大森湯
銭湯 - 東京都 大田区
銭湯 - 東京都 大田区
誰が呼んだか東の大森湯、西の中村浴場。東京都二大灼熱サウナである。
普段は100℃程度のサウナで上段下段と縦横無尽に体感温度の変化を楽しむ私だが、時々無性に熱くなりたい時がある。今日なんかはまさにソレで、昼過ぎに仕事の先輩に連絡して予定を合わせて貰った。業界的にも年齢的にも遙か上な方だが、こうして私のわがままに付き合ってくれる。そんな素晴らしい方が灼熱のサウナで悶えるのを是非見たいと思って誘ったが、当然のように「ヤバ森ってやつか!」と返信があった。流石は大森湯、東のエリアでブイブイ言わせてるみたいだ。
大森湯は一見普通の銭湯である。別に壁から蒸気が漏れたり赤く光っているわけでもなく、閑静な住宅街の中にひっそりと佇んでいる。駐輪されている自転車の数から人気店なのは伺えるが、浴室から大声が漏れてくるわけでもない。なんとも落ち着いた雰囲気を纏っていた。
中に入るとサウナジャンキーズのロックな暖簾がお出迎え、ここで初めて『ヤバ森』が公式なフレーズだと理解する。ファンたちが勝手に呼んでるのではなく施設側が認知して営業をしている事実に武者震いをする。
脱衣所の雰囲気も良い、ここもほのかに柑橘系の香り。ロッカーを探して奥まで行くとサウナ用の休憩室がある。しめしめ後で使わせて貰おう、とにんまり着替える。シャンプー類無し、私の粒揃いな風呂道具が火を吹く。
シャワーの水圧が低いがモーマンタイ、体の泡は桶にお湯を溜めて流す。足元に伝わる湯船のお湯が明らかに熱い、期待が高まる。
大湯船は我がホームとほぼ同じ湯温に思える。馴染みのある体感温度、一気に肩まで浸かるとハヒーと声が漏れる。これを幸せと呼ばずに何というのか。隣の日替わり湯はレモンの湯だった、脱衣所に漂っていた香りはこれかと浸かると猛烈な熱さに驚く。脳が一瞬拒否したが、一気に肩まで浸かる。指先に電気が流れたような痺れ、横隔膜あたりにマグマ溜りが出来て喉の奥から噴火しそうだ。プレートテクニクスが身体を外に押し出そうとするが、我慢して30秒数えて出る。
水風呂は2人用、スンと冷たい。明らかな水質の良さ。ガブガブ飲みたいけど我慢。この冷たさはサウナの熱さを予感する。冷えすぎないうちに出ていよいよサウナだ。
宀のようなサウナキーでエデンの扉を開く。聴こえてくるのはJ-pop、扉の枠を超えた瞬間に四方八方から熱の圧力が襲ってくる。一瞬で頭皮が熱くなり毛根から悲鳴が上がる。
1セット終了時には既に全身甘みの斑点だらけだった。
先輩も同じでお互いに身体を見て笑い合う、幸せな時間がそこにあった。
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