鷲の湯
銭湯 - 神奈川県 横浜市
銭湯 - 神奈川県 横浜市
京急子安駅を降りた人達は黙々と出口へ歩き、寂れたホームには俺だけが残された。
地下通路を通って改札を抜けると、また別の地下道が現れる。住んでいる方には申し訳ないが、場末な雰囲気を通り越して恐怖感すらある。
このまま裏道を歩くのかと幻滅しかけた俺の前に、商店街の入口が忽然と姿をあらわした[写真]。
名前から察するに、はるか先のJR大口駅まで続いているらしい。
夜分ゆえ大半はシャッターが下りていたけれど、生きた商店街が残っているとは嬉しいかぎり。
やがて国道1号線に出て、左手に煌々とかがやく銭湯のネオンが見えた。
昨日のスパメッツァの衝撃が尾を引いている。
スパメッツァを覚えてしまったせいで、普通のサウナに満足できない贅沢ペンギンになったらどうしよう。
漁師の家に生まれ、毎日美味しい魚を食べていた先輩は、スーパーで買った魚が不味くて食えないという。
難しいことを考えるのは後だ。とりあえずお風呂!
銭湯基本料金500円+サウナ100円。カウンター横の自販機で買い求める。
脱衣場のロッカーは100円か。銭湯では珍し……ん? 無料とコイン式が混在している。
それなら無料のを使わせてもらおう。
浴室(森林の湯)は銭湯にしては広く、マンション型なのに露天風呂もある。ほのかに黒湯の匂いもする。俺はこの湯が気にいった。
サウナ室は10人が限度かな。
常連さんが汗ロウリュをかますなど、マナー的には無法地帯なのにサウナ環境は非常に良い。
理由は後述する。
水風呂は……おお、黒湯だ。水温21℃
サウナ室が熱く水風呂がぬるいとき、水風呂に長時間浸かってクールダウンしてから休憩をとると意識が飛ぶ。
といっても外気浴はもとより休憩用の椅子は無い。みんな湯舟の縁に腰掛けている。
タトゥー率とマナーの関係を調べるつもりは無いけれど、総じてマナーは良くない。
水風呂で潜るなは守る人の方が少ない。浴槽が満員になっても譲り合いの精神なんてものは無い。
でも、これが銭湯の良さだ。
スパメッツァがハレの日を楽しむお風呂だとしたら、銭湯はゲタ履きの日常を洗い流すためのお風呂だ。
一回の非日常は千回の日常に支えられている。日常無くして非日常はありえない。
午後8時、鷲の湯のエプロンを付けたおばさん2人がサウナマットの交換に来た。
作業を観察してみると、一枚ずつそれはもう丁寧に敷き詰めている。
年季のわりにサウナ環境が良い理由がわかった。
日常サウナを支えるおばさん、頑張ってください。
〜
おおたかも良いし、鷲の湯も良い。
鳥のお風呂は良いよなぁ♪
と、ペンギンは思うのだった。
歩いた距離 0.5km
男
はい、ぬるくて黒湯でした。かなり黒かったので加水などもしていないと思われます。近くて遠い銭湯……周辺に魅力的な施設があると、これといった特徴に乏しい銭湯は足が遠のくものですよね。自宅近くの銭湯も、ご無沙汰しているうちに廃業してしまいました。(サウナは無かったです)
確かにもっとも混在する時間帯でした。客が来なくなってつぶれた銭湯をいくつも見てきたので、銭湯が混むのは良いことだと考えています。秋深まる昼間だと何があるんでしょう……。ちょっと想像できないので興味がわいてきました。
11月には地下水の温度下がるので、17〜18℃位になります。水風呂、炭酸泉、露天の黒湯ループが至福。
なるほど! 地下水サイコー!! これは行かないといけませんね。
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