ニューウイング吉田の支配人日記 vol.1 『水風呂の温度上がるとワクワクする』

今年の夏もすごい暑さでしたね
夏の水風呂（ニューウイングの場合は冷水プール＋水風呂）を冷やすのは大変です

みなさんは水風呂ってどうやって冷やしてると思いますか

15度の水風呂だったら、15度に冷やした水がずっと注がれて15度の水風呂になっているイメージの人も多いんじゃないでしょうか

もちろんそういうところもあると思いますが、多くの施設は（少なくともニューウイングは）そうではなくて、水風呂の中の水を冷やしています

最初は浴槽に常温の水を注ぎ、それをパイプでろ過装置と冷却装置に通してグルグル循環させて冷やす仕組みです

（循環といってもしっかりろ過してるのと、常に水面は溢れているので綺麗です。かつニューウイングでは「プレジデントから受け継いだサウナサンシステム」も導入しています。サウナサンシステムの詳細はこちら）

常温の水がいきなり15度まで冷えるわけではなく、パイプに入った水が少し冷えて浴槽に戻ってきて、それをグルグル繰り返して設定温度まで冷やすので、時間がかかります

最初に注いだぶんの水をグルグル冷やしてようやく15度まで冷えた、めでたし、かといえばそうではありません

アツアツのみなさんが入って温度が上がりますし、かけ水や溢れて減ったぶんの水を新しく足さなければいけなくて、これを「補給水」といっています

夏以外はそのまま足してもなんとか冷却が追いつくんですが、夏場は補給水じたいが下手すると30度とかまで上がってしまい、補給するほど冷やしきれなくなる

かけ水の桶を置かなかったり、溢れないよう低い水位にすれば補給水は少なくて済みますが、ろ過してるとはいえ水風呂の気持ちよさが損なわれてしまいます

常に新鮮な水を補給したい、でも補給水を足すと温度が上がってしまう
このジレンマを解消するには？補給水を冷やせばいい

というわけでニューウイングでは、本体のチラーに加えてもう一つのチラーで補給水を冷やす、いわゆる「ダブルチラー」システムを数年前に導入し、夏場限定で運用しています（冷水プールのみです、水風呂はそのままにして温度差を楽しんでもらってます）

けっこうな投資でしたが、回収計画を遥かに上回る勢いでお客さんが増えてビックリしました

みんなどれだけ冷たい水風呂が好きなんだと

ちなみに水風呂より冷水プールを冷たくしたのも、昔にやったサウナイベント（「サウナサミット」）で常連さんに「サウナ好きとしてはそっちのほうが嬉しい」と言われたからでした、今や3つのサウナから出てくるみなさんを広い器で受け止める、ニューウイングに欠かせない構成要素ですね

熱心なサウナ好きのみなさんのおかげで今のニューウイングがあります、ありがとうございます

ちなみに「チラー」という言葉もサウナ好きの間ではそれなりに知られてきていますが、もう少し詳しくいうと、多くの施設の冷却システムは「チラー」と「熱交換器」で構成されています

チラーで冷やした水を熱交換器に注入して、その熱交換器の中を通すことで水風呂の水を冷やす

水風呂の水を冷やしているのは熱交換機、その熱交換器を冷やす水を冷やすのがチラー、みたいなことです

施設がこれほど必死で水風呂を冷やす、そしてお客さんがそれを求めるのは日本のサウナ文化の独特なところかもしれませんね

そこまでしてもなかなか安定してくれないのが夏場の水風呂ですが、毎年補給水の水温が上がってくるとああダブルチラーの季節が来たかとワクワクしてしまうのは何かの性（さが）でしょうか

そんな感じで頑張ってやってるので、ぜひ入りにきてください