電気湯
銭湯 - 東京都 墨田区
銭湯 - 東京都 墨田区
(強気の前編からつづく)
サ室は熱いはずなのに熱くない、その秘密は?と現場検証の結果、ストーブの上の薬缶を発見。後日談と書きたいだけだが、上がって番台の西と東のはじめての対話を叶えたお姉さんによると、お湯とアロマが入っているから、らしい。かおりはしなかったけどね。東東京の見栄かもしれない。
しかし、良い湿度。こちらでもつぶつぶの汗がぽろぽろと。あ、ここは時計がないのね、と辺りを見回すと、2段目、1段目ともに小さな砂時計が。2段目にあるものは、修理の跡が見え、対決に不戦敗したヌシのもののよう。ちなみにそのヌシ、後から見つけたが、大きな刺青と腰に刀のサイズの傷があったのは、ワタシとヌシだけのヒミツ。無駄な闘いで彼女をさらに傷つけずに済んだことに安堵である。1段目のを失敬して、くるりと返すと、時を感じながらホッとサウナに集中できた。と思ったのもつかの間、弱腰のヌシ登場。ホームで礼儀を叩き込まれたワタシ、「失礼しました、お母さんの使っちゃった」と先制攻撃。あなたのものはわたしのもの。I am YOU、である。
喧嘩両成敗のまま、会話が弾む。我々一行がサウナツアー中であること、団子を食べてきたことなどを話すと、「若いっていいわね」というおきまりの台詞から、御歳についてのストーリーテリングに。なんと弱ヌシ、80歳!その後入室のヌシ、弱ヌシがお姉さんと呼んでいたことから推理するに、もうちょい上か、お二人とも毎日来ているようで、お肌もうるうるだ。暗かったからよく見えなかったけど。この辺りの目撃情報を聞き出そうと試みるも、このエリアにはかつてキラキラ橘商店街(キラたちと呼ばれているそう)があったが、今は寂れてしまい、この地区のなんとか音頭にも名前すら出てこないとのこと。「美味しいものなんかここにはないよ」と上級ヌシがポツリ。それが聞けただけで、ここに来た甲斐があった。
後に番台のお姉さんに、「ここの改善点を教えてください」と言われたので、今後の抗争を回避するためにもサ室に時計を置いて欲しいこと、日替わり湯があってもいい、Tシャツを作ってみてはなどを提案すると、若干の反論もあったが、時計はすぐにでも購入するとかしないとか。
さて、電気湯の由来は秘書の調べではわからなかったが、100年前にはあった施設なので、釜焚きではなく電気を使っていたから、などではないだろうか。知らんけど。
さて、最後のお湯までもう一歩。逃げも隠れもしない、西と東の抗争まで、待て次号。
電気湯のみならず、志“満ん草餅、キラキラ橘商店街なで我が街墨田区東寄りを自分にない視点で描かれており、新鮮さを感じながら楽しく拝読させて頂きました。 女湯サウナに時計が導入されるか責任持って確認させて頂きます笑
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