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2020.03.17

2回目の訪問

サウナ:7-9
水風呂:3-3
休憩:12-7

前日から菊水湯−90年の歴史に幕を閉じようとしている−へ向かうことを決めていた。

サウナイキタイは素敵な活動日誌で溢れている。皆思い思いに銭湯への愛を語り、そこで体験した恍惚体験と自問自答の末を文字起こしする様は伝道者のよう。
その活動日誌で菊水湯閉店のことを知った。

この数ヶ月、綱渡りのような日々を過ごしているが、現在佳境を迎えている。その状況下でとんでもない落とし穴を見つけてしまう。最適なリカバリー策は浮かばず、月曜が来るのを酷く恐れていた。

ところで銭湯は優しい。憂鬱で鬱屈とした者たちにとっては殊更に優しいと思っている。
明日がどんな日になるのか想像できないが、何はともあれ菊水湯に向かうしかないと思って日曜の夜の布団に入った。

そんな翌日、結局菊水湯の閉店に間に合わず月見湯に向かったという話。
–––––
入店。
いつも明るい番台の方が迎えてくれる。
着替え、浴室へ。

昨日恐れていた落とし穴は、偶然や奇跡のようなものに助けられ一命を取りとめた。予想していなかった最高の1日の終わり。
ここで気を抜かず駆けぬけよう。一命をとりとめた安堵と未だ終わらない綱渡りへの不安とで変な気持ち。そんな状態で1セット目のサウナと水風呂を終え休憩へ。

そんな精神状態だったからなのだろうか。このときの休憩は今まで体験したことのない多幸感だった。
白んだ視界、銭湯リバーブで歪んだ歌謡曲、目の前でせせらぐ浴槽、左右隣で同じく浸っている人々、全てが心地よく幸せで、丁寧にキマってしまった。
そんな時間が約10分。飛行時間としてたぶん最長。

同じ浴室内で同じように微睡んでいる人々。
それぞれの背景の中で何かからの解放を求めているのだとしたら、この空間はなんて素晴らしいのだとよく分からない視点で感慨に浸る。キマってる状態だからしょうがない。

ILL-BOSSTINOの言葉が思い浮かぶ。
「誰の事を言ってるんだ?あのプレシャスホールのダンスフロアで自分の心の解放のために踊っているあの素晴らしい人達のことを言ってるのか?」
これは昔、BOSSとBIGJOEとのビーフ状態の一節だけど、
月見湯の浴室とプレシャスのダンスホールが一体となってしまって多幸感に拍車をかける。これもキマってる状態だからしょうがない。

徐々に収束へ。明日も頑張ろう。そう思えた。
そして今度こそ菊水湯に行こう。

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