2020.07.27 登録
[ 東京都 ]
夜遅くなり風呂に入ったにも関わらず、急にサウナに行きたくなる瞬間がある。時計は22時を指している。第二喜多乃湯では皆ホカホカになって外に出ている頃だろう。タンスからシャツや下着を集めながら脳内のデータベースを検索する。近場ならスパジャポだが芸がない、富士見湯も悪くないがせっかくなら未到の銭湯に行きたくなる。何せ今日は土曜日の夜だ、ビリージョエルが歌ったようにここでは無い何処かに行きたいのはきまって土曜日の夜なのかもしれない。
都心のコインパーキングは深夜になると格安になることが多いので、基本的に車で移動をする私としてはとても有難い。特に夜の代々木上原なんてどこの駐車場もガラガラだ。スマホを見ながら住宅街を歩くとネオンが光る煙突が現れる。まるでクリスマスツリーだなと思いながら足元に辿り着く。様々な有名人の写真とサインとコインランドリーの奥に大黒湯が待っていた。
中に入って驚いた、外観から想像はついていたが昭和サウナの極みといった内観だった。浴室とサウナが完全に分かれていて、何となくVIP扱いをされている気がする。お湯に浸かってまず水質の良さに驚く。そして熱い。とても気持ち良い。サウナは前室と後室(ストーブあり)に分かれている。温度は112℃で何となく構造からサウナ錦糸町を彷彿させる。サウナの前には水風呂が二つ、やはり明らかに水質が良い。ゴクゴク飲めそうだが誰も飲んでないので諦める。
水風呂は冷たくお湯は熱い、おまけにサウナも熱い、素晴らしい。常連さんたちが本を読んでいるのも何だか楽しそうで良かった。次回は深夜特急の文庫版を持ってきます。
[ 東京都 ]
木張りの脱衣場を進むとクリーム色の扉がある、まさしくトイレだ。
その扉には黄色い謎のシミがある。初めて見た時はアンモニア由来なものだろうと思っていたが、この7年間で位置も形状も変わらない。先の改装後も変化がないのでおそらく模様か何かだと思う、いや思っていた。
今日もいつものように用を出して身体を清めてサウナを楽しんだ、2セット目あたりで夜風に当たろうと脱衣場から外気浴へ向かうと、ふとトイレの扉が目に入る。
一瞬見間違いかと思ったが、明らかにシミが増えている。まるで激しい書道作品のように、取っ手から上に向かって登り龍の如くシミが追加されていた。
となると疑問が残る。7年前から変わらないシミ(以下A)とこの一刻の間に生まれたシミ(以下B)のうち、アンモニア由来なのは一体どちらだろうか。個人的にはAに関しては模様のだと信じ切っていたが、増殖するという特性を持つのであればそもそもシミではない気もする。そもそも僕が訪れる時間帯に毎回このシミを生成する妖怪のような存在がいる可能性も否定できない。それにAと BがあればCだってそのうち……何だか怖くなってトイレのドアに背を向ける。目の前でシミが増えるのも妖怪が現れるのも勘弁して欲しい。
サウナの通気口から常連さんの笑い声が漏れている。夕食に何を食べるか議論をしているようだ。知らぬが仏、ここはいつもの平和な第二喜多乃湯、サウナモンスターは居てもトイレ妖怪は居ないはずである。
[ 東京都 ]
友人のポストを見て雪が降る羽村に来た。この辺りは私の地元よりも山の気配が強い、高崎くらい強い。したがって雪の勢いも比較にならないくらい強いのだが来た。この天気なら新規オープンだとしてもそんなに混んでいないだろうと踏んでいたからだ。
結論、来てよかった。本当によかった。
……なんですかあのサウナ室、旧草加健康センターのロウリュ後のような湿度と温度のバランス。上段顔の位置で90度表示で数字だけを見ればまさにフィンランドサウナといった感じだが、オートロウリュが強力で一気にドカンと湿度を底上げる。加えて熱の反射がとても良い、新しいサウナにありがちな熱のムラなど全くなくピザ釜の中のような、身体の中心に向かって熱が押し通ろうとするような感覚だ。おそらくサウナ室の構造が良いのだろう。ここを作ったビルダーは相当腕が良いに違いない。サウナって入っているだけで気持ちよかったんだな、と気付かせてくれる名店のそれに近いサウナ浴を楽しむことが出来る。
