桜湯(さくら湯)
銭湯 - 東京都 杉並区
銭湯 - 東京都 杉並区
久しぶりの桜湯は、いつもとは違う道から行ったせいもあり、思っていたよりもずっと遠かった
これくらい遠いのもご愛嬌、というか遠いからこそ恋焦がれるものがあるのだろう
汗だくの私を待ち構えていたのは、外気温よりも高いあつ湯だった
ちょっと浸かってみるかと思って入ったものの、ことのほか気持ちよく、意外と長湯になった
それでも熱いものは熱く、水風呂との間を何往復かした
サ室は私が入るまで無人だったが、熱がこもって灼熱というわけではなく、むしろマイルドに感じるコンディションだった
ドライさを感じるのだけど、カラカラでヒリヒリしてこちらの水分を奪うような辛さはない
物凄い細かい汗粒が、体表面を余す処なく覆い尽くす、なんとも美しい発汗
また湿度や温度、薄暗さが良いように作用して落ち着いて座っていられた
まさに平穏といった精神状態で深いリラックスに陥り、時間が止まっているような感覚があった
そんな内面の感覚とは正反対に時計はすごいスピードで進んでいき、あっという間に5分、10分と経っていた
水風呂はシャワーの方が冷たいぐらいの温度ではあったが、ゆったりと入っている分には充分な冷えだった
おそらくもっと近くにあれば、意外と忘れているのかもしれない
たまに遠くから来るからこそ、こうして味わい尽くせるのかもしれない
この時期、少しでも歩くとすぐに汗をかいてしまい、遠いのは明らかな欠点だと思っていたけど、そればかりではないようだ
水風呂から見上げた窓の外の月は欠けていたが、贅沢な気分で眺めていた
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