2020.07.27 登録
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夜の山はよく冷える。
紅葉狩りの帰りだったので、青梅辺りのサウナに行こうと思っていたが、あまりの寒さに我慢ならず結局いつもの喜多の湯へ向かった。
すっかり忘れていたが今日は生姜湯だ。洗濯ネットのような網に入れられプカプカと浮いている。時折裸の男たちが近くまで寄り、親戚の家の猫にちょっかいを出すかのように手を伸ばし、しまいには鼻を近づけて頷き納得したように離れていく。何なのだろう。
生姜パワーなのかサウナでの発汗が半端ではなかった。激アツ悶絶、クラクラしながら水風呂に沈む。最高だ。
常連さんの多くは変わり湯をとても楽しみにしている。久しぶりに見る顔、ちょっと覚えてないけど向こうはよく知っている間柄、皆んなで仲良く湯船に浸かり汗をかいて外気浴で一服をする。こんな幸せな時間が他にあるのだろうか(反語)
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リニューアル後初訪問。
厳密にはお正月に行ったが時間の都合でサウナは利用しなかった。その為か浴室の記憶があまり無い。ちょっと緊張しながら浴室へ向かう。
まず目に入るのは馴染みのある鳳凰だ。第二喜多乃湯よりピカピカに見える。挨拶をしながら身体を清める。
#サウナ
適度な湿気とボナストーブ故の背後から伝わる熱が全身の汗腺をこじ開ける。最初の数分は中々汗が出ないが、あるラインを超えた瞬間からドバドバ止まらないのは以前と同じセッティングな記憶がある。心地よい時間が長く続いて熱さを我慢する時間が短い、境南浴場が公衆浴場であるにも関わらず名サウナと呼ばれる理由だと思う。
#水風呂
青いタイルが水面に浮かび艶やかに誘う。逸る気持ちを抑えて汗を流して爪先からするりとお邪魔する。柔らかくふんわりした肌感としっとりと冷えた水分子が体表の熱を奪い毛穴と毛細血管が丁寧に縮小するのが分かる。腹の中の小さな炎を残して、血管の内側まで青く染まる。こんなに気持ちの良い水風呂は滅多にない。以前蛇口から流れる水を何度か飲んだ記憶があるが、浴室内の水は飲んではいけないと張り紙があったので断念。見てなければ間違いなく飲んでたと思う、そんな魅力溢れる最上級の水風呂だ。
外はザアザアと雨が降っている。流石に水風呂からそのまま帰るのは風邪をひきそうだったので、湯船にしっかり浸かることにした。最近設計された為か座湯も薬湯も腰をかける段差がしっかりと深い。耳のすぐ下までしっかり温まる。出る前に手足の末梢に水をかけて退室する、これで湯冷めは当分先になるだろう。
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色鮮やかな若者に囲まれ秋風に酔う
頭のてっぺんから足の先までオシャレに決めている若者が怖い。小心者なのでなるべく目を合わせずに浴室をウロチョロしていると向こうから挨拶される。よく見ると何度も会ってるヤンk…若者で、その見た目と裏腹に礼儀正しい一面と妙な可愛げさがある。やはり人の魅力は多面性だと思いながら外気浴をしていると、いつのまにか彼らに囲まれていた。こうなると無言の時間も中々辛く、彼らの楽しい時間を邪魔しているようで何だか情けなくなって浴室に移動するのだが、心情を読まれていたのかゆっくりなテンポで話題を振られる。ヤンk…と呼んでごめんと心の中で謝罪をする。実に美味そうにタバコを吸う彼らはキラキラと光っている様に見える。同年代の常連とはしばらく会っていない、人伝に近況を知るが人生を生きるペースが徐々にズレていく感覚に陥る。「孤独とは前提である」という故谷川俊太郎先生の言葉もあるが、人類が補完でもされない限り、寂しさを紛らわすことが人生の歩みそのものなのだろう。
