これぞドイツの真髄！アウフグースの殿堂「SATAMA」はすごかった
2023年にドイツで行われた国際サウナ会議にサウナイキタイが日本代表として参加してきたことをきっかけに始まったドイツのサウナ連載。
日本でも急激に人気となっているアウフグースは、もともとドイツ発祥のプログラム。アロマの香りと蒸気をタオルで仰ぎかけるのはもちろん、音楽や舞を組み合わせてショー化しているのも特徴です。2022年からは日本勢も世界大会に参加するようになり、一層盛り上がりを見せています。
※注：撮影不可につき、施設の画像はSATAMA SAUNA RESORT & SPA公式サイトより引用させていただいております
まいど！ お世話になっております、SaunaCamp.大西洋です。本日はベルリン郊外にある「SATAMA Sauna Resort & Spa」に来ております。ここは2023年アウフグース世界大会の会場に選ばれたサウナ施設。日本からの参加を考えている方もいるのではないでしょうか。
2023年アウフグース世界大会の会場
SATAMAはベルリンから車で１時間ほどの郊外にあります。シャルミュツェル湖に面している自然豊かなリゾート施設で、９つのサウナやスチームルーム、プールやレストランを楽しむことができます。
入り口でタイムスケジュールをもらうと、朝から夜までアウフグースプログラムでびっちり！平日も土日もほとんど変わらずこのプログラムを行なっているのか…。さすがアウフグース大国ドイツが誇るトップ施設。期待で胸が膨らみます。
200人を収容できる、圧巻のサウナシアター！
バスガウンで庭に出ると、絵に描いたような楽園が広がっていました。サウナから出てモクモクと湯気をあげる人、プールで泳ぐ夫婦、レストランで談笑する親子、みんな心からリラックスしているのがわかります。おおらかな雰囲気、たまりません。ぐるっと一回りして、最大の目当てであるアウフグースを体験しに、施設最大規模を誇る「ドリームマジックコテージ」へ向かいます。
でかい。なんだここ。小ぶりな日本武道館か…？入り口付近にバスローブをかけるフックがあり、番号がふられています。末尾の数字はなんと「200」。ヤバすぎる、このサウナ200人も入れるのか…。ちょっと想像できずクラクラしたまま、列の最後尾に並びます。
中へ入ると、左右に座席があり、中央に巨大サウナストーブが鎮座しています。最上段付近は熱いせいか埋まるのがゆっくりで、中下段が人気の模様。バスタオルを敷いて席を確保してスタートを待ちます。後から来たマダムに「少し詰めてくれる？」なんて話しかけられていると、みるみるうちに座席は超満員。巨大サウナを埋めつくす全裸の老若男女200人。圧巻の光景です。
時間になるとゆっくり扉が閉じて、音楽がスタート。
ダウ ダウ！！！
響き渡る超絶な大音量…これは…ボン・ジョヴィだ…！イッツマイライフだ…！！堰を切ったように湧き上がる大歓声。「ウォオオオ！！」という地鳴りのような人々の声、ビィイイイと空を裂く誰かの指笛。
ダウ ダウ！！！
誰からともなく、大きな手拍子が始まる。割れるような歓声、レーザービーム。手拍子。一体ここはどこなんだ！？始まるのはロックバンドのライブなのか！？
扉が開く。ローマの剣闘士のような男が、片手に盾、もう片方の手に、燃え盛るたいまつを持っている。
「燃えてる！燃えてるよ！！」と思わず声がでてしまう。
ゆっくりと階段を降りてくる男。おもむろに中央のサウナストーブへ近づいていく。たいまつを一振りすると、サウナストーブ横から出ていたガスへ「ボウッ」と火がつき、なんとサウナストーブの両脇に炎が立ち上った。なんだそれ！！ヤバすぎる！！B'zなのか！？
ほどなくして今度は、女性のアウフギーサーが入ってくる。
