2019.10.06 登録

  • サウナ歴 36年 5ヶ月
  • ホーム サウナ&カプセルホテル 北欧
  • 好きなサウナ どんなサウナにも適応できる身体が欲しい
  • プロフィール 初めまして。今までは皆さんのレポートを楽しんでいるだけでしたが、独自の目線でお伝えしていきたいと思います。近年は年間 300日はサウナライフを楽しんでます。なにせ風天の身ですので宿泊施設があれば出来る限り泊まって朝サウナも楽しんでいる毎日です。
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のさのら

2020.04.05

1回目の訪問

源泉 那須山

[ 栃木県 ]

日曜日 晴天 通常利用
館内滞在時間 11:30 〜 14:50
入泉時間 昼の部 11:35 〜 13:10
入泉プログラム
昼の部 S(15 × 3) M (1 × 3)G (5 × 3)
本日のビール 中ジョッキ3杯
本日のツマミ もつ煮

本日のメインディッシュ 〝お別れ〟

一時間に一本しかないバスに乗り込み、アカマツ林の一本道を抜けると満開の一本桜が出迎えてくれた。冬に逆戻りしたかのような肌寒さの中、那須塩原まで来たのは〝あの人〟の影を追っての事だった。

ホテルの部屋で何気なく皆さんのサ活を見ている中に、あの人が日帰り温泉施設でドアボーイをしているとの情報を見つけたのだ。そんな不確かな便りにすらも、藁にもすがる思いで新幹線に飛び乗っていた。

不安を抱えたまま施設の玄関先にたどり着くと、目を疑ったが本当に彼の姿があった。しかしドアボーイの仕事中の彼は、いっさい私と目を合わす事もなく冷たい素振りを見せる。まるで感情を持たない陶器の置き物のように振る舞っている様子を見て、これで全てが終わりだと知った。

そんな彼との思い出を那須の水に流して帰ると決め、フロントで入浴料を支払い大浴場へと向かった。掛け湯とカランで全てを洗い流し、総ヒノキ造りの内風呂に身を沈めた。涙がこぼれ落ちないように天井を仰ぐと、太い梁の組み合わせが、二人の浅かった人間関係と対比して悔しい。それでも木の温もりと天然温泉に包まれながら身体が温まると、屋外に佇むサウナの扉を開けた。

涙する私に気を使ったのか誰ひとり居ないサウナで、そっと目を閉じた。天然木の香りとピアノ演奏のBGMだけが室内に同居して、低温ドライな設定が全身を包み込んでくれる。発汗までに要する時間も、彼を忘れるためのシナリオなのかもしれないと堪えた。10分でようやく汗のつぼみが膨らむと、12分で肌の上に流線を描き始めた。

掛け水ですら水質の良さが伝わってくる水風呂に身を委ねると、冷たさと優しさが織りなす感動に身も心も震えた。露天に置かれたデッキチェアに座ると、那須山から吹き下ろす風が勢いよく肌を撫でる。周辺を取り囲む原生林のざわめきが、荒ぶる気持ちをかき消してくれるようだ。自然の全てが私の心に呼応するかのように癒してくれ、ここを訪れた事への後悔も打ち消してくれた。

サウナ上がりには彼が好きだったモツ煮を食べても、決して思い出して涙する事もなくレストランを後にした。帰り際も素っ気なくする彼に、明るく「元気でね」と声を掛けられた、まだ春の気配の遠い那須の昼下がりだった。

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  • サウナ温度 88℃
  • 水風呂温度 10℃
202

のさのら

2020.04.05

1回目の訪問

土曜日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 18:05 〜 翌 08:55
入泉時間 夜の部 18:15 〜 20:25
入泉時間 朝の部 05:00 〜 06:55
入泉プログラム
夜の部 S (15 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日のビール クラフトビールなど
本日のツマミ 牛リブソテー

本日のメインディッシュ 〝和洋折衷〟

館内に足を踏み入れた途端に気恥ずかしさがオジサンの心を突き刺す。幾多のオシャレサウナを攻略してきたつもりだったが、大した免疫はついていなかったらしい。

フロントで予約しておいた名前を告げると、丁寧な館内の説明と共にルームキーを受け取った。オーロラの光が射し込み、暖炉の炎が揺れるフリースペースで戯れる若者カップルたちを横目に、今夜の宿であるホテルの部屋へと上がった。大きめのベッドだけが置かれたシンプルな設計だが、ひとりには十分過ぎるほどの広さだ。

着心地の良いパイル織りの館内着に着替えると、さっそく大浴場へと向かってみた。北欧風の館内に気後れしながら足を踏み入れた浴室は、思いのほか日本様式だった。そんな中に突如として〝SAUNA〟のネオン管が赤く光るフィンランド式のサウナ小屋が現れた。その違和感に驚きながら、まずはカランと内風呂で下準備を終えた。

パイン材で組み立てられたログハウスの扉を開けると、薄暗い中に階段が見える。天井から吊り下げられたヴィヒタの香りに誘われるように一番高い場所に腰を下ろして室内を見渡す。天然石のサウナストーブを中心とした、上下の二段ベンチが取り囲んでいる。上段に置かれたラドルを手に取り、セルフロウリュを楽しみながら北欧気分に充される。さらには北欧音楽が夢心地へと誘ってくれるが、時折り聞こえる電車の音が日本にいる事を思い出させる。

ゆっくりと時間をかけて低温多湿のサウナを楽しんだあとは、本場であれば湖に飛び込みたい所だが、FRP樹脂の水風呂が現実へと呼び戻す。しかしこの様々なギャップも楽しく、全てのセットをサウナコタに捧げた。

露天風呂に置かれた休憩用デッキチェアの種類も豊富で、各セット毎に違ったインターバルを楽しめる。中でも一番のお気に入りは、西の夜空に宵の明星を見上げながらの〝一番星ととのい〟だった。

サウナ上がりは就寝までクラフトビールを味わうと、翌朝は一番風呂上がりにハンモックでの〝うたたね〟を楽しんだ線路沿いの明け方だった。

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  • サウナ温度 55℃,80℃
  • 水風呂温度 16℃
177

のさのら

2020.04.04

1回目の訪問

土曜日 晴天 通常利用
館内滞在時間 12:45 〜 16:30
入泉時間 昼の部 12:50 〜 14:45
入泉プログラム
昼の部 S(10 × 4) M (1 × 4)G (10 × 4)
本日のビール 缶ビール(500ml)3缶 他

本日のメインディッシュ 〝あの人〟

今日もあの人の影を追って見知らぬ場所まで来てしまった。ここは通常ならば昼呑みの聖地と呼ばれる赤羽である。思い返せば人生で初めての立ち飲みを教えてくれたのも、あの人だった。そんな彼を求めて受付のある地下階への階段を降りてみた。