3人分の口煙が渦を巻き闇夜に消えていくのを少し羨ましく眺める。高くなった夜空が冬の到来を教えてくれる。こんなに気持ちの良い外気浴もそう無いと思う。
サウナの後は常連さんと吉野家へ。糖と脂とタンパク質の組み合わせが肉い…じゃなくてニクイですね。
ご馳走様でした、お蕎麦の注文も出来たし髭も剃れたし良い1日でした。
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寒くなるとシャワー浴のみはかなり辛い。
贅沢なのは分かっているが足は自然と銭湯に向かう。
ラーメン二郎や大國家、シズラーなど胃袋ではとてもお世話になっている府中だが、思えばサウナやお風呂目的で訪れた記憶がない。サウナイキタイで調べてみると何店舗かヒットした。その中に時々名前をお見かけする旭湯さんがあったので、これは行ってみようとバイクに飛び乗った。
出迎えるは東京銭湯の暖簾、灯の少ない道なので白い暖簾がパッと目に入る。これは撮るべきだろうとカメラを取り出すと、横を子供が通り抜ける。どうやら地元の親子連れのようだ。受付ではしゃぐ子の声を頼りに中に入る。
浴室に入って驚いた、我が祖父のよく通っていた亀有の富士の湯とそっくりだ。昔連れて行ってくれた時のことを思い出す。パチ◯コ仲間1人1人に私を紹介してくれた。あのおじんたちとはあれが最初で最後だったが、どこかで元気してくれていると嬉しい。
富士の湯ではサウナは使用禁止になったと聞いたがこちらは現役バリバリである。フカフカなサウナマットに新しく張り替えたであろう床が清潔感を帯びている。ストーブが大きく熱の逃げ場が無い感じで問答無用で汗が出る。扉の向こうに水風呂の気配を感じる。この焦らされてる感覚がとても良い。
途中であつ湯の存在に気付く、というのも常連らしい子供たちがその湯船と水風呂を往復しているのが目に入ったのだ。気持ちよさそうに入っているので、私も何気なしに足を入れたらかなりのあつ湯でびっくりした。
熱くないのですか?と問うと「いやーそんなことないですよ」とニヤリと笑い返された。
大人の面目をと頑張ったが、髪の毛先まで熱が入り水風呂に逃げた。
常連というのは年齢に限らず恐ろしいものである。
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ぼっちざろっく(以下ぼざろ)コラボ週間ではセトリのうち一曲が結束バンドになるらしい。Xを確認すると『今、僕、アンダーグラウンドから』をサウナで聴けると。個人的に結束バンドの中でも特に好きな曲で、劇場版前編のスタッフロールで流れたのが記憶に新しい。
ぼざろは隠キャな主人公がギターを通して青春を取り戻していく作品で、そんな青春を送れなかった者もその追体験を通して、存在しないはずの記憶を獲得ことが出来る。まあでもアニメはアニメの話であり現実とは全く違う。所詮は線で形成された世界の話を3次元に持ってきても破綻するに決まっているのである。
その点音楽は凄い、劇中に使われた音楽はアニメを見ていなくても体験することが出来る。
アニメの世界観は現実のものではないとしても、鼓膜を震わすギターのサウンドとドラムの勇ましさ、腹に響くギターベースの低音と嘉多郁代の歌声は紛れもなくリアルである。アニメの付加情報にすぎない音楽も、音楽単体で聴けば逆にアニメがメロディーを補足する情報の一つとなってしまうのだ。
「隠キャならサウナに行け!」
