天然温泉 満天の湯
温浴施設 - 神奈川県 横浜市
温浴施設 - 神奈川県 横浜市
【曇天なココロに蒼き閃光をぶち抜いたその先に待っているもの】
「お前、最近サ活更新してないけど、サウナいってんの?」
友人からLINEがくる。行ってない。
今月は業務に邁進。在宅ワークやら、トラブルやら、人員減やら……
4連休も業務。振休でこの数日は県内の実家に帰省。
最終日はサウナに行こう。
実家を飛び出すと涼しい秋の香り。
「2015/09/28思い出を振り返ってみましょう」
Googleフォトからの通知を開けば、どんちゃん騒ぎの我の写真が。
この秋風は秋学期が始まり酒の宴を告げるジグナルだった5年前。
時は令和。
いつからその風は「外気浴シーズンの到来」を成すようになったのであろう。
空が見える施設。予めサウナイキタイの電子チケットで購入。揺れる思い、ツイートが馳せてゆく……
「己の魂、イズネスと共に言霊と化す。雲一点もなき秋空へ消えたり。」
最上段。1セット目は発汗が弱く15分。ラスト5分でマイルドイズネス発動。
最上段に届くまでの時の流れほど、
刮目する時間はない。凝視をしてもその蒸気は見えないのに。
鼻から大きく息を吸う……肺に潜らせ、口から出す。ストレスが吐き出してゆくこの感覚。
アロマもないプレーンロウリュ。カラダが芯から暖まり満足。水風呂へ。
この水風呂、好き。いつも思い出す。
幼き頃に父に連れてかれた刈谷ハイウェイオアシス「天然温泉 かきつばた」のジェル水風呂を。
デッキチェアへ。足裏を鋭く通る涼風がたまらない。気温の低下で気持ちデッキチェアの回転率が早い。
2セット目。最上段。血管が拡張していく幸福感。
完全に忘れかけていた小生をサウナは優しく包み込んでくれる。
14時。滴る汗の頃合いにイズネスは煌々と金色に輝きを放つ。ストロングロウリュ。
2発目くらいだろうか。心地の良い破裂音。滞留する蒸気。節々が痛くなる上質な熱波。
仕事の不安なことが無くなる。と思ったらストレスを不意を着いて心に縋る。
「受け入れよう。」まさに笹塚マルシンで捧げる八王子リーマンと同じ画なのである。
金色の灯火が消え、水風呂へ。
意図的に息を止める。全てがどうでも良くなるこの10秒。この10秒のために、日中の業務をこなすいっても過言ではないだろう。
トトノイ椅子へ。なんだか眩しい。
この光にこの殺伐とした日々を打開することを刹那に願い、冷えた手拭いで視界を消した。[完]
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