内湯外湯ともに良質な温泉だったり、露天風呂で外気浴中に吹雪いてきて満面の笑みで逝きかけたり、食堂からめちゃくちゃ良い匂いがしたり、ヨギボーがたくさん転がってる部屋があったり、色々気になるところはあったが先ずはサウナに入りにきて欲しい。何故ならこのコンディションをいつまで維持してもらえるか分からないからだ。
今すぐスマホと手帳を確認して明日の予定を確認してほしい、難しいなら次の週末は?祝日は?男女交代で月の湯と陽の湯と分かれているので2度楽しめる。なんなら超かぐや姫を立川シネマシティで見た後に、足を伸ばして入るのも良いだろう。rayのMVを観た後に入れば映画の延長戦だ、露天で宇宙を眺めて月を探そう。幸いにもここの露天は空に遮蔽物は何もない。見つけたら手を伸ばして月の温もりを感じ取れるはずだ。
[ 東京都 ]
黄色い厚手のタオルに赤い大の字、人見知りな私がつい声をかけてしまったのもサウナの魔法なのかもしれない。
つい先々週行った大垣サウナ、やはりというか第二喜多乃湯と縁があるのだろう、やはりあの時買っておけば良かったと改めてマジマジ観察する。普通のタオルよりもやや長めで厚手、尻に敷くのも背中を擦るのもちょうど良いサイズだ。端っこがヒラヒラした程度では分からない、大きく広げてガバッと活用することで、分かる人には分かるデザインも素晴らしい。
お兄さんは脱衣所で扇風機を調整し、その前にどっかりと座る。背景に大垣サウナの立ちシャワーが見えてくるような、堂々たる休憩っぷりだ。
水質に惹かれるサウナーは全国の名水を渡り歩くのだろう。それこそ火山帯やアルプス系に近い施設には水質では負けるかもしれないが、それでも東京都の銭湯としてはかなり水質は良い方だと思う。あまり混んでほしくはないが、第二喜多乃湯の名が全国に轟くことを妄想するのもなかなか楽しい。
[ 東京都 ]
今年の初めに買ったGarminの腕時計が警告を発している。安静時に頻脈になると教えてくれるのだが、あまりにも頻回なので解除しようと考えているところだ。最近のこの身体はプリン体が高くなり血糖値も著しく上昇し、しまいには血圧も人間のそれよりも高くなりつつある。したがって常時異常という健康とは何か、と考えさせられることが多い。旅行をするにしても酒を飲んだらアラームが鳴り、寝れば質が良くないと怒られ、魚介類を多めに摂取すると四肢の端がむずむずし始める始末だ。つまり、特に痛風発作が起きることなく旅が終わったことを内心喜んでいる次第である。
第二喜多乃湯に入ると改めて水質の良さには驚かせられる。この銭湯の影響でより良い水質を求めて全国を回り始めたのが約5年前だが、旅行から帰ってきてここの水質の良さを実感するのも毎度恒例となっている。肌で感じる冷感、一瞬で消えるバイブラの泡、水面から立ち昇る香り、そして蛇口から流れる水の旨さ、どれも一級品だ。水風呂の水質にうるさいサウナーな方には是非お越し頂きたい。
ビービー鳴る時計を無視して夜風を浴びる、外気浴で頻脈になるなんて聞いたことがないので恐らく故障だろう。そういえば最近充電をしていないのも原因の一つかもしれない。
[ 東京都 ]
もはや第二ホームと言っても良いだろう、昨日は帰宅が遅くなり今年初のこちらへ。
どうも高血圧の気があったのでサウナには入らず湯船に沈む。ここの水風呂はややぬるめではあるが、水質良く湯船からの交代浴だと絶妙な温度設定なのだ。そんなわけで5分ほど身体を温めたらポワ〜と良い気分になったのでそのまま浴室内の椅子に座る。湯船のバイブラが浴室に響き、サウナの扉が音を立てて閉まる、目の前のおじさまが髪を泡立ててシャワーで流す、目を瞑ると如何に銭湯が音に溢れているかが良く分かる。ちょうど油そばの糖質が血糖スパイクを起こし始めたのか、そのまま意識を手放した。