はまじ先生の名言を胸に久しぶりのかが浴場。入り口のコラボ看板をパシャリ、団扇にステッカーを頂いて浴室へ急ぐ。ヤンキー、若者、刺青の中に何とも怪しいオーラを放つ方が居たので勝手に親近感を抱いたが、よく観察したらととのい中のサウナーだった。紛らわしい。
よくセトリを読んだら偶数と奇数を間違えていた。泣く泣く諦めて退室。でもももクロ聴けたからいいよね…ジミヘン…
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久しぶりに夕方の時間にお邪魔。
今年の三が日に会った方を何人か見かける。目が合い会釈をするが覚えられているかは不明。
テレビでは大相撲秋場所を放映中だ。私より年下の力士たちがぶつかり合う、見た目はおじさんで膝のテーピングが痛々しい。さぞ苦労をしたのだろう。顔にも肉体にもその年齢にしては多すぎる傷が付いている。
タオルを絞りながら鏡で自分の腹を見る。思いつくのはゴーストバスターズのマシュマロマンだ。あれは大きいからこそ街の脅威となったが、人サイズであればただのポッチャリである。
何事も中途半端は良くない。太るなら太る、痩せるなら痩せる、思い出したように時々来るなら毎日通ってサウナを楽しむ。
私も誰かの脅威になってみたい。健康診断にビビり散らかしているのは他ならぬ私ただ1人なのだ。
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いつもの時間、いつもの喜多乃湯。
放っておくと黒ずむのは親切心、好奇心、人の心と所作と貸ロッカーに入れた歯磨き粉のキャップである。どうやっても手が届かない貴方は黒カビなのね、と今度は水流で流そうとするが何度確認しても(コンニチワ!)と元気そう。
いっそのこと捨ててやろうかと悩んでいたら常連さんがカビキラーをかけてくれた。何故銭湯に私物でカビキラーが?と思ったが、数分後にお湯で流したらピッカピカになっていて驚きのあまり忘れた。
人の心はいざ知らず、黒カビを手軽に落とすならカビキラー
今日の学びである。しかしカビキラーって口に入っても大丈夫だったかしら…?
[ 東京都 ]
足繁く通っていた場所も、しばらくご無沙汰だと妙に行きにくいことがあると思う。真夏の熱気にやられて家での水シャワーにハマった8月、残暑の9月に旅に没頭した10月。気がつけば3ヶ月以上行っていなかったことになる。
そういえば一月ほど前に常連さんから珍しくメールが届いていた。「最近忙しいの?」と綴られた数行には上野付近の良いサウナを知りたいという理由の中に、近頃来ない私を心配している様子が見え隠れしていた。また近いうちに顔を出します、と返信したがそれっきりだったので奴もなんとかやっているのだろう、と判断したに違いない。
今夜は相互フォローであるstosh氏とのオフ会である。2人きりなので会合と言って良いのか分からないが、電子の海の離小島が今夜第二喜多乃湯に集まったのだ。
相変わらずサウナが熱い。バイクで冷えた身体でも下茹で省略でドバドバ汗が出る。上の段は木材の劣化が進行しぽっちゃり系が座るとそのまま奈落に落ちそうだったので、下の段にて蒸された。それでも気持ちよく汗がかかる。改めて素晴らしいチューニングのサウナだ。
水風呂は以前より放水量が減ったように思える。よく見ると蛇口の上に見覚えのないテプラが貼ってある。曰く全開で水を出すのはやめて欲しいとのこと、井戸水なので水道代はかかっていないと思っていたがどうも違うらしい。それともSDGS的な何かなのだろうか、謎はバイブラと共に空中に霧散する、キモチーー
夕食は常連さん含めて3名でビバジだ。サウナ→二郎ラーメンの相性は最高だ。特に第二喜多乃湯は湯上がり後も身体が冷えにくいので、1時間半近く並んだが寒さは最後まで感じなかった。あゝ素晴らしきかな第二喜多乃湯…
