美春湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
初めての美春湯。
金曜は男女入れ替えらしく、本日はスチームサウナ側。初めてなのに「番外編」だ。
いうなれば、初めてやったマリオシリーズが「スーパーマリオUSA」的なことだろう。
さすがに例えが違うなと思いつつ脱衣場へ。
すると「スチームサウナ 温度上げました」との貼り紙。男女入れ替え日になんてありがたい、と小躍りした。
しかし、普段から貼りっぱなしという可能性もなくはない。
いうなれば、北海道民にはおなじみの「焼肉昌苑 50%オフ」的なことかもしれないのだ。
またしても例えが違うなと思いつつ洗身等々を済ませ、いざサウナ室へ。
ドアを開けようとした刹那、足元に何かがあることに気づいた。プラスチック製のうちわだ。
「このうちわはサウナ室でもお使いいただけます 周りの方にご配慮ください」とある。
一見すると何ということのない文章だが、粋に感じた。理由は2つ。
1つめは余計な説明がないことだ。「蒸気を攪拌し一層の熱気が〜」とか「ドイツではアウフグースと呼ばれる〜」といった文言があってもよさそうなところ、「わかる奴だけわかりゃいい」的ミニマムテキストに心意気を感じた。
2つめは「サウナ室『でも』お使いいただけます」という言い回しだ。これが「サウナ室『で』」なら意味合いは変わってくる。
つまりこの貼り紙を意訳すると「サウナ室で使っても別に構わんけど、ま、うちわっすからね。涼むために用意したんですよ、へへへ」ということだ。やはり「わかる奴だけ」と取れる。
いうなれば、「あくまで鳥の餌用ですからね!あとは知りませんよ!」と大麻の種を売る輩的なことだろう。
これも例えが違うし何かちょっと失礼だしと思いつつ、うちわを手にした。
「周りの方にご配慮ください」の注意書きに従い、はやる気持ちを抑えつつサウナ室の中を窺った。先客がいる。二の腕から胸にかけてペイントされているタイプの方だ。
彼らのほとんどが堅気以上に紳士なことは心得ているが、万が一にも「サウナでうちわ振り回してぶん殴られる」という珍妙なエピソードを誕生させてはシャレにならない。うちわをそっと戻し、ドアを開いた。
2セット目の途中、ついに一人となった。ドアを半開きにしてうちわをキャッチ。時は来た。
一心不乱に扇いだ。宙に浮くんじゃないかというくらい扇いだ。酢飯作りか炭火起こしかというくらい扇いだ。
それはもう凄かった。
もはや例えも思いつかず「すごかった」という馬鹿な感想を抱いたまま脱衣場へ。汗を拭きつつテレビに目を向けると、東京五輪の開会式が映し出されていた。こんなときにもサウナへ入っていた私は「サウナ好きすぎ」なのかもしれない。
(可愛い…!可愛いすぎるぞライフさん…!!)
最近たくさん書いてくれてありがとうございます!天才だな。
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