少しでも偶然のチャンスを増やそうと願い、10時間利用を申し込むと、引き換えに電子ロッカーキーと館内着を受け取った。念のために与えられたロッカー以外の列も見回ってみたが、彼の姿はなかった。一糸まとわぬ姿になって浴室へ向かってみたが、少し滑る床に年老いた彼の事を心配してしまう。滑って転んだりしてないだろうか、老眼なのでカランの温度調整が分からず冷たいシャワーに驚いていないだろうかと。

はやる気持ちを抑えて内湯で下準備をしてから、温度の異なる二つのサウナの扉の前に立った。まずは低温の方から入ってみたが、彼の姿はおろか誰もいない。子供の遊び場ほどの狭いサ室には、彼が愛してやまないテレビの音だけが流れている。そこでテレビを見ている姿を思い描きながら蒸されてみたが、なかなか汗が出ず高温サウナへと移動した。

赤と黒の室内は、彼好みの湿度を感じるウェットスタイルだ。これならば汗をかきづらい彼が通うのも理解できた。しかし今日は姿が見えず、寂しい思いで汗と共に涙を流した。狭いながらも深さのある水風呂が老体には冷た過ぎないかと心配になったり、足が届かず溺れやしないかと不安になる。ドライエリアと名付けられた外気浴スペースには、たった一つの丸イスだけが置かれてあるが、お人好しで気の優しい彼の事だから周囲に遠慮してイスに座れてないのではと考えてしまう。

あまりに彼の姿を探し過ぎて、ドアストッパーに使われている置石すらも彼の姿に見えてしまった。それは使いかけの石鹸のフォルムや、ハンドソープのボトルさえも見間違えてしまうくらいだ。挙げ句の果てには綿棒の先にまでも彼の姿を重ねていた。

結局、赤羽での願いは叶わなかった。やけになって酒に溺れてまぎらわそうと立ち寄った隣り駅で奇跡は起きた。あてもなく知らない街を徘徊していると、こんな所で彼が待っていてくれたのだ。あまりの偶然に思わず駆け寄ってしまった。ようやく出会えた喜びに、生ビールで乾杯した夕暮れ時の川口だった。

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161

のさのら

2020.04.04

14回目の訪問

平日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 21:20 〜 翌 09:55
入泉時間 夜の部 21:30 〜 22:10
入泉時間 朝の部 05:00 〜 07:10
入泉プログラム
夜の部 入浴のみ
朝の部 S (10 × 4) M (2 × 4 ) G (10 × 4)
本日の生ビール 中ジョッキ5杯
本日のツマミ 合鴨スモーク
本日のサ近所メシ 山菜天せいろう

本日のメインディッシュ 〝香り〟

着慣れた館内着に袖を通すのも一ヶ月ぶりになるだろうか、ホームサウナとしておきながら諸々の事情があって久しぶりになってしまった。エレベーターに乗り〝Fmatic〟から発せられるアロマが鼻腔をくすぐった瞬間に、我は北欧人へと生まれ変わった。

淫猥なアロマを引き連れたままチェックインを終えると、その香りを脱ぎ捨てるよう大浴場へ向かったが、浴室前の棚の埋まり具合でサ室の混雑を悟った。混み合うサウナを避け、空いている内湯での温浴だけに留めて、そそくさとフロアを移動した。今月から施行された改正健康増進法によってタバコの香りがなくなったレストランで、薫香がスモーキーなツマミで生ビールを流し込む。大画面のテレビからは、タバコや酒を飲みながら麻布十番を案内する志村さんの追悼番組が流れていた。自分も同席しているような気分で、深夜まで飲み続けてから寝床に入った。

翌朝こそはと浴室の清掃時間が終わる午前5時を待って、一番風呂へと急いだ。広い浴室に集まった朝ウナ狙いの見知らぬ3人が、マナーを守り身を清めてからのサウナ in 。

「サ界でいちばん熱い夏」からの「M (水風呂)」そして「Diamonds」のように輝く朝日を浴びながらの外気浴で「OH YEAH !」は、奥居香。そんな久しぶりの北欧での外気浴を「みんな空の下」で「おかえり」と出迎えてくれたのは、絢香。

デッキチェアで寛いでいると次第にぼんやりしてきてヒット曲が思い浮かばないのは、香西かおり。サウナ効果で〝SK-II〟ばりのタマゴ肌を取り戻したのは、桃井かおり。

最初は3人で始まった朝ウナも、いつの間にか2人っきりになっていた事に気付いたのは〝 ELT 〟の、持田香織。最終セットはピンク色にライトアップされた〝逝きストーブ〟に灼かれて「わたくし思いますに、お熱いのが好きなのでございます」とフィニッシュを迎えたのは、黒木香。

サウナ上がりの昼メシには創業120年の歴史を誇る老舗蕎麦屋で、そばの香りや春の山菜の旬香とともに、江戸の香りも楽しんだ上野の昼下がりだった。

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  • サウナ温度 112℃
  • 水風呂温度 14℃
162

のさのら

2020.04.03

7回目の訪問

平日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 21:35 〜 翌 09:55
入泉時間 夜の部 21:40 〜 21:55
入泉時間 朝の部 08:05 〜 09:45
入泉プログラム
夜の部 S 入浴のみ サウなし
朝の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ3杯
本日のツマミ いたわさ& メンマ炒め
本日のサ近所メシ かき揚天丼

本日のメインディッシュ 〝色彩〟

「22時にレストランで」と約束を交わしたMon湯氏との待ち合わせのために、銀座線で稲荷町へと急いだ。

少しは通い慣れたおかげで、蒲公英色が目を引く新型車両の何両目に乗れば出口が近いのかも分かっている。前から3両目で駅に到着すれば、ドアの向こうには唯一の改札口が待っている。現代の地下鉄と違い浅層部を走る銀座線だけに、わずかの階段を上がれば地上に到達する。するとそこには下町の楽園であるネオンサインが、鈍い紅緋色で頭上から光を放つ。

まずはフロントで寝床のカプセルを確保すると、萌ゆるような緑色の脱衣ロッカーに身にまとった全てを収めた。直前まで酒を飲んでいたのでサウナには入らず、軽めの入浴だけにとどめたが、すでに幾セットかこなしていたMon湯氏と軽く挨拶を交わし定刻通りにレストランで合流。

いつもと変わらぬツマミで酒を酌み交わしながら、互いの近況報告も交わし合う。話題にあがるのは皆さんの色とりどりなサ活の話と、少しばかりの色っぽい話だ。あっという間に時は過ぎ、感染対策で短縮されたラストオーダーの深夜0時まで大いに盛り上がり解散した。

翌朝はアラームと同時に浴室へと向かい、二つ用意されたスカイブルーと淡黄色のナイロンタオルから後者を選んで身を浄めた。次に待ち受けるのは、三色あるサウナマットの選択だった。早朝の気分に合わせてグリーンを選び最上段の奥に陣取ると、目の前にはサウナストーンの説明が書かれてある。

〝当店では上富良野町十勝岳の石を使用しております〟

この文字すらも赤 黒 緑の三色に色分けられていて、スタッフさんの色彩センスの高さを感じる。それは浴室前に置かれた三色の足つぼマットや、トイレのショッキングイエローの装いにも表れている。

