白水湯
銭湯 - 東京都 台東区
銭湯 - 東京都 台東区
ハワイと昭和銭湯を混ぜ合わせて朽ち果てたような、異空間。
それは、何か癒やされるゆるい世界だった。
──今日は、どのサウナにも行く気がしなかった。
日々のサ活が満たされてるからこそのマンネリ感というか。
様々なサウナを頭に思い描いては、消し、どうも気分が乗らない。
そこで、新規開拓で気分を変えようと、近所で未訪問だった白水湯へ。
衝撃だった。
番台から流れるハワイアンミュージック。
松崎しげるよりも黒いかも知れない、闇夜に溶け込む事ができる店主。カリメロのようなヘルメットヘアに、豪快な円形のもみあげ。頭にはバンダナ帽子、サングラスを着用。顔立ちは少し志村けんに似ている。緑色のタンクトップが個性を際立たせていた。
番台の上には、CDがうず高く積み上げられ、CDが終わると店主が切り替えている。
…DJ番台…!
店主のコントのような出で立ちに気圧されながら、都内銭湯共通回数券と、サウナ代50円を渡す。
脱衣所には有線の昭和懐メロ。
鬱屈した気分を打破してくれる期待感で心が満たされていく。
天井は組木で手が込んだきれいな作り。中の備品は、昭和~平成を戦い抜いた20円のマッサージ椅子が朽ち果てて壊れたまま置かれていた。
ロッカーの上には、カゴがたくさん載せられていて、常連の銭湯グッズで溢れていた。置きっぱなしが許されているらしい。ゆるくて良い。
浴室に入ると、1人しか入れない水風呂と、日替わりの薬湯、そしてピンクと緑色に発光をしているバイブラ風呂、ジェットバス。
もう、ワクワクしか無い。
急いで身体を洗い、サウナ室へ。
長年使い続けた味わいのある焦げた飴色の木の壁。ところどころ朽ち果てている。
多くのサウナーを温め続けた歴史が感じられる。テレビはなく、遠赤外線の古いヒーターが鎮座し、座れるのは4人ほど。有線が流れていて、天井のスピーカーから「あいーつはあいつは可愛い♪とししーたの男の子♪」と、昭和歌謡が流れてくる。
決して綺麗ではないし、行き届いてもない。
でも、ゆるくて心地良い、昭和の歴史が感じられるサウナ室に癒やされながら汗と毒気を出す。
8分ほどで水風呂へ。水温は25度~7度。ぬるいが、地下水なのか、肌触りが良い。
カルキ臭はゼロ。温度が高いと、水の肌触りが感じられる。
長めに4~5分浸かって、体を拭いてから脱衣所で休憩。
客数は少なく、万人におすすめできる施設ではないのだが、脱力感あるゆるさと、パンチがある番台、そして昭和歌謡に癒やされたい人にはお勧めしたい。
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