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「いま一番行きたいサウナは?」と聞かれたら、ここ最近ずっと「直島にあるサザエ」と答えていた。
それは、小さな入江にあった。
目の前にビーチが広がるまさに「ウォーターフロント」にドーム型テントが建ち並び、その中心にサウナ『SAZAE』がシンボルのように佇んでいた。
写真や映像で何度も何度も見ていたが、実際に目の前にすると、想像を超えた圧倒的なインパクトで驚いた。
サザエの外殻に着想を得たという特徴的なフォルム。細かいひだひだが陰影を作り、地面には柔らかい曲線を描く影を落としている。緑の木々と鱗のような雲と青空をバックに建つその姿は、実に美しかった。
心を弾ませながら、巻貝の中へ。
内部には、思わず声を上げてしまうような世界が広がっていた。
天辺に空いた穴から光が差し込み、曲線と曲面で構成された神秘的な空間を照らしている。
「マジすか、これ! 凄すぎますよ、眞田さん」
「これは、CNC加工した28㎜厚の合板を150段積み重ねてあるんです。
5000ものパーツを精密なパズルのように組み合わせてこの曲線を生み出しました。
こう見えて壁の厚みは平均450㎜くらいになっていて、断熱性・保温性もしっかり担保しているんです」
止まらないオーナーの眞田さん。
解説をしながら、ロウリュをしたり床に水を撒いたりして、湿度を調整してくれている。
オーナー自らがコンディションをととのえてくれるという贅沢。おかげで温度と湿度のバランスが最高。めちゃくちゃ居心地が良くてびっくり。
ベンチの座り心地も抜群。ひだが体の曲線に馴染んで、座ると寝るの中間みたいな絶妙なスタイルになるのだ。
内部の開放感も素晴らしい。
上部が高く抜けているからなのだが、普通に考えれば熱は上部にたまるわけだから、こんな天井は絶対にタブー。
写真を見るたびに「こんな造りで、サウナとしての機能は本当に大丈夫なのかな」と半信半疑だったのだが、このコンディションはお見事。
「上部の開口部から空気を押し出して、下から引っ張ることで強制換気を促すオリジナルの吸排気システムをつくったんです。環境シミュレーションも駆使して……結構お金かかりましたけどやってよかった」と眞田さん。
デザインのみならず、システムまで画期的。脱帽です。
夜は、肉と海鮮のBBQを食べて、焚き火を見ながらコーヒーを飲んで。その後少し散歩して、現代美術家・大竹伸朗さんが手がけたエキセントリックな作品・直島銭湯「I♥湯」でひとっ風呂。
グランピングドームのフカフカのベッドで眠り、起きたら再びサザエに入り、朝ならではの優しい熱で蒸される……。
満足感、幸福感は、もはや異常レベル。
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- 2020.10.13 03:48 ととのえ親方
- 2020.10.13 03:53 ととのえ親方
- 2020.10.13 03:56 ととのえ親方
- 2020.10.13 09:25 ととのえ親方
- 2020.10.16 17:25 眞田 祐作
- 2022.10.30 17:41 OS
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- 2022.10.30 18:00 OS
- 2022.10.30 18:03 OS
- 2023.01.31 13:19 キューゲル
- 2023.05.31 11:14 眞田 祐作
- 2023.05.31 11:28 眞田 祐作