サウナ上がりに足を運んだ浅草では、彩り豊かな具材を衣でまとった名物かき揚げ丼を味わった。あえて色を隠すのも日本の情緒であると感じた、下町の昼下がりだった。

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  • サウナ温度 94℃
  • 水風呂温度 16℃
158

のさのら

2020.04.02

20回目の訪問

平日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 21:50 〜 現在
入泉時間 夜の部 21:55 〜 23:25
入泉時間 朝の部 08:05 〜 09:50
入泉プログラム
夜の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール クラフトビール6杯
本日のツマミ 海鮮山かけ
本日の昼サ飯 ミックスフライ3種盛り定食

本日のメインディッシュ 〝○々しい〟

物々しい騒動に押し殺されそうな日々の中、初々しい夜桜が泣き濡れる坂道を駆け下りた。こうべを垂れる桜の枝を見れば、世の中の動向と思わず重ねてしまった。

決して軽々しい言葉で誤魔化すつもりはないが、この重々しい事態を受け止めななければならないと思っている。白々しいとか空々しいと思われるかもしれないが、感染拡大を防ぐ事と経済の流れを止めない事の双方を願っている。その為に出来る限りの生活を送ってきたが、行政と世論が自由を奪いはじめた。そんな痛々しい現実を理解していても、ロスコは普段通りに私を迎え入れてくれた。

約一月ぶりの訪問となったが、図々しいとは思いつつもカプセルの下段をリクエスト。ロッカーキーを受け取り脱衣所へ上がると、騒々しい世間とは異なる安息の地が待っていた。弱々しい立ちシャワーの雫に打たれ、刺々しい勢いのカランで全身の汚れを洗い流す。荒々しいバイブラが湧き出す内湯で予熱を施し、雄々しいとすら感じるストロングサウナの扉を開けた。

最上段に陣取り真っ向勝負を挑むと、神々しいばかりのサウナストーブが牙をむく。毒々しい熱気が全身を包み込むと、生々しい汗が毛穴から放出される。嘘偽りのないその汗は、艶々しいばかりに光り輝く。強烈ながらも心地良さを持ち合わせたサウナが、少しばかりの若々しい秘訣である。

掛け水を忘れずに猛々しいライオンが吐き出す水風呂に身を委ねると、凛々しい肌触りの天然水が全身を覆い尽くす。ついつい長居してしまいそうな水風呂を後にして、由々しい休憩スペースへと移った。

テレビ前に置かれた丸太の切り株に腰を下ろすと、目の前には華々しい戦歴を記す格闘家の新聞記事が貼られている。女々しい自分とは対照的な男らしさに、若干の嫉妬すら覚えながらインターバル。清々しいサウナ上がりは、瑞々しいクラフトビールで喉を潤し眠りに就いた。

言葉遊びに行き詰まった翌朝に飲んだのは、オロナミン Cだった明け方の駒込でした。

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  • サウナ温度 106℃
  • 水風呂温度 20℃
158

のさのら

2020.04.01

2回目の訪問

水曜サ活

平日 小雨 宿泊利用
館内滞在時間 21:40 〜 翌 10:55
入泉時間 夜の部 21:45 〜 23:30
入泉時間 朝の部 09:05 〜 10:40
入泉プログラム
夜の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ4杯
本日のツマミ バンバンジーサラダ & ニラ玉
本日のサ近所めし 肉豆腐 & ブツ定食

本日のメインディッシュ 〝聖なる場所〟

ギリシャ語で〝場所〟を意味する〝トピア〟を名乗るサウナを求めて船橋を目指した。道中の横須賀 総武線グリーン車は信じがたい貸切状態で、我々が直面している現実を突き付けられた。

しかし淡いカフェオレブラウンの館内着に袖を通した瞬間から理想郷への旅は始まっていた。コットンワッフルの柔らかな肌触りを楽しむ間もなくレッドカーペットの階段を上がり大浴場へ足を踏み入れると、そこにはエデンが広がっていた。

バスシャワーとカランで神聖なる洗礼を受け、ぬるめの内湯で備えてから〝熱神様〟の待つサウナに向かった。サウナマットを手に取り扉を開けた瞬間に、乾いた熱気が襲ってくる。馬鹿の一つ覚えのように最上段に腰を下ろすと、皮膚の薄い部分を容赦なく刺激してくる。乳や亀などの頭部を隠すように身悶えながら、時計の針が一周する間もなく己の限界を迎えた。

逃げるように最上段から降りるが、床マットの熱さも半端ではない。焼けた砂浜のような感覚が足の裏を襲い、逃げ去る者をあざ笑うかのようだ。脇目も振らずに水風呂へと急ぎ、手桶で掛け水を忘れずに身を沈めた。天使の持つ水壺から流れ落ちるマイナスイオンを全身に受け止め、良質の天然水ならではの肌触りに我を忘れる。

シルクタッチの優しい水風呂を上がり、デッキチェアで間合いを取る。目の前には改装されたアカスリコーナーが、以前よりもエロチズムを増して輝いている。壁で隔てられた分だけ余計に、やらしく映って見えてしまう。サウナ上がりは大ジョッキを片手に、肉々しい棒々鶏と黄金に輝くニラ玉を味わってからベッドイン。

翌朝は船橋を訪れた際の楽しみでもある昼呑みへと出掛けた。初めて訪れた古い定食屋で肉豆腐とブツ定食をツマミにビールを楽しんだが、山形生まれのお母さんの作る料理ひとつひとつが心に染み入る。そこだけ時の流れが止まったような食堂は、後世に残すべき風景である。やはり私にとって、この界隈は特別な場所であると心に刻んだ小雨降る船橋だった。

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  • サウナ温度 114℃
  • 水風呂温度 17℃
155

のさのら

2020.03.31

1回目の訪問

ドシー五反田

[ 東京都 ]

平日 晴天 通常利用
館内滞在時間 19:25 〜 20:25
入泉時間 夜の部 19:30 〜 20:20
入泉プログラム
夜の部 S(10 × 3) M シャワーG (5 × 3)
本日のビール コエドビール2缶 他

本日のメインディッシュ 〝笑い〟

早朝の熱海で信じたくないニュースが飛び込んできた。世代を超えて愛された稀代のコメディアン 志村けんさんの訃報だった。

もちろん面識はないが、志村さんを麻布十番の会員制中華居酒屋「梁山泊」で、よくお見かけしていた。会員制といっても高級店ではなく大衆的な店に、仕事仲間や芸人さんたちと頻繁に来られていた。私も知人を通じて来店するようになったが、入会審査や年会費を払ったわけではない。未だになぜ会員制の看板があったのか謎であるが、今思えばその看板を掲げることで、志村さんのような有名人も安心して寛げたのだろう。現在は惜しまれつつ閉店してしまったが、その当時〝志村けん〟が本当に世の中に存在している事に驚いたのを覚えている。