アラビア風のドレスに身を包み、妖艶さで観客を魅了したかと思うと、キューゲル（球状のクラッシュアイスにアロマを含ませたもの）をストーブに置き、蒸気をあげる。すぐさま新体操のリボンのようなアイテムを取り出し、客席へふわふわと風を送り始める。オーロラ色に輝くリボンがはためくたび、やわらかな蒸気が客席へ降りてくる。
おぉ…しっかりと風を感じる…気持ちいい。たおやかな仕草もあいまって、うっとりした心地になってくる。
曲が変わり、今度は男のターン。キューゲルを置いたかと思うと、凄まじいスピードでタオルを豪快に振り回す。信じられないスピードとテクニックに、客席は大歓声！！
熱もすごい、小劇場はあろう巨大な空間の隅々まで風が届き、汗が噴き出してくる。最後は中央サウナストーブの端からタオルをフリスビーのように投げて、女性アウフギーサーにキャッチさせる離れ業で大拍手をかっさらった。
止まらない大歓声！凄まじい…SATMAはこんなヤバいプログラムを、毎日のようにやっているのか…！
200人もの全裸の男女がブチ上がり、大音量のミュージックに合わせて豪快に振られるタオルで風を感じ、汗をかく。カルチャーショックの暴風を受け、シャワーを浴びたあと、しばらく動けなくなるほどだった。
各サウナで多様なアウフグースを楽しめる
この日ぼくらが体験したのは、アウフグース世界大会2022年に7位を受賞したペアのショーでした。各地を巡業して実力をつけたアウフギーサーがSATAMAで腕前を披露し、精度を高めていく。彼らにとってもここは大切な勝負の場なんだなと感じました。
SATAMAではドリームマジックコテージ以外でも、ロシアンバーニャ、塩サウナなどでそれぞれ趣向を凝らしたプログラムを行なっています。アウフグースを受け、ソルトプログラムを受け、ロシアンバーニャのショーを楽しんで、食事をとって、次のアウフグースへ。そんな風に過ごしていると、あっという間に１日が過ぎていきます。ここはしっかりと時間をとって楽しむのがオススメです。
ドイツの風を本気で感じるならここ
ベルリン近郊にはいくつか大型スパ施設もありますが、愛好家からすると「ドイツ全土を含めてもSATAMAのアウフグースはピカイチ」という声も少なくありません。豪華な施設やサービスが良いサウナは他にもありますが、サウナとアウフグースのレベルの高さにおいては右に出るものがないという評判のようです。
アウフグース世界大会の予選が初めて日本で行われた2022年は、日本におけるショーアウフグース元年といえるでしょう。大会をきっかけに魅力に触れた人は少なくありません。
もしいつかドイツで本場のアウフグースを体験したいと思っている方がいたら、SATAMAを訪れれば大きな感動が待っているでしょう。熱心なファンでなくても、カルチャーショックを受けること間違いありません。あぁ、もう一回浴びたいなあの風！！
おまけ
SATAMAの廊下に飾ってあった、特別なアウフグースショーの歴史写真を一部紹介します。おそらく何かコンセプトがあって行われているのですが、説明が無いので状況がさっぱりわかりません。奥深いですね、ショーアウフグース。想像を膨らませながら眺めてみてください。
SATAMAのショーアウフグースはドイツ全土でも屈指のレベル
どういう状況か一切わからないので知ってる人いたら教えてください
とにかく空間が広すぎるので、効率よく撹拌するためにタオル以外のアイテムが使われることもある
アウフグース・アベンジャーズ感がすごい
プロポーズと変質者の温度差で交代浴ができそう。本場のアウフグースは奥が深すぎる
記事の感想をいただけると
次回の記事の励みになります！
記事を書いた人
「キャンパーをサウナに、サウナーをフィールドに」がテーマ。テントサウナが楽しすぎるので勝手に布教しています。みんなアウトドアでサウナしよう！