この歳になっても誰かに遊んで貰えることが如何に有り難いか、また遊んで下さい。ありがとうございました。
[ 神奈川県 ]
昨夜は気づかなかったが、星空の下には秋色に染まった山があった。あと10日ほど待った方が紅葉らしいかもしれない、けど温泉に浸かりながらのんびり眺めるには十分すぎた。今朝も浴室は程よく空いていて、時には貸切状態になることもあった。
これも空いている恩恵だと思うが、サウナ室が昨夜よりも熱い。最上段から天井まで数十センチあるうえで、顔のあたりで100℃と表示されているのだからポテンシャルは十分である。軽くタオルで攪拌すると一気に体感温度が上昇する。
そういえばキャプテンスタッグの団扇(プレジデントにあったやつ)を持ち込んでいるお客さんがいたが、あの方は常連さんなのだろう。長くのんびり過ごすのも、しっかり熱く汗をかくのも自由自在となれば中々良いサウナ室だと思う。
朝食もバイキングで、名物はフレンチトーストだ。陽気なベテランシェフが生クリームを合わせると美味しいよと教えてくれたので試してみる。フレンチトーストの程よい塩気と砂糖控えめな生クリームがよく合う。様々なソースが準備されているのも憎い。つい4回もお代わりしてしまった。
嬉しそうにコーヒーを飲む母を見ると、また連れてきたいなと思う。少しは親孝行になったのなら幸いである。
[ 神奈川県 ]
基本的にくじ運のない私だが、昨年の会社の忘年会で何かに覚醒したのかエクシブの招待券を当てた。旅館に宿泊なんて10年に一度くらいで基本はカプセルホテルで十分な男だ。
そんな人間が箱根で一泊するなど非常に稀な体験で、玄関のドアマンにビビり部屋の広さに驚きバイキングの値段と美味しさに衝撃を受けた。何じゃこりゃあとステーキを食べ続ける姿は側から見たらさぞ奇妙だったに違いない。
腹が膨れたところでサウナの時間だ。3連休の最終日に宿泊ということもあり館内も浴室もかなり余裕がある。普段メリットばかりで碌な扱いをされない毛髪がシャンプーで喜んでいるのが分かる、これで頭皮とララバイするまで時間を稼げただろう。
サウナにもやはりというか人がいない。水風呂で遊んでいた童の声が浴室に響いている。最上段に座っても中々汗が出ないのでタオルで旋回してみる。10分ほど粘って水風呂へ向かう。空気が混ざればすぐに反応するストーブで助かった。
水風呂付近には灯りはなく、さらに裸眼の私には黒い水面がゆらゆらと揺れているようにしか見えない。これで視力が良ければ立体的に把握ができるのだろうが、なかなか難しい。メガネのある時代に生まれて良かったなと感謝をしながら、童が持って遊んでいた手桶を貸してもらい汗を流す。
水温計は17℃前後を指していた、体感的にもドンピシャだ。久しぶりのサウナからの水風呂に思わず呻き声が漏れる。その様子を見ていた童がそっと入ってきたが膝の下あたりで凍りついたように動きが止まり逃げていった。近くにいた父親らしき男性に会釈をして露天は向かった。
露天は三日月の湯というらしいが、生憎夜空には銀色の雲が点々としていた。雲が流れて時々星は見えるが月はどこにもない。ぼーっと眺めながらぷかぷか浮かぶ。贅沢にも程がある。
[ 東京都 ]
同年代の常連さんたちが皆籍を入れたと聞いた。
少し上の世代は子育てに忙しく、ヌシ世代は孫の自慢合戦が繰り広げられている。
そんな中、私は会話に全くついていけず湯船でプカプカ浮かんでいた。
誰かバイクとかカメラとか、そんな少子化に全く貢献しないような話で盛り上がりませんか?無理ですか、そうですか。