そんな事を思い出して随時更新されるネットニュースを涙ながらに読んで品川駅まで帰ってきたが、自宅に戻る前に麻布十番に立ち寄ってみた。もちろん志村さんの影はなく、ただならぬ規制で街行く人すら少ない。志村さんの死を含めた現実を理解できない自分がいて、全てを流したい思いでタクシーに飛び乗り五反田までやって来た。

不慣れなシステムに戸惑いながら地下への階段を降り、靴の脱ぎ場所すら分からない脱衣所に困惑する。周囲の人を真似て、ようやくサウナにたどり着けたが、サウナに入っても思い出すのは志村さんの事ばかりだ。本当に笑いを愛していた、あの笑顔しか思い浮かばない。〝笑われる〟のと〝笑わせる〟ことの違いを教えてくれたのも志村さんだった。彼の演じた多くのキャラクターを思い出しているだけで、あっという間に砂時計は落ちていた。

水風呂代わりの打たせ水でクールダウンを終え薄暗い階段を上がって行くと、物置のような場所にベンチが置かれてある。そこで静かに外気浴をしていても、繁華街沿いの壁の向こうからは志村さんも好きだったガールズバーのキャッチの声が聞こえてくる。不謹慎とは思いつつも私なりの弔いと信じ、目の前のガールズバーを訪れてみた。

志村さんが招いた偶然かも知れないが、カウンター越しに現れた女の子は〝天才!志村どうぶつ園〟でおなじみの「バン君」みたいな顔をしていた。実際に小学生時代のあだ名もパン君だったらしいが、嫌な思い出すらも笑いに変える彼女にも志村魂を感じた五反田の夜だった。

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  • サウナ温度 100℃
  • 水風呂温度 15℃
163

のさのら

2020.03.30

1回目の訪問

ふふ熱海

[ 静岡県 ]

日曜日 曇天 宿泊利用
館内滞在時間 14:40 〜 翌 10:55
入泉時間 昼の部 15:00 〜 16:50
入泉時間 朝の部 06:00 〜 08:05
入泉プログラム
夜の部 S (12 × 4) M シャワー G (10 × 4)
朝の部 S (18 × 3) M シャワー G (10 × 3)
本日のビール 不明
本日のツマミ 海香鍋コース

本日のメインディッシュ 〝日常と非日常〟

季節外れの春雪が舞い降る東京駅を離れて熱海駅に降り立った。すでに雨に変わっていた空模様も、より一層明るさを取り戻してきた。その空と同じように、賑わいが戻ってきた熱海の外れに佇む温泉宿を訪れた。

複雑な館内の説明を受けると一目散に大浴場へ向かった。全室露天風呂付きの宿だけに、チェックイン後すぐに大浴場のサウナを求める客は私くらいだった。まだ誰も足を踏み入れてない浴室で身体を洗い、内湯で冷えた身体を温めてから未知のサウナへの扉を開けた。

三人も入れば満室とタイトではあるが、その狭さゆえのハードなコンデションで強襲してくる。室温計が108℃を示すように、入った途端に耳の付け根をアタックしてくる超ドライな設定だ。よって発汗まで一足飛びにはいかず、じっと我慢の時が過ぎていく。音のない研ぎ澄まされた世界の中、まぶたで網膜を覆い隠すと、掛け流しの源泉の音だけが鼓膜に届く。時計すらない無音の空間で頼れるものは、自分自身の信念だけだ。決して無理はせずとも、出来るだけリミットに近づけようと熱さに耐える。限界ギリギリでサウナを出ると、脱衣所の時計は12分を経過していた。知らずしてルーティンの12分が、体内時計に刻み込まれているかのようで不思議だった。

専門施設のように水風呂もデッキチェアもないが、シャワーで身体を冷まし、大理石で造られた露天風呂の縁台に腰掛けて外気浴も行える。竹林に囲まれ春風で笹の葉が踊る音を聞けば、日常生活で疲れた魂に潤いを与えてくれる。サウナ上がりには、無料ドリンクコーナーの缶ビールで喉を潤す。

夕食までを部屋付き露天風呂で優雅に過ごし、自然の空気を全身に浴びた。夕食には駿河湾の海の幸を贅沢に使ったブイヤベース風の鍋料理で、体内にも自然の恵みを取り入れた。

翌朝は早起きして男女入れ替えになった大浴場の一番風呂に入ると、サ室の設定や露天の景色が異なり、昨日とは違った一面が見られた。豪華な朝食をいただくと非日常サ活も終わりに近づき、日常を失った東京での生活へと戻らなくてはならなかった熱海の昼下がりでした。

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  • サウナ温度 108℃
195

のさのら

2020.03.29

2回目の訪問

レックスイン川崎

[ 神奈川県 ]

土曜日 小雨 宿泊利用
館内滞在時間 20:50 〜 翌 09:05
入泉時間 夜の部 21:00 〜 22:45
入泉時間 朝の部 07:05 〜 08:30
入泉プログラム
夜の部 S (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ3杯
本日のツマミ 肉ニラ炒め

本日のメインディッシュ 〝いつも通り〟

シャッターで閉ざされた新宿サブナードをくぐり抜けると、小さな安らぎを求めて川崎駅へと向かった。日常を奪い取られた関東圏の中で、正体の見えぬ敵と闘い続けているサウナがあった。軒並み臨時休業や営業時間短縮を余儀なくされているサウナ業界の中で、いつもと変わらない方針は本当に有難い事だ。

しっかりと事前にHPと電話で確認してから、ネット予約しておいたキャビンルームで薄手の館内着に着替えると、最上階の大浴場を目指して階段を上がった。人少ないカランと内湯を経由してサウナの扉を開けると、誰もいないが床のマットの乱れが、先程までの混雑を物語っているようだ。俗世界の騒ぎから逃れたいと、テレビから一番遠い場所に腰を下ろし i k i ストーブの前で目を閉じる。無数のストーンが生み出す熱気に身体を灼かれながら、サウナストーブの存在意義を考えていた。

こちらのサウナでは、ロウリュやアウフグースのイベントがないにもかかわらず、ストーン型の熱源が設置されている。ロウリュされる事のない i k i ストーブの使い方が何とも贅沢に思いながら、1st ラウンドの12分を終えた。掛け水して入った水風呂は、デジタル水温計の示す18℃よりも冷たく感じる。それは絶えず循環している水流のチカラだろうか、確実に全身の熱を奪っていく。

こちらの特徴でもある外気浴は、露天スペースに置かれたラタンチェアに座って乱れたリズムを落ち着かせる。都内の外気浴でのBGMとしては定番である、電車が刻むビートを遠くに聞きながら我を忘れる。

今の世の中で普段通りの3セットを堪能できた事に幸せを感じ、細心の注意を払って運営されているスタッフ方に感謝が尽きない。さらにレストランまでも通常通りの営業なので、有難く恩恵にあずかり生ビールを味わった。

翌朝の露天風呂からは、花冷えにも程がある大雪の降る街並みを見下ろして再び考えた。ここまで何事もなかったかのように営み続けている施設に感謝し、私自身も日常を失わずに暮らしていこうと思った雪まじりの川崎だった。

