汗蒸幕のゆ
温浴施設 - 宮城県 仙台市
温浴施設 - 宮城県 仙台市
日曜日 晴天 通常利用
館内滞在時間 13:30 〜 15:55
入泉時間 昼の部 13:35 〜 15:20
入泉プログラム
昼の部 (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 中ジョッキ2杯
本日の昼サ飯 ユッケジャンチゲ(ハーフ)
本日のメインディッシュ 〝生命の神秘〟
16歳の夏に初めて幕を破って以来、およそ四半世紀ぶりの除幕式を迎えた。「はんじゅんまくのゆ」このフレーズだけで下半身が、ととのってしまいそうになる。
旅行気分で山形駅からローカル列車にクラフトビールを買って乗車したが、周囲には地元の学生ばかりでビールを飲んでいる浮かれた乗客など誰もいない。まるで山手線でカップ酒を飲んでるくらいに場違いで、慌てて一気に飲み干した。山間部を走る仙山線からは幾つもの滝が見え、標高の高い場所では根雪が残る美しい景色に感動して北仙台に着いた。
最寄り駅からタクシーで向かった憧れの地「汗蒸幕のゆ」は、思い通りの韓国テイストな外観で出迎えてくれた。フロントスタッフの丁寧な説明を受けて、楽しみにしていた浴室へと足を踏み入れた。三種類あるサウナの攻め方を考えながら、身を清めてから内湯で温浴を終えた。
長男気質で最後に楽しみを残しておくタイプなので、まずは馴染みのあるロッキーサウナに入ってみた。フィンランド産天然石を積み上げたサウナストーブに落ちる、オートロウリュの蒸気が快適な空間を作り、保たれた湿度の中で汗が次第に溢れ出す。絶えず水が流れ落ちる水風呂と外気浴を挟んでから、韓国式に寝転んで入れる黄土サウナで横になると、眠ってしまいそうな居心地の良さだった。
そして、いよいよ待望の汗蒸幕の幕開けの時を迎えた。狭い入口から頭を下げて入ると、圧倒的な天井高のあるドーム状の空間が広がっていた。イスに腰掛ける人あれば、床に直に座る人もいる。都内はおろか日本中でも見た事のない、オンドル石で組まれた汗蒸幕の天井を見つめながら生命の尊さを感じていた。
その避妊具のような特異な形状をした空間の中で、この世に生を受けられなかった16歳の夏の遺伝子たちに想いを寄せた。確実に生命を与えられた自分の幸運を感じながら、生命の尊さを考えずにはいられなかった。
まるで絹の川のような人生の流れの中で、いかなる時も生命の大切さを思い出させてくれる場所こそが「はんじゅんまくのゆ」であると知った、仙台の昼下がりだった。
これで日本一周まで残り14府県
男
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