気がついたら1時間ほど眠りこけていたらしい。浴室の人数はグッと減りあと半刻もしないうちに閉店の時間だった。しっかり湯船に浸かり水風呂でフィニッシュ。ずっと眠っていた私を周りのお客さんはどう思っていたのだろう、赤面の理由は恥ずかしさからかのぼせた為か足早に退店した。今年もお世話になります。
[ 東京都 ]
バルブが故障中で立ちシャワーの冷水が出ないとしても常連の顔ぶれは変わらない。掛け流しの水風呂にケロリンを突っ込んでバシャバシャ水を浴びる。それを何かの遊びと思ったのか子供達も真似して水風呂に突っ込んで行く。それを見守るようにして蛇口は地下水を放出し続けている。
近頃は親子連れの常連さんも増えてきて、特に夜の時間帯は三世代が揃い踏みしている第二喜多乃湯であった。特に前から知っている同年代の常連さんがお子様を連れてくると、皆さん破顔一笑といった様子でどこからそんな声が出るのか不思議なほどの猫撫で声で、子供達と遊び遊ばれている。その間にお父さんは身体を洗いお湯に浸かってサウナを楽しむ。核家族化した現代の家庭ではあまり見かけない、かつての日本のような光景が銭湯にはまだ残っているのだ。
一方私というのは通い始めた頃からライフステージに変化はなく、今年も第二喜多乃湯に通うだけである。教育論や習い事、学校の決め方などおそらく一生使わない知識をサウナ室で学ぶ。一応頭の隅にあるメモ帳に書き残すが水風呂に入れば忘れてしまうのだろう。
未来や過去を望遠鏡で覗き込み、予期不安に揺さぶられるのは脱衣所の先で十分だ。今この瞬間にインスタントな幸福を感じることがサウナ浴の魅力の一つだと思う。
[ 東京都 ]
友人と初ルーフトップ、全体的に優しいセッティングで生活習慣病まみれな私にはベスト。ロウリュの抜けが早く、香りを最後まで楽しめるのも良き。
外気浴は青空がドーーーーン!体から蒸気が昇っていくのを薄目で眺める。最高。
[ 神奈川県 ]
初訪問、温浴施設にしては限りなく自然に近いサウナ体験が楽しめます。
多分メインは温泉なんだろうな、という印象。サウナも良いし水風呂も水質含めて最高だが、あまりにも温泉が良すぎる。一生入っていられそうなほど、温度も湯質も完璧です。あちらこちらに飲水用の蛇口があって、のどが渇くたびに脱衣場に行かずに済むのもとても私好みです。館内は広くて一日ダラダラできるし、むしろしたい程。
もう少し温かい季節に来ても良いかもしれません、でもまた近々来ると思います。
[ 香川県 ]
誰かさんの目覚ましに起こされる、ぴったり6時間睡眠だったのでそのまま浴室へ向かう。外はまだ暗い、あいにくの天気だが東の空から太陽の気配を感じる。ぽつぽつと降る雨粒が気持ちよい。徐々に町が目覚め始めるこの時間が大好きだ、今日食べるうどんについて考えながら目を閉じ椅子にもたれる。
ロウリュサウナで仲良くなった常連さんから耳寄りな情報を得る、北灘にはスダチ鰤というものがあり、餌に柑橘類を混ぜているためか臭みが全くなく極上の食味だそうだ。また西に進むと琴弾廻廊という温浴施設があり、そこもサウナに食事と名店のそれと聞く。今日帰らなくてはいけないのに、もう次の行程表を作らなくてはいけない。もういっそ住んでしまおうかと何度考えたことやら。
今年になって4回目の四国なのだが、来るたびにこの土地に根付く文化、県民性、自然との距離感と食について感動してしまう。
来年は学校に行くので旅はほとんど出来ない、それでも四国にはどうにかして行きたいと強く思う。
[ 香川県 ]
2025/12/20
どうしても高松に行きたかったので友人を3人集めた。本当なら2泊はするべき行程だが1泊2日で何とかする。せっかく大阪を通るので超有名ラーメン店に立ち寄る。まあ無茶が過ぎる。
ゴールデンタイム高松に着いたのは17:30ごろだった。アウフグースの予約に遅れそうでライオン通りを駆ける男4人、何が悪かったのか思い返すが寄り道を重ねた己の行動ばかりが思い浮かぶ。
