GREENITY IWATA
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
雨上がりの朝。
梅雨の名残を含んだ空は、どこかまだ眠たげに曇っている。
ジメッとした湿気が肌にまとわりつき、風さえ水を孕んで重たく、やわらかく頬を撫でていく。
昨日も来たのに、また今日も。
そう。昨日の湯けむりがまだ身体に残っているというのに、私はまた、磐田市のグリニティイワタへと向かっていた。
繰り返すようでいて、どこか違う。そんな時間の流れが、私をここに引き寄せる。
磐田市といえば、あの長澤まさみの出身地。
けれど私にとっては、この街は「静けさ」と「ととのい」をそっと手渡してくれる場所である。
エントランスの自動扉が開くと、空気が変わる。
いつものアロマが、やわらかい霧のように包み込み、記憶の奥に降り積もる香りが立ちのぼる。背筋がすっと伸びて、現実と非現実の境界線があいまいになる。
今日の男湯は「Daichi」
昨日の「Sora」が空に溶けるような浴室だったなら、Daichiは地の深みに沈むような場所。
黒を基調にした直線的なデザインは男性的で、まるで夜の静けさを湛えた器のようだ。
照明の反射が湯面に揺れて、天井までもが水中にあるかのように見える。
今日も泡立ちの良いシャンプーとボディソープで身を浄め、身体をそっと湯に委ねる。
モール温泉は、今日も深く黒かった。
とろりとした湯が肌を包み、ぬくもりが静かに内側へと降りてくる。
目を閉じれば、時間がゆるやかに崩れていくのがわかる。
湯けむりの向こう、世界がひとつ深呼吸をする。
次に向かうのは、サウナ室。
Soraと同じく、ここにもテレビも音楽もない。
聞こえるのは、オートロウリュの水滴が石を打つ音だけ。
湿度の高さとしっかりとした熱が身体を包み、静けさが濃密な霧のように心を覆っていく。
雑念は少しずつ蒸発し、自分の中心にだけ、音もなく還っていく。
そして、冷たい地下水に満たされた水風呂へ。
肌をそっと撫でるような冷たさは、鋭くもあり、やさしくもある。
表示はないが、体感で17℃ほど。これは冷却ではない、例えるならば調律だ。思考の棘を落とし、感覚を澄ませてくれる。そんな水風呂。
仕上げは露天の外気浴。
雨上がりの風が、しっとりと肌に触れてくる。木々の葉は濡れ、色が濃く、輪郭は淡い。
空を仰ぎながら息を吸うと、すべてが静かに輪郭を失っていく。
思考は薄れ、名前も言葉もいらない。
ただ「いま、ここに在る」という感覚だけが、そっと胸の奥に灯る。
日常の延長線上にある、ほのかに夢じみた場所。
ここには、世界と自分とのあいだにある“余白”が、静かに息をしている。
また今日も来てしまった。
でも、それでいい。
心が、静けさに、会いたがっていたのだから。
また来週。
以上
男
今日は偶然ありがとうございました〜。しかもキーホルダーまで。欲しいな〜って思っていたので嬉しかったです!
久しぶりの偶然ありがとうございました! 偶然キーホルダーはサウナのお供に是非!またお会い出来る日を楽しみにしてます。
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