レックスイン川崎
カプセルホテル - 神奈川県 川崎市
カプセルホテル - 神奈川県 川崎市
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そのため、完全な個人的な感情でここはあまりいい思い出がなかった。
あれから約8年経った今、なぜまた訪れたか。
あの日の自分に会いたかった。
ただ、それだけ。
あれから俺は知り合いに誘われ
介護施設で働かせてもらう事になった。
何もかもが初めてで
仕事に中々慣れなかったが必死に働いた。
ギャンブルもやめた。
タバコもやめた。
食事も気を使うようにした。
必死に勉強し、国家資格も取った。
その努力を認められ、3年後には正社員にもなった。
思いを馳せていた女性と、交際を吹っ飛ばして
婚約をした。
結婚直後、めでたく子供にも恵まれた。
苦手で何もできなかった家事も食事も、必死に覚えた。
介護職では家族を支える収入が無かったので、
転職を決意し、ITの資格を沢山取った。
人と話すのが苦手だったが
職業訓練校に通い、就職の練習をした。
そしてエンジニアに転職した。
「あなたと結婚して良かった」
妻はそう言ってくれた。
残りの人生、家族のために尽くそう
そう決心した。
子供が産まれたあと、通信制の大学に入り直した。
別に今更大卒が欲しいわけではない。
ただ、挫折で終わり、逃げ出した自分が憎かったため。
子供に諦めたままの姿を見せたくなかったため。
仕事に、家事に育児
正直勉強する時間はほとんどない。
日本では義務教育の他にほとんどの人が高校へ行く。
そのため、勉強は「させられる」意識が高く、
目的すらわかっていない人が多いが
勉強とはそもそも贅沢品なのだ。
必要な人が、欲する人が、
自分のため、家族のため、
貴重な時間と金を払って得ることのできる贅沢品なのだ。
勉強ができることは当たり前のことではない。
恥ずかしながら、この事に気付くまで30年かかった。
親がどんな想いで勉強をプレゼントしてくれたか、
バカな俺は自分が親になるまで分からなかった
冒頭に戻るが、人生山あり谷あり。
今、ほんの少し登り坂を歩き始めた自分が、
あの日、あの時暗闇にいた自分が
何を思っていたのか見つめ直すため、
もう一度ここへ来た。
さて、
当時格安と思っていたこの施設。
ずいぶん値上げしている。
サウナもリニューアルされたようだ。
タワー式のストーブが設置されていて
オートロウリュも搭載されていた。
汚らしかった露天スペースも、
小綺麗な外気浴スペースに生まれ変わっていた。
うまくサウナブームに乗れたようだ。
今度は下り坂に向かった時
また利用させてもらおう
強めの圧力シャワーで俺の過去を洗い流してくれや。。。
ドピュピュピュピュピュピュピエール瀧
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