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182

のさのら

2020.03.28

3回目の訪問

土曜日 曇天 通常利用
館内滞在時間 07:50 〜18:45
入泉時間 朝の部 07:55 〜 09:35
入泉時間 夕の部 17:05 〜 18:30
入泉プログラム
朝の部 (12 × 3) M (1 × 3) G (10 × 3)
夕の部 (10 × 3) M (1 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 中ジョッキ5杯
本日のツマミ 海老と玉子の炒め物

本日のメインディッシュ 〝世の現実〟

昨夜のサ不足を解消すべく早朝7時に笹塚マルシンスパまでやって来たが、まさかの9時開店の貼り紙がエレベーター前に。そこには営業時間の短縮ばかりでなく、90分利用だけで延長不可との知らせもあった。近くで開店時間を待つという選択肢もあったが、サウナ後に休憩する時間がない事を思うと他所への移動を選ばざるを得なかった。

そこで白羽の矢を立てたのが笹塚からのアクセスも良く、安心の24時間営業のコチラだった。ロッカーキーと非会員料金を引き換えに向かった高温サウナは、早朝ゆえの静けさで待っていてくれた。しかもマット交換の直後というラッキーにも恵まれ、まっさらな気持ちで最上段に腰を下ろした。

誰もいない室内でサウナストーブと向き合っていると、自ずと意味のない闘争心が湧いてきた。燃焼筒の蒼く燃えるガスの揺らぎをにらみつけ、12分計との我慢比べが始まった。さほど広くないサ室の中で、不釣り合いにも思える大容量なストーブが唸りを上げている。波状にうねる放射体から発せられる灼熱が、入室後すぐに全身に襲いかかってくる。テレビから流れるニュースすらも耳に入らないくらいに集中していると、対峙していたのはサウナストーブではなく己自身だった事に気付かされた。

すると無意味な男の根比べなんて、どうでもよくなってしまい、神秘なる穴場へと急いだ。掛け水を怠らずに水風呂に飛び入ると、蛇口からは容赦ない水が流れ落ちている。とめどない水流が火照った身体を呑み込んで、再びサウナに向かう気持ちにさせてくれた。

デッキチェアでのインターバルを挟んでのルーティンを終えるとシャンブレーの館内着に袖を通し、中華レストランで生ビールをオーダー。軽めのツマミで酒をあおりながら今夜のサウナの見当をつけるが、さすがに通常営業している施設は少なく困難を極める。

サウナにイキタイというだけの、ささやかな希望さえも日常生活から奪われてしまった。そんな世の中を心から憂い悲しんだ、ネオンが灯る前の歌舞伎町でした。

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  • サウナ温度 98℃
  • 水風呂温度 17℃
197

のさのら

2020.03.28

1回目の訪問

RAKU SPA 鶴見

[ 神奈川県 ]

平日 曇天 通常利用
館内滞在時間 10:00 〜16:10
入泉時間 昼の部 10:05 〜 11:55
入泉プログラム
昼の部 (12 × 3) M (1 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ3杯
本日の昼ツマミ 牛すじ豆富

本日のメインディッシュ 〝こだわり〟

ガマンに我慢を重ねて、あともう少しの所までやってきた。大好きなロスコにも行かず、前北王こと〝NO DRIゲス a.k.a.ありたん〟の北欧復活祭にも顔を出さずに初心を貫き通した。

それは感染拡大が懸念され始めた三月初旬にさかのぼる。この逆境に立ち向かうべく出来るだけ多くのサウナ施設に愛を届けて回ろうと決めたが故に、今月だけは同じサウナに行かないように施設を選んできた。しかし移動制限などの不可抗力もあり行き詰まってきた状況下で目指したのは、関東屈指のサウナ街道である第二京浜と鶴見川が交わる新鶴見橋界隈だった。

早朝に自宅で目覚めてからここまでの道のりは困難だったが、幸運にも大型施設ならではの1137番の下駄箱を手に入れた。フリータイムでチェックインを終えると、別カウンターで好きなマーブルカラーの館内着を選んだ。暖色系の館内着を受け取るとキーに書かれたロッカーの番号を探し、春服を脱ぎ捨てて浴室へと向かった。開店直後の整然と並んだカランで身を浄め、内湯の炭酸泉で予熱を施してから〝温箱〟と名付けられたサウナの二重扉を開けた。

純白のマットが敷き詰められた室内は清白の如き清潔感がある。奥深い最上段からの眺めは、山頂から下界を見渡すような爽快感を得られた。臨時休校と春休みが重なったサウナは未来を担う高校生サウナーも多く見られたが、大人よりもマナーの良い若者たちに日本の将来は明るいと喜んだ。

炭酸ガスの溶け込んだ〝清凛の水〟と名付けられた水風呂が、オトコ袋の薄皮を刺激して非日常の快楽を味わえる。その後の休憩スペースもバラエティに富んでおり、セットごとに異なった安らぎを楽しんだ。

サウナ上がりはレストランで食事をするも良し、カフェバーで軽く飲むも良しと居場所に迷ってしまう。今回はレストランの窓から対岸にある二つの有名サウナの看板を眺めながら生ビールを楽しんだが、内心では明日からのサウナ選びに苦しんでいた。

これで今月のサ活と施設数が同じ状態を維持できたが、ますます自分の首を絞めている事に気が付いた鶴見川沿いの昼下がりだった。

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  • サウナ温度 88℃
  • 水風呂温度 16℃
203

のさのら

2020.03.27

1回目の訪問

金春湯

[ 東京都 ]

平日 晴天 通常利用
館内滞在時間 21:45 〜 23:50
入泉時間 夜の部 21:50 〜 23:30
入泉プログラム
夜の部 (12 × 3) M (3 × 3) G (10 × 3)
本日のビール クラフトボトルビール2本 他

本日のメインディッシュ 〝新旧融合〟

この道を行けば本当に金色に輝く春の湯が待っているのか、不安のままに未だ果てぬ思いで歩き続けた。

再開発によって高層ビルが乱立する無機質な改札を抜けた途端に現れた、人が暮らす生活の匂いがする住宅街をスマホのナビだけを頼りに進んで行く。しかし大崎駅を離れて10分以上も歩いたが、それらしき気配は全く感じない。それは「金春湯」という銭湯の気配だ。わずか1㎞あまりの近隣住民しか知るはずのない通り名は、八反安未果 12.5人分を意味する〝百反通り〟と呼ばれている。※ 諸説あり

あったん?何か。こんな事を思いながら坂道を進んで行くと、思い描いていたイメージとは全く異なる外観の銭湯が突如として現れた。初めて訪れるだけに電車内でネット予習しておいたが、ポップなHPを見る限り明るくリノベートされた施設とばかり思い込んでいた。しかし薄暗い中で鈍く光る看板を確認して中に入ると、古き良き銭湯の風情を残す哀愁が満ちていた。懐かしい下足箱の木製風呂屋鍵は、昭和へと運んでくれるタイムマシーンのキーにすら思えた。

