あのスペースがね、好きなんですよ。旅館自体にしばらく行っていないので、あのスペースもご無沙汰ですが、あれはよいですよね。
夜中に目が覚めちゃって、あのスペースで飲むビールが一番美味いじゃないですか。柄にもなく月なんか見上げちゃってね。月ひとしずくって感じで。
チェックアウト前にあのスペースで吸うタバコがね、やっぱり一番美味いですよね。川のせせらぎにうっとりなんかしちゃってね。
そして子供の頃、誰しもがあのスペースで将棋やらオセロやらに勤しんだと思うんですよ。一番楽しいに決まってるじゃないですか、そんなの。
で、なんでこんなことを急に言いだしたかというと、鷹の湯さんのサウナでね、あのスペースを思い出したんですよ。
あのスペースと鷹の湯サウナに具体的な共通点があるとか、そういうわけではないんですけどね。雰囲気とか空気とか、そういう形而上的な何かがね、通じていると感じたんですよ。
あのスペースみたいに、鷹の湯サウナでビール飲んだりタバコ吸ったり、あるいは将棋とかオセロをやっちゃダメですけど、許されるならと思っちゃいましたよね。
というわけで、9回も「あのスペース」って書けたんで満足です。正式には「広縁」と書いて「ひろえん」だそうです。なんだその読み方。
[ 北海道 ]
業後、1時間ほど歩いて初訪問となる奥の湯へ。これくらいのウォーキングは朝飯前である。前世は伊能忠敬だったのかもしれない。地図好きだし。
汗を流すための銭湯へと汗だくで向かうのは本末転倒だ。それはわかっている。でも、本末転倒は別に悪ではない。
ウォーキングのお供は先日のプライムデーで購入したEcho Buds(イヤホン)。ここ数年、ウォーキングの際は安い片耳イヤホンでラジオや落語を聴いていたのだが、せっかくまとも(両耳という意味で)なイヤホンを買ったのだからと、ミュージックアプリを立ち上げた。
これも本末転倒だ。音楽を聴くからイヤホンを買うのが筋だ。イヤホンを買ったから音楽を聴く、というのは順番が違う。でも、悪ではない。
魑魅魍魎の我がプレイリストで唯一夏を歌っている「サマージャム’95」、延々とリピートした。「そんで夕方からフロ ザバッといって」というBoseの声に頷きつつ奥の湯へ。
湯もサウナも、はじめましての人間に優しくしてくれた。
「本末転倒 対義語」で調べたら「首尾一貫」とか「初志貫徹」とかが出てきた。いずれも私の辞書にはない言葉だ。
ブレにブレ、矛盾だらけで歩いて来たが、その先に待つのがこんなに素敵な銭湯なら、首尾一貫も初志貫徹もクソ食らえだ。
なんか面白くない文章になっちゃったな。
誰のせい?
それはあれだ!
夏のせい
[ 北海道 ]
一枚のポスターが掲示されていた。「家族みんなで銭湯に行こう!!夏」とある。
いまが夏なのは明らかなのだから、わざわざ「夏」とつけなくてもよいのではと思いつつ目を通した。なんと、保護者1名につき子ども2人が無料になるという太っ腹キャンペーンが展開されるとのこと。
ポスターには「うれしい!!たのしい!!気持ちいい!!」という言葉も踊っている。俗にいうドリカム未遂である。
ここで私は気がついた。先ほどの「夏」は「何も言えなくて…夏」へのオマージュなのだろう。このポスターには、90年代J-POPの要素がサブリミナル的に散りばめられているのだ。
90年代J-POPが直撃した世代は、いまや父であり母である。そういう意味では理にかなっている。
他にも色々ある。イラストの男の子はボーダーのシャツを着ているが、つまり彼は渋谷系なのだ。Spiral Lifeやカヒミ・カリィを愛聴しているのだろう。若いのに感心だ。
そしてポスター全体は黄色を基調にしている。これは90年代を代表する名曲、YELLOW YELLOW HAPPY(ポケビ)へのリスペクトだ。
私がいうことではないが、この夏はぜひ家族で銭湯に行っていただきたい。親子の、そして夫婦の絆が深まるはずだ。
「綺麗な指してたんだね、知らなかったよ」
夫に、あるいは妻に対して、そんな言葉が口をつくかもしれない。
[ 北海道 ]
2日続けての銭湯。暇なわけではない。今日も朝からウイイレに勤しむなど多忙を極めた。それらのタスクを消化し、初の寿湯へ。
連休最終日だが、開店から間もないせいか洗い場は空いていた。快適なサウナが待っているに違いない。期待に胸を膨らませながら身を清めた。
サウナ室のドアを開く。
「ファッ!」
思わず声が出た。洗い場はガラガラだったのに、まさかの満席だ。
洞窟に入ったら壁中にコウモリがぶら下がっていたような、石をひっくり返したらダンゴムシがびっしりだったような、サンプル動画を再生したらドン引き汚物系特殊性癖のオンパレードだったような、そんな心持ちだった。
かろうじて1人分のスペースがあったので、身を縮めて着座。その刹那、イルカの名曲が流れた。
見ず知らずのオッサン達、
満席、
全裸、
汗だく、
海の日、
なごり雪。
Another Kaos Beyond Kaos.