相変わらずサウナは熱いし水風呂は冷たい、喫煙所では雨風が秋の気配を運んでくる。時が経てばその気はなくても人は少しずつ歩みを進めるものだ。
でも私は一生ウォーキングマシーンから抜け出せない気がするので、周りが映らないように日常を切り取る。それらでアルバムをこさえれば、前に進んでいたのだと錯覚する日がそのうち来る気がする。
スクラントン現実錨を担いで陸に上がる日を楽しみに、また来ます。
[ 埼玉県 ]
やはりオープン時と比較して日曜日の夜となると子供や家族連れのお客さんが多かった。だからこそ、今日の感想がコアタイムの状況を踏まえていると思う。。次回は平日の午前を狙って来たい。
#混雑
まあそりゃそうよって感じで大盛況である。スパジャポと比較して通路が狭かったり曲がり角が多いためか彼方此方で渋滞が発生する。浴室入り口右の掛け湯エリアから始まりカランを越えて水風呂エリアまで断続的に10ー20mの渋滞がしょっちゅう起きている。道路交通情報センターから情報提供がそのうちありそうだ。
#水風呂
露天の水風呂はライトアップされてとても美しく、内湯サウナの7段目で蒸された後に飛び込むと格別だ。しかし前回と違い列で待っているのは童心に帰ったおじさんではなく、本当の童心とはどういうものなのかを見せつけようとしている本物の子供達なのだ。つまり何かというと、深いエリアにまだ人がいるにも関わらず容赦なく飛び込んでくるのだ。足がつかない水の底でボヤボヤしていると40kgほどの踵が頭上から落ちてくる。まるでヘリコプターから狙われる潜水艦の気持ちだ。運悪く当たれば水の底で閉店を迎えそうなのでこちらも必死である。手足をバタバタして存在をアピールしながら普段使わない筋肉を駆使して壁側に逃げる。すると先ほど私が居た場所に子供が降ってくるのだ。ちゃんと私の存在を認識して飛び込んで来てると最初は思っていたが、よく見るとバク転をしながら飛び込んで来たのが分かった。殺す気か。
#サウナ(露天)
全く熱くない。私の記憶では初日はロウリュの度に石がジュージューと鳴いていたのだが、今日はうんともすんとも言わない。若者たちは汗が止まらない自慢ではなく汗が出ていないことを友人らと楽しんでいる。そんなポジティブさはどこで学んで来たのだろうと感心する、義務教育に加えられたのだろうか。
温度計を見ると60℃を指している。もはやただの部屋である。
「8月の下旬ってこんな感じでしたよね」
若者の会話につい笑ってしまった。急に会話に入ってごめんなさい。
再度ロウリュが始まるが全くの無音である。花でも咲くのだろうか。
試しにサウナストーンに手を近づけてみたら普通に触れる温度だった。これで汗をかいて水風呂に入って気持ちが良かったらサウナは要らないと思うのは私だけだろうか。客の思い込みやプラセボを温浴効果に結びつけるのはやめて頂きたい、サウナーとしてのアイデンテティの崩壊の音がする。
みんな分かっているのかサウナに力を入れている施設なのにも関わらずどの湯船も満杯である。やはり日本人は湯船である。スパジャポが志半ばで諦めた激熱風呂の復活を願う。
[ 東京都 ]
僕にとって最も季節の移り変わりを感じ取れるのはCIOで外気浴をしている時だ。
ひと月前は徹底的に身体を冷やさないとサウナ→水風呂→ほぼサウナで『ととのい』など遥か遠くの存在だったが、文字通り真夏のピークが去った今日この頃はある程度熱を保っていても、夜風が『ととのい』へと導いてくれる。