スイカ模様の袋に入ったサウナマットを番台で受け取り男湯の暖簾をくぐると、ノスタルジックな脱衣所が広がる。小窓越しに見えるサウナの様子を確認してから身を浄め、熱めの内湯で下準備を終えると、いざサウナへ。

非常にタイトな室内だが、時間帯のおかげか混み合っておらず吉となった。無音のサ室は室温計が示す温度よりもハイパワーに感じるのは、ベンチの下から突き上げるような熱さのせいだろうか。目に見えない熱源に追われるように発汗するが、湿度などの絶妙な設定に長居してしまう。決して冷たくはない水風呂に浸かり浴室内を見渡すと、十日夜の月を模したオブジェの鏡が高い壁から見守ってくれる。その月に向けて白い湯気が雲竜の如く昇っていく姿を見上げ、ベンチに腰掛けた我も昇天する。

昔ながらの銭湯サウナの面影を残しつつも個人用サウナマットの導入や、それを管理する手提袋などの心づかいが、新たな改革も進められている証だ。それは風呂上がりの休憩室にも表れていて、ビールが飲めるのも嬉しい進化だ。忘れかけていた畳の感覚を素足で感じながらクラフトビールのボトルを傾け、深夜の閉店時間が迫る中で癒された温故知新の百反通りだった。

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  • サウナ温度 88℃
  • 水風呂温度 19℃
212

のさのら

2020.03.26

2回目の訪問

平日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 21:05 〜 翌 09:55
入泉時間 夜の部 21:15 〜 23:10
入泉時間 朝の部 07:05 〜 08:40
入泉プログラム
夜の部 S (15 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ4杯
本日のツマミ 手羽先 & 青唐辛子味噌漬け
本日のサ近所ツマミ よだれ鶏

本日のメインディッシュ 〝隠れ聖地〟

皆さんにもサウナの聖地があるように、私にも関東における東西の〝隠れ聖地〟が存在する。その東の聖地は「船橋グランドサウナ」西の聖地は「川崎ビッグ」である。そんな東西の聖地を結ぶ新橋駅に、どちらに行くかも決めぬまま立っていた。

私が〝隠れ聖地〟に挙げる理由には共通点がある。勿論サウナのスペックもあるが、それよりも大切なのはサ室の混み具合だ。他人と肌が触れ合いそうなサウナは苦手で、個人的に安心できるパーソナルスペースが確保できる事が重要条件なのだ。アメリカの文化人類学者 エドワード・T・ホール博士の分類法を借りれば密接距離(〜45cm)は論外で、個体距離(〜120cm)ならば許容範囲、できれば社会距離(〜350cm)、あわよくば公共距離(〜700cm)が望ましい。

そんな勝手わがままを受け入れてくれるサウナは、都内の人気施設では到底無理な話である。そこで今夜は、新橋から電車で20分で辿り着ける川崎の隠れ聖地を訪れた。一年中、桜吹雪が舞うフロント前の絨毯を踏みしめて大浴場への階段を降りた。

浴室の奥にある低温サウナに向かう前にカランで身を浄め、ラドン湯で予熱を施す。こちらのサウナは低温といえども、ストーブ近くの最上段に座れば、隣の高温サウナに引けを取らないポテンシャルを体感できる。少し手狭な高温サウナと違って広々としたサ室が何よりも心地良く、空気の淀みがないのが素晴らしい。多少の時間は要するが、じっくりと身体の芯から沸点に到達できた。

二種類の水風呂にも温度差が設定されてあり、各セットの気分で組み合わせを変えられる。デッキチェアも豊富なので椅子取りゲームをする事なく小休止できるのも好条件。

もうひとつの隠れ聖地としてのポイントである、サウナ上がりの食事処の充実ぶりは次回にするとして、翌朝は高温サウナを独占してチェックアウト。本日のサ近所メシには、隠れ聖地を名で表す駅前通り〝37番街〟にて、今月で閉店してしまう老舗中華を味わった川崎の昼下がりでした。

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  • サウナ温度 82℃,90℃
  • 水風呂温度 20℃,16℃
217

のさのら

2020.03.25

1回目の訪問

水曜サ活

THE SPA 成城

[ 東京都 ]

平日 晴天 通常利用
館内滞在時間 10:00 〜 14:55
入泉時間 昼の部 10:05 〜 11:55
入泉プログラム
昼の部 (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ 3杯 他
本日の昼サ飯 四川麻婆豆腐

本日のメインディッシュ 〝バランス〟

冷たい北風と柔らかな陽射しのアンバランスに季節の移ろいを感じる午前十時、シルバーと赤いボディカラーのバスに揺られて千歳船橋駅に降り立った。246の渋滞で無料のシャトルバスへの乗り継ぎには間に合わなかったが、見知らぬ街に胸を躍らせ歩いて向かった。

「SPA 成城」という高級感のあるネーミングに気後れしていた自分がいたが、フロントの和やかな雰囲気に心なしか安心できた。入浴料と館内着の代金を支払って大浴場へと進むと、さすがは成城を名乗るにふさわしい、シックな装いの浴室が広がっていた。

グレーを基調とした浴室内を一周して全体の構図を頭に入れ、カランで身を浄めて下茹で場所に移った。本日の予熱に選んだのは露天スペースに設けられた〝つぼ湯〟で、源泉かけ流しの贅沢な一人用の湯船である。ぬるめの黒湯が絶えず湧き出る風呂で身を屈めていると、不思議な安心感を覚えるのは忘れていた胎児の記憶のせいだろうか。ゆったりと時間をかけて温浴を終えて、待望のサウナの最上段に腰を下ろした。

オープン直後でふかふかマットの清潔感が世田谷クオリティを誇示し、天然木と天然石をあしらった室内は、紳士ばかりの空間で落ち着いた空気が流れている。薄暗い照明も居心地の良さを後押しして、12分が短くすら思えて時間が過ぎていった。言い換えれば温度と湿度のバランスが優れている証でもあり、身体への負荷を感じずに水風呂へと移動した。掛け水を怠らず入った水風呂は、とても広く水当たりも優しい。過度な冷たさではないが、確実に全身の熱を奪いとってくれる。

その後は露天に置かれたリクライニング式のデッキチェアに身を委ねて空を見上げると、ずっと狭いと思って生きてきた東京の空が、こんなにも広かった事を教えてくれた。まだ冬の面影を残す外気の冷たさと、換気口から吹いてくる浴室内の温かな風が絶妙なバランスで肌の上を交錯する。

最後は内湯と露天の黒湯を交互に浸かり良質の天然温泉で肌に潤いを与えてから、レストランの生ビールで喉を潤し心身のバランスを整える。辛さと痺れのバランスが良い四川麻婆豆腐をツマミに、ホップと麦芽のバランスが素晴らしい冷えた生ビールで、バランス感覚を失うまで呑んでしまった世田谷の昼下がりだった。

