サウナサン
カプセルホテル - 長崎県 佐世保市
カプセルホテル - 長崎県 佐世保市
似た感覚は9年前に得ていた。
仕事中に腹膜炎を起こし、救急車で病院に搬送された時だ。
鎮痛剤の点滴が効かず、痛みに悶える姿を見兼ねてか?医師がモルヒネを打ってくれたのだ。
冷たい水面に全身から浸っていく浮遊感と目の前が真っ青になる感じ。
一瞬で痛みは消えた。
モルヒネや薬物中毒症に加担するのではないが、それだけの冷却感と全身の引き締まる思いをシャンプーとボディーソープそしてサウナサンで得た。
サウナサン。
本日は大雨なり。
朝はチェックアウトする方々の話が聞き漏れてきた。
どうやら福岡からの少人数グループでのサウナ旅のようであった。
キャビナスの話もでていた。
また別のグループからは如何にサウナサンで整えたかをお互いが話し合っている。
関東からの方もいた。
食堂から漏れ聞こえた会話には空港から飛行機で帰るという。
偶然、受付で居合わせた私は短い距離でもタクシーを勧めた。
私も列車の時間があり先にタクシーに乗り込んだが、パソコンを忘れたことに気が付きUターン。
再度タクシーに乗り込み、一路佐世保駅へ。
JR佐世保線は運休であった。
再開の目処は立っていないという。
月曜日。もう福岡へ戻る気力はなかった。
2度目のUターン。
受付の方、スタッフの方に「お帰りなさい」と労いの言葉をいただく。
大雨の中のバタバタ劇に疲労、2階の休憩室で横になる。
16時。カプセルの移動が叶い部屋にて休む。
19時半。
食堂が社長食堂となり、噂のラム麻婆を頂く。
お試しと生ビール。雨で帰れなかったことを忘れる時間となった。
社長はとてもできた方で、名も知らぬ私にも色々とお話ししてくださった。
サウナサンの昔を私はある商店主から聞いていた。客層にしてもサウナ自体の品格としても以前とはまるきり違う。佐世保にあって唯一のサウナになってしまったが独占に驕らず、今の社長とスタッフが一生懸命努力したんだ、と佐世保のその方は教えてくれた。
私は喋りがうまい方ではない。なぜ本人にそう聞いたことをちゃんと話せなかったのか?
食堂にお客さんが増え、社長が応対している隙に私は辞した。
掃除の徹底。浴室もトイレもすごく清潔だ。
モダンや煌びやかな内装は人目をひき、食い始めは良いが食べ続けたいとは思わない。
古い施設だがそこに品格が、ある。
その節はありがとうございました。受付でタクシーを勧めて頂いた者です。おかげさまでほとんど雨にも濡れず帰路に着くことが出来ました。 サウナサンは本当に素晴らしい施設でした。旅の最後に素晴らしいサウナ体験が出来ました。そしてその最後の最後に頂いた優しさに感謝します。
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