[ 北海道 ]
天気の冴えない三連休。海だ山だと張り切っていた人は残念がっているだろうが、FANZAだソクミルだと平常運転の私は痛くも痒くもない。
私はとにかくアウトドアに親和性がない。付き合いで何度かキャンプに行ったことはあるが、炎天下の炭起こしで汗だくになりながら
(山奥にまで来てどうしてこんな目に…途中に牛角あったじゃん…)
と涙を流した記憶しかない。
先日、後輩にキャンプが苦手である旨を話したところ
「最近はグランピングっていうのがあるんですよ!wi-fi使えたりベッドで寝たりできるんです!」
などと得意げに語られた。
私がいうのも変だが、そんなもんはもうキャンプではない。wi-fiとベッドが必要なら、黙ってドーミーインに泊まるべきだ(夜鳴きそばが美味いので)。
雨なのでチャリが使えず、徒歩で望月湯へ。人並みに少しだけ天気の影響を受けた。
久しぶりのサウナ室は記憶より熱かったが、記憶違いなのか、実際にそうだったのかはわからない。
炭起こしで流した汗は不快でしかなかったが、サウナ室で流す汗は心地よい。外気浴に至ってはアウトドアそのものだ。
ずいぶん勝手だなと我ながら思う。キャンプにでも行って心を洗ったほうがよいのかもしれないが、今日のところは銭湯で身体を洗うにとどまった。
[ 北海道 ]
本日振替休。何をしようか。ロングコートダディの単独はチケットが取れなかった。近美のエジプト展は混んでいるらしい。
「終日臥床」という言葉が脳裏に浮かんだが、貴重な平日休を無駄にしてはいけない。今更ではあるが、シン・ウルトラマンを鑑賞した。
賛否あるらしいが、大変楽しめた。ユナイテッド・シネマを出た私は自慢のジェット(チャリ)で扇の湯へ向かった。
シン・ウルトラマンにはカラータイマーがない。彼は3分という時間的制限から解放されていた。でも色々なもの、こと、人に縛られていた。外星人も我々も、時間だけに制約されているわけではない。
扇の湯のサウナ室。「山本耕史はよい役者だなぁ。堀北真希になりて〜」などと独りで感想戦に勤しんでいたところ、あることに気がついた。時計の類が一切ない。12分計も、砂時計すらもない。
なるほど。時間的制限から解放された、シン・サウナだ。もちろん時間的制限から解放されたところで、色々なこと(温度や湿度)には縛られた。でもそれでよい。シュワッチ。
[ 北海道 ]
ぴったり1週間ぶりの鷹乃湯。先週は久しぶりの旅行を控えていたので、その無事を祈願しサウナと「あつ湯」で清めていただいた。
おかげさまで大きなトラブルもなく帰札することができたので、本日はお礼参りとして伺った。
ひとりきりのサウナ室。感謝を込めて報告した。川崎の銭湯たちが鷹乃湯に負けず劣らずよかったこと、水沼宏太のゴールがスーパーだったこと、小沢健二のSo kakkoii 宇宙 ShowsがSo kakkoよかったこと。
「サッカーに音楽ってお前、大学生みたいな旅行してんなwwwおっさんなんだから神社仏閣でも見てろっつーのwww」
そんなことを鷹乃湯はいわない。ウンウンと頷いているだけだった。鷹乃湯、黙して語らず。
サウナ室に一礼し、締めに「あつ湯」へ。
「グァッ!」
東京の太陽でがっつり灼かれた肌に「あつ湯」が沁みた。So attsui 鷹乃湯。
[ 東京都 ]
東京最終日。時間が絶妙に空いてしまった。
月曜の朝っぱらに「近くでやってるサウナねぇかな」と調べたところ、選択肢がいくつか出てきた。さすが死にたいくらいに憧れた花の都・大東京だ。地元だったら行き先は相当限定される。
そんなわけで1時間だけだがお邪魔。ほぼ貸切。昨夜の小沢健二や2日前の遠藤保仁に思いを馳せたり、24時間後には仕事してんのかと舌打ちしたり。
熱い&暗いサウナ室は大変好みで、私にはまるでキス&クライでした(そんなに狭くないし、ダジャレとしてもよくない)。
[ 神奈川県 ]
千歳を発ち、灼熱の関東へ。
日産と等々力をハシゴし(新横浜までダッシュ&武蔵小杉でチャリレンタル)、汗だくの身体で千年温泉へ。
サウナ料金別、サウナキーという北海道にはないシステムに「ああ、そうだな。そうだったな」と少しニヤニヤしてしまった。初めてサウナキーを手にしたのは文化浴泉だったっけ。
「千年温泉」は「せんねんおんせん」ではなく「ちとせおんせん」と読む。即ち今日は「FROM 千歳 TO 千年」だった。(YMO2回目のワールドツアー『FROM TOKIO TO TOKYO』をもじった大変面白いユーモアです)