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  • サウナ温度 86℃
  • 水風呂温度 17.2℃
207

のさのら

2020.03.24

1回目の訪問

平日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 20:10 〜 翌 09:55
入泉時間 夜の部 20:20 〜 21:50
入泉時間 朝の部 05:05 〜 06:45
入泉プログラム
夜の部 S (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 中ジョッキ6杯 他
本日のサ近所メシ 焼肉ランチ

本日のメインディッシュ 〝ひとり〟

みちのくひとりサ旅で疲れた身体を休めようと思い、自宅には戻らずに上野駅で東北新幹線を降りた。

上野のサウナといえば「ダンディ」が閉店してしまってからは、うらぶれた場所にある施設しか存在しなかった。そんな中で駅前の表通りに現れたオシャレな外観に戸惑いながら、スニーカーを下駄箱に収めてフロントへと進んだ。

チェックインの際に館内の説明を聞いてから、エレベーターホールに置かれた館内着を手に取りカプセルフロアに上がった。カプセル内のロッカーなので着替えるのに窮屈ではあるが、肌触りの良い生地がリラックスさせてくれる。(あとで更衣室があった事に気付いた)

地下一階へ降りてみると、早い時間帯のせいか誰一人いない浴室が待っていた。浴室全体を見渡してプランを練ってから、まずはカランで全身を洗い流す。広い内湯の凪いでる場所を選んで身を沈め、ひとり静かに予熱を終えた。

ニューオープンならではの真新しい厚手のタオルで全身の水滴を拭き取り、オロポのポスターが貼られたサウナの扉を開けた。コンパクトなサウナだが、木の香りが新しさをアピールする。METOS社のフルコーディネイトが映える室内は、入ってすぐに全身が濡れてくる。それは汗というより室内の蒸気が肌に付着する感覚で、実際には発汗してる感じはしない。そんな上辺の汗にごまかされないように何度もタオルで汗をぬぐい、身体の芯から湧き出る魂の汗を静かに待つ。薄暗く無音のサ室は集中するには申し分なく、限界ギリギリまで蒸し上げる事ができた。

適度に冷たい水風呂と、二つだけのデッキチェアも競い合う事なく独り占めした。最終セットまでソロサウナを楽しんだ後は、ラウンジの生ビールで独酌クールダウン。夜は早めにベッドに入り、翌朝の一番風呂を楽しみに眠りに就いた。

早朝5時の浴室清掃の終わりを待って、朝ウナも一人きりで満喫した。こうなったら一人旅の締めくくりは、ひとり焼肉で平日の昼間っから生ビールを呑みまくった上野のランチタイムだった。

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  • サウナ温度 88℃
  • 水風呂温度 16℃
225

のさのら

2020.03.23

1回目の訪問

日曜日 雨天 通常利用
館内滞在時間 15:30 〜 17:40
入泉時間 昼の部 15:35 〜 17:05
入泉プログラム
昼の部 (10 × 3) M (1 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 中ジョッキ3杯 他
本日のツマミ 牛肉豆腐
本日のサ近所メシ 炭火焼きりたんぽ鍋

本日のメインディッシュ 〝秋田名物〟

降りやまない雨の盛岡駅を後にして進路を西にとった。次なる目的地に決めた秋田へと向かうために新幹線こまち号に乗車したが、感染拡大のニュースでは取り沙汰されてない東北地方でさえも自粛要請のあおりを感じる。貸切の車内は異様な光景にも映るが、少しでも消費活動に繋がればと歩みを止めずに進み続ける。

一時間半ほどで到着した秋田駅前には、雨にもかかわらず空車タクシーが長蛇の列をなす。目的のサウナ施設は駅から少し離れたところにあったが、ここの駐車場だけは街の様子と違って混み合っていた。受付を終えて脱衣所へと向かうが、休憩所や食事処、ゲームコーナーの雰囲気を見ただけで愛のある施設だと感じられる。

多くの地元客で賑わう大浴場に足を踏み入れると、まずは掛け湯で秋田の湯を浴びた。全身を洗った後は予熱代わりにスチームサウナに入ってみた。轟音すさまじい室内にはラジウム効能のある蒸気が満ちている。ゆっくりと時間をかけて身体が温まったところで、人生初の秋田サウナへの扉を開けた。

広い二段のサウナベンチが設けてある室内なのに、土地柄だろうか床のマットに座っている人が多い。高温好きの私には幸いな事に、熱源近くの上段にポジショニング。目の前のサウナストーブを覗き込むと、人工石と天然石が入り混じる珍しいタイプの熱源を見られた。オートロウリュが頻繁に行われるのでサウナストーンが乾く暇がなく、蒸気を発生させている様子がないのも愛くるしい。水風呂の贅沢な掛け流しとバイブラ効果で冷却を終えると、露天スペースに置かれたベンチで川沿いの風とひとつになった。

食事処〝かっぱ亭〟で乾いた喉を潤しながら今後の予定を考える。せっかく秋田まで来たので秋田名物くらいは食べて帰京したいと思い、最終の新幹線までの時間で〝きりたんぽ〟を味わった。そこで出会った〝なまはげ〟の「呑みすぎるなよ」との忠告も聞かずに、東北第二の歓楽街である川反に繰り出してしまった。

もはや〝秋田美人〟は過去の言葉なのか、私に猛アピールしてくる女の子は〝あき竹城〟みたいな容姿だった。それでも彼女の秋田なまりのトークが面白く、翌日まで飲み明かしてしまったネオン街の夜だった。

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  • サウナ温度 88℃
233

のさのら

2020.03.22

1回目の訪問

日曜日 雨天 通常利用
館内滞在時間 09:05 〜 12:55
入泉時間 昼の部 09:10 〜 10:55
入泉プログラム
昼の部 (10 × 3) M (1 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 中ジョッキ3杯
本日の昼サ飯 蛤と春キャベツの塩ラーメン

本日のメインディッシュ 〝名残惜しい〟

東京駅 6:32発 東北新幹線 はやぶさ1号にて、一路東北を目指した。突然に思いついたサウナ日本一周めぐりの続きの為に、小雨がそぼ降る盛岡駅に到着した。無計画ゆえのスプリングコートでは少し肌寒いが、襟を立てて寒さを凌ぎタクシーに飛び乗った。

岩手県イキタイランキング第1位のサウナ施設は、盛岡駅から程近い高架線路沿いにあった。フロントで尋ねると通常入浴まで一時間あまりあったので、ひとまずは朝風呂料金を支払って大浴場へ向かった。

ガラス扉を開けると、浴室の中央に設置された二つの半円形の湯船が目に飛び込んできた。そのシンメトリーな造形美に目を奪われて、心までも弾む思いである。その高揚を抑える意味も含めて、まずはカランで身を浄めた。禊ぎを終えて全ての事柄をリセットした後は、半円形のシルク湯で予熱を施してから人生初の岩手サウナに足を踏み入れた。