このサウナトランスに必要不可欠な『風』であるが、都内のカプセルホテルが持つアドバンテージとしてビル風というのがある。例えば上野の北欧であればトゴールの上を渦巻く風が他の施設では再現性の難しいあの空間をサウナーに提供してくれる。池袋のかるまるでは9階のビルから突き出たスペースで朝を迎えると、太陽に温められた空気が上昇気流となり吹き込んで来る。遙か眼下で繰り広げられる喧嘩の怒号が明治通りの風になりこちらまで届くのだ。大都市の鼓動が徐々に早まるのを感じることができるはずだ。
僕がCIOの外気浴で感じるのは、都会の喧騒というよりは夜市のような落ち着かない感覚と安心感だ。夜市といっても恒川光太郎というよりは、沢木耕太郎の深夜特急に登場する香港のような印象である。つまり着いたばかりの異国のホテルで窓を開けているような興奮している心境に、サウナトランスによる副交感神経優位の状態が重なっているアンビバレンスな状態に近いと推測する。
二つの感情の狭間にいる僕を夜風が包み込んでくれる。真夏に来た時はマンゴーのような甘い香りがした。まるで露天商が、聞き慣れない言葉で旅行客に商談を持ちかけている情景が目に浮かぶようだった。でも10月も近付くと流石に露天商も国に帰ったらしい。
片付けられた風鈴、夕方に買いに行った鯛焼きと包んだ新聞紙の香り、夕焼けと秋あかねと草むらを這う虫たちの足音、子供達が見つけるまでもなく、秋の気配をたっぷり感じた90分だった。
遠くの空にオリオンが見え始める。外気浴が心地よい季節は意外と短い、今年の秋はどこのサウナに行こうか、とても楽しみだ。
[ 埼玉県 ]
皆が楽しんでいた三連休に仕事に勤しんだことで手に入れた振替休日。どう使おうか悩んでいたが、折角なのでキング&クイーンに行くことにした。
平日朝の所沢街道は通勤ラッシュで大混雑だ。運転手のほとんどは疲れ切った表情でハンドルを握っているが、時折嬉しそうに後部座席と会話をしている男性や、仲の良さそうなカップルに遭遇する。そのような車が増えてくると見えてくるのが真新しいキラキラとした看板だ。
スパジアムジャポンと似ているがここにはバレルサウナがある。これを楽しむには岩盤浴に加えてSKY-HIGHプランに入る必要がある。差額700円をどう捉えるかだが、個人的にはSKY-HIGH利用料として1700円なら安いのではと思った。
ロッカーに入り館内着に着替えて3階へ向かう。小雨の降るテラスを帰るとSKY-HIGHの文字が。
急いで来たのにほとんど人がいない。やはり平日初日の悪天候に追加料金を払ってサウナに入る人は少ないのだろう。オープンしたばかりなのでそんなに熱くはないのだろうと思っていたが、チンッチンに熱い。
バレルで寛いでいると他のお客さんが入ってきた。どうもテントサウナで4杯かけて激アツになってしまったらしい。私もストーブに1杯かけたばかりだったので、ここのストーブの反応の良さについてお互い語らう。有給を使ってきたんですよぉ、いや私もなんですよぉ、とお互いニヤニヤ笑う。追加でロウリュしたりタオルを回したりしてお互いアマミ爆発になってコールドルームへ向かった。
つららが形成されるほど冷たいのは中々珍しい。外から見ているとドアが開くたびにMステのような白煙が吹き出すのが面白い。中に入るともう冷凍庫である。中にいたもう1人のサウナーと3人で談笑、曰く1階大浴場の飛び込む水風呂がかなり楽しいらしい。情報提供に感謝して1階へ向かう。
浴室の作りはスパジアムジャポンよりもキャナルリゾートに近い。マッサージや電気風呂が炭酸温泉風呂にあり、通常の露天への出入り口の他に、巨大なサウナが内湯と露天を繋いでいる。このサウナは7段あり、下から見上げると首が痛いほど急斜面となる。奥多摩三大急登よりもキツイかもしれない(嘘)
外に出ると水風呂がある。2mとなると飛び込んでも怪我の危険はないみたいで、むしろ推奨される入り方となっていた。おじさんたちが飛び込んでは泳いで出口から戻ってきて、また飛び込んで…とっても楽しい。ついつい何周もしてしまう。