[ 北海道 ]
サウナはあとから増設したのだろう。脱衣場の一角を占めるような、一風変わった造りになっている。
そのせいか、サウナ室の窓から見えるのは新緑が美しい木々でも大海原でもない。番台だ。番台の女将だ。
「これはこれでよい眺めだな!」などと汗を流しつつ思ってると、あることに気がついた。音がない。
札幌にはレジデントDJを抱えた銭湯がいくつかある。東豊湯、望月湯、月見湯、私は未踏だが寿湯。
この鶴の湯もそんな銭湯の1つだと耳にしていたのだが、サウナ室は静まり返っていた。
悲しいが、静寂のサウナ室も悪くはない。そう自分に言い聞かせた。
その刹那、突然サウナ室に郷ひろみの歌声が響いた。ナイスDJ !と声を上げかけたが、曲の途中からだったのでDJとしては大ミスだ。
しかしその後、"こんなにそばに居るのに/ZARD "というナイスな選曲でミスを挽回。いいぞいいぞとつぶやきながら一旦サウナ室を出た。
水風呂と休憩を終え、2度目のサウナ室で私を迎えてくれたのは"Shake Hip!/米米クラブ"だった。早くもピークタイムである。そこから畳み掛けるように"Hey Mickey/Toni Basil"をドロップ。和モノオンリーと思わせておいて、なんと心憎い。
その後は"I Feel for You/Chaka Khan ""ANGEL/氷室京介"など、古今東西なんてクソ喰らえといわんばかりの選曲。オールジャンルDJの真髄を見せつけられた。ひとりのサウナ室、ニヤニヤした。
「番台の女将にニヤニヤ顔を見られたかも!」
慌ててガラス越しに確認した。番台の女将は手元を見つめ、何やら忙しそうにしている。なるほど、番台あらためDJブース、女将あらためDJ tsuruということか。あの手の動き、相当細かくツマミをいじっていたに違いない。ほぼ田中フミヤだった。小銭を数えていたなんてことだけは絶対にない。
[ 北海道 ]
木曜夜に最高のサウナをキメ、よい塩梅で脱衣場へ。
私のカゴが、ない。
もちろん心臓は止まったが、根性で心拍再開。冷静に周囲を見渡すと、誰かが何かの事情で動かしたらしく、あらぬところに鎮座していた。
そりゃそうだ。おっさんの温もりが残るトランクスや、飲みかけの炭酸水をくすねるハードコアな奴がここにいるわけはない。一瞬でも疑った自分を恥じた。心拍数が少し上がった。
[ 北海道 ]
美春湯の脱衣場にはハトムギ化粧水が置かれている。
40歳、お肌の曲がり角だ。毎回、顔やら何やらにビチャビチャと塗り込んでいるのはいうまでもない。化粧水を飲んだ奴がいると思われてもおかしくないくらいに使わせていただいている。
おかげで私の肌ツヤは、全盛期のサムソン冬木にも引けを取らないクオリティだ。
ハトムギ化粧水の隣にはもうひとつボトルがある。イソジンだ。
こちらは使ったことがなかった。私のような上級者は、お風呂とイソジンの組み合わせでピンクなことを考えてしまう。故に躊躇していた。
本日のサウナ室。大きく息を吸い込んだところ、喉に違和感が生じた。喉の捻挫とでもいおうか。
浴後、迷わずイソジン。違和感は吹き飛んだ。
風呂にイソジン。やっぱりスッキリする。
[ 北海道 ]
だいぶ間は空いてしまったが、2度目の千成湯。
サウナ室には控えめのBGM。今日は20年ほど前のヒット曲が迎えてくれた。ハーモニーが美しい一曲。CMでも使われていた一曲。失恋の悲哀を唄った一曲。
…曲のタイトルが全く思い出せなかった。いや、曲名どころか歌っている人たちの名前も思い出せない。
曲名はどうにもならなさそうだが、歌っている人たちの名前は思い出せそうだった。「ここまで出ている」というやつだ。汗にまみれながら考えに考えた。
出そうで出ない。イライラが募る。
自分の脳から引っ張り出した「男性デュオ」「ASAYAN」「堂珍」という言葉は大サービススペシャルヒントなはずだが、結局答えにはたどり着けなかった。
リフレッシュするためのサウナでイライラしては本末転倒だ。私は諦めてサウナ室を出た。
水風呂を経て、カランで休憩。さっきまでの苛立ちは消し飛んでいた。
外気浴は叶わないが、それがどうしたというのだ。熱々のサウナにキンキンの水風呂、それで十分じゃないか。
千成湯のサウナと水風呂の相乗効果はまるで化学反応、そうケミストリーだ。
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。