二重扉の先には広々としたサウナベンチが設けられ、床一面には魚のウロコのようにマットが敷き詰められている。季節外れの鯉のぼりの上にでもいるような雄大な気持ちで最上段を陣取ると、地元客の岩手なまりに耳を傾けながらの 1stセット。サウナブームとは無縁のサ室は年配者が多く、話している内容が聞き取れない。テレビから流れるローカルCMも旅気分を上げてくれ、トータル3セットを満喫した。

クールダウンの水風呂は外見こそ穏やかに見えるが、凪いだ水面の下では大きく水流がうごめいていた。その効果で水温よりも冷たい印象を受け、絶えず押し寄せる水の動きに急速冷却された。その後は露天スペースに置かれたデッキチェアに座り、小雨の降る空を見上げながらの〝春雨ととのい〟を手に入れた。

その他にも多種多彩な風呂を楽しんでから館内の食事処「えびすけ」へと向かい、季節を感じさせる春限定ラーメンと生ビールで空腹を満たした。

とてもリラックスできる施設に後ろ髪を引かれながら、次なる目的地への出発時刻が迫ってきた。食事前に通常利用の料金を支払っておいたので、二階のプレミアムラウンジで少しばかりの休憩を取ってから盛岡駅へ向かうバスに乗車した。機会があれば泊まりで訪れてみたいと思える施設に、大きな未練を残した小雨の盛岡だった。

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  • サウナ温度 78℃
215

のさのら

2020.03.22

6回目の訪問

土曜日 晴天 宿泊利用
館内滞在時間 22:10 〜 翌 05:50
入泉時間 夜の部 22:15 〜 23:40
入泉時間 朝の部 04:35 〜 05:35
入泉プログラム
夜の部 S (10 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
朝の部 S (10 × 2) M (2 × 2) G (10 × 2)
本日の生ビール メガジョッキ3杯
本日のツマミ ところてん

本日のメインディッシュ 〝サ旅前夜〟

三連休の中日、行くあてもないままに新橋を訪れてみた。それは、ここに来れば何かしら待っているような気がしたからだ。

明らかに人通りの少ない駅前には、幾人ものキャッチが獲物を狙って視線を研ぎ澄ます。捕獲対象にならないように、こちらは影を潜め行く先を急ぐ。無事にエレベーターまで辿り着くと、ようやく安堵して丸めていた背中を伸ばした。スプリングコートと靴を脱ぐと、フロントでDXシートを確保してから館内着に着替えて浴室への螺旋階段を上がった。

いつもならば多くの若者客で賑わっている時間帯のはずが、今夜ばかりは静寂に包まれている。カランも空いているので、周囲への注意を怠っても迷惑をかける心配もなさそうだ。安心してゆっくりと全身を洗った後は、センターに配置された「アスティル」のランドマークでもある大きな湯船で下準備。しっかりと身体が温まったところでサウナの扉を開けると、数人の物静かな大人たちが我に向き合っているだけだった。

するとすぐに、絶妙なライティングが特徴的な〝ピンサロウリュ〟が厳かに始まり、幻想的なエロス感で〝淫の世界〟に紛れ込んだ。その直後は〝蒼き冷たさ〟を醸し出す、ブルーのライティングが冷酷な水風呂で〝陰の世界〟に入り浸る。浴室内のデッキチェアに座り休憩をするが、普段は感じるアカスリスタッフの誘うような視線も今夜はない。

誰にも乱される事なく自分のペースで3セットを終えると、いつものようにレストランへと急いだ。恒例のメガジョッキを片手に、まだ何も決まっていない明日の予定を考える。

本当ならば関西遠征を思っていたが、不要不急の外出自粛が続いている西への移動は時期尚早と判断し諦めた三連休だったのだ。よって近場めぐりで済まそうと思っていたが、やはり地方のサウナを求める自分がいた。サウナイキタイで候補地を探していると、日帰りで回れそうな遠征ルートが浮かんできた。そうと決まれば明朝は早い出発が不可欠となり、深夜のビールもそこそこに眠りに就いた新橋だった。

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  • サウナ温度 85℃
  • 水風呂温度 15℃
220

のさのら

2020.03.21

1回目の訪問

祝日 晴天 通常利用
館内滞在時間 15:45 〜 17:45
入泉時間 昼の部 15:50 〜 17:20
入泉プログラム
昼の部 (10 × 3) M (1 × 3) G (10 × 3)
本日のビール 缶ビール(350ml) 2缶 他
本日のサ近所めし 天ぷら懐石

本日のメインディッシュ〝続 蒸しサんぽ 〟

かの有名な高級天ぷら店〝てんぷら 近藤〟の店主が「天ぷらとは蒸し料理である」と語られた事を思い出して、浅草きっての老舗天ぷら店を予約した。天ぷらは〝ころも〟という薄い膜で良質な素材を包み、その素材に適した温度の油によって、素材の持つ水分だけで蒸す料理なので蒸し料理という事だ。

サウナと〝蒸し〟繋がりで予約した時間までは二時間ほどあったので、以前から気になりながらも未訪だった銭湯サウナへ足を運んでみた。外国人観光客こそ少ないが、多くの人があふれている浅草ホッピー通りを抜けて、夕暮れ前の「アクアプレイス 旭」にやって来た。番台で初めて来た事を告げると、スタッフさんが親切丁寧に説明してくれた。

サウナ専用キーと貸しタオルを受け取り入った浴室内は私くらいの年齢では、ひよっ子にすら思えるくらいに年齢層が高い。全ての人が知り合い同士ではないかと思えるくらいに、互いに挨拶を交わし合っているのも下町らしくて心が和む。ローカルルールを見落とさないように慎重に身体を洗い、内湯のレモン風呂に浸かり様子をうかがう。切り絵のようなタイル壁画が印象的な浴室の奥に、サウナへと通じる階段を見つけた。しっかりと予熱を終えると初めてのサウナに緊張しながら階段を上がり、首から掛けたサウナキーを使って扉を開けた。

聞きしに勝る昭和ストロングだが、すこぶる居心地が良い。テレビから流れる大相撲春場所の音声や、地元客の競馬トークも不思議と気にならなず時間が過ぎていく。同じく上階にある水風呂で粗熱を取り、非常扉の前に腰掛けて物思いにふけると魂までもが癒された。

休憩所で呑むサウナ上がりのビールの味は格別で、アペリティフ代わりに二缶を一気に飲み終えると、待望の蒸し料理を味わうために浅草へと戻った。中庭を眺められる個室に一人とは寂しいが、創業150年を迎えた老舗の天ぷらに心も奪われた。

いよいよ今回の〝蒸しサんぽ〟もエンディングを迎えようとしていたが、帰り道に立ち寄った上野仲町で呼び込みするカワイ娘ちゃんを〝無視〟するわけにはいかなかった。結果として天ぷら屋で〆に食べた〝天ばら〟の如く、ポケットの中の諭吉たちも〝てんでばらばら〟に散っていった上野の夜更け前だった。

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  • サウナ温度 114℃
  • 水風呂温度 16℃
264