茨城のサウナー

2025.07.03

1回目の訪問

豊橋・サウナピア|夜の庭園で、俺は静かに生き返った。

街の中心から離れた場所。
公共交通の手は届かず、地元の人間しか知らないような場所。
そこにぽつりと佇む、時代に置いていかれたような建物。
豊橋の外れ、車でしか辿り着けない“温もりの砦”。
その名は、サウナピア。

何十年と続く老舗。
玄関をくぐると、カウンターにはお爺さんがひとり。
「はじめてです」と告げると、ゆっくり、丁寧に、まるで時が止まったかのような口調で案内をしてくれた。
その優しさに、すでに半分ととのっていた。

この日の訪問は、木曜の深夜。
サウナ室も浴室も完全に貸切。
誰もいない。
なのに、床は濡れておらず、鏡は曇っていない。
しっかりと手入れされている。
サウナパンツ着用式のシステムに、大垣サウナを思い出した。
そして何より――
あの空間には、どこか実家の仏間のような懐かしい匂いが漂っていた。

サウナ室のテレビは消され、音もない。
湿度を抑えた100℃のドライサウナで、じっくりと焼かれる。
熱い。だがそれ以上に、静かだ。
誰も喋らない。何も流れない。
ただ、自分の鼓動と、発汗の音だけが響く。

10分後、火照った身体を引きずって水風呂へ。
冷たい――それだけじゃない。
この水は、全ての雑念を洗い流してくれる“結界”のようだった。

そして、整いの瞬間。
扉を開けた先に広がる、まさかの庭園。
しっかりと屋外。夜風が吹いている。
そこに椅子が置かれていて、完全に貸切。
「ここが天国か」と、本気で思った。

その夜、俺は一泊だけのつもりだった。
だが翌日、気づけばもう一泊していた。
カプセルではない寝床は人を選ぶかもしれない。
だが、それすらどうでもよくなるほどの“何か”が、ここにはあった。

古い施設だ。
だが、古いだけではない。
磨かれていた。整っていた。息づいていた。

豊橋サウナピア。
ここは、過去の記憶と、未来の静けさが交差する場所だった。
俺の心に、深く刺さった。
そして、今も抜けないまま残っている。

茨城のサウナーさんのサウナピアのサ活写真
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茨城のサウナーさんのサウナピアのサ活写真
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