アーバンスパ
温浴施設 - 神奈川県 厚木市
温浴施設 - 神奈川県 厚木市
〜真っ暗なスチームサウナで感じる孤独〜
もう12月か。
時が経つのは早い。
去年の12月がまるで昨日の様だ。
一昨年の12月のことは覚えていない。
小学校の6年間は永遠に感じた。
中学の3年間はニキビに悩まされ存在を消した。
高校の3年間なんて楽し過ぎて未だに時系列で物事を思い出せる。
あの頃は夏休みすらも憎かった。
大学生にもなると時の時間軸がゆったりとした曲線からだんだんと直線になっていき、バケツ一杯に溢れた時間という名の水も段々と枯渇していった。
20代、もはや断続的な記憶のパズルのピースを上手く嵌めることは出来ない。
そして30代の現在、結婚式も新婚旅行も息子が産まれた瞬間も、どの時も鮮明に覚えてはいるがそれが「いつ」だったのかはInstagramで日付を確認しないと分からない。
恐らく人はこうやって全てを曖昧にして死んでいくのだろう。
気付いたら12月。
そして気付いたら数十年後の12月の世界が私を待っている。
そんな私は重病化した12月の病を患いながら永遠を求めた。
多分それはきっとサウナだ。
12日振りのアーバンスパ。
入館するとスタッフの中田さんは嬉々として話かけてきた。
「今日はスチームサウナ室の電球が切れているので真っ暗ですよ。良い日に来ましたね。」
私は思った。
「めっちゃラッキー。」
日常と化したアーバンライフだがちょっとした変化なら大歓迎だ。
私は暗闇のスチームサウナ室に入った。
ヴィヒタ薫るスチームがこれでもかと辺りを灰色に染め上げていく。
入口からだけ僅かな光が私を導いていた。
蒸気口からスチームが湧きあがる。
その音だけが木霊する。
私は今確かに地獄にいる。
しかし右を向けば光が僅かに見える。
それは蜘蛛の糸だった。
私は必死で蜘蛛の糸を昇りカンダタになった。もし仮に私の下に蜘蛛の糸を昇る者がいたら手を差し伸べよう。
そしてゴータマ・シッダールタを目指しドアを開ける瞬間が1番熱かった。
私は光射す浴室へ出た。
するとそこには浴室でスマートフォンをいじる男性がいた。
私はあまりに驚きスマホを覗き込んだのだが、漫画を読んでいた。
因みにスチームサウナ室でもずっとスマホの光を照らしていた。
私は思った。
多分ここは天国なんだと。
多分絶対ここがハーレムだ!!
サ室にいる時間は数分だが永遠を感じるものだ。私は私の時間軸を歪める為にサウナに来ている。
サウナは永遠を感じれる唯一の場所だ。
男
やべぇ、アーバンスパ行ったら煩悩捨てられるならマジで行きたい、、、本厚木の事務所いく時に絶対寄ろう‼️
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