玉の湯
銭湯 - 東京都 杉並区
銭湯 - 東京都 杉並区
「月曜日対応願う」との職場からの一報によって休日気分が一気に失せる
まだ日曜も残っているというのに休み明けのことが気になって台無しだ
ため息一つ、このままでは眠れない
部屋着にコートを羽織り、小雨降る中、傘もささず玉の湯へ
ムシャクシャした気持ちでサウナへ向かう今の自分と、嫌なことがあって自分の部屋へ逃げ込む子供の頃とが重なる
子どもだって大人だって誰しも一人になりたい時がある
22時に訪れた玉の湯は到底一人きりになれない状況
体を洗い、少し深めのマッサージバスに身を横たえる
あつ湯にほぐされながら見上げる高天井は、湯気を突き抜けて白く反射し、心が晴れる思いがした
ペンキ絵の富士のスケールに対し、その絵の中に自分を配置すると水滴一粒にも満たない小ささで、さっきまでの心のモヤモヤがどうでもいいように感じた
浴室の客入りに比べ、サ室は空いていた
もうすっかり大人になった私は、他の人が居てもサ室では、ちゃんと一人きりになれる
腕時計を忘れてきたが、気づけばサ室の12分計が一周しかけていた
体全体に満遍なく汗が流れる
汗腺の集まる頭、顔、首元からは大粒の汗が、腕には細かな粒がびっしり、普段はあまり発汗を感じない脚もしっかりと湿る
途中からサウナ客も増えてきて水風呂や休憩イスを使うタイミングに難儀する
それでも合計5セット
23時半すぎには若い団体客が複数入店し、どっと騒がしくなった
コロナ禍でマスクなしの近距離でのお喋りはもちろん褒められたものではないが、彼らは彼らなりにカジュアルに銭湯を楽しんでいるのだから、そこまで目くじらを立てる必要もないのかな、とすっかり大人になって家に帰る
マイナスからの見事なV字回復で残りの休日を過ごす
男
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