アウフグースはとても良かった、男女の兼ね合いの演技は見応えがあった。男性は力強く、女性はしなやかなタオル捌きで音楽に合わせて躍動する。狭いサウナ室ではなく、野外のステージで観たらどんな感じなのだろう。人生で1番のスピードでタオルが回転する、額の側で空気が切り裂かれる。目で追うと眼球もクルクルしそうで、膝の動きに注目しながら楽しむ。
食後はいつものまほろばさんへ、いつもお世話になっている店員さんに挨拶をする。相変わらずここは何を食べても美味い。どこの誰に紹介しても満足してもらえるだろう名店だ。
[ 埼玉県 ]
無事認定課程に入れるということで地元の先輩にジンギスカンを奢ってもらった。貪るように食らった二人だが、お店を出る頃には髪も服もそりゃ凄いことになっていた。せっかくならサウナに行こうと色々調べて近くの銭湯に行こうかと思っていたが、先日のつよぽん氏の2025年カレンダーの記事を読んで急に健康センターに行きたくなった。
深夜にも関わらず付き合ってくれた先輩に感謝をし外環を飛ばす。草加健康センターに着いたのは23時の手前あたりだった。
入って身体を清めたらまず効仙薬湯に入る。もうこれを味わえるのは日本でここだけになってしまった。厚木では晩年の老朽化で一度は提供終了となっていたが、のちにラッコ湯として復活した。思えばあれも無理を言って再開したのだろうけど、ついつい効仙薬湯と比べてサウナイキタイに何かを書いた記憶がある。今となればあのラッコ湯こそ、後悔のないように味わうべきだったのだろう。失ったものは二度と戻らないのだ。
相変わらずのサウナ室が良い、改築されコンディションが人の出入りに左右されやすくなったが、深夜になればなるほど従来のサウナ室に近づいて行く。初めて来てから10年くらいだろうか、それでも来るたびに感動する。最近は人が多くて辟易することが増えたが、ぎゅうぎゅうに詰めて氷とブロワーに耐える一体感は、他ではなかなか味わえない。
あまりの寒さで水風呂に入ったほうが暖かいという貴重な体験をしつつ10セット、あっという間の時間だった。アイルビーバックを信じて帰路に着く。
[ 栃木県 ]
肉体にはタイムリミットがある、この歳になって100メートルを7秒代で走るのは無理だろう。柔道だって昔のように戦うのは難しい。だから大切なのは自分の限界がいつなのか、ある程度予測をして挑むということだ。
間に合った、憧れの地に辿り着いた時僕はそう呟いた。毎年更新をしているその年の目標に3年間も居座り続けていたのが『スパ南大門で焼肉をたらふく食べる』だった。この3年間はチャンスに恵まれず、友人に先を越されて美味しそうな焼肉の写真が送られてきた時は、悔しさのあまりに松屋で焼肉定食を食べたのは記憶に新しい。
そんな中やっと来れたのだ、こんなに嬉しい日はない。今朝は6時に起きてエビオスと乳酸菌を飲んだ。昼は岩下の新生姜を食べて胃腸は元気いっぱいである。ひとまず身体を清める、焦ってはいけない。サウナのことも書きたいがそんな余裕はない。素晴らしいサウナだがそんなもの皆が知っている。駐車場には地元のナンバーばかりだった、つまりそういうことである。一通り湯船を楽しんで2階へ向かう。
カルビにしようか、ホルモンも付けようか、ご飯は大盛りにしちまおうか、悩みながら席につき慌てずメニューを広げる。タブレット式でないのはとても好みだ。これを喰うぞ、と覚悟を決めて店員さんに宣誓ができる。
「我々はサウナー精神に則り、カルビと熱々ご飯を食べて締めにクッパを頂きます!」
なかなか良いじゃないか、と思っているとファミリー向けの大皿に気づく。
僕は独り身ではあるが時と場合によってはファミリーと名乗っても良いと思っている。1つは体重が常人の2倍あること、1つは血圧が常人の2倍あること、さらに血糖値も高い、つまり僕の中にもう1人の『僕』がいるということだ。
大皿を頼むのに抵抗は無かった、そもそもあればそもそもこんな体型ではない。
焼肉のタレの味を確かめているうちに一瞬でキタッ!
