2021.06.30 登録
[ 熊本県 ]
「財布がない」
まさに受付をしようとした折に、連れがつぶやいた。車にのっているだろうと探せども探せども、見つからない。はじめて3時間コースでの利用を目指して浮かれていたのだろう、財布を探す連れを残して利用することとなったのが昨日。
今日になって湯らっくすとの連絡で財布が見つかったとのことで、なんと2日続けて来館することになった。福岡から1時間と少し、日常的に利用するには少しハードルが高いが、連日での利用はなんとも、贅沢に感じる。しかも昨日は財布を無くした連れを気遣い、レストラン利用を諦めガストでの夕食だったのだ。ガストの唐揚げもうまかったが。
何はともあれ財布を発見したサウナーの方なのか、スタッフの方なのか。大変にありがたい、もしこのレビューをご覧はなっていたらぜひ連絡を頂きたいと思う。世界は、もとい、日本は平和で実に素晴らしい人間性を持った国であると感じる。サウナを題材にした漫画では、世界中の人がサウナーになれば平和になると言っていた。その実感を果たす機会がこうも早く訪れるとは。
2日目も完全にととのってしまった。最高のビールが待っている。
「携帯の持ち込みはご遠慮頂いています。」
温泉施設のスタッフも、大変である。裸の男達がたむろする浴場にこまめに入り片付け、整理、そしてこんな注意喚起まで行わないといけない。目も合わせたくないようなチンピラ相手でも、だ。Kindleを持ち込むようになってしばらくだが、このようなことをよく言われてしまう。しょうがない、遠目に、誰が見てもスマホだと思うだろう。
Kindleを持ち込むようになって、温泉施設での時間の過ごし方は劇的に変化した。時間を持て余してきたというわけでは決してないが、やはりより豊かである。レンタル料をとり、防水Kindleの貸し出しを行えば絶対に流行るのではないか?書籍、漫画等めぼしいものをダウンロードしたKindleを、数百円でレンタル。より良い書籍コンシェルジュのスタッフがいる浴場は女性に人気になったり、、、発想が膨らむ。
サウナの話である。今回初めてであったが、冒頭に述べた通りスタッフさんの管理が行き届いていて、清潔、良治安であった。温泉施設ではなにより重要である。
サウナ室はほどよく暗く広々。アロマのサウナストーンがほのかに香る。テレビがあったが、その点がKindleが解決してくれた。読み込んでいるとテレビは気にならなくなる。
夜のロウリュはコロナ禍のため削減となっており出会えず。
外気浴にも、たくさんの種類、数の椅子が置かれ気持ちがよかった。インフィニティチェアはやはり発明だ。
次回は食事まで狙えれば、と思っている。またこよう、Kindleを持って。
[ 佐賀県 ]
蒸し暑く、生ぬるい風吹く日曜。昼過ぎから動き出し少しの仕事を済ませた後、待ちに待った日曜日。縁あって訪れた。分相応という言葉があるが、普段はそんな馬鹿らしい謙虚さなぞ一笑にふすどうしようもない筆者であるが、今回ばかりは身の丈に合わないと言わざるを得ない。
実は私をサウナにハメたきっかけになったのがこのらかんの湯である。初見から、あまりにも有名なこのサウナのことは、さすがに耳にしていたが5度目になる今回、やはり”段違い”である。
私は人様のサウナ業を論じる様な、いわゆる評論家でもなければ、サウナーであるなど軽々しく口にはできない。しかし、五感は正直。憶測やうがった目でサウナを批評する自称プロサウナーの方々には、ここで一度ととのって、ただ眼前の快感に感謝する気持ちを取り戻して欲しい。
みなさんが沢山の投稿の中で解説してくれているため詳細は省くが、文句なしの至高の体験だ。研ぎ澄まされ、削ぎ落とされ、まるで生まれ変わったかのような、そんな心にしてもらえる。サウナというひとつの人間の文化、生活、それらを日本の風土の中でこうも的確に落とし込めるものなのか。
本日はKindle持参で蒸さる。
『ご笑納ください-私だけが知っている金言•笑言•名言録』高田文夫著
「人生、下り坂最高」-火野正平
上り詰めないと、下り坂の良さはわからない。とのこと。登りつめたいものである。そして最高の下り坂を味わいたい。
[ 熊本県 ]
様々なサ活レビュー、投稿を見て思ったのだが、サウナーというものは評論家なのか?はたまたコンサルタントだとでもいうのか?
