清春湯
銭湯 - 東京都 中野区
銭湯 - 東京都 中野区
西新宿や中野坂上といった大都会からも程近い場所にありながら、閑静な住宅街を形成する中野弥生町。
そのただ中、街灯もまばらな暗闇の路地を自転車で走っていると、ひっそりと現れる「ゆ」の文字。
失礼だが、外観はどこにでもある普通の銭湯サウナ。それも特に小さめの施設。
番台に料金を払い、脱衣所へ。
運良く(?)、1番のロッカーをゲット。
浴場は比較的狭く、お湯の種類は実質1種類。
最近だと地下水を使っていたり、薬湯があったり、中には温泉というところもあったりするが、ここのお風呂はごくごく普通の水道水。塩素臭強め。
塩素のおかげかどうかは知らないが、浴槽内や洗い場はとても綺麗。古さは全く感じない。
さあ、いよいよサウナ室。今年の8月に板が張り替えられたばかりという室内は、とにかくピカピカ。
明るすぎず暗すぎずのちょうどいい照明に、90度かつ、オートロウリュで適度に保たれた丁度いい蒸し暑さ。特に上段は良い感じに熱を感じる。
8人制限がかかっていながら10人は入れそうな広さがあり、空間にはゆとりがある。
5分計の砂時計を返し、じっくりと時間が過ぎるのを待つ。テレビを見ながらだと、あっという間にそのときはやってくる。
と、ここまででも充分に良いのだが、驚くのはここから。
水風呂。これがとても冷たい。私の入ったときは13.5℃。入って2秒で、熱でだらけた全身の末梢が、ぐわっと目を覚ますのがわかる。
銭湯でここまでの冷たさは感じたことがない。
ここ半年ほどは20℃前後の水風呂に2〜3分というゆとりルーティンが定着していたこともあり、30秒で限界。震える脚を引き摺るようにしながら、露天へ逃げる。
露天風呂はとても狭い。浴槽のへりで休憩するが、狭すぎて外気はほとんど下りてこない。
それでも、外は住宅街。騒音もほとんどないので、静かな空気に耳を澄ますだけで、頭が冴えていく感じがする。
露天風呂に浸かってリセットする。湯温は40度いくかいかないかで、露天としては低め。
水風呂で感覚がおかしくなっていることもあり、体感はほとんど不感に近い温度になる。
これがなんとも心地良い。
湯舟からは電信柱と暗闇以外何も見えなかったが、不思議と心が落ち着く。
湯舟から上がる際、柵の外に目をやると、丸い月が暗闇に浮かんでいて、なんとなく「ラッキー」と思った。
男
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