お待たせしました〜ニコニコォ!からの大皿がどーーん!!!!カルビ尽くしでサシが凄い❤️
早速焼く、中落ちカルビは遠目からゆっくり火を入れつつ豚バラカルビと大門カルビから始める。タレ皿には醤油ベースのタレとキムチをスタンバイ。じゅうじゅうと脂が炙られて良い香りが立ち昇る。これだけで米が消えそうだがグッと我慢。先に火が入ったのは大門カルビだ、タレにつけると脂が花のようにフワッと広がる。そのまま箸で持ち上げ米にワンバンし頬張る。我ながら絶妙な焼き加減だ。程よい焼き目が肉の表面をコーティングしタレとのツナギの役割をしている。良い肉の脂だ、自己主張はしっかりしつつも次の役者のために舞台から素早く降りる、その後に肉汁の爆弾とタレもしっかり仕事を(文字数
[ 山梨県 ]
山梨県都留市、中央道に程近いこの町には三大サウナがある。温泉と井戸水の混合水風呂が有名なより道の湯、地域コミュニティの一角を担い、遠方から来たサウナーを水質の暴力で沈める泰安温泉、そして少し山の方向に進むと突如現れるスターらんどである。今回は泰安温泉からのハシゴサウナで地元の友人サウナーと訪れた。
泰安温泉の後、近くにある喫茶店に寄ったら思いのほか居心地が良く、さらに絶品のナポリタンを味わっていたら気がつけば日が暮れていた。山の日の入りが早いのは分かっていたつもりだったが、せめて明るいうちに外気浴を楽しんで欲しかった…と入館する。熱得コースがいつのまにかランチ限定になっていたり、キジの剥製が消えていたり、変化を楽しみつつ浴室へ向かう。
相変わらず素晴らしいサウナだ。壁の木材は少しずつ剥がれてきていて(決して劣化ではない)濃いキャラメル色に焦げていて美しい。壁に肌を近づけるとストーブからのそれとは違う、柔らかい熱が感じられる。これはある意味、張り替えを必要とするギリギリラインに近いことを意味するが、この状態のサウナ室の熱感は涎が出るほど蕩けるように気持ちが良い。張り替え前の我がホーム、第二喜多乃湯がまさにこんな感じだった。このサウナ室ならストーブを消しても汗が出続けるだろう、あまりの気持ち良さにニヤニヤしながら水風呂へ向かう。
水面に天井にあるライトが当たりキラキラと輝いている。汗を流して沈むと体表から立ち上る泡が弾けて、眼球の奥へ流れ込んでいく。賢治が想ったクラムボンもこんな感じだったのだろうか。美しいが長くいられる温度ではない、身体を拭き外気浴へ急ぐ。
以前はライトが全て壊れていて恐怖を覚えるほど真っ暗だったが、どうやら一時的だったみたいだ。アクセルを踏むようにどんどん気温が下がっている。水風呂をカットしても良さそうだと思いながら椅子に座って目を閉じる。
隣ではstosh氏が「スターらんどパねぇ…」と呟いていた。富士山は遠いが都留には素晴らしい水とサウナがある、昨今のサウナブームが収まりつつあり、各地の名店が利用しやすくなってきた。
あとはアラブの石油王でも来て、お金を落としてくれればみんなハッピーなのに、と思いながらこの日10回目のサウナ室に向かうのであった。
[ 山梨県 ]
ありがたいことに齢30を超えた今でも構ってくれる友人が多い。20の半ばごろは友人らも私生活が忙しくなり、数年後には孤独な人生を送っているだろうと予想し、案外自分は寂しがり屋なのだなと思っていたのが外れるものである。
今回は地元のサウナー友であるstosh氏からのお誘いだった。元々は自転車で赤坂見附に行き生姜焼きが有名なサウナに行こうという話だったが、私が全く自転車に乗れず練習不足で、どう話を切り出そうかと悶々としていた矢先に、地元の定食屋で偶然出会したのが今回の旅の始まりである。その場で己の体力の無さを悔い、車を使い遠征をするのはどうかと折衷案を示したのだ。
そんなわけで愛車に乗り山梨へ飛ばした。神奈川や千葉も検討したが、有名施設が多く人も多い。その点山梨は水質が良く程よく空いている。より道の湯も検討したが、さすがはstosh氏すでに訪問済みとのことで国内最強クラスの先頭である泰安温泉を第一の目的地とした。
久しぶりに泰安温泉の暖簾をくぐる、相変わらずツバメらが頭上を旋回している。可愛い。2階からはカラオケが聴こえる。まさに都留のコミュニティセンターだ、地元住民の憩いの場にお邪魔し名水を頂く。
浴室は貸切だった、素早く身体を清めて下茹でへ、薪で焚かれたお湯は何とも良い香りだ、程よい深さで手足を伸ばせる。ポコポコとバイブラの音が反響し、有線で流れるジブリのオルゴールにバイブスを加えている。
サウナ室入り口のつまみをグイッと捻るとストーブがフルパワーになる。温度計の針が100℃を出発しグングン上昇する。4人で満席のサウナ室だ、逃げ場が無い。だがそれがとても心地が良いのだ。(確か)富士山の溶岩石を使ったストーンが謎の熱波長を放つのだろうか、非科学的だがそんな理屈もこのサウナでは通用する気がする。
神の宿っているような水風呂は全国数えても泰安温泉を含めてそこまで多くはない、どの家庭にもあるような平凡な蛇口から名水がオーバーフローである。
潜って飲む、飲んで潜っても誰も文句は言わない。最高だ。最高のサウナだ。
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。