桜湯(さくら湯)
銭湯 - 東京都 杉並区
銭湯 - 東京都 杉並区
今日の桜湯サウナは、誠にシルキータッチだった
緑に染まったあつ湯を駆使して、丁寧に下茹でを施し、挑んだサ室
滑らかな熱が無理なく肌に馴染む
湿度はほとんど感じないが、肌触りがいい
発汗量はそこまでないと思っていた
ところが、腰に巻いたバスタオルはベショベショに濡れていた
腕を観察してみると、毛穴という毛穴が、総動員して汗をかいていると思えるほどの汗の数
イクラよりも、飛び子よりも、数の子よりも、タラコよりも━━もっと細かな粒の汗が、まるで霜が降ったように肌表面を覆い尽くす
密度の高い発汗
真綿で首を絞めるように、じわりじわりと熱は体の芯へと迫る
それから逃げるかのごとく意識はより深い所、深い所へと沈んでいく
いつもの解放感とは違う、安息がある
自分の意識は、限りなく広がり、沈み込みするように思えるが、それでもどこまで行っても、自分の中に収まっている
時間と場所を失い、一瞬、自分の中で迷子になった
サ室から出ると、夢から醒める時と同じく、意識が浮上して戻ってくる感覚がある
手短に3セットこなして退店
店を出た後も深い安らぎが続く
このまま30分歩いて帰る
冬の澄んだ空気に救急車のサイレンは、遠ざかっているのか、近づいているのか、分からないくらいによく響く
少しぼんやりした頭に、自分の住む街の景色が溶け込んでくる
日常もまた自分の中にすっぽりと収まって、今日一日が終わる
男
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