文字制限が来たので浴室のサウナについては割愛、まだ木材が慣れてないのか反射熱少なめだったのでまた時期を見て再訪します。
Openおめでとうございます❗️
[ 静岡県 ]
ホステル8/32でテントサウナを楽しんだ後は踊り子会館で温泉を堪能。河津桜の時期ほどではないがまあまあの混雑、観光客と言うよりも地元の方が多い印象である。少し熱く感じる内風呂は広々としていて足を伸ばして伸び伸びと楽しめる。
露天にはライトアップされた河津桜が春の訪れを待っていた。花は咲いてなくても揺れる枝葉が影となり、その隙間からキラキラと光が溢れる。湯に浸かっていると何とも幻想的で美しい。
せっかくなのでサウナに入る。横3人とコンパクトだが、高さのある作りなので座ってみると窮屈感はあまり無い。
ホステルに戻るとオーナーと常連さんでキーマカレーを作っていた。皆が買い出しなどしている間に私たちは優雅に温泉に浸かっていたらしい。申し訳なさに少なめに盛ったがあまりの美味さにお代わりをしてしまった。もやしのナムルにキュベツサラダ、デザートにポポーとりんごも頂く。振り返れば私が一番食べていた気がする。全部サウナが悪い。
[ 東京都 ]
無事スクーリングも終わったので久しぶりのCIO活。
マイバスケットでジュースとアイスを選ぶところからワクワクが止まらない、今日は新発売の濃厚リンゴ炭酸ジュースとバニラ棒だ。夜の富士丸に向けて昼食をかなり軽めにしたが、CIOのサウナに入るには血糖値が低すぎると判断した。のちにこの作戦が功を制することになる。
今夜はサクッと90分。手早く体を洗いサウナ室へ急ぐ。ちょうどオートロウリュが始まった。
1時間に4回とは思えないほど石が鳴く。サウナ室に対してストーブがかなり大きいのでロウリュが上から落ちてくるのも早い。この速度感を忘れていた私は2段目でモロに顔面直撃した。急いで1番下の段に下がるが頭皮をチリチリとロウリュが焼く。下茹でをすれば良かったのに完全に判断ミスである。思わず悲鳴が漏れる。幸いにも貸切だったので誰の迷惑にもならなかったが、鳴く石に呼応するように唸るデブはかなり見苦しかっただろう。
キンキンに冷えてる水風呂!この温度差は重要文化財である。氷をスコップでちょっと掬い水面に撒いてそこに突っ込む。その勢いで縁に挫傷してしまった氷の冷たい視線を無視して全身の動脈を解放する。もう堪らない。
カプセルイン大塚名物、大都会の外気浴で気を失いかける。とっくに飲み干したりんごサイダーはビル風に乗り何処かへ飛んで行きたそうだったが、ひとりぼっちな私を哀れに思ったのか椅子の下に隠れてくれた。
[ 東京都 ]
ハーンノルド・ドゲゲンチョネッガー的なジムに入ったは良いが、回数制限などで毎日通えるわけではない。寡黙でマッチョなインストラクターに追い込まれても4日も空いてしまうと教えてもらったことの半分は頭から抜けてしまう。柔道だって毎日毎日反復練習をして技術を身につけるのに、これでは成長出来るわけがない。
そこで市の公営ジムに行ってみたら案外良い汗がかけたのだ。ならばその汗は質の良いサウナと水風呂で流すに限る、と急遽ホームサウナに向かったのである。
大した筋肉痛ではないが、やはり水風呂に入ると冷やされていつもより更に心地よい。脱水状態だった身体に良質な井戸水が染みる。湯船の淵でストレッチをしながら深呼吸をすると湯の炊いた良い香りがする。
あゝ嘉多乃湯よ、これではわざわざ高いお金を払ってジムに入った意味が無いみたいではないか。週に一度はこのルーチンで身体も心も整えたい。とても有意義な1日でした。