サウナしきじ
温浴施設 - 静岡県 静岡市
温浴施設 - 静岡県 静岡市
次の日は久しぶりの平日休み。仕事をするには大きめのリュックを背負って会社に行く。なぜなら終わった後にそのまま高速バスに乗ってサウナの聖地と言われる静岡の「しきじ」に初めて行くためだ。
いつも通りに仕事を振られるがどこか気がそぞろ。なんだか落ち着かない。渋谷にある会社を18時に出て東京駅のバスに19時に乗らなくてはいけないのだ。半分幽体離脱をしたようなふわふわした気分で仕事を終えトイレを我慢しているような速足で駅に向かい電車に乗る。
到着した東京駅は広い。出口を間違えたのか地図アプリでバスの停留所を確認するとぐるりと周りこまなければ到着しない。ボクがハルクなら壁をどついて直進するのだがそういう訳にもいかない。ギリギリ間に合って指定された席に座る。
発車前に車内アナウンスで「現在渋滞が発生しておりお急ぎの方は新幹線をご利用ください」と伝えられる。そんな余裕がないから私達はバスに乗っている。なんせ片道2600円なのだから。
夜の高速道路は景色も楽しめない。図書館で借りている朝井リョウ「正欲」を読みすすめる。本当なら到着は22時を予定していたが先ほど伝えられた渋滞で23時になっていた。「しきじ」に近い停留所は高速道路のすぐ側。降りるのはボク1人だけで田舎の高速道路周辺特有の巨大なラブホテルの近くだった。
街灯もなくたまに車が通る道を恐る恐る30分歩く。ここでボクが車に轢かれて死んだらおそらく運転手は「人だと思わなかった」と供述するだろう。無事に生き延びて徐々に住宅地になる。しばらくするとお目当ての「サウナしきじ」に到着。
平日24時なのに駐車場には車がいっぱい。店の前には若者がたむろしている。内心「聖地とは言え平日は空いているだろう」という憶測が崩壊した。自販機で入浴&宿泊チケットを購入して浴室へ。
外観のレトロさとは裏腹に中には大学生くらいの若者がなかなか多い。見る限り「黙浴」という張り紙の効果はあまりないようだ。でもこんなことで傷心してはいけない。辻元清美のように「うちへこたりへん!」と心の中で自分に言い聞かせる。バスの中の軽いエコノミー症候群と怖い夜道を歩いて来た身体を洗い流してゆっくり解放する。
サウナは平均的な程よい温度。流れるテレビから静岡では霜降り明星あてみなげの後にナイトスクープやっている事実を知る。
さあ。待ちに待った水風呂。温度は17度くらい。ウワサ通り優しい肌感。まるでマンガの表現やヨッシーアイランドみたいに大きなシャボン玉の中に入ってるような感覚みたいだ。水質の違いってこういうことかと確認出来たのが嬉しい。
時に滝にも打たれ、時に出てくる水を飲む。
続く→
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