サウナしきじ
温浴施設 - 静岡県 静岡市
温浴施設 - 静岡県 静岡市
薬草サウナは今日も熱かった。
正直半信半疑だった。
前回行った際には深夜かつ短時間の入館だったからか、リニューアル後の薬草サウナの通称フィーバータイムを体験出来なかった。
私はあのモクモクと猟奇的な蒸気が蔓延する薬草サウナのフィーバータイムが大好きだ。
身体を鋭利に突き刺す直線的な熱さは、
熱いというより痛いと形容する方がしっくりくる。
特に出口付近はまさにデスヴァレー。
残るも地獄、去るも地獄。
意を決してサ室から出ようとするものなら、容赦無い熱波が身体に纏わりつき一瞬だが経験したことのない熱さが襲いかかる。
そして人々は無意識に小走りなっては、
少しだけ声を上げながら去っていく。
私はそんなかつての経験を求めていた。
だがしかし、今日の薬草サウナもマイルドだった。リニューアルした影響のせいか足元から溢れ上がる蒸気は影を潜めていた。
これはこれで優雅で気持ち良いのだが、少し物足りなかった。
しかし、フィーバータイムとは突然に現れるものだ。
薬草サウナだけにフォーカスした私の4セット目。
足元からモクモクと蒸気が溢れ上がって来たのだ。そして、まるで少し遠くから花火の音を聴いている様な不穏なドン、ドン、ドンという音と川の流れの様な音がサ室に木霊する。
顔に巻いていたタオルがいたずらに解け、私の顔に容赦ない熱波が襲いかかる。
隣りの男性が喘ぎ出す。
「あっ、あっ、あっ、熱い。」
そう言っては立ち上がりサ室を出ようとするが出口付近の異様な熱さに気付き一瞬立ち止まっては、意を決し、小走りで「熱い。」と言い残し去っていった。
どうやら次は私の番の様だ。
もう身体の表面が赤くなっている。
熱いという感覚は既になく、ただただ皮膚の表面が痛かった。
前傾姿勢で立ち上がり、タオルをガチガチに顔に巻き、サウナマットを盾にしながら決して走らずに出口付近の殺人的な蒸気と対峙した。
この一瞬だけは生涯忘れることはないだろう。
恐怖と幾許かの期待を抱いた私の身体に狂おしい程の熱波が襲いかかった。
私は思わず「エイドリアーン!!」と叫びながら水風呂に飛び込んだ。
それから外気浴(浴室内)をしていると1人の男性が薬草サウナから足早に出てきてはサ室の扉を開放し続け、時にパタパタとサ室のドアを開閉していた。
フィーバータイムに耐えかねた彼は換気を試みていた。
全国のフィーバータイムファンを敵に回す、なかなかの愚行な訳だが、私は少しだけ安堵した。
「これでまた薬草サウナに入れる。」
そして気が抜けた私はおそらくマイルドになった薬草サウナに入っていく。
だがしかし、私は言った。
「あっつ!!」
One Love
男
会いたかったね
ありがトントゥです。次回は是非宜しくお願い致します。静岡駅周辺街歩きもしましたが良い街でした。静岡最高っ!!
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