筆者は、初めてサウナにハメられてからまだ日が浅い。偉そうなことなぞ何も言えない。要望や批評をぶつけつづけることでより良い施設になることもあるのかもしれない。
しかし、劣悪で残念なサウナ体験の大きな要因は人によることが多い気がする。マナーの悪い客や、騒がしいグループ。施設がどれだけ良くてもそれは変えられない要素である。他に影響されない、より深い”サウナ業”を会得したいものである。
前置きが長くなった。
七城温泉ドームは自宅から1時間圏内にある温泉施設であり、筆者は今回2度目。
綺麗なサウナマットに、十分に広い三段構えのサウナ室は熱圧バツグン。座面は耐候性に優れるリブ溝入りのウリン(セランガンバツか?)で少し硬く感じるが、清潔感があって良い。
水風呂は22℃と16℃の2種が用意され、二段階冷却が可能で、滝の様に水が落ちる箇所ではしっかり刺激的な冷たさを味わえた。
露天ではしっかりと自然の風を感じる素晴らしいサウナ体験であった。この施設が素晴らしいのは、老若男女、地元に愛される優しい空気感を纏っていること。なにせ建物には郵便局がひっついているのだ、ローカル臭においては右に出るものはない。
スタンダードかつ、思いやりの行き届いた施設は心底からの安らぎがある。
男
[ 福岡県 ]
雨上がりの蒸し暑い朝。けたたましく繰り返し鳴り響く電話。また新たな1週間が始まったと満ち満ちていた。と同時に月曜だからとどうしようもない電話対応に追われ辟易し、昼食を取る頃には、すでに体がサウナを渇望-まさに読んで字の如くである-していた。
天拝の郷は、少し昔、春日市に居を構えていた時分何度も世話になっていた。当時はまだサウナを一種の拷問のようにも捉えており、その悦楽なぞ知る由もなかったのである。懐かしくも、話題になっていたこの浴場に、遠く足を運ぶことになったのはまさしくサウナのおかげでもある。どこかノスタルジックな感情に浸りつつ向かったのである。
新設されたセルフロウリュサウナは、低い天井に輻射板が張られ、ひとたびロウリュを行えば容赦のない熱波が頭から浴びせられる。筆者は身長が190センチ近くあるため、立ち上がるとさらにその恩恵に預かることができる。
壁面は香りよく耐久性の高い米杉のパネリング材で仕上げられ、上質である。なんといっても、柔らかに脳に響く、荘厳な太鼓の音色。太宰府からほど近いこの場所だからこその文脈が感じられ、かつてない没入感を得た。音により誘われる快感は唯一無二である。下賤なテレビなぞ必要ない。あまりに気持ちよく、この日の全てのサウナ浴はこちらのセルフロウリュサウナのみを利用した。メインサウナは次回に持ち越しだ。
水風呂は浅いもののしっかりと冷たく、曲線を描く浴槽形状が柔らかく背を包んでくれた。外気浴までの動線も短く、サウナ前の慌ただしささえ心地よく感じたものである。
この浴場、最高にして至高である所以は間違いなく外気浴が大きく寄与する。
筑紫野の街を見下ろす絶景。吹き抜ける風。サワサワと鳴る自然のオーケストラ。筆者は佐賀県の鬱蒼とした山の中で育った経験から、自然の力を存分に味わえる外気浴は、より一層五感を震わせられる。
三度、12分、快楽のその先へ問答無用で追いやられた。拙い筆者のサウナ経験値ではあるが、うならせるに十分の良質な浴場である。泉質も良く、再訪は確実である。
あぁまた1週間がはじまったのだ。しかし今の私にはサウナがある。逃げ場所ではない。セーブポイントではあるが、決して逃げているわけではない。
男